東北 大学スプライト観測衛星

小型地球観測衛星
「雷神2」完成報告記者発表
2011年6月3日(金)
東北大学・北海道大学
東北大学における50kg級超小型衛星開発経緯(1)
• 2003年10月 第11回衛星設計コンテストにて宇宙からの雷観測を提案.
地球電磁気・地球惑星圏学会賞を受賞.
• 2007年5月 「スプライト観測衛星」(東北大学1号衛星)開発開始
• 2009年1月23日 「スプライト観測衛星」打ち上げ成功・「雷神」と命名
• 2009年2月4日 「雷神」搭載機器に不具合発生・以降監視運用を継続中
(ちなみに2011年6月3日 = 打ち上げ後862日目)
「雷神」で得られた成果
1. 大学における本格的な超小型衛星開発に関するノウハウと実績
2. 民生品を活用した衛星搭載用観測機器の開発(例:超高感度CCDカメラ)
3. 大学における衛星運用設備の構築と運用実績
4. 初期運用(12日間)から得られた軌道上データ → 10件論文発表
5. 不具合対応と原因解明の経験 → 「雷神2」の設計に反映
6. 「マイクロサット開発入門」出版(2011年4月)
「雷神」
打上げ:2009年1月23日12時54分00秒
(写真:三菱重工業)
ロケットから分離される直前の衛星の姿
(写真:JAXA)
「雷神」
打上げ後第一可視にて,衛星からの電波を受信成功
(2009年1月23日14時32分~14時41分)
東北大学屋上に設置された送受信アンテナ
© Tohoku University
「雷神」搭載超高感度CCDカメラにより
撮影された夜の地球の映像
(2009年2月2日)
『マイクロサット開発入門』
東北大学超小型衛星開発チーム著
吉田和哉 監修
定価3,675円(税込) A5判
ISBN978-4-86163-159-7 C3053
(2011年4月刊行)
東北大学における50kg級超小型衛星開発経緯(2)
• 2009年8月 文部科学省「平成21年度 超小型衛星研究開発事業」の公募
• 2009年11月 上記公募事業の採択決定
(1) 50kg 級超小型衛星フライトモデル「RISING-2」の研究開発
代表:東北大学 坂本 祐二
(2) マルチスペクトル望遠撮像系の開発
代表:北海道大学 高橋 幸弘
• 2009年12月 上記2件をマージして、「雷神2」の開発を開始
(文部科学省・地球観測衛星開発費補助金)
• 2011年3月末に開発完了を目指して開発をすすめる
• 2011年3月11日 東日本大震災発生
衛星開発室、衛星本体は被害を免れるものの、一部部品の納入に遅れが発生
• 2011年5月末 「雷神2」開発完了
東北からの震災復興の明るい話題提供としたい!
RISING-2: 衛星システムの概要
超小型衛星「雷神2」 ( RISING-2 )
・ 質量と形状
- 質量 41kg
- 寸法 500 x 500 x 500 mm
・ 軌道
- 高度約700km (予定) の太陽同期軌道衛星
- 1周回約98分
- 軌道寿命 1年~5年
・ 打ち上げ
- H-IIAロケット相乗り衛星の搭載条件に
合わせて開発
- 打ち上げ機は未定。2012~2013年度を計画
RISING-2: 衛星の目的
最先端理学観測
・ 高解像度地球撮像ミッション
- 解像度5mの望遠鏡 (直径10cm, 焦点距離1m)
- カラー撮像 + 可変波長撮像
(液晶チューナブルフィルタの宇宙実証)
- 指向誤差0.1度, 安定度0.02deg/sの三軸姿勢制御
・ 最先端理学観測ミッション
- ①積乱雲の高解像度ステレオ撮像
- ②スプライトなど高高度放電発光の撮像
新規開発の望遠鏡システム
「雷神」の観測センサを再度搭載
・ 期待される成果
- 全地球規模で災害現場を撮影
- 積乱雲構造およびゲリラ豪雨のメカニズム解明
- 高高度放電発光現象のメカニズム解明
- 超小型衛星バス開発技術の向上
理学観測センサを地球指向面に配置
RISING-2: 開発スケジュール
基本設計開始から18ヶ月でFM製造完了 (09年12月~11年05月)
I
II
III
IV
予備設計段階
基本・詳細設計段階
EMシステム
試験
FM製作
7
予備設計
EM
(エンジニアリング
モデル)
※地上試験用の
試作機
2011
2010
2009
8
9
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
仕様検討・
システム解析
機器開発・
構造開発
電気試験・
環境試験
製造
FM
(フライトモデル)
電気試験
震災のため1ヶ月中断
3
4
5
RISING-2: 構造システム
「雷神」開発の経験を活かした構造開発
・ 組立やすさの大幅な向上
・ アルミ削りパネル採用による製造コスト・製造期間の短縮 (東北企業で製造)
・ 振動試験の大幅な効率化 (宮城県内施設で実施)
RISING-2: 姿勢制御システム
観測
方向
軌道投入直後
回転速度 2~3deg/s
回転速度 0.2 deg/s
磁気センサと
磁気トルカによる
スピン抑制制御
磁気トルカ(磁気コイル)
地球
スターセンサで
現在の姿勢を計測
(誤差0.06deg)
スターセンサ
地球
リアクションホイールで
目標方向へ衛星回転
そして定点指向制御
(誤差0.1deg, 0.02deg/s)
リアクションホイール
大学生/大学院生による独自開発の姿勢制御機器
RISING-2: 電気試験・環境試験
振動試験
電気試験
熱真空試験
2010
12
EM
(エンジニアリング
モデル)
※地上試験用の
試作機
1
2
3
4
機器開発・
構造開発
5
6
7
●
●
●
電気試験・
環境試験
8
9
10
● システム電気試験開始
● システム熱真空試験
12
●
●
● システム振動試験
11
●●
●
試験工程を効率化
短期間での検証
RISING-2: 開発体制
 東北大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻
坂本祐二(助教・プロジェクトマネージャー)
吉田和哉(教授・サブ・プロジェクトマネージャー,工学担当)
桑原聡文(助教)
スティーブ・バタゾ(研究支援者)
学生9名
 北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻
高橋幸弘(教授・サブ・プロジェクトマネージャー,理学担当)
栗原純一(助教)
福原哲哉(助教)
学生4名
 技術アドバイザー
升本喜就
友谷 茂
RISING-2: 開発を支えた東北企業・機関
(財)21あおもり産業総合支援センター
液晶先端技術研究センター
(現アスミタステクノロジー)
[液晶フィルタ] 青森県八戸市
ワテック(株)
[CCDセンサ基板] 山形県鶴岡市
宮城県産業技術総合センター
[振動試験] 仙台市
(株)日本セラテック
[望遠鏡ミラー] 仙台市
(株)スター精機
[構造製作] 福島県相馬市