アメリカにおける日本酒市場の拡大 ~久保田のブランド確立~ 塚田ゼミナール Dチーム 安東裕貴 伊藤愛 古家裕一 松本崇志 2015/10/1 1 はじめに 日本が誇る伝統食文化としての「日本酒」 日本酒消費量推移 単位:万KL 150 120 90 60 30 0 2015/10/1 H.4 日本酒を衰退 させてはならない H.9 H.12 H.14 2 はじめに 新規市場:アメリカ 日本酒の海外市場への浸透 ブランドの確立が必要 「久保田」ブランドの確立に伴う マーケティング戦略とは?? 2015/10/1 3 第1章 日本酒とは 2015/10/1 4 1-1 日本酒の定義 酒税法 第3条3号 「清酒」とは・・・ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させ こしたもの 米、水及び清酒かす、米こうじ、その他政令で定 める物品を原料として発酵させて、こしたもの 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの 2015/10/1 5 1-2 日本酒の分類と特徴 特定名称酒 精米歩合 原料 特徴 吟醸酒 60%以下 白米・米麹・水・醸 造アルコール 固有の香味及び色沢が良好 純米酒 70%以下 白米・米麹・水 香味及び色沢が良好 お米だけで造られたお酒 本醸造酒 70%以下 米麹・醸造アル コール・水 香味及び色沢が良好 分類よりも ブランド認識が重要! 2015/10/1 6 1-3 日本酒の歴史 江戸時代:庶民に広く認知され 日本酒が最も飲まれた 個別のブランド ではない! ↓ ・海運の発達(樽廻船) ・問屋組織の確立 ・参勤交代などによるストレス発散 ※産地の酒として流通 例)伏見の酒 灘の酒 2015/10/1 7 1-3 日本酒の歴史 戦後:経済発展と共に酒類の消費も伸びる しかし 昭和50年をピークに激減 一級・ 月桂冠 ・オイルショックによる不景気 特級酒 菊正宗 ・食生活の欧米化 久保田 ・労働環境の変化 (千寿) ・様々なアルコール飲料類の登場 級別制度:昭和18年~平成4年 国家財源として、酒税確保のための制度 2015/10/1 8 第2章 日本酒の市場 についての現状 2015/10/1 9 2-1 国内での日本酒の変化 ・製造状況 需要の不振により製造数量は減少 平成4年 1,036,992kl 平成15年 633,369kl 不振の原因 ・景気の低迷、低アルコール志向 ・ワイン、焼酎、泡盛等のブーム 2015/10/1 10 日本での酒類の消費量 清酒は0.63倍に減少 焼酎は1.75倍まで増加 単位:KL 3000000 2500000 平成4年 平成15年 2000000 1500000 1000000 500000 0 2015/10/1 清酒 焼酎 発泡酒 11 年代別の消費量 単位:KL 70000 60000 清酒 焼酎 麦酒 ウイスキー ワイン 発泡酒 その他 50000 40000 30000 20000 10000 0 20代 2015/10/1 30代 40代 50代 60代 70代 日本酒(清酒)の消費量は 60代を中心とする高齢者 が多く、20代、30代の消12 費量はきわめて低い 2-2 日本酒の輸出相手国について 内円:価格 外円:数量 単位:% 1992年の国別構成比 24 5 6 7 4 8 8 2015/10/1 25 30 34 30 台湾 カナダ 2002年の国別構成比 22 22 アメリカ ドイツ 香港 その他 28 42 26 3 5 2 3 11 11 27 17 アメリカ カナダ 台湾 中国 香港 その他 13 <台湾で受け入れられた理由>(1992年データより) ①台湾産の清酒が認知されていた ②酒輸入解禁による規制緩和(1991) ③紹興酒→日本酒 <台湾向けのシェアが縮小している原因> 2002年より酒類の製造・輸入の完全自由化 国産清酒の製造を優先 2015/10/1 14 <アメリカで受け入れられた理由>(2002年データより) ・1973年 円が変動相場制に移行 アメリカに日本人駐在員が増加 ・1980年代 日本食ブーム Sushiバーや日本食レストランなど、日本食に触れる機 会が増える 2015/10/1 15 第3章 アメリカ市場での 今後のマーケティング戦略 2015/10/1 16 3-1アメリカの日本酒市場 アメリカにおける日本酒市場の現状 ・政府に登録されている銘柄は300種類以上 ・日本酒=熱燗 ・アメリカで飲まれる日本酒には日本産とアメリカ産がある ・アメリカの酒税法 →各州ごとに違う(カリフォルニア州 においては、日本酒はワイン扱い) 日本酒の販売経路 メーカー 卸売業者 小売店 消費者 消費者は小売店からしか購入 することが出来ない 2015/10/1 17 日本酒を飲む事のできる店 ・日本食レストランやSAKEバー 