2012年2月14日卒業論文発表 東京都市大学 環境情報学部 環境情報学科 中原秀樹研究室 0831172 原澤 雄司 1 目次 ○研究背景 ○研究目的・方法 ○実態調査 ホームページ調査概要・結果 (情報公開度調査) アンケート調査概要・結果 ○考察・提言 2 研究背景 □グリーン購入は環境問題を「入口」から解決する手段である 循環型社会形成のために・・・ 出典;環境省HP http://www.env.go.jp/policy/hozen/green /g-law/guideline/torikumi15.pdf グリーン購入が求められている 3 グリーン購入が普及すると・・・ 持続可能な社会になる。 出典;環境省「グリーン購入取り組みガイドライン」http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g- 4 地方自治体がグリーン購入を行うことの重要性 省エネ・省資源、廃棄物削減など、地方公共団体の 期待できる効果 事業 活動に伴い環境負荷を低減できる。 地方公共団体は、住民との接点も多く、地域に活動 を 普及させることで地域としての環境負荷を継続的に 低減 できる。 行政コスト(物品等の調達コスト、消費エネルギー コスト、廃棄物処理コストなど)が削減できる。 etc・・・ 5 地方公共団体のグリーン購入の取組み 出典:環境省地方公共団体のグリーン購入に関するアンケート http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=17712&hou_id=13892 どれか一つでもグリーン購入に組織的に取り組んでいる地 方公共団体の割合は全体の 73.8%となり、前年と比べ 0.7 ポイント増加 6 区市、町村の広がりがまだ弱い。 調査目的・方法 環境省「循環型社会形成推進基本計画」 • 平成27年度までに全ての地方公共団体が組織的 にグリーン購入を実施することを目標とする ・グリーン購入に関する情報開示の実態 ⇒ホームページ調査 ・都道府県・政令指定都市・環境モデル都 市の グリーン購入の取り組みの実態 ⇒アンケート調査 7 調査概要 調査対象: 47都道府県、19政令指定都市、13環境モデル都市 (横浜市、堺市、北九州市、京都市は政令指定都市と重複している) 調査期間: 平成23年7月~平成23年12月 調査項目: ①ホームページ調査 HPにおけるグリーン購入の公開の有無 1、平成23年の調達方針の有無 の有無 3、公表方法 4、クリック回数 2、平成22年の調達実績 5、住民への普及活動 ②アンケート調査 地方自治体からの意見や課題、啓発活動など 8 ホームページ情報公開度結果 31.90% 都道府県 (47) 85.10% 26.30% 政令指定都市 68.40% (19) 23.10% 23.10% 環境モデル都市 (13) 0% 10% 20% 30% H22年度調達実績 40% 50% 60% 70% 80% 90% H23年度調達方針 【課題】環境モデル都市の公表率の低さ 調達実績の公表率の低さ 9 9 ~調達方針の公表数~ 50 45 40 42 39 38 45 41 都道府県 (47) 40 政令指定都市 (1 9) 35 環境モデル都市 (1 30 3) 25 17 20 15 10 5 0 12 9 8 0 0 0 13 12 3 6 3 調達方針の公表が、 徐々に広まってきてい ることがわかる。しかし、 昨年度のものから比較 するとすべての団体で 下がっている。 10 ※2011年12月分までの都道府県・政令指定都市・環境モデル都市の結果 10 ~調達実績の公表数~ 35 30 都道府県 (47) 30 政令指定都市 (1 9) 25 環境モデル都市 (1 22 3) 21 20 18 16 15 10 5 4 6 6 5 1 6 1 0 ※2011年12月分までの都道府県・政令指定都市の結果 3 調達方針、実績の公表が 減少した原因として震災 の影響を考えたが、影響 があったのは岩手県の1 団体だけであったため、 減少原因は職員の意識低 下であると思われる。 11 点数付けによる評価(HP調査) グリーン購入の基本情報 住民への普及啓発活動 5点 3点 市民向けのグリーン購入の基本情報 +キャンペーンイベント等の情報の掲載 市民向けのグリーン購入の基本情報orキャ ンペーンイベント等の情報の掲載 なし 普及啓発活動 1~3回 4~6回 7~回 3 グリーン購入に関する情報を掲載しているが、 2 H22 調達方針 まとめたページは存在していない場合 0 クリック回数 詳細な情報が掲載されてるか? 品目別に集計 分野別に集計 全体で集計 集計なし 1点 5 H21 調達実績 実績表示方法 5点 3点 1点 0点 グリーン購入に関する情報をまとめたぺ-ジ が存在しているが、グリーン購入基本方針・推 進方針の掲載がない場合 1 アクセスのしやすさ 5点 3点 1点 3点 HP・ 基本方針 4 0点 グリーン購入に関する情報をまとめたページ が存在していて、尚且つグリーン購入基本方 針・推進方針を掲載している 5点 H23年度の方針 5点 4点 3点 2点 1点 0点 H22年度の実績 7月から公表 8月から公表 9月から公表 10月から公表 11月以降に公表 公表なし 12 12 ホームページ調査 ①都道府県 BEST3 WORST3 1位 23点 (山形県、広島県) 1位 0点 (群馬県、千葉県、兵庫県) 2位 22点 (栃木県、新潟県) 2位 3点 (秋田県) 3位 21点 (宮城県、神奈川県、石川県, 