発達心理学への招待

教育心理学
第11回
個人差
アナウンス
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休講
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7/10(木)
補講
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7/5(土)4限:自習(自由参加)
7/5(土)5限:第12回(通常の授業)
今日の流れ
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知能
パーソナリティ
個人差に合わせた指導
知能
知能の構造に関する理論
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スピアマン(1904)の階層因子説
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一般因子:全ての知的活動に共通に働く因子
特殊因子:知的活動ごとの固有の能力
サーストン(1938)の多因子説
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7つの基本的知能因子を同定(一般因子は否定)
言語、語の流暢性、空間、数、記憶、帰納的推理、知
覚
知能の構造に関する理論
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キャッテル(1963)の流動性・結晶性知能
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流動性知能:新しい場面への適応に際して働く能力
結晶性知能:過去の学習経験の積み重ねによって獲
得された知能
ギルフォード(1967)の知性の構造モデル
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収束的思考:論理的に一つの解答に辿りつくための
思考
拡散的思考:様々な問題解決の可能性を探索するた
めの思考
知能検査
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ビネー式知能検査
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1916年に開発されたスタンフォード・ビネー検査をも
とに発展(日本では田中ビネー検査が広く利用)
知能を「注意力、理解力、判断力、推理力などの総体
」として捉える
精神年齢を生活年齢で割り、100をかけることで知能
指数(IQ)を算出する
知能検査
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ウェクスラー式知能検査
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1939年に開発されたウェクスラー・ベルビュー検査か
ら発展
児童用のWISCと成人用のWAISが広く利用される
言語性知能と動作性知能を独立に評価
該当する年齢区分の平均値と標準偏差に基づいて
IQを算出する(偏差値と同様の算出方法)
正規分布とIQ
55
70
85
100
115
130
145
新しい知能観
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ガードナーの多重知能理論
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言語的知能
論理数学的知能
音楽的知能
身体運動的知能
空間的知能
対人的知能
内省的知能
パーソナリティ
パーソナリティの理論
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類型論
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ヨーロッパで発達した
複数の類型(タイプ)を立て、個人がそのいずれの類
型に属するかによってパーソナリティを理解するもの
特性論
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アメリカで発達した
複数の構成要素(特性)を想定し、その程度によって
パーソナリティを理解するもの
特性論の発展
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キャッテルは、因子分析の手法を用いて16の性
格特性を見出した
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因子分析:多数の変数の背後にある少数の因子を見
出そうとする統計的手法
アイゼンクは、外向-内向、神経症傾向、精神
病傾向の3因子に整理した
ビッグファイブ理論
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外向性-内向性
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外界に積極的に働きかけるかどうか
アイゼンクの外向-内向に対応
外向性:積極的、刺激を求める、活動的、無謀
内向性:控えめ、刺激を避ける、臆病、気後れが強い
ビッグファイブ理論
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愛着性-分離性(協調性)
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周りの人に共感しやすいか、自主独立の道を進むか
愛着性:集団主義的、共感性、思いやり、親和的、追
従
分離性:個人主義的、独自性、競争的、批判的、敵
意、自閉的
ビッグファイブ理論
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統制性-自然性(勤勉性)
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はっきりとした目的や意志を持って物事をやり抜こう
とするか
統制性:意志が強い、勤勉、強迫的、仕事中毒
自然性:寛容、こだわり・執着心のなさ、無気力、怠惰
ビッグファイブ理論
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情動性-非情動性(神経症傾向)
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危険や不快な事象に敏感に反応するか否か
アイゼンクの神経症傾向と対応
情動性:情緒不安定、緊張、神経症(ノイローゼ)にな
りやすい
非情動性:安定、感情が平板
ビッグファイブ理論
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遊戯性-現実性(開放性)
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イメージや思考などが豊かか否か
遊戯性:遊び心、好奇心、浮世離れ、夢想・妄想
現実性:現実的、堅実、着実、権威主義的
個人差に合わせた指導
適性処遇交互作用
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学習者の適性によって、
効果的な教育指導の方
法が異なること
パーソナリティと教授法の
交互作用(Snow et al.,
1965)
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対人積極性の程度
映画/教師による指導
適正処遇交互作用
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知能と教授法の交互作用(
Sharps, 1974)
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知能
従来の教授法/IPI(個別指
導)
ミニレポート
テーマ(1つ選択)
1.
2.
3.
ビネー式知能検査とウェクスラー式知能検査
の違いについて説明せよ
ビッグファイブ理論に基づいて、自らのパーソ
ナリティについて具体例を挙げながら考察せよ
パーソナリティと教授法の交互作用に関する
Snow et al.(1965)の実験の方法、結果、結論
について説明せよ