16章 社会階層・文化

16章 社会階層・文化
• 1節 社会階層
•
1 社会階層と消費者行動
•
2 社会階層
•
3 社会階層とは?
•
4 社会階層を決定するものは何?
•
5 社会階層を測定する
•
6 社会階級は変化しているか?
•
7 社会階級セグメントへのマーケティング
•
代行的閑暇と行儀作法
•
8 ハビトゥス
•
趣味と階級
1
• 貧乏の定義を「食う為に労働しているとして,その労働
をちょっとでも中断して,ヤレ景色を愛でるの衣服を繕う
のと己の為の行為をしたら,もう食えなくなっちまうほど
の状態」とすれば,現在(いま)の日本人はほとんど貧
乏人であろう。
ヤレ「ディズニーランドに子供をつれて行かねば駄目」
だの,「ハワイにも,温泉にも」「ガキにピアノを習わせ
ろ」の,「塾に」のと,これらをしないと生きているというこ
とにならず,その為に働く,労働する,というのだから,
現代人は貧乏人であろう。携帯電話で話している奴なん
ざァ,貧乏人の最たるものだ。奴等ぁ,あれを経済の尖
兵と思っているのだろうが……。
(立川談志『新釈落語噺』中公文庫 p100, 1999年,元は
1995年)
2
セグメンテーション
• マーケット・セグメンテーション 市細分化
• 人口統計学(デモグラフィック要因)
• 経済学的
• 使用状況
3
0.地域
• 地域によって消費者行動は違ってくる。何が
売れるのか調べればもっとも単純なレベルの
ことがわかる。売れないものがあると,それだ
け市場があると考えるのか(米国型),市場が
ないと考えるか(英国型)によってその後の行
動は大きく違ってくる。
食料品や家事雑貨に関する都道府県庁所在
市別ランキング 家計調査
都道府県庁所在市別購入上位品目
4
英国における富の所有状況
•
人口割合 富の割合(いずれも累積)
• 最富裕層上位
1%
18%
5%
38%
10%
53%
25%
75%
50%
94%
• アンソニー・ギデンズ『社会学 改訂新版』而立書房
(じりつ)1993表より (1989)p228
5
6
世界各国の中流意識(林知己夫『数字からみた日本人のこころ』徳間書店 1995 p53)
2.社会階層とは?
• 類似の価値、ライフスタイル、興味、行動を共有
している個人または家族をカテゴリー化できる社
会のなかの相対的に永続し均質の部分と定義で
きる。
• クラスの成員は地位グループとしてあるライフス
タイルを期待される。
3.1 不平等システム
土地-不動産システム
3.2 社会階層変数
宗教・家族・教育・経済・政治・法律
7
3.社会階層を決定するものは
何?
• (1)職業
(2)成績
(3)相互作用
(4)所有
(5)価値指向性
(6)クラス意識
8
社会階層グループ別 高校外での学習時間(刈谷, 2001 論座1月
119.5
120
102.5
97.4
100
80
97.5
73.6
72.3
68.7
1979年
60
1997年
47.2
40
20
0
下位
中位
上位
全体
9
社会階層グループ別 落第しない程度成績でよい率(刈谷, 2001)
60
51.3
50
43.1
40
37
33.5
1979年
28.4
30
24.8
1997年
20
10
0
下位
中位
上位
10
階層別 自分にはすぐ れたところがある と現在志向率 (刈谷)
%
50
43.1
42.3
44.4
40.2
40
34.5
34.9
30
現在志向
将来志向
20
10
0
下位
中位
上位
11
生活分野ごとの「社会階層の差がある」と思う率
(かっこ内は「大変ある」の数字)博報堂生活総合研究所(2002調査)
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
11位
12位
13位
14位
92.1%(59.7%)住まい
82.7%(33.7%)国内旅行で泊まる旅館・ホテル
79.7%(49.3%)ブランドもののファッション
79.5%(37.0%)外国旅行で泊まるホテル
75.9%(30.7%)住まいのある地域
75.3%(27.1%)外食での食堂・レストラン
71.8%(30.7%)自宅で使っている自動車
69.6%(23.0%)日常の衣生活
69.6%(26.6%)大学
60.8%(15.9%)言葉づかい(とくに敬語)
60.3%(16.2%)小中学校
60.0%(14.0%)家族の交友関係
55.6%(11.5%)家庭での食生活
51.8%(14.0%)読書・音楽・美術などの文化活動
12
地位の結晶化
• 中央公論 2000年11月号 論争「不平等社
会か日本?」 盛山和夫,佐藤俊樹
6 社会階級は変化しているか?
ssm調査参照のこと(社会階級の大きさ)
• 地位の測定
– (1)単一項目
職業 日本のSSM調査
– (2)多項目
日本の場合 SSM調査
– (3)郵便番号コード 日本も番号が細分化され
たためこれを使用できる可能性が高まった。 13
地位の結晶化?
