スライド 1

グライダー入門
後編(阿蘇ウインチ版)
2015.3
飛行準備と補助
ポジティブコントロールチェック
全形
ピトー管
レリーズ
左前部胴体
静圧孔
主車輪
左翼前縁
エアブレーキ
翼端、車輪
左エルロン
左翼後縁
左後部胴体
水平安定板
エレベータ
垂直安定板
ラダー
発航前機体点検(外部点検)
尾輪
右後部胴体
右翼後縁
右エルロン
翼端、車輪
エアブレーキ
右翼前縁
主車輪
静圧孔
右前部胴体
搭乗者に報告
“機体点検
異常無し“
○索付け準備
[ エンドセット ]
ウインチ
グライダー
・ 索リトカーは索到着後、2mほどバックして索の張りをなくして索引き終了。
・ エンドセットをリトカーから下ろし、カラビナをはずして、カラビナをパラシ
ュートに接続する。 このときカラビナのネジロックを必ずする*ことに注意。
・ カラビナのネジロック、パラシュートのからみ、ヒューズの穴の変形、I 索の
素線切れ、クイックコネクタの外れをチェックしつつエンドセット、金具類を
捻れなく一直線に伸ばしておく。
* 最後までねじ込む。きつく締めなくて良い。
カラビナ
ヒューズ
パラシュート
ダブルリング
グライダーへの索付け前点検事項
①
②
③
④
⑤
シートベルト
エアブレーキロック
風防ロック
小窓(閉)
ドリー撤去
以上を索付け者はチェックした後、索付けする
グライダーへの索付けに用いる ハンドシグナル
パイロットからの索付け指示
スモールリングを搭乗者
に見せてから索付け。
索付けが済んだら確認→
リングがフックにかかり、且つフックと
の間に若干の遊びがあること(フック
に噛んでいないこと)
軽く索を引張って確認後、搭乗者に報告“索装着”
○索付け
・胴体下のCGフックに索端のスモールリングを取付ける
・ダブルリングのねじれをチェックし、エンドセット、索をウインチ方向に
まっすぐ伸ばす。その他金具類もねじれていたら、まっすぐにする。
・ 索を手頃な強さで前に引っ張り、確実に索付けがなされていることを確
認する。
・ パイロットに「索装着」と伝える。
索付けが済んだら、、、、
Danger Zoneから退避
グライダー準備良し!
①R/Wクリア、②上空クリア
③ダイブロック、④ドリー撤去を確認
→ 翼端を上げる
出発時の信号
張り合わせの信号
発航中止の信号
出発の信号
翼出し
グライダーの動きに合わせて
平行に真っ直ぐ走る
・出発時の翼端保持は、機軸上にレリーズのある機体(L23)は
、風下側翼端。
・レリーズがオフセットしてある機体(K13、K8)ではレリーズ側で
ある。
○発航監視
グライダー離脱まで、全員で発航を監視する。
悪い例
搭乗要領
服装、靴、帽子など
重量・重心、バラスト
許容範囲にないと危険
着座姿勢の留意点
常に同じ着座姿勢になるように
A: 5~10cmのクリアランス
B: 少し余裕をもってラダーペダルが一杯踏み込めること
C: 少し余裕を持って総ての操縦系統が一杯まで操作できること
D: どこか当たったり、窮屈になっていないこと
E: 縛帯、腰まわりを先にややきつく、次に肩をややゆるめに
機内点検
〇機内に異物(ボールペンなど)が落ちていないか確認
〇バラスト、座席、クッションの調整をして搭乗
出発前チェック
C:Control・・・操縦系統点検
C:Canopy・・・キャノピー閉、ロック
B:Ballast・・・バラスト
B:Brake・・・エアブレーキロック
S:Strap・・・縛帯装着
I:Instruments・・・計器点検
F:Flap・・・L23には無い
T:Trim・・・トリムセット
W:Wind・・・風向、風速確認
C:Clear・・・R/Wクリアー確認
R:Radio・・・無線機チェック
索付け、出発
“機体点検異常無し”の報告を受けた後、
後席の了解を受け、索付け
⇒ 「索付け」(右図シグナル)
⇒ 「レリーズオープン」 (レリーズハンドルを引く)
⇒ 「クローズ」
(レリーズハンドルを素早く戻す)
⇒ 「索装着」
後席に出発して良いか確認した後
⇒ 「準備良し」(同時にハンドシグナル)
以下、無線通信手順参照
*「出発用意、出発」の判断と無線はピストが行なう。
索点検要領
●動いている索には触らない(動く直前の場合もあるので、触るときは周り
の状況を良く確認すること)。
●索は素手では扱わない(必ず軍手等を着用すること)。
・下図のように、1人が索を1/4ずつ点検する。
・尺取り虫法。2人で交互に点検する。
