大阪府育英会奨学金事業に関する資金調達手法について ●育英会奨学金の現行の資金調達手法(銀行短期融資の活用方式)について、総務省指針(H21年6月)を踏まえ銀行団から見直し要請(交渉中)。 ⇒府及び銀行からの長期借入方式への転換について検討(府トータルの方針が必要)。 【一般財源必要額 27億円】 (内訳:①府長期貸付金 約21億円[新規]、②利子補給補助金6億円[新規]) 1.経緯 ●H11年度 府は財政難を理由に育英会への長期貸付(240億円)を引き上げ。 ※主な長期貸付事業についての全庁的方針。 ⇒府方針に従い、育英会奨学金についても、資金調達を「府長期借入方式→銀行短期融資の活用方式」に転換 ※銀行短期融資の活用方式とは… ①年度当初(4/1)、府から育英会に対し事業資金として短期貸付(年度末返済必要) (※H20年4月:388億円) ②年度末(3/31)、育英会が府への返済資金として年度超え(3/31~4/1)資金を銀行団から短期融資を受ける(※H20年3月:337億円) ③再び翌年度当初、府から育英会に対し事業資金として短期貸付。以降、返済・借入を繰り返して資金調達する手法 ●H21年6月 総務省指針「短期貸付金による反復かつ継続的な支援について早期に見直すべき」 2.銀行短期融資の活用方式の課題 ①不安定性 府の金利負担が小さいというメリットがあるが、銀行団が撤退した場合、奨学金事業の継続が不可能になる。 *銀行団は、総務省指針公表後、強く転換要求。新BIS規制や金融情勢の悪化に伴い、現行手法の継続は困難との見解。 ②歳入欠陥リスク 銀行団から短期融資が受けられない場合、府への短期貸付金の償還が不可能となり、決算において歳入欠陥が生じる。 ※上記①②のリスクは、銀行短期融資活用方式をとる府(外郭団体)の長期貸付事業も同様に抱える。 ③長期借入への転換による一般財源負担の顕在化 ・現行手法では、一般財源負担は年度越え資金に係る借入期間(通常2日間)の金利負担のみ(H21:約214万円) ・長期借入転換により、長期借入手数料(借入時)や金利負担(償還終了までの毎年度)が発生。一般財源による予算措置が必要。 3.今後の対応 ①育英会奨学金の資金調達は、銀行短期融資の見直しに伴うものであり、部局だけでの財源捻出は困難。全庁的な方針決定が必要。 ②今後の奨学金のあり方については、高校無償化の動向を十分見極め、事業収支バランスを図り、将来的に持続可能な制度となるよう検討。
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