PowerPoint プレゼンテーション

日本言語政策学会
緊急研究報告会:災害・震災時,情報弱者のための言語政策について考える
2011年5月29日 麗澤大学東京サテライトキャンパス
インターネットによる多言語情報
提供の支援
青山亨
東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター
報告の流れ
1.
2.
3.
4.
被災地の多言語状況
東京外国語大学の多言語対応
災害情報の多言語提供支援の経緯
見えてきた課題と今後の展望
東北地方太平洋沖地震災害救助法
適用市町村(除く,東京都)の外
国人登録者数(法務省3月31日)
青森
県全体の全登録者数
岩手
宮城
福島
栃木
茨城
千葉
適用市町村での登録者数
青森
4,171
898 (21.5%)
岩手
5,305
5,305 (100%)
宮城
14,402
14,402 (100%)
福島
10,291
10,291 (100%)
茨城
50,639
43,177 (85.3%)
栃木
31,359
21,432 (68.3%)
千葉
110,662
16,167 (14.6%)
災害救助法適用市町村に住む外国人登録者数
120,000
110,000
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
青森
岩手
宮城
福島
茨城
栃木
千葉
災害救助法適用市町村の外国人登録者の国籍
中国
青森
韓国・朝鮮
フィリピン
ブラジル
岩手
タイ
ペルー
米国
宮城
ベトナム
インドネシア
スリランカ
福島
インド
パキスタン
ネパール
茨城
バングラデシュ
英国
マレーシア
栃木
モンゴル
カナダ
ロシア
千葉
イラン
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
その他
県別の在留資格の割合
青森
岩手
教授など専門職業の合計
興行
技能
宮城
文化活動
留学(就学を含む)
研修
家族滞在
福島
特定活動
永住者
特別永住者
茨城
日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
定住者
栃木
その他
千葉
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
東京外国語大学の多言語対応
• 学部
外国語学部
• 学部生数
3792人
• 教員数
216人
• 専攻語数
26言語
• 英語、ドイツ語、フランス語、イタリア
語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア
語、チェコ語、ポーランド語、
• 中国語、朝鮮語、モンゴル語、インドネ
シア語、マレーシア語、フィリピン語、
タイ語、ラオス語、ベトナム語、カンボ
ジア語、ビルマ語
• ウルドゥー語、ヒンディー語、ペルシア
語、アラビア語、トルコ語
• 日本語
多言語・多文化教育研究センター
• 設立
• 多言語・多文化社会
2006年4月
専門人材養成講座
– 多文化社会コーディネーター
• 目的
– コミュニティ通訳
多言語・多文化化する
• 9言語、23人
日本社会の問題の解決
• 語学ボランティア
• 特色
– 外大OB・OG、教職員
研究者と実践者の協働
• 26言語、121人
実践研究
• 事業分野
教育、研究、社会連携
多言語情報提供の支援活動の経過
• 3月11日(金)
– 地震発生
• 3月12日(土)
– 支援のためのメーリングリス
トを立ち上げ
• コミュニティー通訳
• 語学ボランティア
– 仙台市の広報から必要な情報
を抽出し、仙台市国際交流協
会に送信
• 3月15日(火)
– センターのウェブサイトでも
多言語情報の提供を開始
• 3月18日(金)
– 放射線医学総合研究所の情報
の多言語による提供を開始
• 3月22日(火)
– 入国管理局の情報の多言語に
よる提供を開始
• 3月25日(金)
– センターでの多言語情報提供
を専用ウェブサイトに移行
• 4月3日(日)
– 情報の更新を停止し、支援
メーリングリストを閉鎖
– 未翻訳テキストのみ新規掲載
9
翻訳ボランティアと翻訳言語
• 翻訳ボランティア
– 126人
– 女98人、男28人
– 海外在住者を含む
– 外国人18人を含む
• 翻訳言語(21言語)
– イタリア語、インドネシ
ア語、英語、韓国語、カ
ンボジア語、スペイン
語、タイ語、中国語、ド
イツ語、ヒンディー語、
ビルマ語、フィリピン
語、フランス語、ベトナ
ム語、ベンガル語、ペル
シア語、ポーランド語、
ポルトガル語、マレーシ
ア語、ルーマニア語、ロ
シア語
10
翻訳の内容
• 仙台市災害対策本部の災害情報
– ライフライン、病院、交通、給水・ごみ・下水
道・ガス、火災予防、市役所手続き、児童施設災
害ダイアル、ボランティアセンター立ち上げ、ご
みの収集、がれき置き場、長距離バス、高速バ
ス、り災証明書、建物被害認定調査
• 放射線総合医学研究所
– 放射線被曝に関する基礎知識
• 入国管理局
– お知らせ 1~3
I~V
ウェブサイトの画面
ウェブサイトの画面
ウェブサイトの画面
携帯電話で見た画面
翻訳活動の流れ
定住外国人・外国人周辺の日本人
ウェブによる
多言語情報
被災地
仙台市国際交
流協会
本センター
翻訳ボランティアのネットワーク
全国機関
入管・放医研
4月04日
4月03日
4月11日
4月10日
4月09日
