2011年すばる体験観測企画 観測ターゲット候補

2011年すばる観測研究体験企画
観測ターゲット候補
太陽系外惑星探査プロジェクト室
成田憲保
観測ターゲット候補
よいターゲットを選ぶ基準
• 科学的な戦略・価値があるかどうか?
– 今回は既に惑星が発見されている恒星のまわりに新しい惑星・褐色
矮星を探す→そのような天体を探す根拠があるか?
• 限られた観測時間に十分な精度が達成できるか?
– 観測時の天体の高度などを調べる(十分に高く上っているか)
– 天体の明るさを考える(明るすぎても暗すぎてもだめ)
• 直接撮像の場合
– 偶然同じ方向にある天体と見分けるために、なるべく太陽系に近く、
天体の固有運動の大きな天体が良い
今回の観測ターゲット候補
• epsilon Eridani
• upsilon Andromedae
• HD7449
• (もし他にあれば追加可能)
epsilon Eridani
• 太陽系から10光年のところにある非常に有名な惑星系
• V等級で3.73等(肉眼で見ることが可能)
• 1つの惑星が視線速度法で確認されている
• もう1つ遠くに惑星があるかもと報告されたが、未確認
• ダスト円盤(微惑星同士の衝突などで起こる星周円盤)を
持っている
• 過去にいくつものグループが観測を行っている(HiCIAOでも
この企画と異なるモードで9月に観測を行う予定)
• とても明るいのでコロナグラフのマスクを使う必要あり(観測・
解析がやや難しくなる)
upsilon Andromedae
• 太陽系から44光年のところにある
• V等級で4.09等(肉眼で見ることが可能)
• 2011年までに4つの惑星が視線速度法で確認されている
• 視線速度法ではよく知られた惑星系
• 惑星の軌道が円軌道でない→過去に惑星同士が弾き飛ばし
あってできたと考えられている→これより外側にないかどうか
気になる
• 昨年12月にHiCIAOで観測していて、追観測の候補
• とても明るいのでコロナグラフのマスクを使う必要あり(観測・
解析がやや難しくなる)
HD7449
• 太陽系から127光年のところにある
• V等級で7.5等(肉眼では見えない)
• 2011年7月に発表されたばかりの新しい惑星系
• 2つの惑星が視線速度法で確認されている
• 外側の惑星は周期11年
• 惑星の軌道が円軌道でない→過去に惑星同士が弾き飛ばし
あってできたと考えられている→もう1つ外側にいるかも?
• 発表されたばかりなので、おそらく世界で誰もまだ直接撮像
観測をしていない→HiCIAOでの観測候補
• 適度な明るさなのでマスクを使う必要はない
12月21日の天体の高度
この企画の観測時間
HD7449は最良、ups And.は良い観測条件
eps Eri.は条件がかなり悪い
議論&投票
• 正解はありません
• 各天体の詳しい性質やなぜこの惑星系が面白いかは後ほど
皆さんに調べてもらうことになります