スライド 1

九州大学大学院 小田義直先生
との共同研究について
大鵬薬品工業株式会社
つくば研究センター
辻本 弘昭
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本共同研究への期待
• 本共同研究を通じて,転座関連肉腫(参考資料とし
て最後のスライドにお示し致しました12種類)の臨
床検体を使用させて頂き,FISH法による転座測定
のバリデーションを行わせて頂きたい(RT-PCR法
による測定結果との一致性を確認させて頂きたいと
考えております).
⇒エスアールエルでFISH法による転座測定を実施
• 新規悪性軟部腫瘍剤Trabectedin(国内では弊社に
て開発中)とmTOR阻害剤との併用療法の有用性
を示すことを目的として,その第一段階として組織
型とAKT-mTOR経路の差異について検討させて頂
きたい.
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共同研究を行うにあたり
私共が考えた研究領域
1.
2.
3.
4.
転座と転座関連肉腫の病態に関する研究
転座関連肉腫の組織型と予後に関する研究
既存の化学療法に関する研究
新しい化学療法(併用理論)に関する研究
項目1及び2について,私共には専門的な知識が乏しく,十分なアイデアを示すこ
とは難しいと考えておりますが,先生のご助言を頂きながら遂行可能なテーマが
ございましたら,ご提示頂けましたら幸いです.
項目3については過去の研究実績から多くの報告があるため,新規性を見いだす
のが難しいと考えております.
項目4新規薬剤の組み合わせによるため新規性が高いと考えております.
上記の理由より,項目4の研究領域に関しまして「悪性軟部腫瘍を対象
とした新たな併用化学療法の可能性の研究」と題した共同研究案を提案
させていただきます.
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悪性軟部腫瘍を対象とした新たな
併用化学療法の可能性の研究
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悪性軟部腫瘍における化学療法の現状
• 悪性軟部腫瘍に対する化学療法においては現在のところ確立したプ
ロトコールはない.
• これまでのプロトコールを参考にするとadriamycinとifosfamideが
key drugとして2~3剤の併用が現状では実施されている.
• 軟部腫瘍においては50%以上の有効性が期待できるプロトコールは
ほとんどない.
• 近年,悪性軟部腫瘍を対象とした新しい薬剤の開発が国内外で進め
られており,有望な薬剤が見いだされてきている.
新しい抗癌剤あるいは抗癌剤の作用を増強
するような薬剤の開発が強く望まれている
(参考資料)悪性軟部腫瘍取扱い規約
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悪性軟部腫瘍を対象として
日本に於いて開発中の薬剤
• 再発性または難治性の軟部腫瘍患者を対象とした
Pazopanib(血管新生阻害剤)の無作為化,二重盲検,
第Ⅲ相臨床試験
(2008.10.~:EORTC, UA, Korea, Japan)
• 転移性軟部または骨腫瘍患者を対象に維持療法として投
与した際のDeforolimus(mTOR阻害剤)の第Ⅱ相試験
(2009.11.~)
• 悪性軟部腫瘍患者を対象とした24時間投与法における
Trabectedin(DNAに結合し,アポトーシスを誘導)の第
Ⅰ相臨床試験(2010.9.~)
作用機序の異なる新規治療薬の開発がいくつか進められておりますが,弊社にて
開発中であるTrabectedinと先生がご研究されているmTOR阻害剤の併用メカニズ
ムについての研究をさせて頂きたいと考えています.
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新規抗癌剤を用いた併用化学療法に関
する共同研究を提案致します
• 海外で既に悪性軟部腫瘍の治療薬として承認さ
れているTrabectedinとmTOR阻害薬との併用療法
の可能性について,卵巣癌細胞を用いた基礎実
験の結果から
① Trabectedin耐性の機序にAKT-mTOR経路の関
与が示唆された.
② Trabectedin耐性細胞にmTOR阻害剤の併用が
有用であることが示されている.
組織型の異なる悪性軟部腫瘍間でのAKT-mTOR経路の
差異について病理学的手法を用いて検討することを
提案致します.
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Trabectedin(ET-743)
•
•
•
•
作用機序:DNAに結合しダメージを与え,アポトーシスを誘導
2007年にヨーロッパを中心に悪性軟部腫瘍を対象に承認.
2009年にヨーロッパを中心に卵巣癌を対象に承認.
平滑筋肉腫,又は脂肪肉腫(転座測定)を対象としたPIIIが海外で
実施されている.