• (2000年調査の東大生の家庭の平均年収は1016
万円,東京大学学生生活実態調査2000年,日本
経済新聞,2002年7月22日による,男子学生平均
989万円,女子学生平均1115万円,年収950万円
以上55.3%,1550万円以上10.4%)
*戦後しばらくは、大学は比較的開かれた場で
あったが、今は、いい大学は金持ちに開かれて
いるといっていいだろう。
14
7 社会階級セグメントへの
マーケティング
• ヴェブレン『有閑階級の理論』岩波文庫,ち
くま学芸文庫
• 衒示的浪費の法則
• conspicuous 衒示的=顕示的,みせびらか
し等
15
衒示的浪費の法則 の基本的構え
《保守主義》
《男らしさ:武勇》
《幸運を信ずる心・宗教》
16
衒示的浪費の法則
(1)衒示的閑暇 《趣味の金銭的基準》《衒示的閑暇
としての礼儀作法》( 第3章 衒示的閑暇)
(2)衒示的消費
(3)代行的閑暇(妻や子供)
(4)代行的消費
(5)制作本能(本物志向)
17
ヴェブレン『有閑階級の理論』のまとめ
(0)富を所有することは、尊敬されるための確固とした基盤を獲得す
ることである。
(1)(野蛮以降の)人間は金持ちであることをひけらかしたがる。
(2)金持ちであることをひけらかすのは
(a)閑のあることを示す。=>顕示的(衒示的、みせびらかし)
閑暇
(b)もの、金で示す。 =>顕示的消費
の2つの方法が基本である。
(3)顕示的閑暇は働かなくていい時間がたっぷりあることを示す。
礼儀作法、政治、軍事、宗教、スポーツ、学問などにあらわれ
る。
政治、軍事、宗教、スポーツ、学問は職業としても有閑階級の
ものである。
それらができるということも閑暇であることを示している。 18
(4)顕示的消費は顕示的閑暇に比べ直接的に金を持っ
ていることを示す。
(5)より、金持ちになると、本人以外に家族、召使などが
閑暇である状態を示すこともある。《代行的有閑階級》
の《代行的閑暇》である。
(6)同様に、《代行的有閑階級》の《代行的消費》もある。
(7)《代行的有閑階級》であるかどうかは、気を使わなけ
ればならない主人がいるかどうかでわかる。例えば、
妻が《代行的》ならば、なんらかの意味で主人への服
従を示す行動をする(ex.帰宅時間にはほぼ家にいる
ようにする)。主人というよりも《家》全体に対する《代
行》である場合も増えている。
19
(8)階級を下るとすぐに、顕示的閑暇はなくなる。
(9)中層階級の下層では、主人の顕示的閑暇がないのに、代行的閑暇
(と代行的消費)がある場合がある。《皮肉な現象》
(10)代行的閑暇のほうが上の階級でなくなり、代行的消費がずっと下
まである。
(11)見せびらかしの消費はまず主人になくなり、子供、最後に妻が残る。
(12)都市化が進み、都市間の流動性が高まると、顕示的閑暇よりも、
顕示的消費のほうが多く見られるようになる。それは、付き合いが
浅くなり、貯蓄があるとか教養があるとかは見えにくくなり、直接わ
かる顕示的消費で示すことになる。たとえば、「おごり」などは、お金
を持ってることを示す簡単な例である。
(13)「制作本能」によって、無駄はいけないことだという考えが生じる。
そのため閑を示す、顕示的閑暇はあまり好まれなくなる。(これは、
産業革命以後の風潮ともいえるが、中層階級のもっている価値観と
20
もいえる)
• (14)精神的な幸福を与える無駄で虚栄の
支出は不可欠である。
• (15)社会階級の一つ上の階級の(消費の)
慣習を真似る。
• (15')もし、階級の区別がはっきりしない社
会では、名声や世間的体面の基準、消費
の標準はすべて最高の社会的金銭的階
級の慣習、思考習慣の模倣となる。
21
《趣味の金銭的基準》
(1)普通は世間のことを気にして消費している。