○素線切れ(7本の素線(1スト
ランド分)が切れているもの。
索点検方法
○キンク
索の修理
2点止めとする。スリーブ
の間隔は15~20センチ
スエージャー(ニコプレス)
阿蘇場外における飛行練習
阿蘇場外飛行場平面図
阿蘇場外上空、大観峰方面を望む
滑走路
阿蘇場外における一日の流れ
9:00
集合
9:00~
機体点検、準備作業
10:00頃
朝ミーティング
10:30頃
飛行開始
お昼
昼食、昼休み
5:00前
飛行終了
5:00~
撤収作業
6:00頃
夕ミーティング、解散
運航サイクル
• 搭乗順はピストのボードに記入される。
• 搭乗順が来るまでは、機体回収、出発準備を
行う。
• 搭乗順の一つ前には機外点検をする。
• 搭乗する。
• 搭乗が終わったら、教官から講評を聞く。
• 再び機体回収、出発準備に戻る。
出発前配置(26滑走路の場合)
搭乗待機
機体リトカー
12
11
ピスト
13
5
6
翼端保持
道路監視
4
2
7
1
搭乗者
3
ウインチ
9
索付け
8
索リトカー
道監補助
人員不足の場合、索リトは道路監視位置で
監視を行なう。
出発前配置(08滑走路の場合)
索リトカー
8
道路監視
7
10
搭乗者
1
2
3
9
索付け
ウインチ
4
11
6
5
機体リトカー
道監補助
人員不足の場合、機体リトは道路監視位置で
監視を行ない、着陸後に機体回収に向う。
ピスト
翼端保持
12
13
搭乗待機
機体リトリブ要領
①機体リトカーは、グライダー正常発航後、機体リト待機位置に向う。
②機体が着陸した後、機体回収に向かう。ただし、複数機が続いて降りてくる
場合は、全機着陸を終えるまで、機体回収に向かってはならない。
③ 風上側翼端を保持しリトカーに機体をセットして運搬する。強風時、ウィン
グドリーは風下側の翼にセットする。
機体回収時のリトカーの制限速度は10km/h。全員リトカーに乗って戻る。
④機体を出発点に下ろした後、次の発航までピスト付近に待機する(R/W26
の場合)。R/W08の場合は道路監視補助ないしは道路監視(詳細はリトカー
運行要領参照)。
索リトリブ要領
①索リトカーは、グライダーの発航前に、「索リト待機位置」で待機する。待
機位置に到着したら、「リトカー待機位置到着」と無線を入れる。
②グライダーが正常離脱した後、落下したパラシュートのところに向かい、
エンドセットをカラビナからはずし、リトカーに積む。カラビナはリトカーのダ
ブルサルカン(より戻し)にかけて、ネジロックをし、索リトの待機をする。
③機体が着陸した後、または滞空している場合は機体の位置を確認しつ
つ、「リトリブ開始」と無線を入れ、リトリブを開始する。索リト時の制限速度
は20km/h。
④ウインチから「リトリブ赤白」と来たら、「リトリブ赤白」と復唱して1速から
スタートし、徒歩の早さくらいの一定速度で引く(索の張り合わせ時は半クラ
ッチを使って、滑らかに行う)。
⑤ウインチから「リトリブ白」と来たら、「リトリブ白」と復唱して、20km/hまで
滑らかに加速して素早く2速に切り替える。滑らかに加速しないと、索弛み
につながり、段引きになるので注意する。
⑥一般車の横断等により、ウインチから「リトリブ赤白」と来たら、「リトリブ
赤白」と復唱して、滑らかに減速する。 急に減速すると、索弛み、索がら
みが起きやすいので注意。
⑦ウインチからの「リトリブ赤」で停止する。「リトリブ赤」と復唱する。
⑧ウインチから「リトリブ赤白」と来たら、上記④~⑦を繰り返す。
⑨リトリブ中にグライダーが進入してきたら、一旦リトリブを停止し、リトカーを滑走路
の肩に寄せ、グライダーからよく見えるように、ヘッドライトを点灯する。
⑩グライダーの着陸後の場合は、グライダーのリトリブを追い越さないようにして、リ
トリブする。
⑪出発地点、機体の50mほど手前、滑走路の肩に赤色コーンが置いてある。コーン
横を通過するとき、「コーン通過」と無線をいれ、減速していく。ウインチから「コーン
通過」の復唱がある。
⑫機体が出発点にセットしてある時は、翼の上がった方で、且つ、翼を下げても当た
らないところにリトカーを持って行き、停止後「索到着」
と無線を入れる。ウインチから「索到着」の復唱がある。
⑬機体がセットしてない時は、滑走路の肩に持って行き「索到着」と無線を入れる。
⑭索到着後、2mほどバックして索の張りをなくす。
⑮ピスト周りスタッフはエンドセットをリトカーから下ろし、カラビナをはずして、カラビ
