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訓 練 コ ン セ プ ト
災害医療はトリアージ(Triage)、治療(Treatment)、搬送(Transport)の3Tと
称されるが、3Tを行うにはそれ以前に体制構築、具体的には指揮命令系統のある組
織作り(Command)と組織内あるいは連携他機関との情報伝達・共有手段の確認
(Commun ication)を行わなくてはならない。
一昨年の震災をはじめ、過去の局地多数傷病者事案等における災害医療活動におい
て「失敗事例」として挙げられるものは、ほとんどが事前の組織化と連絡調整機能の
確立なしに医療行為を開始してしまったことが原因とされている。
医療者にとり、3Tは通常業務の延長線であるため、比較的練度も高く有事の際も臨
機応変に実施しやすいが、組織化と連絡調整機能確立の重要性をいかに意識づけ、実
災害時に実現させるかが災害医療における最大の課題であり、DMAT研修においてもそ
の点が重要視されている。
今回の訓練は上記を鑑み、DMAT内部はもちろん、行政や消防,ヘリ運行調整部門,
海上保安庁,自衛隊,NEXCOといった連携機関との間で,できるだけ実災害時をイ
メージした具体的な連絡調整の手順を確認、構築することを目的としたい。
従来のシナリオをなぞるだけの訓練では決められた時刻にヘリがDMATを迎えに来て,
DMATはSCUで3Tのみ行い(予定時刻までに傷病者搬送準備が整うように),予め決め
られた病院へ搬送することになるが、それでは3Tの訓練にしかならない。
今回の訓練を機に自衛隊など連携機関にはDMAT派遣要請の連絡先や手続きを確認し
てもらうとともに、DMATも傷病者搬送をゼロから計画する際に必要な連絡調整の手順
を確認したい。
また、新たな試みとして,東北地方ではじめて高速道路サービスエリアを訓練会場
として設定した。仙台空港(自衛隊岩沼訓練場)においては、一度訓練で使用してい
るもののまだ実用に耐えうる準備ができているとはいえない。SCUにおける必要物品
の準備も含めて検討したい。
文責 統括DMAT 山内 聡
( 東 北 大 学 病 院 )