東京大学医学部附属病院 精神保健・臨床心理コース 2008/6/19 リハビリテーション部 精神科デイホスピタル 説明会の内容 • • • • 挨拶(古川Dr) スタッフ紹介 養成コースの概要・応募要領 (山崎CP) デイホスピタルについて – デイホスピタルの概要 (浅井Nr) – 実行委員会方式・SST (山崎CP) – 日常プログラム (清水CP) – 個人受け持ち・ケースマネジメント (永井Nr) – 就労支援・家族支援 (石橋OT) • 研修の実際について • 質問タイム 研修の概要 研修の目標 一定の指導のもと,治療者として精神障害者 に関わることが出来るようになる 研修期間 2年間:大きく3つに分けられる ①メンバー研修 ②担当研修(前期) ③担当研修(後期) ①メンバー研修 目標:集団への入り方を習得する 集団場面を通じて、以下の3点を学ぶ 1.患者個人への接し方と障害の把握の仕方 2.集団場面での治療者としての振舞い方 3.集団場面での治療構造・枠組み • デイホスピタルの治療構造,プログラムや SST,心理検査などについて講義があります. ②担当研修(前期) 目標:指導を受けながら治療的関わりができる 個人受け持ちを通して,以下の3点を習得する 1.個人の障害を客観的に評価し,指導を受け ながら治療的な関わりを実践する. 2.スタッフとしての視点で参加し,集団運営の 仕組みを理解し必要なスキルを修得する 3.社会的資源(ハローワーク・就労支援センター など)利用の方法について学習する ③担当研修(後期) 目標:スーパーヴァイズのもと治療的に関わる 1.集団力動の把握を目指し,スーパーヴァイズ のもとに集団運営を実践する 2.就労活動の援助を通じて,社会資源の有機的 な利用をマネージするスキルを獲得する 1年目の流れ 4~6月 7月~10月 11月~3月 グループ メンバー研修 小グループ担当 グループ担当 ケース ー 1ケース担当 複数ケース担当 SST メンバー研修 準スタッフ研修 リーダー研修 心理教育 症状自己管理 モジュール 講義・その他 家族心理教室 プログラム概説・精神医学・他施設見学 外来面接同席・家族会参加 2年目の流れ 4~6月 グループ ケース グループ担当 講義・その他 11月~3月 グループ担当 プログラム運営担当(料理) 複数ケース担当 就労支援 リーダー研修 SST 心理教育 7月~10月 症状自己管理 モジュール 家族心理教室 心理テスト実習/WAIS-R実習/就労検査実習 臨床心理学・臨床精神医学研究指導 研修の概要 • 研修曜日・時間 月~金 9:30~17:00 週4日以上が望ましいが,相談の上決めます • 研修費用 無料 • 募集人員 若干名 • 臨床心理士の実務経験として加算可能です 応募要領 • 応募締め切り 2008年7月10日(木)必着 • 必要書類 小論文 テーマ「デイホスピタルでやってみたいこと」 A4横書き400字詰め原稿用紙3枚以内 自筆文に限る(ワープロ不可) 履歴書・証明書(在学・卒業見込・卒業・修了証明書) • 一次選考 書類審査と面接 面接日 2008年7月12日(土) • 二次選考 4日間のデイケア参加 2008年7月15日(火)~7月25日(金) 8月18日(月)~8月29日(金) 上記期間内で4日間(日程は相談の上決定) 東大DHの概要 統合失調症の再発防止と社会復帰を目的に 1974年に設立された大規模認可デイケア ◆疾患:統合失調症,アスペルガー症候群,人格障害 ◆平均年齢:27歳位 ◆平均在籍者数:40人 ◆平均通院日数:約2.5年 ◆総受け入れメンバー数:530人(2008年6月現在) ◆就労者数:192人(39%)(2004年末) ◆スタッフ数:Dr1人,Nr2人,CP2人,OT1人 実行委員会方式とは? • メンバーが主体的にデイケアプログラムの運営を担 うシステム.さまざまな役割を分担して遂行していく. 