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2013年3月
厚木市は、なぜ「セーフコミュニティ」に
取組み、何が変わったのか?
第2回 「高齢者を標準とするしくみづくり検討委員会」
セーフコミュニティロゴマーク
セーフスクールロゴマーク
厚木市セーフコミュニティ推進課
藤川
宏
1
も
く
じ
1 厚木市の概要と従前の状況
2 新しい発想で新しい安心・安全なまちづくりが始まった
(1) セーフコミュニティ(SC)とは
(2) SCの取組方針
(3) 既存の取組ではないSC
(4) SCの推進体制と課題の抽出・整理、取組状況
・厚木市セーフコミュニティ推進条例
・推進体制
・課題の抽出・整理、優先的取組
・8つの対策委員会
・サーベランス委員会
・SC推進地区
(5)インターナショナル・セーフ・スクール(ISS)
(6)全国セーフコミュニティ推進自治体ネットワーク会議
3 市民意識の変化
2
1 厚木市の概要と従前の状況
3
神奈川県厚木市
人口 224,924人
H25.01.01現在
4
小田急小田原線「本厚木駅」北口広場
◆ 昼間人口 254,000人
◆ 昼夜間人口比率 +114.7%
※ 昼夜間人口比率は、全国16位 (ターミナル駅を除く)
5
活気にあふれる本厚木駅
◆ 本厚木駅 1日平均乗降人員 140,186人
6
※ 関東大手私鉄 乗降人員 関東順位1位 (ターミナル駅を除く)
厚木市における刑法犯認知件数の推移
ー平成18年までー
8,000
7,163 7,072
7,000
6,622
6,000
5,456
4,982
5,000
4,426
3,652
4,000
3,057 3,220 3,206
3,024
6,340 6,246
5,165
4,274
3,743 3,896
3,383
3,000
2,000
1,000
0
元年
2年
3年
4年
5年
6年
7年
8年
9年
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
7
犯罪は減ったが・・・?
女性や子どもたちの
不安感が・・・・・・
8
市民意識調査
(単位:%)
【質問事項】
犯罪や非行の防止について5年前との比較
調査年度
項
目
H13年
H15年
H17年
3.0
3.0
4.4
変わらない
39.6
30.4
32.8
悪くなった
42.8
54.0
54.2
無回答
14.6
12.6
8.6
良くなった
9
犯罪は、減少しているのに
何が体感治安不安感を増長させているのか?
1 風俗産業などの有害環境
2 若者のたむろ
3 ゴミの散乱、落書き、空き店舗などの環境
○ピンクビラ、客引き、違法駐車、落書き、ゴミの散乱、放置自転車、
違法看板などの悪質な行為や街の暗がりなどが、来街者に無秩序・不
安感を感じさせ、街の魅力を減退させている。
賑わいのあるまちづくりは、
「怖い」「危ない」「汚い」を排除
繁華街対策は、街のマイナスイメージ排除から始まる
10
本厚木駅周辺環境浄化パトロール
H19.7.19実施
11
三位一体で違法風俗店排除
H19.7.11開催
「本厚木駅周辺違法風俗店等排除大会」
厚木市文化会館小ホールで開催
12
迷惑行為防止キャンペーン
H19.7.27実施
13
2
新しい発想で
新しい安心・安全な
まちづくりが始まった!
平成20(2010)年~
セーフコミュニティ
14
2(1)セーフコミュニティ(SC)とは
WHOが推奨する、市民協働の取組です。
事故やケガは、偶然の結果ではなく、
予防できるという観点から、
地域住民と行政等関係機関が協働して
「地域の誰もがいつまでも健康で安全に
暮らせるまち」を創ろうという取組です。
予防可能
地域住民と行政等
15
2(2)
SCの取組方針
○ 7つの方針
1.コミュニティにおいて、セーフティ・プロモーションに関連するセクションの垣根を越
えた組織が設置されていること。
2.全ての性別、年齢、環境、状況を対象とした、長期にわたる継続的なプログラム
を実施すること。
3.ハイリスクグループと環境に焦点を当てた、プログラム及び弱者とされるグルー
プを対象とした安全性を高めるためのプログラムを実施すること。
4.根拠(エビデンス)に基づいたプログラムを実施すること。
5.傷害が発生する頻度とその原因を記録するプログラムがあること。
6.プログラム、プロセス、そして変化による影響をアセスメントするための評価基準
があること。
7.国内及び国際的なセーフ・コミュニティネットワークへ継続的に参加すること。
(行政として先進事例の把握や、SC活動実践者との情報交換のため。)
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2(3) 既存の取組ではないSC
従
国 諸官庁
S
市民・地域の発意
C
前
法 律
国 施策
県 指導
市町村 実施
市民 協力
行政等関係機関相互の
垣根を越えた体制・協働
セーフティプロモーション実施
サーベイランス 評価・監視
セーフコミュニティ
17
2(4)
SCの推進体制と
課題の抽出・整理、
取組状況
18
厚木市セーフコミュニティ推進条例
国内初 10/11制定
セーフコミュニティを推進し、誰もが
健康で安心して安全に暮らすことので
きる良好な地域社会の実現に寄与す
ることを目的に制定。
継続的に推進!
