ヘルスプロモーション - 公衆衛生ねっと

Power Point ご利用にあたって
利用者へのお願い
公益社団法人 地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センターでは、講演会等で
用いているPower Pointをインターネット上で無料公開しています。ただ、内容の一部は個
人的に活用すること以外に用いられる場合は著作権法に抵触するものもあります。あくまで
も皆様の学習用、各地域での研修用、若者に対する啓発用として活用されるようお願いし
ます。
Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パック
Power Point 2007を持っていないけどPower Point 2003は持っている方は
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=941B3470-3AE9-4AEE8F43-C6BB74CD1466&displaylang=ja
Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パックを使うと
2007が開けます。
よろしくお願い申し上げます。
ヘルスプロモーション研究センター長
高齢者の性
~性のノーマライゼーションを目指して~
(Ver.2013.1.3)
公益社団法人 地域医療振興協会
ヘルスプロモーション研究センター
岩室紳也
待ったなしの高齢化
年齢3区分別人口の推移
人口(1000人)
0~14歳
(年少人口)
15~64
(生産年齢人口)
65歳以上
(老年人口)
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
1920 1925 1930 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
年齢3区分別人口の推移
人口(1000人)
100%
65歳以上
(老年人口)
15~64
(生産年齢人口)
0~14歳
(年少人口)
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
1920 1925 1930 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
高齢者の性の実態
高齢者の性欲
「文芸春秋」(平成11年8月号)の『老人SEX革命』
小林照幸
全国4,699の老人福祉施設で調査
男子36,103名(平均78歳)
女子10,860名(平均82歳)
結果 性欲あり:男95.3%、女80.9%
地位・名誉・家族・地域社会といった柵から解放さ
れた老人達は男女を問わず性を満喫し、男女同室
にしている施設ではオムツがとれたり、動けなかった
老人が歩けるようになったり男は身だしなみに気を
つけ、女は化粧するようになる。
中高年の「セクシュアリティ」調査
男女のパートナーシップの現状について
第38回「日本=性研究会議」
(主催・財団法人日本性教育協会)
「セクシュアリティ研究会」代表
荒木乳根子(調布学園短大教授)
http://www.medical-tribune.co.jp/ss/2000-7/ssJul01.htm
中高年の「セクシュアリティ」調査
調査方法・結果
対象:関東圏在住の40代から70代までの有配偶者を
対象に3025部の調査票を配布
配布方法:同研究会会員が関係した各種の講演会や
老人クラブなど
返送:調査票密封の郵送法
結果:有効回答は1020人(回収率33.7%)
男性は419人,女性は601人
平均年齢は男性59.5歳,女性53.6歳。
回答者年代別比率
女性
36.9
38.5
16.7
8.0
40506070-
男性
21.8
0%
28.9
20%
40%
26.7
60%
22.6
80%
100%
潤滑剤
アメリカ人の反応・・・・・①
米国の女性ジャーナリスト,ジャスリン・フォードさん
日本の中高年夫婦のセクシャアリティは男性がかなり勝手で
女性の不満が大きいようですね。原因としては夫婦のコミュニ
ケーション不足が大きいのでしょう。
でも,アメリカのカップルがどこまで十分なコミュニケーションを
できているのかを考えると疑問が出てきます。
アメリカ人の反応・・・・・②
アメリカではセックスをエンジョイしなければならないという文化
的な圧力が大きい。つまりセックスをうまくできなければいけない
という圧力です。そのとき,男性はerectionにこだわる傾向が
アメリカでも強いと思う。男性がerectionしなくても,女性は満足
できるのに,それを理解できていない男性が多い。バイアグラ
だって,それをだれのために使うのか,つまり男性のためなのか
女性のためなのか,男性に誤解があると思います。
カップルのコミュニケーションは日本よりはあるとは思いますが,
それが十分かと尋ねられたら,やはり疑問です。
中高年のよりよいセクシュアリティ
実現のために
(荒木乳根子)
1. 中高年に向けての性知識の普及
2. 性生活における対等なパートナーシップを
(もっと性的コミュニケーションをもつことから)
3. 日常生活の中でともに過ごす時間,会話を
4. 老年期になっても,性を疎外しないで
(スキンシップを大切に)
これって中高年の問題???????
高齢者のQOL向上のために
•(若い時と変わらないという)
高齢者の現実を直視しよう
•全年齢の性の健康、QOLの向上を
「セックス」は「インターコース」ではない
「コミュニケーション」こそ「セックス」
いまさら
中高年の男女が
いい性関係をもつのは
むずかしい?
泌尿器科医からのお願い
もっと科学的に
そして
やさしくなろう
高齢者の性を取り巻く課題
若年者の性を取り巻く課題
性に関する正確な情報が不足
性に関する情報を提供する意識が不足
性の相談をする場がない
若年者
高齢者の性に対する偏見、誤解が多い
でもこれって若者もおなじ?
と言われても
お年寄りには
お年寄りらしく・・・・・
高齢者の性は?
求められる支援は?
専門書にも
老人の性が
老人と性
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
関連する神経機構とホルモン
男性の加齢と性
女性の加齢と性
EDについて
糖尿病と性機能の低下
心血管系疾患と性機能の低下
脳血管障害と性機能
高齢者の性に関する調査
大人も知らない
自分の性・相手の性
相手の気持ちがわからない
そもそも「雄(オス)」とは?