ナをパラシュートに接続する。ネジロックは最後まで締め込む。
⑯索、エンドセットを下ろした後、索リトカーは直ちに待機位置に向かう。
道路監視要領
・道路監視はVHFモニターとデジタル、赤旗、白旗を持って
道路監視する。「準備よし」がかかるまでは、道路脇にて白
旗を掲げて、車、人を優先して通す。もう一方の旗は持って
いると紛らわしいので、地面またはイスの上に置いておく。
・「準備よし」がかかった後は、道路の真ん中にて赤旗を掲げて、車、人には発航が
完了(パラシュートが地面に落ちるまで、)するまで待ってもらう。
・「準備よし」がかかった後は、車、人は絶対に滑走路に進入させてはならない。必
要に応じて赤旗を振りながら車、人などにかけつけ、滑走路への進入を阻止する。
どうしても指示に従わず、滑走路に進入した場合は、「道路監視、赤、発航中止」と
無線を入れ、発航を中止させる。
・R/W08発航の時は、機体着陸時(ベースに入った後)にも道路の真ん中にて赤旗
を掲げて、車、人を止める。機体が着陸した後は通ってもらってかまわない。
** 一般の人に不快な感じを与えないよう、言葉使いや態度に十分注意を払う。
無線通信要領
①出発準備が出来たら、グライダーは翼端に準備良し、の合図を送り、
②翼端が上がったら、グライダーはVHFにて ⇒「阿蘇場外、2787、準備よし。」
③次いでウインチはデジタルにて、⇒「ウインチ、準備よし。」
④次いで道路監視はデジタルにて、⇒「道路監視、準備よし。」
⑤ピストは出発に支障ないことを確認して、VHF+デジタルにて
⇒「阿蘇場外ピスト、2787、準備よし、出発用意。」
⑥ウインチは「ウインチ、出発用意。」と応答し、張り合わせを開始する。
⑦機体が動き出したら ⇒ ピストは、VHF+デジタルにて「しゅぱーつ!」
⑧ウインチは「ウインチ、しゅぱーつ!」と応答し、曳航を開始する。
○曳航速度指示(グライダーよりVHFにて、)
不適切だった場合 ⇒「ウインチ、**km」と、現在速度を送信する。
ピストはVHF+デジタルにて、これを復唱する。
○上昇経路指示(ピストよりVHF+デジタルにて、)
不適切だった場合 ⇒「2787、右/左」と、寄るべき方向を送信する。
○離脱通報
ピストは索離脱を目視確認し、直ちに ⇒ VHF+デジタルにて「離脱確認 !」
グライダー ⇒「離脱高度3,800ft」等と離脱報告をする。
○チェックポイント(C.P.)報告
C.P.通過時にアナウンスする。
⇒「2787チェック通過。高度3300ft、ギアダウン & ロック」
C.P.報告で「ギアダウン & ロック」のコールが無線で確認できないときは、
ピストから「ギアチェック!」コールをする。
なお、C.P.報告をした後、高度処理のための旋回などは行ってはならない。
ピストは風向風速と、ランウェイクリアを確認し、
⇒「ウインド270°5ノット、ランウェイクリア」
○位置通報(ポジションレポート)
滞空した場合、15分位に1回の割合で位置通報する。
⇒「阿蘇場外、2787、**(地点名)上空、**ft、+2で上昇中/ ―1で降下中」
または地点名の代わりに「 滑走路**キロ 北 」
○飛行場直上報告
(しばらく滞空した後は、着陸前に吹流しにより風向風速を確認し、着陸滑走路
を決定するために、飛行場直上飛行をする)
場周に入る前、飛行場直上を飛行するときにアナウンスする
⇒「阿蘇場外、2787、滑走路上空、4000ft、アクティブランウェイ26 / 08、
南側場周に向かいます。」
飛行場における注意点
• 阿蘇場外では滑走路とその他部分の境目がはっきりしない。広い
ところに出る場合は、対空警戒をしっかり行うこと。See and Avoid.
• 滑走路、またはその周辺にゴミを落とさない。落ちていたら拾う。
• 待機はピスト周辺。滑走路のなるべく端にいること。
• ブッシュには立ち入らないようにする(マムシが居る)。
• むやみに滑走路に出ない。滑走路に出る場合は対空警戒を行う。
• 必要のあるときは車で滑走路の端を走行する。
• 人手の要る作業は積極的に手伝う。
• 見物人などには親切に対応する。見物は原則、道路監視と同じ場
所かまたはピストで行ってもらい、それ以外の場所は避ける。
• 飛んでいる機体、鳥、雲、風を良く観察する
グライダー場周経路
・下図は無風~西風微風、静穏時のパターンである(高度計規正はQNH)。
・風または沈下がある場合、もう少し高め、またはこの内側を飛ぶことになる。
後編終了