与条件・要求性能・材料性能 与条件 設計・施工の段階で変更不可 気象条件(←敷地の場所) 建築の用途(←発注者) 設計施工の段階で変更可能 材料の使用条件 建築物のレベルと与条件 レベル 地域 与条件 緯度、標高、法規上の地区地域、建ぺい率、道路幅、地震、地盤、 風、雨、洪水、雪、気温、湿度、騒音、ほこり、ばい煙 街 建築物の集合 建築物 建築物の部分・空間(室) 部材(Building Element) 隣接部材の種類 製品の集合 製品 材料 部材の位置、材料の位置、経費、使用期間、形状、長さ、幅、高さ、 厚さ、施工方法、施工期間 内部組織(素材) 用途、経費、使用期間、建築面積、延べ面積、高さ、階数、構造、 施工方法、施工期間、施工時期 用途、経費、使用期間、形状、面積、容積、天井高、方位、階、 隣接空間の種類 種類、形状、構造、使用期間、長さ、幅、高さ、厚さ、勾配、方位、 建築物・空間の用途:ISO 6241 輸送 産業 事務・商業 医療 レクリエーション 文化 居住 移動 料理・飲食 衛生 清掃・保全 貯蔵 設備・保守 建築物 空間 鉄道の駅、ガソリンスタンド エレベーターシャフト、車庫 工場、農場、試験所 作業所、製造場、実験室 事務所、スーパーマーケット 事務室、設計室、売場 病院、保健所 手術室、診察室、病室、X線室、待合室 スポーツセンター、パチンコ 体操場、水泳プール、遊戯場 会議場、文化センター、教会、 集会室、陳列室、展示室、教室、読書室、 劇場、学校、図書館、博物館 オーディトリアム 住宅、アパート、ホテル 寝室、居間 渡り廊下 廊下、階段 レストラン 厨房、食堂 公衆トイレ 浴室、WC クリーニング屋 洗濯室、警備室 倉庫 蔵、クローク、物置 詰所 機械室、計器室 部材の種類:ISO 6241(1) サブシステム 構造 基礎 骨組 外被 地下の外被 地上の外被 外被の外側の仕切り 外被の内側の仕切り 外部の垂直の仕切り 外部の水平の仕切り 外部階段 内部の垂直の仕切り 内部の水平の仕切り 内部階段 部材・製品の例 地中梁、べた基礎、 フーチング基礎、杭、隔壁 柱、梁、パネル、スラブ、シェル、 ラチス構造 基礎床、基礎壁、地下屋根 パイプ穴、地下道 露出床、壁、屋根 ドア、窓、天窓 壁、手すり、ドア テラス、バルコニー、はね上げ戸 階段、スロープ 壁、手すり、ドア 床 階段、スロープ 部材の種類:ISO 6241(2) サブシステム 設備 給水・排水 暖房・換気 ガスの供給 電気関係 遠距離通信 機械による輸送 空気・重力による輸送 安全設備 部材・製品の例 給水設備、衛生器具、排水設備、下水設備 燃料用ガス・液体供給、主熱源、水回路、 空気回路 圧縮空気供給、ガス供給 高圧・低圧供給網、変圧器、 非常用電気システム 電話設備、インターホン設備、 ラジオ・テレビ配線 エレベーター、エスカレーター、動く歩道 ゴミ処理、中央真空清掃 避雷、防火、防犯 部材の接するものの種類 室内(▲)、室外(△)、土(■)、水(□) 室内ー室内 室内ー室外 室内ー土 室外ー水 材料の位置 部材全体 外部表面材料 中心材料 構造体の一部 部分的負荷材 全く負荷なし 構造体の一部 部分的負荷材 全く負荷なし 内部表面材料 構造体の一部 部分的負荷材 全く負荷なし 要求条件の種類の選定 与条件 →考慮すべき要求条件の種類 要求条件の本質的な重要度 I0 を考慮 要求条件が必要となる可能性 P を考慮 「戸外の音を遮断すること」 →考慮する必要性は低い 基本的な居住性 騒音源がない I0 は高い P は低い 要求条件の重要度I0の意味 ランク A B C 安全性 居住性 (1)人間の生命の危険を生ず (1)衛生上非常に有害である る (2)大部分の人に甚だしい不 (2)人間に重傷を負わす 快を与える (3)財産に重大な損害を与える (3)使用上極めて不便で大部 分の人が甚だしい不満を持つ (1)人間に軽傷を負わす (1)衛生上多少有害である (2)財産に多少の損害を与え (2)小数の人に不快を与える