4月08日
4月07日
19,291ヒット
(3月18日)
4月06日
10000
4月02日
4月01日
3月31日
3月30日
3月29日
3月28日
3月27日
3月26日
25000
4月05日
平均8,632ヒット
(3月16日~25日)
3月25日
3月24日
3月23日
20000
3月22日
3月21日
3月20日
3月19日
3月18日
3月17日
3月16日
ヒット数の変化
3月16日~4月11日
24,246ヒット
9,217アクセス
(3月28日)
15000
専用ウェブサイトへの移行
(3月25日)
5000
0
訪問者の出身国(日本を除く上位30国)
3月19日~4月30日
タイ
ロシア
中国
ブラジル
イタリア
ドイツ
スペイン
フランス
オーストラリア
メキシコ
アルゼンチン
ハンガリー
アメリカ合衆国
カナダ
ベトナム
シンガポール
スイス
コロンビア
オランダ
ベルギー
ルーマニア
オーストリア
スウェーデン
インドネシア
台湾
ウルグアイ
インド
英国
ペルー
ニュージーランド
日本 74,045
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
訪問者のアクセス手段
3月19日~5月18日
50%
パソコン(Windows)
45%
40%
パソコン(Mac)
35%
30%
25%
スマートフォン
(Android)
20%
15%
スマートフォン
(iPhone)
10%
5%
0%
携帯
3月
4月
5月
外国人周辺の日本人からの反響
• インドネシア語の情報について
たすかりました。インドネシアの国営放送では、放射能は10時間で東京上空に到着す
る、人体に影響のある量である、と報じたらしく、国の親御さんたちがパニックになってい
ます。親が帰れコールするとき、インドネシアの情報のほうが信頼できると思ってしまうよ
うです。こんなとき、少しでも母語の情報が安心材料だと思います。予想を超えて在留外国
人の危機意識はたかぶっているようです。
• ベトナム語の情報について
ベトナム人の方々が大変不安を持っておりました。日本語も簡単な言葉は理解できま
すが、日本人でも難しい今回の原発他の情報、いくら報道を見ても安心できず、外国では最
悪の情報ばかりが報道されるばかりで、本国からは帰って来いと急かされ、本人たちも帰り
たいと泣くばかりでした。
なんとかベトナム語の情報をと思ったのですが、英語・韓国語・中国語は見つかるも
のの、ベトナム語の翻訳はなかなか見つからず、逆に全てベトナム語ではこちらが内容を理
解できず、ほとほと困っているときにこちらのサイトを見つけ、大変助けられました。
安心できたかどうかは解りませんが、きちんとした情報を知ることが出来、多少余裕
も出来たようです。コピーして友人同士で読んだりしていたようです。私たちだけではうま
く説明ができなかったので本当に助かりました。
多言語情報提供への反応
• 母語による正確な情報提供
– 日本に留まることの不安感の軽減
⇐母国の親族からの帰国願い⇐国外での報道
• 少数言語による情報提供
– 英語・中国語・韓国語以外の言語
• 日本語と対応した情報提供
– 外国人周辺の日本人が検索可能
• ウェブ上の文字による情報提供
– プリント、コピーして回覧が可能
見えてきた課題と今後の展望
• 非常時の多言語情報提供体制の構築
– 日常活動の継続⇒語学ボランティアネットワークなど
• 情報の正確性と迅速性と妥当性
– 翻訳の質の担保⇒留学生などの活用
– 翻訳体制のコーディネーション
– 適切な情報源の選択
• 地元レベルの情報と全国レベルの情報
– 全国レベルの情報に対応⇒政府との連携も視野
• 多面的な技術的対応
– 多言語による文字の表示⇒Unicodeフォント
– 新しい技術への対応⇒スマートフォン、Twitterなど
ご清聴ありがとうございました。
Ver 1.2 2011-05-26, 2011-05-23, 2011-05-10
参考URL
• 多言語・多文化教育研究センター
– http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/
• 厚生省(東日本大震災関連情報)
– http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015dbd.html
• 警視庁(東日本大震災について)
– http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/index.htm
• 仙台市国際交流協会(仙台市災害多言語支援センター)
– http://www.sira.or.jp/saigai/
• 放射線医学総合研究所(原発事故関連)
– http://www.nirs.go.jp/index.shtml
• 法務省入国管理局(東日本大震災への対応)
– http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/saigai0002.html
• NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会(東北地方太平洋地震多言語
支援センター)
– http://eqinfojp.net/
• 日本中国語学会(多言語・情報弱者対応災害支援リンク集)
– http://www.chilin.jp/dz/dz.html