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Trabectedinは平滑筋肉腫に対して既存の
化学療法と比較して高い有効性(OS)を示します
1
平滑筋肉腫を対象としたSTS-201試験
2
3
4
5
Trabectedin投与
OS (mo)
(95% CI)
1 yr (%)
2 yr (%)
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q3wk 24-h
n=136
qwk 3-h
n=134
Ifosfamide
n=86
DTIC(ダカルバジン)
n=50
Etoposide
n=26
13.8
(12.5-17.9)
60.2
32.9
11.8
(9.9-14.3)
50.0
28.4
6.6
(5.0-9.0)
6.6
(4.3-8.4)
6.3
(4.4-8.9)
23.7
8.9
17.7
-
14.6
-
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Trabectedinは転座関連肉腫に対して
高い有効性を示ことが示唆されています
• レトロスペクティブ解析
– TRS患者 81症例
– 滑膜肉腫(45),粘液型脂肪肉腫(27),胞巣状
軟部肉腫(4),子宮内膜間質肉腫(3),明細胞
腫(2)
• Progression-free Rate
– 3 months:57%
– 6 months:40%
転座関連肉腫に高い有効性
Le Cesne A et al., ECCO/ESMO Meeting 2009
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Trabectedinは転座関連肉腫の中でも特に,
粘液型脂肪肉腫に対して高い有効性を示します
有効性
対象患者
N
Phase2 8試験 Retrospective解析進行例
81
10 %
49 %
滑膜肉腫 (Synovial sarcoma)
45
7%
47 %
粘液型脂肪肉腫 (Myxoid liposarcoma)
27
15 %
52 %
胞巣状軟部肉腫
(Alveolar soft part sarcoma)
4
子宮内膜間質肉腫
(endometrial stromal sarcoma)
3
Clear cell sarcoma
2
ET-B-028-06 試験
(Neo adjuvant)
粘液性/円形細胞型脂肪肉腫(局所)
Myxoid / Round Cell Liposarcoma
23
Grosso F. 2007
粘液型脂肪肉腫 (Myxoid liposarcoma)
51
Dileo P. 2007, ASCO
Ewing肉腫 (Ewing’s family tumor: EFT)
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PR
MR
SD
100 %
33 %
67 %
50 %
26 %
4%
74 %
47 %
12 %
27 %
20
15 %
15 %
20 %
46
16%
7%
30 %
滑膜肉腫(Synovial sarcoma)
30
17 %
10 %
23 %
胞巣状軟部肉腫
(Alveolar soft part sarcoma)
11
18%
子宮内膜間質肉腫
(endometrial stromal sarcoma)
8
13 %
Grosso F. 2007,
13th Annual Conective
Tissue Oncology Society
Meeting Proceedings
(画像評価された例数は
計46例)
CR
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64 %
Trabectedinについてのまとめ
• 既存の化学療法に比べて高い有効性が示
されている.
• 転座の無い軟部肉腫に比べて転座関連肉
腫に対して高い有効性を示す.特に粘液
型脂肪肉腫に対して高い有効性を示す.
組織型により感受性が異なることが示唆されている.
⇒何が違うのかを明らかにしたいと私共は考えております.
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mTOR阻害剤は多くの悪性腫瘍に対する
治療薬として開発が進められている
• PI3K-AKT-mTOR経路の異常が多くの悪性腫瘍で報
告されている.
• mTORは蛋白質合成,細胞分裂,血管新生に関与.
• mTOR活性阻害,免疫抑制剤
–
–
–
–
Rapamycin
Temsirolimus
Everolimus
Deforolimus(MK-8669)
⇒悪性軟部腫瘍の治療薬として開発されているもの
では最も高いステージにある
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悪性軟部腫瘍を対象としたmTOR阻害剤で最も高い
開発ステージにある薬剤がDeforolimus
• 転移を有する骨・軟部腫瘍患者に,他の化学療
法を実施した後の維持療法としてDeforolimusを
投与するPIII試験が実施中.
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Deforolimus PII 試験
• 平滑筋肉腫(57),脂肪肉腫(44),その他(57),骨の肉腫(54) .
化学療法既施行:93%
• Deforolimus 12.5mg/d iv x 5d every 2weeks,4w cycles
• PFS rate 3 months:58%
• PFS rate 6 months:24%
Chawla SP et al. J Clin Oncol 25 (20 suppl):10076,2007
Deforolimus PIII 試験(on going)
• 転移を有する骨・軟部腫瘍患者に、他の化学療法を実施した後の維
持療法としてDeforolimusを投与する.
• 二重盲検,無作為化,国際共同,第Ⅲ相臨床試験(日本は無し)
• Deforolimus 40mg/d 経口 x 5d/week
• Primary end point:PFS(2014年終了予定)
Deforolimusは悪性軟部腫瘍の治療薬として最も早く市
販される可能性のあるmTOR阻害剤です.
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TrabectedinとmTOR阻害剤の
併用化学療法の可能性
• Trabectedin単剤に対する奏効率は脂肪肉腫で特に高いこと
が報告されています.
⇒他の組織型のSTSでも,他の薬剤を組み合わせることによ
り,さらなる効力の上昇を期待できないか?
