日本の高校における英語の授業は英語で がベストか A12LA125藤田彩織 立場 英語の授業は日本語で行うべき 理由 生徒の英語に対するとっつきやすさ 日本語を利用して基礎を築くべき “言葉への気づき” 生徒の英語へのとっつきやすさ 高校では中学の時よりも、より複雑な文法等を学習する ようになる →中学の時は得意だと思っていた英語についていけなくな る生徒も少なくない 英語での授業には一度遅れてしまうと、追いつくのが難 しくなる(苦手意識の芽生え) Krashenの「情意フィルター仮説」 Krashenの「情意フィルター仮説」 Krashenが提唱した五つの仮説のうちの一つ 言語習得の必要条件はインプットを理解すること →しかしこれは十分条件ではない 言語習得の十分条件は情意フィルターが低い状態でインプッ トを理解すること 情意フィルター: 「不安度」のレベルが高かったり、「動機づけ」が低かったり すると高くなり、習得の妨げになってしまう 日本語で根底をしっかり築くべき 英語での授業では、授業内容を本当の意味で理解でき ない 文法や構文は会話にも読み書きにも重要 →より容易に理解できる日本語を使用した方が習得はス ムーズに行うことができる CumminsのBICSとCALPの概念 BICSとCALPの概念 BICS (Basic Interpersonal Communication Skills) BICS 基礎的対人伝達スキル 日常会話に必要な言語能力 CALP(Cognitive Academic Language Proficiency) 認知学的言語能力 CALP 学校教育で扱われる読み書 き等の言語能力 習得に時間がかかる BICSとCALPは相互に作 用している CALPの重要性 CALPは言語能力において重要な役割をもつ バイリンガリズムの研究では「読み書き」が重要であることが 明らかになっている 共通する言語基盤を持つ →日本語におけるCALPは英語におけるCALPに反映される 既に日本語で獲得済みの概念は英語で説明する必要がない →CALPの大部分は日本語でまかなわれている 複雑な文法や構文の説明にはより情意フィルターが低 い日本語を使用 →より迅速に英語のCALPを伸ばすことができる 言葉への気づき 「言葉への気づき」では母語が重要な役割を果たす 前提: 「言葉への気づき」のきっかけは母語で形成されるべき 母語は直感がきく 外国語学習の確固たる基盤を形成する 文法は普遍の概念 母音、子音、語順等諸概念の理解は必須 →各概念がどのような役割を果たすかは個別言語毎に異なる が、日本語でも英語でも根底は共有(CALP) 英語学習に日本語を使用する利点 高校では文法や構文がより複雑なものとなる →言葉への気づきがより重要なものとなってくる 日本語を利用した英語学習によって、ふたつは互いに影 響しあう →言葉への気づきをより豊かにする →語彙や表現力などの知識も豊富にする 日本語と英語の効果的運用を可能に する 言語の効果的運用 言語の効果的運用 日 本 語 言 葉 へ の 気 づ き 日本語と英語の運用 英 語 発言意図が聞き手(読み 手)に正しく伝わるよう工夫 する 相手に誤解を与えるような 曖昧性をもった発言をしな い 発言意図をより確実に伝え ることが可能に まとめ 日本語の使用により、生徒の心の壁を 低くする 日本語を利用して、言語学習の基礎をよ り迅速に築く 言語への気づきを豊かなものとし、言語 の効果的運用を可能にする
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