る (3)使用上不便を感ずる人が 多い 耐久性 (1)劣化作用を受けてある期 間経過すると、安全性・居住 性にAランクの影響を与える 可能性のあるもの (1)劣化作用を受けてある期 間経過すると、安全性・居住 性にBランクの影響を与える 可能性のあるもの (2)安全性・居住性に及ぼす影 響は小さくても取替や修理が 極めて困難であったり経費が かかるもの (1)人間に極めて軽微な傷を (1)不快を感ずる人がいる場 (1)劣化作用を受けてある期 負わす 合もある 間経過すると、安全性・居住 (2)財産に軽微な損害を与える (2)使用上不便を感ずる人もい 性にCランクの影響を与える る 可能性のあるもの 要求条件が必要となる可能性Pの意味 ランク 意味 a その要求条件が必要になる可能性が高く、省くことはできない b その要求条件が必要になる可能性があるので考慮した方がよい c その要求条件が必要になる可能性は全くあるいはほとんどないから、 取り上げない d 与えられた条件が不十分で、要求条件の必要性を判断するのは困 難 部位(部材)別重要度 力 性能 部位 水 熱 火 光 音 耐久 せ 繰 変 耐 耐 曲 圧 局 衝 振 防 防 断 耐 防 透 反 遮 吸 発 通 傷 操 耐 耐 経 補 色 摩 ん 返 形 汚 げ 縮 圧 撃 動 水 湿 熱 熱 火 光 射 音 音 音 気 害 作 食 候 年 修 断 し 能 耗 染 屋根 ● ○ ○ ● △ △ ○ ● ◎ ◎ ◎ ● ○ ◎ 天井 ◎ △ ○ ◎ ● ● 床 ● ● ● ● ◎ ◎ 最下床 階段 気 人物 ◎ ● ◎ ● ◎ ○ ○ ◎ ● ● ◎ ○ ○ ◎ ○ ● ○ ● ● ● ○ ◎ ○ ○ △ ◎ ◎ ○ ● ◎ ◎ ◎ ◎ ● ○ ● ○ ○ △ ◎ △ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ △ ◎ ◎ ● ● ◎ ◎ ● ● ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ 壁 ● △ ○ ○ ● ○ (外面) ● ● ◎ ● ◎ ● ◎ ● ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ● ◎ ◎ 壁 ● △ ○ ◎ ● △ (内面) ◎ ◎ ● ● ○ ○ ◎ ◎ △ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ●:必須、◎:重要、○:必要、△:やや必要 ◎ ◎ 要求条件の定性的表現 (1) 大分類 外力 小分類 要求条件 自重 自重に対して安全であること 積載荷重 積載・積雪荷重に対して安全であること 衝撃荷重 衝撃荷重に対して安全であること 振動 振動しないこと、振動に対して安全であること 地震力 地震力に対して安全であること 風力 風圧に対して安全であること 水圧 水圧に対して安全であること 局部圧縮加重 局部圧縮荷重に対して安全であること 土圧 土圧に対して安全であること 摩耗 摩耗に耐えること 要求条件の定性的表現 (2) 大分類 小分類 要求条件 給水・貯蔵水 水が円滑に供給・貯蔵されること 水 排泄物 排泄物が円滑に貯蔵・排出できること 排水 排水が円滑に行われること 飛散水 飛散水に害されず、吸透水しないこと 外湿分 外湿分が入らないこと、外湿分に害されないこと 内湿分 内湿分が適当に吸収されること、内湿分に害されぬこと 結露水 結露が生じないこと 雨水 雨水が入らないこと 地下水 地下水が入らないこと 海水 海水に害されないこと 雨水が入らないこと → 居住性:雨水が入ると、不快で、衛生上も悪い 耐久性:雨水が入ると、材料が腐朽し易くなる 要求条件のグレード化(1) 衝撃荷重に対して安全であること グレード 定性的 定量的 (安全な衝撃荷重) 0.03 N/mm2未満 1 指先ではじく衝撃にも安全でなければならない 2 指先ではじく衝撃に安全でなければならない 