(a)確立された世間の習慣に従う
(b)それはおかしいとの忠告や批判は避ける
(c)時間や労力の使い方が世間の基準にあうようにする
(d)消費する財貨の種類(製品クラス)、分量、等級(ブラン
ド)が世間の基準にあうようにする
(2)世間の基準に従った贅沢は、人の目につくものについては当
然だが、下着などの目につかないものでも贅沢がある。
22
(3)世間の基準に従うようにする顕示的浪費は、世間の目によっ
てどんどん絞られていき、ある一定の基準が生じて、ついには
正統的な消費の基準となる。
(4)このように生じた慣例の発達は、経済生活に直接影響するだ
けでなく、その他の行動に対しても、間接的な影響を及ぼす。
つまり、何がいいか、何が悪いかについての習慣的な見方に
も影響する。名誉ある浪費の基準が、直接、間接に義務の感
覚、美の感覚、有用性の感覚、敬神(信心)や儀式の感覚、真
理の科学的感覚にも影響する。
次の本も参考にせよ
ジュリエット B. ショア(森岡孝二監訳) 2000. 『浪費するアメリ
カ人-なぜ要らないものまでほしがるか』岩波書店
基準が隣人や同じ階層ではなく,上のレベル(中の上もしくはテレ
ビにでてくる人たち)になっている。そして,服装や家からどの
ような生活やものをもっているかわかる。
23
「大学」を例にとって、考えてみよう。
(1)大学に行く人たちは、代行的閑暇を示していると言える。(大学
名そのものが重要なら、代行的消費)
(2)お勉強も、代行的閑暇において行うものである。
(3)ある程度、上のものの価値観に従うのも、躾の一つのタイプで
ある。これは典型的な代行的閑暇。
(4)ヨリ上層の階級のものは、(3)をしっかりし、主人の価値観に従
うようになっているので、お勉強をする態度も形成されている。
(5)しかも、上層ほど、お勉強自体にもいろんな方法を使うことがで
きる。例えば、家庭教師、塾、参考書、学習用品など。(代行的
閑暇と代行的消費)
(6)さらに、いろんな所にいったり、経験を積む機会も多いので、知
識を総合化しやすい。(代行的閑暇)
(7)(2)~(6)によって、上層のほうが「お勉強」をよくする。
24
下層の場合
(8)下層のほうは、(とくに妻がパートで働いている場合など)親は
自分のことで手一杯であり、しつけをしっかりしない。しつけらし
いことをいっても、それは回数も少なく、丁寧でない。(代行的閑
暇、顕示的閑暇がない)
(9)下層の方は、それゆえ勉強をしたり、自分の興味を伸ばすより
も、時間を潰している子供が多い。(代行的閑暇ではない、単な
る閑)
(10)金がある場合は塾に行かせているが、塾ならどこでもいいとい
う決め方をしていたりする。(代行的閑暇または代行的消費)
(11)学校では、言葉を聞いたり、本を読んだりする学習が重要だが、
どちらもあまり身に付いていない。(代行的閑暇)
(12)学校には不適応
25
(13)大学にはいいところにいく機会も少ない。都会の学校へも行
かせることができない(金銭的理由)。それでも大学にいかせる
こともある(代行的閑暇)。
(14)大学にいっても、したらいいという代行的閑暇的活動もしくは
顕示的閑暇の活動はせず、ただ、友人と話をしたりする程度の、
暇つぶしレベルの活動しかしない。本来の代行的閑暇は、勉学、
スポーツ、芸術などの活動に参加することであろう。ますます、
知的レベル、教養レベル、人間の幅がせばまる。そのほかに、
クラブ活動での部長など人間関係的な面でのレベルをあげるこ
とも代行的閑暇になるだろうが、そういうことをなるべく避けるの
が、意欲の低い人たちである。
(15)このように、低い層の親は、学校でしつけをやると思っている
ようであるが、学校でするのは集団活動で必要なレベルのしつ
けである。大学ではしつけはしないものだと考えない親もいる。