約4500店舗以上(2001年データ) ・日本食以外のレストラン(フレンチ、中華など) 在米の日本人をターゲットとしていた 現地の外国人顧客も増加傾向にある 2015/10/1 18 世界唯一の日本酒専門店 「TRUESAKE」 所在地 カリフォルニア州 サンフランシスコ 品揃え 男山、八海山など 100種類以上の銘 柄を扱っている 価格 約9$~200$ 設備 リーチイン数台保有 店内 2015/10/1 日本酒の需要は 日本の酒屋イメー ジとは違う高まってるといえる 19 3-2米国月桂冠の事例 設立 1989年(平成元年)にアメリカ のカリフォルニア州に、味の 素㈱メルシャン㈱との合併で 設立 製造・販売数量 年間 約2,200kl(製造約27.5%) (消費 約30%) 2015/10/1 20 米国月桂冠の4P分析 プロダクト 原料はフォルサムレイク水、カリフォルニア米 パッケージはビン、紙パックを使用 プライス 1,500ml $6~8 (650~900円) 750ml $4~5 (450~550円) 180ml $13 (約1450円)・・・レストランなど 日本では・・・ 1,500ml 1500~2500円(佳選~超特選壜詰) 720ml 970円(ヌーベル月桂冠壜詰) アメリカ産の日本酒 低価格・低品質 プレイス プロモー ション 2015/10/1 大手スーパー・リカーショップ・日本食レストラ ン 新聞・雑誌等 21 世界中はおろか アメリカ全土にも日本酒は浸透していない・・・ 大手企業の戦略は 失敗だった ・日本酒輸出初期に『温めて飲むユニークな酒』と宣 伝を行った ・アメリカ産の低価格・低品質の日本酒を浸透させて しまった 日本酒=『熱燗・低価格・低品質』 低品質日本酒ではなく高級日本酒ブランド の確立こそが新規市場拡大の鍵 2015/10/1 22 3-3アメリカでの新たな マーケティング戦略 「久保田」について ・販売元:朝日酒造(新潟県) ・1985年に発売 地酒ブームの火付け役に ・6種類にランク付け (百・千・萬・紅・翠・碧寿) ・「久保田会」という独自の小 売組織の形成 2015/10/1 23 「久保田」の4P分析 プロダクト 「朝日山」より高級で「越乃寒梅」に勝り、 洋酒にも勝てる酒をコンセプトとした高級地酒 プライス 価格:2,047~8,190円(1,8ℓ) →大手メーカーに比べ高価格設定 萬寿:8,190円 碧寿:5,092円 翠寿:2,835円(720mℓ) 紅寿:3,360円 千寿:2,467円 百寿:2,047円 (希望小売価格、含消費税 翠寿以外1,8ℓ) プレイス 「久保田会」を組織して、閉鎖的限定供給を実現 プロモー ション 大規模な広告はせず、口コミによるプロモーション 2015/10/1 24 「久保田」ブランド確立への提案 日本の酒蔵で飲む!! 日本でしか飲めない本物の日本酒 ・希少価値を高める ・生産上の問題 ・他の日本酒との差別化 ビジットジャパンキャンペーンに 参加を提案 2015/10/1 25 観光立国行動計画 3分の1 平成14年 海外を訪れた日本人旅行者数=1,652万人 日本を訪れた外国人旅行者数=524万人 日本政府の対策 ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC) ・国土交通省の呼びかけによる国をあげての対策 ・主要20カ国(アメリカ・韓国・中国など)で促進キャンペーン ・小泉首相の訪問促進TVコマーシャルなど アメリカ→展示会に日本文化ブースの展示 米国旅行雑誌との提携 2015/10/1 26 日本航空(JAL)のVJCへの協力 ・日本酒の空輸 提携している蔵元:宇都宮酒造(栃木県)、玉乃光酒造(兵 庫県)、酒田酒造(山形県)など ・国際線の機内誌に酒蔵の紹介記事を掲載 ・機内での飲酒、試飲 ・「Sakeツーリズム」 松江市(島根県)や二本松市(福島県)など五箇所 2015/10/1 27 「久保田」ブランド確立への提案 高品質な商品「久保田」の提供 《VJCへの参加》 ・展示会での新潟専用ブースの展示&試飲会 価値を保ったまま ・米国旅行雑誌での特集 十分な宣伝効果が期待 《JALの蔵元めぐりツアーへの参加》 ・「久保田」+新潟の自然・伝統文化 →できたて「久保田」の試飲会(飲み方の紹介&飲み比べ) →四季に合わせた飲む環境の提供 「久保田」の認知! 2015/10/1 28 おわりに コンセプト:日本でしか飲めない本物の日本酒 ターゲット:日本に興味のあるアメリカ人 消費者 レストラン関係者 VJC↓ ↓ アメリカで『久保田』が 久保田ツアー ↓ ↓ 根付くことによって 興味・関心 知識 日本酒という食文化の定着 久保田ブランドの認知・確立へ その後 2015/10/1 アメリカ国内での販売→ツアー参加レストラン 指定小売店 29
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