社会生活のシミュレーション. • 目的は以下の4つ ①再発状況の特定 ②病状の安定と人格の成長 ③社会適応的行動の体得 ④成功・仲間入り体験により,自信を回復する • 個人受け持ち制と有機的に連動させ,ケースマネジ メントに役立てる 実行委員会方式とは? • デイケア内には大小さまざまな役割・仕事がある – 毎日のお茶を用意する,ごみを捨てる係 – スポーツプログラムを取り仕切る – 料理を取り仕切る – 日帰りイベントを企画・実行する委員 – デイケア全体のプログラムを統括する委員 • 個人でマイペースに行える簡単な仕事から,グルー プで行う責任の重い仕事まで,さまざまなステップの 仕事がある • スタッフは,メンバーが成功体験を積めるように,適 宜働きかけを行う. SST(生活技能訓練)とは? • Social Skills Training:認知行動療法の一つ • 日常生活に必要なコミュニケーションスキルを,認知行 動療法の技法を使ってトレーニングするプログラム • Ex.挨拶をする・会議の司会・大勢の前で発表・友達と 仲良くなる・就職面接etc… • 精神障害者はコミュニケーションスキルが不足しがち • 週1回 1時間(火曜日) 1グループ約10名 • リーダー(スタッフ)がセッションを進める SST(生活技能訓練)の実際 その他の心理療法・心理検査 • 症状自己管理モジュール – 認知行動療法の一つ.幻聴や妄想などの症状に関する正し い知識を知り,自分でコントロールできるようになるためのプ ログラム.(全11回 1クール) • 家族心理教室 – 精神障害を持つ人の家族を対象にしたプログラム.病気の 正しい知識を知り,正しい対応法を家族に学んでもらう.家 族のエンパワメントを図る.(全5回 1クール) • 各種心理検査の実施 – ウェクスラー知能検査,ロールシャッハテスト,職業適性検査, 各種パーソナリティ検査 etc… 日常プログラム 誰でも参加できる簡単な単一プログラム 集団療法の手段と位置づける 月 木 金 A 軽作業 スポーツ 料理 M 主治医面接 料理買物 料理相談 職員 会議 ゲーム P M 職員 会議 スポーツ 軽作業 全体会 火 SST 全体会 水 茶話会 全体会 全体会 臨時プログラム 集団の凝集性を高め、役割を作る 1回/2ヶ月程度のイベント 日帰り旅行、クリスマス会、一泊合宿、海水浴など 実行委員を中心に係り活動を行い,メンバー全 員で準備 役割をこなすことで達成感↑ 人間関係の育成 随時プログラム 雰囲気を変え,グループの凝集性を高める ◆ DH委員企画のミニイベント 卒業式・成人式など 地域との連携プログラム バスハイク・バザー・地域交流祭 ◆ スタッフ主導のプログラム PC教室 個人受け持ち 医師よりDHの導入依頼 ↓ 本人や家族から DH見学の案内 生活歴や病歴を ↓ きき,生活特徴の 予測を行うことが インテーク面接 出来る.スタッフと 本人との関係の ↓ 始まりにもなる. 新メンバーとしてDH導入 ↓ 集団場面に入っていくサポート ・集団場面 個人受け持ち <導入・メンバーに入り不安の時期> ⇒一緒に過ごす・メンバー同士の橋渡し・不参加の自由を保障 <集団に溶け込楽しい時期・本人の特徴が現れてくる時期> ⇒特徴に対応した関わり・DHでの役割に巻き込む <就労など社会復帰へ向かう時期> ⇒メンバー同士の関係を見守る・自己洞察促す・問題あれば介入 ・個人面接場面 導入時インテーク 心理検査(WAIS-R,ロールシャッハ等) 個人面接,カウンセリング 就労(復学等の社会復帰)支援 家族支援,ケースカンファレンス 研修生一年目 :夏休み明けから 個人受け持ち 研修生二年目 :3-4ケースの受け持ち 就労支援 (病気を明かした就労) 1.就労検査 WAIS-R・Ⅲ,内田クレペリン,職業適性検査,職業興味テスト 2.方針を定める(四者面談) 3.就職活動(スタッフ同行・SSTを活用) ハローワーク 就労支援センター 会社面接 4.就労継続 会社訪問,相談(面接,Tel) 家族支援 ・家族カウンセリング(随時) ・家族心理教室(年1回) 精神障害を持つ人の家族を対象にしたプ ログラム.病気の正しい知識を知り,正し い対応法を家族に学んでもらう. ・家族会(3ヶ月毎) ご家族が企画・運営 ご家族の勉強・交流の場
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