(日本では勘違いの親はかなり広く分布している。説明してもわ
からない場合はかなり下のほうといっていいだろう。)
26
•
*ヴェブレンの有閑階級の理論は有閑階
級だけの理論ではなく、広くすべての階級
に言及した理論である。現在、相対的にレ
ベルが上がってきた日本にとって、重要な
社会の見方を提供している。
27
顕示的閑暇の例
• (1)長い髪の毛 → 働かなくてもいいよ
(2)長い爪
→
〃
28
代行的閑暇と行儀作法p52とはいえ、礼儀作法は、それを行うものにとっても、それを見ているものにとって
も、このような固有の効用をもっているけれども、しかし、礼節の本来的な正しさ
についてのこのような感じは、行儀作法や躾けの流行の直接の根拠にすぎな
い。
その究極の経済的根拠は、それなくしては作法が得られないような閑暇、すなわち
時間や労力の非生産的使用の名誉ある性格のなかに求められるべきである。
よい作法や知識は長きにわたってつづけられる習熟によってはじめて出来上が
るものである。
洗練された趣味、作法、および生活習慣は、上流家族の絶好の証拠である。なん
となれば、よい躾けというものは、時間、熱心、費用などが必要であり、したがっ
て時間なり精力なりが、仕事で手一杯になっているものは、それをりっぱに身に
つけることができないからである。よい作法を知っているということは、育ちのよ
い人の生活のうち、まわりの人の目の前で行われない部分が、なんら利得の効
果をもたない手芸を身につけるために見事に使われたということの、なによりも
はっきりした証拠である。
つまり作法の価値は、それが有閑生活の証拠物件であるということのなかにある。
それゆえに、反対にいうと、閑暇は金銭的名声をうるための因習(あらためられ
ずに続いている古い習慣)的な手段であるから、誰でも多少とも金銭的に見苦
しくない生活を望むものにとっては、ある程度、行儀作法に通ずることが必須の
ことである。
29
....逆にいえば、収益その他、直接に有用な目的にはまったく役立たない儀礼にひじょうに
練達しており、またそのように、ひじょうに習熟している証拠が明白であればあるほど、
それらのものの獲得にともなう時間や物量の消費はますます大きくなり、また、それに
ともなう名声はますます大きくなる。
したがって、よい行儀作法に練達しようとする競争のもとでは、礼節の習慣を涵養(だん
だんにやしない育てること)するのに多くの労苦が払われることになる。かくして、礼節
の細目が発達して包括的な規律を形作るようになり、名声の点で人から後ろ指をささ
れまいとするものはすべて、これに従うことが必要となる。従ってまた他方では、礼節
がそれから派生するこのような衒示的閑暇は、しだいに、立ち居振る舞いについての
労苦の多い訓練とか、いかなる消費品目が上品であり、いかなるものが、それらのも
のを消費する上品なやり方であるかについての趣味や区別にかんする教育まで発展
する。
これに関連して注目に値することは、抜け目のない模倣なり、組織的な訓練なりによっ
て、...作り出すことができるという可能性が...教養ある階級を任意に作り出すのに重
要な意味を持つようになったことである。...けっこう多くの家族なり家系なりの場合に、
良家の生まれの一足飛びの進化が達成される。...
そればかりでなく、上品な消費の品目なり仕方なりにかんする最近の儀礼的な公認基
準に対する適度の合致の程度というものがある。これらの点の理想に対する合致の
程度の、人々の間の格差は、互いに比較することができる。そして、人々は、行儀作
法なり、育ちなりのなりの累進的な度盛り(どもり:温度計などの、度数を示す目盛り)
に従って、ある程度まで正確かつ効果的に格づけされ、部類分けされることもできよ
う。...
