資料2 第2回 西大阪地区の 津波対策に関する技術検討委員会 3大水門の津波に対する耐力検討 1.対象施設の概要 2.水門の津波に対する外力検討フロー 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 3-2 検討ケースの決定 4.水門設備の照査対象部位 5.解析手法の選定 6.解析結果の評価 -1- 1.対象施設の概要 設置目的 位置図 3大水門は大阪府 の高潮対策として、 昭和45年に建設 されたアーチ型の 防潮水門である。 -2- 1.対象施設の概要 外観・形状 川 側 巻上げアーム 主水門扉体(一般部) 副水門扉体 海 側 回転支承部 ・軸受け ・主軸 ・取付リーマボルト 津 津 波 波 水門開時(安治川水門) -3- 水門閉時 (安治川水門) 2.水門の津波に対する耐力検討フロー 津波外力に関する検討 解析手法に関する検討 津波外力の評価式の選定 照査対象部位の選定 水門の構造形式 評価式の 選定条件 水門施設の立地条件 照査 箇所 波圧の形態 主水門 ①扉体 ②回転支承 ③堰柱 ④アンカーレイジ ⑤ケーソン基礎 副水門 ⑥扉体 ⑦回転軸、軸受 ⑧戸当たり部 ⑨堰柱 ⑩ケーソン基礎 検討ケースの決定 検討ケース 押し波時 解析手法の選定 引き波時 解析モデル 津波外力の載荷手法 津波シミュレーション 解析結果 解析結果の評価 評価基準① 水門全体が原型を保つレベル NG 評価基準② NG 水門が開閉動作できるレベル OK ● 補強方策の検討 ● 撤去・復旧方法等の検討 ● 新たな津波防御施設の検討 検討終了 -4- 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 『公共土木施設の地震・津波被害想定マニュアル(案) H20.7国総研資料 第485号』に従い評価式を選定する。 選定にあたっては、 以下に示す項目に ついて検討を行う。 構造形式 直立型 施設立地条件 汀 線 近 傍 海 中 堤 橋 が 海 中 ・構造形式 ・施設立地条件 波圧の形態 非 分 裂 ・波圧の形態 適正可能な 評価式 陸 上 衝 撃 1A 1B 2 5A 5C 5B 4 9A 9B 汀 線 近 傍 海 中 堤 橋 が 陸 上 分 裂 静 的 -5- 傾斜型 非 分 裂 静 的 衝 撃 静 的 3 8A 8B 6A 7 分 裂 6B 非 分 裂 分 裂 静 的 衝 撃 1A 1B 5A 5C 5D 5B 5E 該当なし 陸 上 3.津波外力に関する検討 安治川水門閉鎖時 3-1 津波外力の評価式の選定 構造形式:水門閉鎖時の扉体は直立のため直立型とする 直立型 傾斜型 津波 津波 津波 津波 ※図は『港湾の施設の技術上の基準・同解説』H19.7(社)日本港湾協会』 より抜粋した防波堤の断面例 -6- 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 施設立地条件:水門は水中に立地しているため海中とする。 『汀線』とは、水際の線のことであり、対象水門の立地条件は『汀線近傍 』には相当しない。 【参考資料】国土交通省測量規定 -7- 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 波圧の形態① [分裂・非分裂] ・ソリトン分裂は津波高、水深等から起こらないと考え、 非分裂とする。 『津波の河川遡上解析の手引き(案) H19.5 (財)国土技術研究センタ ー』では、「以下の条件を満たす場合はソリトン分裂の影響を考慮し てもよい」とあるため、判定の参考とした。 ①津波が遠浅の場所が続く区間を遡上する場合 ②津波高(H0)と水深(h0)の比が0.83程度よりも小さい場所 木津川水門を参考にした場合 ・現想定(M8.4)での津波高は2.88m(朔望平均満潮位からの高さ)である。 h0:6.60m/H0:2.88m=2.29 > 0.83 ②は満たさない。 ・M9.0相当の津波高が現想定津波高の2倍となったと仮定した場合、 h0:6.60m/H0:5.76(2.88×2)m=1.15 > 0.83 ②を満たさない。 -8- 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 波圧の形態② [静的・衝撃] ・対象となる水門の立地 条件は湾内に人工島な どが多く存在している ため、津波は直線的に 作用せず、衝撃力は発 生しないと考え静的と する。 -9- 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 構造形式 直立型 施設立地条件 汀 線 近 傍 海 中 堤 橋 が 海 中 波圧の形態 非 分 裂 静 的 適正可能な 評価式 1A 1B 2 5A 5C 陸 上 5B 非 分 裂 静 的 4 9A 9B 3 8A 汀 線 近 傍 海 中 堤 橋 が 陸 上 分 裂 衝 撃 整理 津波による波圧・波力の評価式 番号 傾斜型 衝 撃 8B 分 裂 静 的 6A 7 非 分 裂 静 的 6B 1A 1B 5A 5C 5D 分 裂 衝 撃 5B 5E 該当なし 陸 上 1A 福井ら(1962)の段波波圧の評価式 1B 福井ら(1962)の重複波圧の評価式 2 谷本ら(1984)の非砕波段波による波圧の評価式 3 松冨(1991)の砕波段波による波力の評価式 4 池野ら(1998)のソリトン分裂波による波圧の評価式 5A 水谷・今村(2000)の段波波圧の評価式 5B 水谷・今村(2000)の衝撃段波波圧の評価式 5C 水谷・今村(2000)の遡上波圧の評価式 5D 水谷・今村(2000)の重複衝突波圧の評価式 5E 水谷・今村(2000)の衝撃重複衝突波圧の評価式 6A 朝倉ら(2000)の陸上遡上津波による波圧の評価式 6B 朝倉ら(2000)の陸上遡上するソリトン分裂波による波圧の評価式 7 飯塚・松冨(2000)による陸上家屋に作用する波力評価式 8A 池野ら(2001)による砕波段波による波圧の評価式 8B 池野ら(2003)による陸上遡上する砕波段波による波圧の評価式 池野ら(2005)によるソリトン分裂波砕波第1波衝突時の波圧の 評価式 池野ら(2005)によるソリトン分裂波砕波直後の津波本体重複波圧 の評価式 9A 9B -10- 3.津波外力に関する検討 3-1 津波外力の評価式の選定 下記理由より「2.谷本・鶴谷・中野の式」を選定する。 ・2により算出した荷重が最も大きくなり、安全側の検討となる ・2は1A、1Bを踏襲し実験を行っている ・2は「海岸保全施設の技術上の基準・同解説」にも採用されている 沖側 (川下側) 内陸側 (川上側) 波圧作用最高点 a1 最大津波水位 η=3.0×a1 水門天端高 静水位(HWL)OP+2.10m 内水位高OP+△△m a1:正水面から津波水位までの高さ(津波高) P1:2.2×w0×a1 (w0は海水の単位重量:10.1kN/m3) 海側と陸側で水位差がある場合は静水圧差を考慮する 水門扉体下端 河床 P1 -11- 3.津波外力に関する検討 3-2 検討ケースの決定 押し波及び引き波による影響について検討する。 それぞれの場合について ・朔望平均満潮位(津波シミュレーション実施水位) ・水門上下流での水位差が最大となるケース について検討を実施する。 ・押し波時 CASE① 海側:最大津波水位 川側:朔望平均満潮位 CASE② 海側:最大津波水位 川側:最大津波までの最低水位 ・引き波時 CASE③ 海側:最低津波水位 川側:朔望平均満潮位 CASE④ 海側:最低津波水位 川側:最大津波水位 -12- 3.津波外力に関する検討 3-2 検討ケースの決定 押し波時 CASE① 朔望平均満潮位時に水門を閉鎖した場合 海側:最大津波水位 川側:朔望平均満潮位 波圧作用最高点 2.10+(3×a1) 海側 川側 水門天端高OP+7.40m a1 津波高さ OP+○.○○m 静水位 OP+2.10m (朔望平均満潮位) 水門扉体下端OP-4.50m 河床 静水圧 Ps(+) 内水位高 OP+2.10m 静水圧 Ps(-) 動水圧 Pd ※静水圧は川上側、川下側で打ち消される -13- 3.津波外力に関する検討 3-2 検討ケースの決定 押し波時 CASE② 上下流の水位差が最大となる場合 海側:最大津波水位 川側:最大津波までの引き波時最低水位 波圧作用最高点 2.10+(3×a1) 海側 川側 水門天端高OP+7.40m a1 津波高さ OP+○.○○m 静水位 OP+2.10m (朔望平均満潮位) 内水位高 OP+△.△△m (最大津波までの 引波時最低水位) 水門扉体下端OP-4.50m 河床 静水圧 Ps(+) 動水圧 Pd 静水圧 Ps(-) -14- 3.津波外力に関する検討 3-2 検討ケースの決定 引き波時 CASE③ 朔望平均満潮位時に水門を閉鎖した場合 海側:最低津波水位 川側:朔望平均満潮位 海側 川側 内水位高 OP+2.10m (朔望平均満潮位) 最低津波水位 OP+□.□□m 水門扉体下端OP-4.50m 河床 静水圧 Ps(+) 静水圧 Ps(-) -15- 水門扉体高 H=11.90m 水門天端高OP+7.40m 3.津波外力に関する検討 3-2 検討ケースの決定 引き波時 CASE④ 上下流の水位差が最大となる場合 海側:最低津波水位 川側:最大津波水位 海側 川側 水門天端高OP+7.40m 水門扉体高 H=11.90m 津波高さ OP+○.○○m 最低津波水位 OP+□.□□m 水門扉体下端OP-4.50m 河床 静水圧 Ps(+) 静水圧 Ps(-) -16- 4.