0.03~3 N/mm2 3 こぶしで打つ衝撃に安全でなければならない 3~10 N/mm2 4 足でける衝撃に安全でなければならない 5 野球のボールがぶつかる衝撃に安全でなければならない 6 小さいハンマーで打つ衝撃に安全でなければならない 100~300 N/mm2 7 大きいハンマーで打つ衝撃に安全でなければならない 300~1,000 N/mm2 8 小型自動車が衝突した衝撃に安全でなければならない 1,000~3,000 N/mm2 9 大型自動車が衝突した衝撃に安全でなければならない 3,000~10,000 N/mm2 10 非常に重い物体が高いところから落ちた衝撃に安全でな ければならない 10~30 N/mm2 30~100 N/mm2 10,000 N/mm2以上 要求条件のグレード化(2) 要求条件 自重 要求項目 自重に対する安全率 積載荷重 安全な積載荷重(kg/m2) 定量的グレード 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 <1 ≧1 ≧1.5 ≧3 ≧5 ≧10 ≧20 ≧50 ≧100 ≧1000 <70 ≧70 ≧140 ≧210 ≧280 ≧420 ≧560 ≧700 ≧1000 ≧1500 ≧1000 ≧2000 ≧3000 ≧4000 ≧5000 ≧6000 ≧7000 風圧 耐風圧力(N/mm2) <300 ≧300 ≧600 摩耗 ASTM摩耗量(mm) 適用例 ≧12.8 <12.8 天井 <6.4 <3.2 <1.6 <0.8 壁上部 応接床 居室床 事務床 雨水 雨量4mm/minで裏面まで 透水しない圧力(N/mm2) 0 ≧100 ≧160 ≧250 ≧400 ≧630 ≧1000 ≧1600 ≧2500 ≧4000 <100 ≧100 ≧200 ≧300 ≧400 ≧500 ≧600 ≧700 ≧800 ≧900 <0.2 ≧0.2 ≧0.3 ≧0.4 ≧0.5 ≧0.6 ≧0.8 ≧1.0 ≧1.5 ≧3.0 可燃 難燃 準不燃 不燃 太陽熱 太陽熱(kcal/m2・h) 平均熱貫流抵抗 熱損失 (m2h℃/kcal) 室内火事 内装材料の防火性 <0.4 廊下 <0.2 玄関 <0.1 改札口 0 要求条件のグレード化(3) 要求条件 要求項目 昼光 野外と屋内との照明度の比 (%) 1 <0.2 2 3 定量的グレード 4 5 6 7 8 9 10 ≧3 ≧5 ≧10 ≧10 ≧15 ≧20 ≧25 ≧30 ≧35 ≧40 ≧50 ≧0.2 ≧0.5 ≧0.7 ≧1.0 ≧1.5 ≧2 不要 建物各部の平均透過損失 室外音 (dB) <5 ≧5 平均吸音率α(%) 内騒音 αに対する低周波吸音率の 割合(%) <10 - ≧10 ≧10 ≧10 ≧20 ≧20 ≧20 ≧50 ≧50 ≧50 <0.6 ≧0.6 ≧1.0 <0.6 ≧0.6 ≧1.0 <0.6 ≧0.6 ≧1.0 発音・ 発音量EA(dB) 衝撃音 EA−伝搬量EB ≧80 ≧60 ≧80 <60 <80 <60 <80 <20 <60 <20 - ≧30 <70 ≧30 ≧30 <30 <30 <30 <15 <15 ≧70 ≧85 ≧70 ≧85 ≧90 ≧85 ≧90 <15 ≧95 ほこり 汚染率(%) 回復率(%) 衝突物 ガラスコップを損傷しない落 下高さ(m) 耐用年数 耐用年数(年) <0.2 <60 <60 ≧80 <40 <80 <40 <60 <40 ≧80 <20 ≧0.2 ≧0.3 ≧0.5 ≧0.7 ≧1.0 ≧1.5 ≧2.0 ≧3.0 ≧5.0 <0.25 ≧0.25 ≧1 ≧3 ≧5 ≧10 ≧20 ≧40 ≧60 ≧100 要求条件のグレードの選定(1) 衝撃に対して安全であることのグレード選定 その他 その他 収納・保管 休息・睡眠 食事・調理 排泄 内壁 天井 腰壁 床 外壁 居住 宿泊 4 押入 3 2 3 4 寝室 3 2 4 5 台所 