30
• 渡辺和博とタラコプロダクション『金魂巻』主婦の
友社(1984) →ちくま文庫(絶版)
• ○金、○び
• ポール・ファッセル『階級−平等社会アメリカのタ
ブー』光文社文庫
• どのようなものをもつか
• (1)衣服(2)家具(3)レジャー
31
8 ハビトゥス
• ブルデュー『ディスタンクシオン Ⅰ・Ⅱ』藤
原書店
• その解説
• 石井洋二郎『差異と欲望』藤原書店
• 趣味と階級
32
「正統性」(石井 p.53)
• 「自分にとって親しみ深いモデル」との日常的接
触を通して獲得された文化資本は、いかにも貴
族にふさわしい「良い趣味(ボン・グー)」を構成
することになるのだが、ここで確認しておかなけ
ればならないのは、良い趣味なるものの正統性
はなんら客観的根拠に裏打ちされたものではなく、
あくまでも文化的階級闘争の(一時的な)結果と
して、勝者である支配階級が敗者である被支配
階級に「押しつけ」、かつ被支配階級によって誤
認=承認された、恣意的な表象にすぎないという
ことだ。(註.ラルフローレン)
33
• p76
•
したがって3階級への分割は主として経
済資本(収入によって測定される)と文化
資本(学歴や消費行動によって測定され
る)を合わせた「資本の総量」によって規定
されることになる。
34
• 生活条件の集合を大まかに種別する基本
的な差異は、経済資本、文化資本、それに
社会的関係資本も加えて、実際に利用しう
る手段や力の総体としての資本の総量に
由来するものである。さまざまな階級(そし
て階級内集団)はこうして、経済資本にお
いても文化資本においても最も恵まれたも
のからこれら両方に貧しいものにまで分か
れてゆくことになる。
35
•
たとえば支配階級の最上部に位置する自由業
の人々は、一般に「収入も学歴も高く、支配階級
(自由業または上級管理職)の出身である率がき
わめて高く(52.9%)、物質的な財であれ文化的財
であれ大量に享受し大量に消費する」のにたい
して、中間階級の下層部に位置する事務労働者
(事務員と商店員をまとめた総称)の人々は、一
般に「学歴が低く、庶民階級または中間階級出
身であるケースが多く、財を享受する量も消費す
る量もきわめて少ない」。こうした対立は、庶民階
級に属する熟練工や単能工、さらには「最も低収
入であり、学歴もなく、そのほとんどが庶民階級
の出身である」単純労働者や農業労働者と自由
業とのあいだでは、もっと顕著になるであろう。 36
経済資本と文化資本の割合が
「資産構造」
• 資本量大・経済資本優位 大工業実業家や大商人
• 資本量大・つりあい型 自由業、私企業および公企
業・官庁管理職,上級技術者
• 資本量大・文化資本優位 高等・中等教育教授、芸
術制作者
• 資本量中・経済資本優位 職人や小商人
• つりあい型 その他
• 文化資本優位 文化媒介者や小学校教員
• 資本量小・経済資本優位 自営農
• その他は資本量の大小で職工長→熟練工→単純労
37
働者・農業労働者
資
本
量
大
文化資本優位
つりあい型
高等・中等教
育教授、芸術
制作者
自由業、私企業
および公企業・
官庁管理職,上級
技術者
経済資本優位
大工業実業家
や大商人
その他
資
本
量
中
文化媒介者や小
学校教員
職工長
職人や小商人
↓
熟練工
↓
資
本
量
小
単純労働者・
農業労働者
自営農
38
• 支配階級:工業実業家、大商人、公企業・官庁管
理職、私企業管理職、中等教育教授、高等教育教
授、上級技術者、芸術制作者、自由業
•
• 中間階級:職人、小商人、事務員、商店員、販売
系一般管理職、事務系一般管理職、一般技術員、
小学校教員、秘書、医療保険サービス従事者、工
芸職人、文化媒介者
• 庶民階級:単純耕作者、農業労働者、自営農、単
純労働者、単能工、熟練工、職工長、家庭使用人
39
趣味と高等教育
• 社会的位置
•
↓
• 階級的ハビトゥス
•
↓
• 個人的ハビトゥス
•
↓
• 慣習行動
•
↓
• ライフスタイル
40
正当的趣味/中間的趣味/大衆的趣味
• 音楽
• <正当的趣味>平均律クラヴィーア曲集、フーガ
の技法、左手のための協奏曲
• <中間的趣味>ラプソディインブルー,ハンガリー
狂詩曲
• <大衆的趣味>美しき青きドナウ、ラ・トラヴィ
アータ、アルルの女
41
絵画
• ゴヤ/ユトリロ、ビュッフェ、ルノアール、
ゴッホ
• その他、写真
42
ゴヤ(1801-1803,スペイン ロココ、ロマン派)
着衣のマハ
43
ユトリロ(1939) Debray à Montmartre
44
小沢雅子『新「階層消費」の時代』
日本経済新聞社(1985)(朝日新聞
社文庫)
• ストックを持っているものと持っていないも
ので階層の違いがあり消費スタイルの違
いがあるという指摘がある。
45
電通総研『「豊熟」消費』日本経
済新聞社(1989)