水門設備の照査対象部位 引 き 波 ①-C 主水門 ⑧ ① 扉体 ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) 押 し 波 押 し 波 ④ アンカーレイジ ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -17- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ①扉体 引 き 波 主水門 ①-C ⑧ ① 扉体 ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) 押 し 波 押 し 波 ④ アンカーレイジ ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -18- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ①扉体 引 き 波 ①-A:扉体一般部 ①-C ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 押 し 波 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ①-B:扉体継手部(ボルト添接) 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ -19- 4.水門設備の照査対象部位 ①扉体 引 き 波 ①-C ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 ①-C:扉体中央ピン部 押 し 波 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ -20- 4.水門設備の照査対象部位 ②回転支承 引 き 波 主水門 ①-C ① 扉体 ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) ④ アンカーレイジ 押 し 波 ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -21- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ②回転支承 引 き 波 ②:回転支承 ①-C ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 押 し 波 全景写真 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ -22- 4.水門設備の照査対象部位 ③堰柱(中央・左岸) ⑨堰柱(右岸) 引 き 波 主水門 ①-C ① 扉体 ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) ④ アンカーレイジ 押 し 波 ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -23- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ③堰柱(中央・左岸) 引 き 波 ①-C ③:堰柱(中央) ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 押 し 波 ③:堰柱(左岸) ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ -24- 4.水門設備の照査対象部位 ⑨堰柱(右岸) 引 き 波 ①-C ⑧ ⑥ ⑦ ⑨ ⑨:堰柱(右岸) ①-B ①-A ③ ③ ② ④ 押 し 波 押 し 波 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ -25- 4.水門設備の照査対象部位 ④アンカーレイジ 引 き 波 主水門 ①-C ⑧ ① 扉体 ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) 押 し 波 押 し 波 ④ アンカーレイジ ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -26- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ④アンカーレイジ 引 き 波 ①-C ④:アンカーレイジ ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 押 し 波 模型① ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 建設時の様子 ③ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ 模型② -27- 4.水門設備の照査対象部位 ⑥副水門扉体 ⑦上下部回転軸、軸受 引 き 波 主水門 ①-C ① 扉体 ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) ④ アンカーレイジ 押 し 波 ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -28- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ⑥副水門扉体 ⑦上下部回転軸、軸受 引 き 波 ⑥-A:副水門扉体(一般部) ①-C ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 押 し 波 ⑦:上下部回転軸・軸受 ⑥-B:ストッパーピン取付部 ①-B ⑧ ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ ストッパーピン -29- 4.