スライド 1

2010年6月26日
星空案内お持ち帰り
資料
やまがた
天文台
作図はアストロアーツ製
ステラーナビゲータを
利用
6月21日に夏至
日の入りは19:08
です@山形
今日は満月ですが
部分月食です。
国際宇宙ステーション
(ISS)20:13-20:19
山形上空通過予定
担当:
星空案内人 柴田神秘絵
おとめ座
のお話
岩波ジュニア新書「ギリシャ
神話」(中村善也、中務哲郎
著) を用い要約したので、詳
しくは原本を参照ください。
(柴田)
(絵: 福島 茂良)
デーメーテールのデーは大地の意味でメーテ ール
(meter)は英語のマーザーにつながってお り母の意味
です。ですから、穀物の育成を司る 大地母神です。
デーメーテールはゼウスとの間にペルセポネ をもうけ
ますが、この娘を、こともあろうに 冥界の王ハデスが花
嫁にと望み、ゼウスも兄 のその願いを聞き入れます。
これはまずい展 開ですね。 そんな事情を知らないペル
セポネは野辺で花 摘みをしていました。すると突然大
地が割れ て、冥界の王ハデスが黄金の馬車に乗って
あ らわれ、泣き叫ぶペルセポネを連れ去りまし た。娘
の叫び声に驚いたデーメーテールはか けつけ探します
が娘の姿は見つかりません。 九日九夜、食事もとらず
地上のすみからすみ までさまよい歩きますが、何ひと
つ手がかり は得られませんでした。 しかし、天空からす
べてを見ていたヘリオス (太陽)が真相を教えます。し
かし、娘を連 れ去ることを了解したのはほかならぬ夫
ゼウス であったことを知って、デーメーテールの 怒りは
ゼウスに向けられます。彼女は神々の集 うオリュンポ
スの峰を去って、人間の世界に降 りていってしまいます。
そして、エレウシスと いう所で自分を祀る社殿を作らせ、
そこに身を 隠して、娘を恋うるあまりやせ細ってゆくの
で した。
大地母神デーメーテールがやせ細るということ
は 大地がやせ細ることです。畑では麦の実ひと
つ稔 らなくなってしまい、飢えのために人間が滅
びそ うになります。そして、神にささげる物もなく
な ります。 人が神にささげる物がないと神が困
るというのは クスッと笑える話なのですが、とに
かく、ゼウス は困ってしまい、神々に命じ、デー
メーテールに 神の集いに戻るよう説得させます。
彼女は娘と再 会するまでは決して天にも昇らず、
大地に稔りを もたらさないと答えます。困ったゼ
ウスは、神々 の使者ヘルメスをハデスのところ
に急行させ、ペ ルセポネを母親のもとに返すよう
たのませます。 ハデスはゼウスの命令におとな
しく従うかのよう でした。しかし彼は、母の胸に
帰ることができる 喜びで有頂天のペルセポネに、
こっそりとザクロ の実を食べさせます。さあ、冥
界のものを食べる ことは由々しいことです。 日
本書紀にも似た考えが出てくるのですが、あの
世の食べ物を口にしたものは二度とこの世に戻
れ ないと信じられていました。あの世に行ってし
ま ったイザナミノミコトが夫のイザナギノミコトに、
「なんではやく助けにきてくれなかったのよ。私
はもうあの世の食べ物を口にしてしまったじゃな
いの。」と言ったという話があります。 こうしてペ
ルセポネは冥界を離れられないことに なります。
しかし、ゼウスが彼女に対し、一年の 三分の一
を夫ハデスのもとで過ごし、三分のニは 母や
神々のそばで暮らすことをゆるしましたので、 よ
うやくデーメーテールの怒りもとけ、畑もふた た
び麦の穂を出し始めたのです。 これは一年間の
麦の成育を説明する話になってい ます。大地母
神のデーメーテールの娘ペルセポネ は麦にほ
かならず、秋に蒔かれて地下に身を隠し、 春先
に芽をふいて帰還するという自然の推移が、 哀
切な母親の物語として語られているのですね。
小惑星探査機
「はやぶさ」君の
旅
画像:JAXA提供