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 教育 集会 事務 販売 4 倉庫 4 2 4 5 宿直室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 4 倉庫 4 2 4 5 休息室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 4 倉庫 4 2 4 5 宿直室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 4 倉庫 4 2 4 5 宿直室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 運動 娯楽 4 倉庫 4 2 4 5 休息室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 交通 通信 4 倉庫 4 2 4 5 宿直室 3 2 4 5 食事室 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 医療 生産 4 倉庫 4 2 4 5 病室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 4 倉庫 4 2 4 5-7 宿直室 3 2 4 5 食堂 3 2 4 5 トイレ 3 2 4 5 要求条件のグレードの選定(2) 衝撃に対して安全であることのグレード選定 入浴・脱衣 着替・洗濯 乾燥・化粧 通行・出入 待合せ デスクワーク 軽作業 会議・応接 居住 宿泊 浴室 3 2 4 5 玄関 3 2 4 5 居間 3 2 4 5 教育 集会 事務 販売 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 教室 3 2 4 5 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 会議室 3 2 4 5 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 事務室 3 2 4 5 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 売場 3 2 4 5 子供室 体育室 集会室 集会室 3 4 3 4 3 4 3 4 運動 娯楽 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 応接室 3 2 4 5 重作業 特殊作業 観覧・儀式 見物・遊戯 運動 2 5 2 5 2 5 2 5 オーディトリ アム 3 2 4 5 交通 通信 更衣室 3 2 4 5 改札口 3 2 4 5 事務室 3 2 4 5 医療 生産 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 診療室 3 2 4 5 手術室 3 2 4 5 更衣室 3 2 4 5 廊下 3 2 4 5 事務室 3 2 4 5 作業室 4 2 5 5-7 集会室 3 4 2 5 要求条件の部材・材料性能への変換 材料性能から部材性能を推定でき、部材性能から建築物・空間の性能 を推定できる場合 要求条件(建築物・空間) ←変換→ 部材性能 ←変換→ 材料の性能 ← 材料の試験 材料性能から建築物の性能が推定できる場合(例:表面性能) 要求条件(建築物・空間) ←変換→ 材料の性能 ← 材料の試験 材料性能から部材性能を推定することは困難であるが、部材性能から 建築物・空間の性能を推定できる場合 要求条件(建築物・空間) ←変換→ 部材の性能 ← 部材の試験 建築物・空間全体として評価する以外に方法がない場合 要求条件(建築物・空間) ← 建築物・空間の試験
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