奈良県、大分県) 3位 4点 (宮崎県) HP・基本方針 普及啓発活動 5 4 3 2 1 0 H23年度 調達方針 HP・ 5 基本方針 4 宮城県 普及啓発活動 3 2 山形県 1 0 神奈川県 H23年度 調達方針 群馬県、千葉県、 兵庫県 秋田県 宮崎県 広島県 クリック 回数 実績表示方法 H22年度 調達実績 クリック 平均 回数 調達方針公表率: 85.1%(前年度 91.8 %) H22年度 調達実績 平均 実績表示方法 都道府県平均値 14.3点 13 ホームページ調査 ②政令指定都市 BEST3 WORST3 1位 25点(横浜市) 1位 0点(静岡市、京都市、大阪市、北九州市) 2位 22点(新潟市) 2位13点(札幌市、仙台市、千葉市、相模原市、 神戸市) 3位 20点(名古屋市) 3位 14点(岡山市) HP・基本方針 普及啓発活動 5 4 3 2 1 0 H23年度 調達方針 横浜市 普及啓発活動 新潟市 名古屋市 5 4 3 2 1 0 平均 クリック 回数 札幌市 HP・基本方針 H22年度 調達実績 調達方針公表率: 68.4%(前年度 89.5%) 仙台市 岡山市 H22年度 調達実績 クリック 回数 実績表示方法 H23年度 調達方針 静岡市、京都 市、大阪市、 北九州市 平均 実績表示方法 政令指定都市平均値 12.8 点 14 ホームページ調査 ③環境モデル都市 BEST3 WORST3 1位 25点(横浜市【GPN参 加】) 1位 0点(京都市【GPN参加】北九州市【GPN参加】 千代田区、宮古島市、檮原町、下川町 豊田市) 2位 18点(富山市【GPN参 加】) 2位 5点 (帯広市) 3位 15点(堺市【GPN参加】) 3位 8点(飯田市【GPN参加】 水俣市【GPN参加】) 普及啓発活動 HP・基本方針 5 H23年度 4 調達方針 3 2 1 0 HP・基本方針 5 4 富山市 3 普及啓発活動 2 横浜市 1 0 帯広市 H23年度 調達方針 堺市 クリック 回数 H22年度 調達実績 水俣市 クリック 平均 回数 実績表示方法 調達方針公表率: 23.1%(前年度 46.2%) 京都市、千代田区、宮 古島市、檮原町、下川 町、豊田市、北九州市 飯田市 H22年度 調達実績 平均 実績表示方法 環境モデル都市平均値 6.1 点 15 アンケート調査結果 アンケート回収率 都道府県:61.7% (29/47県) 政令指定都市:73.7% (14/19市) 環境モデル都市:69.2% (9/13市町村) 100% 80% 91.50% 78.90% 60% 公表している市区町村は、 横浜市や富山市などの 地方中心都市に留まっている。 63.80% 68.40% 46.20% 46.20% 40% 20% 0% 平成23年度調達方針制定 都道府県 政令指定都市 平成22年度調達実績 環境モデル都市 環境モデル都市の小規模市町村などには広まっていな い! ⇒環境省が環境モデル都市の制定要件に グリーン購入の取り組みを入れるべきである 16 アンケート調査 ―自治体からの意見― 浜松市 ・グリーン購入の対象となる製品の基準が専門的で難しい。 ・課部局ごとに調達が行われているため、一括したグリーン購入が できない。 ・グリーン購入を推進した場合の効果が分かりにくい。 京都市 ・行政だけでなく,事業や国民があたりまえに取り組めるグリーン購入の システムづくりや取組が必要であると考えます。 堺 市 ・現在の物品購入は各局部課での商品調達となっているため、 一括購入による単価低減が難しい。 ・文具については、環境物品かどうかの判断基準が詳細に決められて いる為、実際に購入する原課にとっては時間(手間)が掛かってしまう。 広島市 ・本市のグリーン購入に係る判断基準の設定は、国の判断基準に準じて 設定し ており、国の改正に伴い毎年改正しているが、年々判断基準が複雑で細かな設定 となっていることから、購入担当者の理解を得ることに苦慮している。 福岡市 ・環境に関するラベルが現在多数あるため分かりにくいと考えている。 ①「判断基準が難しい」「時間がない」「分かりずらい」などの問題点からグリーン 購入の推進が難しい。⇒自治体の意見を汲み取り改善を重ねる必要がある。 ②グリーン購入を地域住民である一般消費者がなかなか理解できない。 ⇒もっとわかりやすいグリーン購入の仕組みを構築し、更なる商品開発を行う。 17 考察・提言 ①都道府県・政令指定都市と比べ、グリーン購入に対する意識が低いため ⇒環境省は環境モデル都市の制定要件にグリーン 購入の取り組みを入れるべきである。 ②普及が進まない原因の一つに職員の知識、理解不足等の問題があるため ⇒グリーン購入ネットワークは積極的に地方公共団 体へのグリーン購入推進を呼び掛けるべきである。 ③調査した内26.6%の団体しか普及啓発活動を行っていないため ⇒地方公共団体はもっと地域住民を意識した普及啓 発活動を展開すべきである。 18 参考文献・参考ホームページ ・ 47都道府県、19政令指定都市、13環境モデル都市 各 ホームページ ・ 環境省ホームページ http://www.env.go.jp/ ・ グリーン購入ネットワークホームページ http://www.gpn.jp/ 平成21年度地方自治体におけるグリーン購入実態調査 添田経子 中原研究室 学士論文 武蔵工業大学 平成22年度地方自治体・環境モデル都市とグリーン購入 尾形香穂莉 中原研究室 学士論文 武蔵工業大学 19 ご清聴ありがとうございました。 20
© Copyright 2024 ExpyDoc