Zero Racer 最終発表 平田吉秀,土井彰,柳瀬匡甫 背景 エアレース リノ・エアレース フォーミュラワン 複葉機 レッドブル・エアレース スポーツ T-6 アンリミテッド(無制限) エアレースの様子 ジェット 主な出場機体は第2次大戦終戦前後の機体 かつて”Zero Fighter”の名で 恐れられた伝説の名機 零戦をベースにした エアレース用の機体 ダゴ・レッド(マスタング) 2012/02/06 レア・ベア(ベアキャット) 航空機設計論 最終発表 2 エアレース(レースコース) 周回数 予選レースでは6週 決勝では8週 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 3 概要 • 飛行機のコンセプト 1.零戦らしさを残し、かつデザインがかっこいい。 2.速い,レースに勝てる 3.可能な限りの軽量化 • 設計要求 航続距離 巡航マッハ数 巡航高度 乗員 ペイロード 最大離陸重量 2012/02/06 2500km 0.7 15 m~ 1人 0 kg 8000lb 航空機設計論 最終発表 ロサンゼルス―リノ間 4 三面図 Unit:ft 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 5 重量推算 合計:8000lb 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 6 重量分布 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 7 主翼面積・翼平面形の選定 •主翼面積・・・・低翼面荷重かつ面積が大きすぎない 主翼面積は22.44m2(241.9ft2) •翼平面形・・・・零戦らしさを残すためテーパー翼 •翼型選定 翼型はNACA66206を選定 使用ツール XFOIL •選定基準として 1. 揚力が大きくない 2. 抗力が小さい 3. 軽量化のため薄く 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 8 XFOIL計算結果(EXCELプロット) 翼型選定手順 いくつかの翼型をXFOILで計算→その中から条件に合うものを選ぶ→翼型の決定 今回は最終的に2つ候補が残った(NACA23012,NACA66206) 2.5 0.06 CL CD 0.05 2 0.04 1.5 0.03 1 naca23012 0.02 naca23012 naca66206 0.5 naca66206 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 迎角(deg) 0.01 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 迎角(deg) 低迎角(0~10°)における揚力係数、抗力係数の大きな違いはないが機体軽量化のため 翼厚がうすいNACA66206を翼型として選定した。 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 9 翼面荷重推算 コンセプト・・・・低翼面荷重 (軽量化・旋回半径小) 推算方式 最終的な重量は8000lbとなった。翼面積が241.9ft2なので重量を翼面積で割ると W/S=33.07(lb/ft2) 値としては実際の零戦より少し大きい(メッサーシュミットに近い値) 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 10 他機種との翼面荷重比較 他機種は実際にエアレースに出場している機体にする。 (例 F8Fベアキャット、ホーカーシーフューリー、マスタング) 勝手に仮定すること ・ほかの機種の外観には改造が施されていないとする ・燃料の積載量は自分たちと同じ2000lbと考える ・他の機体の空虚重量を8000~9000lbと勝手に仮定する 50 他機種との比較 翼面荷重(lb/ft2) 45 他機種に比べて低翼面荷重 40 35 ZERO LASER 30 ホーカー・シーフューリー 25 F8Fベアキャット マスタング 20 5000 6000 7000 8000 9000 • 軽量化が可能 • 空気抵抗の低下が期待できる 10000 重量(lb) 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 11 飛行性能(1/2) 飛行条件 主翼の捩じり下げ:5° マッハ数:0.6 高度:5000ft 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 12 飛行性能(2/2) 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 13 エンジン R-3350 R-4360 メーカー:カーチス・ライト 形式:空冷星型9気筒2列18気筒 実績がある! 馬力:2200-3800hp (4000hp+) 軽い! 全長:1985mm 直径:1413mm 乾燥重量:2670lb 2012/02/06 メーカー:P&W 形式:過給式空冷4連星型28気筒 重量が厳しい... 馬力:4300hp メンテナンスが... 全長:2451mm 直径:1397mm 乾燥重量:3870lb 最高のパワーウェイトレシオ 航空機設計論 最終発表 14 プロペラ(1/2) 軸馬力:4000hp 目標飛行速度:530mph,M=0.7(レシプロ機最高記録) 回転数:1000 rpm プロペラ直径:15ft(4.6m) 胴体から2/3以上プロペラが出ること 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 15 プロペラ(2/2) 講義資料より引用 M=0.5 M=0.7 可変ピッチにすることで効率を0.8に固定 DATCOMによって得られたCD値を用いて得られた抵抗とプロペラから得 られる推力から,最高到達速度を推定→約500mph 4400hpまで上げることができれば530mph(M=0.7)を達成できそう... 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 16 機内空間(操縦席) お そ ら く こ ん な 感 じ に 三菱名古屋航空宇宙システム製作所の資料室にある 零戦52型のコクピット前部 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 http://www.symphonic-net.com/france1961/zero_fighter-1.htm な る 17 降着装置 (脚) • Tail draggerタイプ – 小型プロペラ機に最適 – 脚収容が比較的容易 • 脚収納形態 – 機体内側へ収納 • 緩衝装置 – ストローク長:0.74 ft – シリンダ外径:0.3 ft – 約90 %の衝撃を吸収 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 18 降着装置 (タイヤ) • タイヤサイズ – 各脚に作用する荷重からタイヤを選定 • 前脚:2487 lb(一つ当たり) ※Max load • 主脚:1703 lb ※Max static load – 初期推算結果と比べ妥当性を確認 前脚 (1つ当たり) 荷重計算より選定 Reference(初期推算) タイヤ直径 2.93 ft (89 cm) 1.86 ft 幅 0.96 ft (29 cm) 0.49 ft 40 lb (18.1 lb) N/A 1.17 ft (35 cm) 1.22 ft 幅 0.24 ft (7 cm) 0.25 ft 重量 8.0 lb (3.6 kg) N/A 重量 タイヤ直径 主脚 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 19 機体サブシステム • 電気系統 – Ni-Cdバッテリを使用 – 脚の引きこみ,フラップの稼働, エンジンスターターなどに使用 • 補助/非常用動力系統,補助動力装置 – APU,EPUは搭載しない • 油圧系統 – ブレーキ系統に使用(マスタ・シリンダブレーキ系統) • 空気圧系統 – 非常用ブレーキ,空調,油圧ポンプの駆動, リザーバの加圧 など • 電子系統 – 通信系統,航法アシストなど 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 20 デザイン 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 21 まとめ • 零戦の特徴である軽量化を目指したが,エン ジンを変更したら,それに従い他の出場機体 に似た重量,仕様になっていった. • エアレース用の機体と他の機体とで傾向がか なり異なるので,設計に苦労した. • 他機種の詳細なデータが少ないため,比較 するのが困難だった. • 零戦らしさを残すために機体の形状について 制約があった. 2012/02/06 航空機設計論 最終発表 22
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