• 電通は階層とはいっていないが金持ち層
をターゲットにした分析をしている。
• この本でもストックリッチの余裕度が他と
違っていることがわかる。もうひとつ普通の
レベルなのにやたら消費しまくる一群の人
がいることである。
• バブル期の調査。
46
電通総研『新ぜいたく主義宣言−
クオリティ確信派の誕生』日本経
済新聞社(1994)
• マーケットを考えると金持ち層にターゲット
を当てた方がいいことはわかっている。
47
• 経済学の「価格弾力性」にも注意すること。
• 家計調査等でかならず品目別データがで
ている。
48
階級・階層についての
最近の参考文献
• 「中央公論」編集部編『論争・中流崩壊』中公新
書ラクレ(2001)
•
2000年にまきおこった中流・不平等の論文・
記事をまとめたもの
• 佐藤俊樹『不平等社会日本』中公新書(2000)
• 原純輔・盛山和夫『社会階層−豊かさの中の不平
等』東京大学出版会(1999)
• 『日本の階層システム』1〜6 東京大学出版会
(2000)
49
2節 文化
• 【文化/文明】culture/civilization
• 用法は国によって違う。ドイツではKulturが精神文化、
Zivilizationが物質文明を意味し、前者を高く後者を低く
見る傾向がある。
• これに対して英米ではcultureは生活様式(way of life)の
意味。その中で特に高度のものを文明とよぶが、その基
準は固有の文字を持つことなどがあげられる。
• 日本の場合には、戦前はドイツ流の使い方、程度の高
いものに限って用いた(文化人、文化住宅等)が、戦後
は英米流の使用がひろがり、高低に限らず生活様式を
さすようになり、特に文化人類学では、もっぱらこの用法
である(縄文式文化、ピグミーの文化など)。
• 知恵蔵 1992
50
1 文化的価値
• (1)多文化マーケットにおけるマーケティング
– 日本単一?
– 北米 カナダ・米国・メキシコ
• (2)北米文化
– 1992年 EC
– 北アメリカマーケティング圏
51
2 文化とはなにか
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
自己と空間の感覚
コミュニケーションと言語
衣服と外見
食べ物と食習慣
時間と時間意識
関係(家族、組織、政府など)
価値と規範
信念と態度
精神過程と学習
仕事習慣と実践
52
• (1)価値
– 価値は共有された信念または個人に内面化された集団
規範
– 規範は個々の成員のための行動規則に関するその集団
の合意としてある信念。
• (2)マクロ文化
– 社会全体または市民の大多数にあてはまる価値・シンボ
ルのセット
• (3)ミクロ文化
–
宗教、民族、その他下位分割の価値・シンボルのセット
53
3 いつ人は自分の価値を獲得する
か?
•
•
•
•
•
(1)社会化
(2)文化は学習される
(3)文化は教え込まれる
(4)文化は社会を満足させる反応に報酬を与える
(5)文化は適応的
54
4 文化はいかに消費者行動に
影響を与えるか
• (1)なぜひとは製品を買うか
– 消費者は製品を買って、機能、形式、意味を
得る。
55
(a)機能
• 洗濯機−衣服を綺麗にする
• 食べ物−栄養になる
– 期待が充たされたならば、消費者満足が高くなり、ロイ
ヤルティが生じる
• 洗濯機
– ヨーロッパ文化 高能率、高負担1000ドル以上 ドイツ
のMIEL
– 北米 失敗→数百ドル、高い品質を望まない
– 引っ越しが多くて、修理のレベルがよくない
– →簡便なものを選ぶ
– →使い捨て :壊れたり、引っ越しには捨てる
• 文化的文脈が製品の機能の意味を決める。
56
(b)形式
• 寿司 日本は生 北米は生はだめ
• 前面洗濯機 ヨーロッパはいいが、米国は
だめ
57
(c)意味の象徴
• ほうれん草は「力」と結びついている。
• 食べ物は慣習的行動と結びついている。
– 正月−雑煮 こどもの日−柏餅
•
→記号論・製品の記号論
58
(2)消費の構造
• よい教育、健康 よいコンピュータ、よい音
楽
59
(3)個人の意思決定
• 金持ち・貧乏人 価格
• 値切り交渉 文化による
• 不満・満足の表明 そば屋の出前
60
(4)コミュニケーションと消費のイ
デオロギー
• テレビ番組
• SECULAR 世俗的消費 うらみ・ねたみ
• SACRED 聖なる消費 愛・栄光・統合
技術的に作られた物財に興味がない
61
5 核的価値がどのようにマーケ
ティングに影響するか
62
米国の価値
•
•
•
•
•
•
•
•
物質的よさ→物質主義,清潔さ
2値的価値
仕事は遊びより重要
時は金なり
努力、楽観主義、起業家精神
自然の征服
平等主義 達成の機会均等
博愛主義
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