• 卵巣癌細胞を用いた基礎研究の報告ですが,Trabectedin耐
性細胞ではAKT-mTOR経路が上昇していることが確認されて
おり,mTOR阻害剤を併用することによりTrabectedin耐性を
回避出来る可能性が示されております.
⇒悪性軟部腫瘍の組織型の違いによってAKT-mTOR経路の活
性化の違いがありTrabectedinに感受性に影響をあたえてい
る可能性を明らかにしたいと考えております.
⇒mTOR阻害剤併用によるTrabectedinの効果増強は可能か?
Mabichi et al., Clin. Cancer Res. 2011 May 27. [Epub ahead of print]
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TrabectedinとmTOR阻害剤の併用療法
~卵巣癌細胞を用いた基礎検討~
Mabichi et al., Clin. Cancer Res. 2011 May 27. [Epub ahead of print]
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Trabectedin獲得耐性細胞ではTrabectedinによる細胞増殖抑制作用と
アポトーシス誘導作用が観察されないことが報告されています
RMG1: 親株(卵巣癌の明細胞癌)
RMG1-YR: Trabectedin獲得耐性細胞
RMG2: 親株(卵巣癌の明細胞癌)
RMG2-YR: Trabectedin獲得耐性細胞
Mabichi et al., Clin. Cancer Res. 2011 May 27. [Epub ahead of print]
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Trabectedin耐性細胞ではAKT,mTOR,
p70S6Kのリン酸化が亢進しています
RMG1: 親株(卵巣癌の明細胞癌)
RMG1-YR: Trabectedin獲得耐性細胞
RMG2: 親株(卵巣癌の明細胞癌)
RMG2-YR: Trabectedin獲得耐性細胞
mTOR阻害剤であるEverolimus及びPI3K阻害剤であるLY294002を作用させた場
合共に下流因子であるp70S6Kのリン酸化が抑制される.
Mabichi et al., Clin. Cancer Res. 2011 May 27. [Epub ahead of print]
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マウスに移植したRMG1及びRMG2細胞に対して
Trabectedin/Everolimus併用は高い腫瘍増殖
抑制効果を示すことが報告されております
Mabichi et al., Clin. Cancer Res. 2011 May 27. [Epub ahead of print]
AKT-mTOR経路が悪性軟部肉腫におけるTrabectedin耐性に
関与する可能性の検証と,その耐性克服の一つの方法とし
てTrabectedin/mTOR阻害剤併用療法について評価出来れば
と考えております.
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臨床病理学的事項の解析(案)
• 参考資料として最後のスライドにお示し致しました12種類の転座関
連肉腫及び転座を有さない平滑筋肉腫等のホルマリン固定パラフィ
ン包埋切片に対して,AKT,mTOR及びp70S6Kのリン酸化状態を検出
する免疫染色(先生が以前の研究で確立された方法)を行い,経路
の活性化の度合いを明らかにする.
• 凍結標本においてウェスタンブロッティングを行い上記蛋白質の量
を評価する.
• 上記染色結果より,組織型の違い(特に粘液型脂肪肉腫との違い)
によるAKT-mTOR経路の差異を明らかにしたいと考えております.
• もし予後データ等もございましたら,AKT-mTOR経路の活性化状態,
組織型,及び病期との相関についても解析させて頂きたいと考えて
おります.
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以下,参考資料
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転座測定対象とする12種類の転座関連肉腫
病理組織学的分類(TRS)
粘液型/円形細胞型脂肪肉腫
Myxoid/Round cell liposarcoma
骨外性 Ewing 肉腫
Extraskeletal Ewing tumour
線維形成小細胞腫瘍
Desmoplastic small round cell tumour
明細胞腫
Clear cell sarcoma
類血管腫線維性組織球腫
Angiomatoid fibrous histiocytoma
粘液型軟骨肉腫
Myxoid chondrosarcoma
胞巣型横紋筋肉腫
Alveolar rhabdomyosarcoma
低悪性線維粘液性肉腫
Low grade fibromyxoid sarcoma
滑膜肉腫
Synovial sarcoma
巨細胞性線維芽細胞腫
Giant cell fibroblastoma
隆起性皮膚線維肉腫
Dermatofibrosarcoma protuberans
胞巣状軟部肉腫
Alveolar soft part sarcoma
:Pharma Marが海外PIIIで転座を測定
市販probe
CHOP
EWSR1
EWSR1
EWSR1
EWSR1
EWSR1/ NR4A3
FOXO1
FUS
SS18
PDGFB
PDGFB
TFE3
※SS18はSYTと同じ
• 上記12種の転座関連肉腫の転座をFISHにて測定
し,RT-PCRによる測定結果との一致性を確認させ
て頂きたいと考えております.
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