群れない習性
関係性に学べない、一人で犯罪
欲望(性欲・顕示欲・独占欲、等々)の塊(かたまり)
名刺と役割がないと人前に出られず
「プライド」の生き物
人に言われても変われず、おだてられないといじける
そもそも「雌(メ ス)」とは?
群れる習性
周りに合わせ、関係性に学び、癒される
欲望(食欲・愛情欲・物欲、等々)がオスと異なる
日常の中に幸せと役割を見つけ
「プライド」より「本能」と「あきらめ」の生き物
「まあいいか」と現実を受け入れ続ける
そもそも何故セックスをするのか?
誰かといたい(女>>男)
二人でいたい(女>男)
触れ合っていたい(女=男)
セックスがしたい(女<<<男)
そして
彼氏「する?」
彼女「?い?い?よ? ・・・」
男女の違いは当たり前
こんな大人の本音も
求められているというの
が一番明確にわかるのは
セックスだから。私もそう
やって自己肯定しようとした
時期があったけど、そこか
らは、五分五分の関係には
なれないんだよね。
(小国綾子)
バルンカテーテルの屈辱
膀胱ろうのすすめ
話題の前立腺
前立腺の構造
前立腺肥大症による排尿障害
前立腺肥大症の手術
前立腺肥大症の経尿道的手術
正常な射精
経尿道的手術の後の射精
高齢者も避妊を!
パイプカットのすすめ
精管
精嚢腺
恥骨
前立腺
陰茎
海綿体
カウパー腺
精巣上体
陰嚢
尿道
「高齢者の性」の支援環境の偏り
立たない男は男じゃない?
勃起の支援だけでいいの?
「EDはえーでー」と喜ぶ妻、「・・・」なげく夫?
離婚が増加するのは性の不一致?
ED(Erectile Dysfunction)
勃起不全、勃起障害
満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしく
は維持できないことである。
Impotenceはなるべく使わない。
陰茎勃起の生理
①副交感神経の活動により血管が拡張して動脈の血流量が増加
①
①
②
②血流量が増加し、弛緩した平滑筋が白膜を圧迫することで流出量が減少し
勃起が発生
日本における年齢別ED有病率
%
70
60
完全型ED
中等症ED
50
40
30
20
10
0
40-
45-
50-
55-
60-
65-
年齢
完全型 :全く勃起が出来ず挿入にも至らない状態
不完全型:勃起は何とかそれなりにして挿入も何とか出来るが、最終段階まで至らない状態
(白井將文:EDの易学とリスクファクター.臨床と研究、76(5):841,1999)
EDは病気か老化か
EDの原因
– 勃起に必要な血液が十分ペニスにいかない
– 血管に問題
– 狭心症や心筋梗塞の危険因子(喫煙、高コレステロール、
高血圧、糖尿病、等)と同じ
EDがあれば脳卒中、心筋梗塞になりやすい?
EDは生活習慣病?
心因性ED
不安・ストレス性障害
・仕事・経済状態
パートナー側の性的問題
抑うつ(うつ病)
対人関係・情緒障害
・自責感
ED
精神的外傷(トラウマ)
虐待
・思い込み・誤解
・性に対する信念
・性教育不足
慢性疾患
糖尿病
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能低下症
高プロラクチン血症
など
薬剤などの可変因子
過量のアルコール
喫煙
降圧、抗うつ、
前立腺治療薬、
H2拮抗薬
など
器質性ED
ED
手術及び外傷
大腸がん、膀胱がん
前立腺摘除
脊髄損傷
骨盤部の外傷
など
加齢に伴う身体的異常
ペイロニー病などの
構造異常
糖尿病と性機能の低下
糖尿病患者のほぼ半数が勃起能力の低下を感じている
Ⅰ型(インスリン依存型)は若年発症
→早期からEDを経験
Ⅱ型(非インスリン依存型)
→EDは中高年で発症
糖尿病患者では喫煙量と喫煙期間がEDと関連
EDの治療
涙ぐましい努力1-1
涙ぐましい努力1-2
陰茎海綿体
塩酸パパベリン or PGE1
白膜
陰茎海綿体
尿道
涙ぐましい努力2
涙ぐましい努力3
今では薬でOK
バイアグラ(ファイザー製薬)
レビトラ(独バイエル・英グラクソスミスクライン)
シアリス(米イーライリリー・アイコス)
高齢者の性の現状は
クラミジア(1000人・年対罹患率)
熊本悦明、他:日本における性感染症(STD)サーベイランスー2001年度調査報告ー、
日本性感染症学会誌 13:147-167,2002
高齢者にも
性感染症は
拡がっている
クラミジア(10万人・年対罹患率)
罹患男女比
若年者で女性が多い
↓
一対一で感染
女性の方が感染しやすい
↓
年配者は男性が多い
一対一なら女性が増える!
↓
多数相手で感染
熊本悦明、他:日本における性感染症(STD)サーベイランスー2001年度調査報告ー、日本性感染症学会誌 13:147-167,2002
年配者は遊びが止められない
性=心+生
性の健康
そもそも「健康」って何?
健康とは身体的、精神的ならびに社会的
に完全に良好な状態であり、単に疾病がな
いとか、虚弱ではないということではない。
WHO憲章(1948年)
高齢者に配慮したい視点
異性の友達は百薬の長
何事にも好奇心を持ちましょう
オシャレをしましょう
どんな話しにも耳を傾け柔軟な心を持ちましょう
理解される交際をしましょう
欲しい各方面での配慮
あなたができることから始めましょう
高齢者も、あなたも、若者も、同じ
性器の扱いには細かい配慮を