経済原論IA 第3回 西村「ミクロ経済学入門」 第3章 消費者と需要 京都大学経済学部 依田高典 1 需要の分析の歴史 限界革命:1870年代、近代経済学の誕生 基数的効用分析(限界効用分析) 1930年代、新・厚生経済学の誕生 序数的効用分析(無差別曲線分析) 効用の可測性と個人間比較の問題 消費者は本当に合理的か(消費者主権の問題) 2 1. 効用関数 効用:消費から得る満足 第1財・第2財の消費(X1,X2) →効用U 効用関数:U(X1,X2) 3 2. 無差別曲線 無差別曲線:効用水準が一定となる財の組 み合わせ (a)右下がり (b)北東(右上)ほど高い効用 (c)原点に対して強く凸(とつ,convex) (d) 無差別曲線は交差しない 4 X2 無差別曲線 O X1 5 3. 限界代替率 限界代替率:第1財1単位が第2財何単位に 相当するか MRS12= ー ΔX2 / ΔX1 限界代替率逓減の法則: X1増加 → MRS12逓減 (∵原点に対する強い凸性) 6 X2 限界代替率 MRS12=ーΔX2 /ΔX1 ΔX2 ΔX1 O X1 7 X2 限界代替率逓減の法則 O MRS12 X1 MRS12’ X1’ X1 8 4. 限界効用 限界効用:ΔX1に対する効用増加分ΔU MU1=ΔU/ΔX1 =[U(X1+ΔX1,X2)ーU (X1,X2)] / ΔX1 無差別曲線の定義: MU1ΔX1+ MU2ΔX2=0 限界効用の比=限界代替率: MU1/MU2=ーΔX2/ΔX1=MRS12 9 5. 予算制約式 購買可能集合:消費可能な財の組み合わせ 価格P1,P2、所得Iとして、 P1X1+P2X2≦I 予算制約式: P1X1+P2X2=I 又は X2 =ー(P1/P2) X1+I /P2 10 X2 I/P2 O 予算制約式 P1X1+P2X2=I又は X2 =ーP1/P2+I /P2 I/P1 X1 11 6. 需要の決定 合理的選択:購買可能集合から最も高い効用 を与える財の組み合わせを選択 最適な財の組み合わせ: 予算制約線と無差別曲線の接点D MRS12 = P1/P2 限界代替率 相対価格 あるいは MU1/P1= MU2/P2 貨幣一単位あたりの限界効用均等の法則 12 X2 MRS12 = P1/P2 X2* O D X1* X1 13 山本「演習」(時間に余裕がある場合) 選択問題6. MRS12=MU1/MU2=(1/X1)/(1/X2)= X2/ X1 選択問題7. 予算制約式: 5X1+10X2=100 MRS12 =P1/P2 :X2/ X1 =5/10 以上よりX1 =10, X2 =5 選択問題8. 予算制約式: P1X1+P2X2=100 MRS12 (= X2/ X1)=P1/P2 以上よりX1 =50/ P1, X2 = 50/ P2 選択問題9. 新しい予算制約式:0.5X1+1X2=10 相対価格P1/P2 =0.5/1もX1MAX=I/P1=10/0.5=20で変化して いない 14
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