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厚木市のセーフコミュニティ(SC)推進体制
厚木市セーフコミュニティ推進条例
市民・自治会・企業・各種団体など(既に取組んでいる安心・安全活動を効果的に推進)
愛の目運動・セーフティベスト着用運動・かけこみポイントの普及・防犯パトロール・あいさつ運動・清掃活動など
厚木市SC推進協議会 【プログラムの方向・実施決定】
【進行管理】
SC対策委員会
特定の分野における8つのプログラムを実施
①交通安全
②自転車生活の安全
③体感治安と公共の場における安全
④家庭と余暇の安全
⑤子どもの安全
⑥高齢者の安全
⑦暴力・自殺の予防
⑧職場(労働)の安全
外傷サーベイランス委員会
SCの頭脳としての役割
外傷及び地域診断によるデータ分析、評価、検討
評価・改善指摘
【情報提供】
SC推進地区
地域の実情にあったプログラムの実施
と課題に対する対策実施
犯罪防止
交通事故防止
自転車事故防止
不審者警戒
危険箇所チェックなど
庁内組織
SC関係次長会議 SC検討委員会 SC作業部会
SC推進委員会
条例の運用状況の点検等
警察署内部組織 (厚木警察署 SC作業部会)
JISC(日本SC推進機構)支援・評価
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課題の抽出と整理、優先的取組
厚
木
市
の
課
題
S
C
プ
ロ
グ
ラ
ム
既存の統計
資料や社会
調査等の分
析の結果か
ら、取組を整
理
①自殺
判明
①自殺 ・・・・ ・・・・・・・・・・・
②交通事故 ・・・・・・・・・・・・
③体感治安不安 ・・・・・・・・
④高齢者の事故 ・・・・・・・・
⑤子どもの事故 ・・・・・・・・・
⑥自転車の事故 ・・・・・・・・・
⑦家庭と余暇でのけが ・・・・
⑧職場での事故 ・・・・・・・・・
②交通事故
最優先
課題
⑤子どもの事故
⑥自転車の事故
③体感治安不安
⑦家庭と余暇でのけが
④高齢者の事故
⑧職場での事故
優先
課題
自殺防止広報活動、自殺未遂者支援策、自死遺族支援策、健康相談等
自転車走行環境整備、利用者ルールやマナーの遵守等
青色回転灯搭載車を活用した地域安全対策による犯罪防止等
運動や食生活による転倒予防等
不審者対策、児童館、保育所、学校での事故防止等
走行環境整備、利用者のルール・マナー遵守等
水難事故防止、セーフティ住宅支援等
製造業における「はさまれ巻き込まれ」・「転倒」などの労務災害防止等
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8つの対策委員会(タスクフォース)
対策委員会名
関係団体等の委員
① 交通安全
警察署、消防、交通安全協会、交通安全指導員協
議会、交通安全母の会の方々など
② 自転車生活の安全
警察署、交通安全協会、交通安全指導員協議会、
自転車商協同組合の方々など
③ 体感治安と公共の場
における安全
警察署、市安心安全なまち会議連絡会、地区安心
安全なまち会議連絡会の方々など
④ 家庭と余暇の安全
消防、漁業協同組合、自治会連絡協議会、観光協
会、ボーイスカウトの方々など
⑤ 子どもの安全
青少年指導員連絡協議会、子ども会育成連絡協
議会、小中学校PTA連絡協議会の方々など
⑥ 高齢者の安全
老人クラブ連合会、地域福祉推進協議会、食改善
推進団体、体育指導員協議会の方々など
⑦ 暴力・自殺の予防
警察署、医師会、労働基準監督署、保健福祉事務
所、民生委員児童委員協議会の方々など
⑧ 職場(労働)の安全
警察署、消防、医師会、労働基準監督署、県労務
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安全衛生協会、民間企業代表の方々など
プログラム
・事故多発地域や危険箇所の検証・対策
信号機改良等による交通事故の減少
20
15
田谷交差点
市立病院前交差点
10
5
対策委員会
0
田谷交差点
市立病院前交
差点
18年 19年 20年
19
12
18
7
1
6
21年 22年
3
6
1
6
交通事故対策は、本市の課題!