水門設備の照査対象部位 ⑧戸当り部 引 き 波 主水門 ①-C ⑧ ① 扉体 ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 ② 回転支承 A:一般部 B:継手部(ボルト添接) C:中央ピン部 A:主軸(回転軸) B:オイレスブッシュ C:ボス D:取付リーマボルト ③ 堰柱(中央・左岸) ④ アンカーレイジ 押 し 波 ⑤ ケーソン基礎(中央・左岸) 副水門 ⑥ 副水門扉体 ⑧ ①-B ⑦ ①-C ①-A ⑧ 戸当り部 ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ ⑦ 上下部回転軸、軸受 ③ ⑩ ケーソン基礎(右岸) 地下道 ⑩ ⑨ 堰柱(右岸) ⑤ ⑤ -30- A:一般部 B:ストッパーピン取付部 4.水門設備の照査対象部位 ⑧戸当り部 引 き 波 ⑧:戸当り部 ①-C ⑧ ①-B ①-A ③ ③ ② ⑥ ⑦ ⑨ ④ 押 し 波 押 し 波 ⑧ ①-B ⑦ ①-C ①-A ③ ④ 副水門扉体 ⑥ ⑨ 地下道 ⑩ ⑤ ⑤ -31- 5.解析手法の選定 解析モデル(主水門系) 主水門扉体、扉体接続部(回転支承部)、 堰柱部を棒部材に、基礎(ケーソン)を バネ要素にモデル化し、立体的に組み 合わせた3次元骨組みモデル※ とした。 ※主水門扉体に作用する水圧の偏載荷による ねじりモーメントの影響を把握するため。 扉体軸線 堰柱 荷重載荷用剛部材 ヒンジ部(回転支承・中央ピン) 基礎バネ(液状化を考慮) 荷重 -32- 5.解析手法の選定 解析モデル(副水門系) 堰柱部を棒部材に、基礎(ケーソン)を バネ要素にモデル化した 2次元骨組みモデル※ とした。 ※右岸側堰柱は副水門に作用する荷重 を分担する単柱モデル ※ねじりモーメント等は作用しないため 2次元モデルとした。 堰柱 基礎バネ(液状化を考慮) 荷重 -33- 5.解析手法の選定 津波外力の載荷手法 プッシュオーバー解析とする。 【採用理由】 ・構造物の損傷過程や全体 の部材性能を精度よく再現 することができるため。 -34- 6.解析結果の評価 評価基準① 水門全体が原型を保つレベル 【鋼 部 材】 曲げ・せん断照査 部材に発生する応力度≦基準値 ※基準値は鋼材の降伏応力度とする 【RC部材】 曲げ照査 せん断照査 部材にかかる曲げモーメント≦基準値(=降伏モーメント) 部材にかかるせん断力≦基準値(=せん断耐力) ※過去に調査した実際のコンクリート強度により基準値(降伏モーメン ト、せん断耐力)を算出(算出手法は道路橋示方書(Ⅴ編)による) -35- 6.解析結果の評価 評価基準② 水門が確実に開閉動作できるレベル 【鋼 部 材】 曲げ・せん断照査 部材に発生する応力度≦基準値 ※基準値は水門設備設計時の地震時許容応力度を適用 津波による影響を受けることは地震時と同様まれであることから、 ダム・堰施設技術基準(案)【地震時】の基準を適用する。 ・地震時許容応力度の考え方 【通常時】鋼材の降伏応力度の50% 【地震時】鋼材の降伏応力度の75% 【RC部材】 曲げ照査 部材にかかる曲げモーメント≦基準値(=降伏モーメント) せん断照査 部材にかかるせん断力≦基準値(=せん断耐力) ※コンクリートの設計基準強度により基準値(降伏モーメント、せん断 耐力)を算出(算出手法は道路橋示方書(Ⅴ編)による) -36- 水門の津波に対する耐力検討フロー 津波外力に関する検討 解析手法に関する検討 津波外力の評価式の選定 選定 条件 照査対象部位の選定 水門の構造形式 【直立式】 水門施設の立地条件 【海中】 波圧の形態 【非分裂・静的】 【谷本・鶴谷・中野の式】を選定 主水門 ①扉体 ②回転支承 ③堰柱 ④アンカーレイジ ⑤ケーソン基礎 副水門 ⑥扉体 ⑦回転軸、軸受 ⑧戸当たり部 ⑨堰柱 ⑩ケーソン基礎 照査 箇所 検討ケースの決定 検討 ケース 押し波時 引き波時 【満潮位での閉鎖】 【上下流の水位差が最大】 解析手法の選定 【満潮位での閉鎖】 解析モデル 【3 次元骨組モデル】 【上下流の水位差が最大】 津波外力の載荷手法 【プッシュオーバー解析】 津波シミュレーション 解析結果 解析結果の評価 評価基準① 水門全体が原型を保つレベル 【鋼部材では降伏応力度で評価】 NG 評価基準② 水門が開閉動作できるレベル 【鋼部材では許容応力度で評価】 NG OK ● 補強方策の検討 ● 撤去・復旧方法等の検討 ● 新たな津波防御施設の検討 検討終了 -37- ご静聴ありがとうございました。 -38-
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