民間交通監視所の設置、交通安全運動、飲酒運転、
高齢者事故防止など交通安全啓発
道路危険箇所の補修・歩道の段差解消や視覚障害者誘導ブロック
の設置など
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①交通安全対策委員会
プログラム
・自転車の走行環境整備
・利用者のルールやマナー遵守の方策
中心市街地における自転車事故対策
スケアードストレート交通安全教室
自転車マナーアップ
キャンペーン
自転車専用レーン試験的導入!
460m
対策委員会
自転車事故発生件数
2008
408件
2009
387件
2010
342件
2011
324件
②自転車生活の安全対策委員会
24
プログラム
・体感治安の不安改善対策
・ケータイSOSネットによる防犯情報の提供
・青パトを活用した空き巣等の犯罪防止対策
※青パト(青色回転灯搭載車両)
青パト車両台数
H21.12 46台
H22.10 58台
H24.03 76台
対策委員会
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③体感治安と公共の場における安全対策委員会
プログラム
・河川における事故の防止
※ 厚木市には河川が多くあるのが特徴→消防の出動件数も多
い
水難事故救急出動件数(H17~20年)22件
平塚市68件、相模原市35件に次ぎ県下3番目
危険箇所看板設置
H21 2個所
H22 16個所
H23 7個所
河川安全リーフレット作成 15,000部
水辺ガイドマップ作成
14,000部
水名注意チラシ作製
100枚
定期的パトロール
④家庭と余暇の安全対策委員会
26
2009.9.16
プログラム
・不審者対策
・児童館、保育所の事故防止
・学校の事故防止
下校時に交通事故、不審者
出没箇所、横断歩道やミラー
など危険箇所等をチェック
児童館 転倒・転落が7割
危険予知トレーニング「危険を予測する力」を育む
実施回数
事故やけが
H21年度 224回
53件
H22年度 205回
46件
⑤子どもの安全対策委員会
2009.8.5 27
プログラム
・運動や食生活の改善による転倒予防対策
高齢の方は転倒されて大腿骨などを骨折する
と、寝たきりになったり、介護の度合いが進む
ことが多いというデータがあります!
健康体操による転倒予防対策
いきいき料理教室を開催
対策委員会
転倒防止パンフレットの作成
高齢者や介護予防施設等に10,000部配布
⑥高齢者の安全対策委員会
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○ 高齢者を標準とする仕組みづくり
◇ 神奈川の高齢化率は、20.2%―――沖縄に次いで若い方。
しかし、20年後は3倍となる予測。
◇ 「高齢者のパワー全開」とは、生活習慣病=成人病の解消によ
る健康寿命日本一を達成すること。 (黒岩知事)
◇ 「高齢者のパワー」とは、高齢者が培ってきた、「キャリア」
「保持している資格」であろう。
◇ 高齢者には、「栄養」「運動」「睡眠」が必要。
◇ 「1か月あたり2時間働こう」という、運動ができないか。
第7回「黒岩知事との“対話の広場”
Live神奈川」
6つの領域・3つのゴール
介護に依存しない社会の実現へ
29
プログラム 業種別で製造業が多く、「はさまれ巻き込まれ」、
「転倒」などの事故対策
製造業における事故の
労働安全の注意チラシを工業団地で配布!
型別災害発生状況
厚木労働基準監督署と連携し、労働災害発
生状況をHPに掲載!注意喚起を図っている!
(2001~2006年)
0
出典:社団法人神奈川労務安全衛生協会 厚木支部
100
200
300
400
244
転倒
171
155
140
129
切れこすれ
飛来落下
墜落転落
動作の反動
崩壊倒壊
激突され
高温低温物との接触
対策委員会
交通事故
その他
600
534
はさまれ巻き込まれ
激突
500
70
63
50
35
32
23
転倒
はさまれ巻き込まれ
神奈川労働局及び厚木労働基準監督署が把握するデータを用いて、データ分析、合理的・
効果的な対策の検討を継続的に進めています。
⑦職場(労働)の安全対策委員会2009.10.29
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