スライド 1

2013.9.30
報道関係各位
独身20代・30代の食と農に関する調査
昼に弁当持参の“弁当男子”は1割も存在
自身で料理することで食や農業への関心が向上。
日本の農業が心配な若者が8割、一番不安なのは「食料自給率」!
“弁当男子”が食料自給率を上げ、日本の食を救う
先月食料自給率が発表されるなど、近頃食と農に関する議論が活発です。フリーマガジン「R25」を発行する㈱メディ
ア・シェイカーズのM1・F1総研では、20代・30代の独身一人暮らしの男女を対象に、料理の実態などを通して、若者の食
と農の意識を深彫りする調査を実施しました。
料理をすることのある人は94.0%、ほぼ毎食料理をしている
①ほぼ毎食料理している人は男女問
わず2割。お昼は弁当持参の
“弁当男子”も1割存在。
人は20.6%で、男性でも16.8%存在。
平日お昼にお弁当を持ってくる人は33.2%。“弁当男子”が
13.2%も存在。尊敬のまなざしで見られている。<P2> < P3>
,
②料理は食や農への意識を高める。
料理を始めて旬を意識し国産品を
選ぶように。料理をよくするほど顕
著
料理を始めたきっかけは「一人暮らし」(59.4%)。料理を
③食と農に目覚めた若者達。8割が
日本の農業の将来が不安。
最も不安なのは食料自給率の低迷
で、料理をよくするほど不安。
日本の農業について不安に感じる人が8割(78.2%)。
④「自炊男子・女子」、「弁当男子」は
食料自給率についてよく理解。
食料自給率についてもっと知りたい
自分の出来ることをしたい!
現在の食料自給率を「40%」と正しく答えた人は4人に1
⑤食料自給率向上の為の実際の行
動率は7割、“弁当男子”ほど
高い。九州大学佐藤剛史先生に
聞く、弁当作りの力とは。
始めて「より安い」(73.6%)、「知らない食材にも関心を
持ち」(58.9%)「旬を意識し」(56.6%)、「国産品」
を選ぶようになった(54.5%)。 <P4>
最も不安なのは「食料自給率の低迷」(71.9%)。料理
の頻度が高い人ほど、「弁当男子」ほど不安は強い。
<P5>
人(25.2%) 。料理の頻度が高いほど正答率は高い。
「自分が役立てることを知りたい」(66.0%)し、「改善に
協力したい」(63.4%)。 <P6> <P7>
食料自給率向上のため、実際に行動している人は65.2%。
料理の頻度が高いほど、”弁当男子“ほど実施率は高い。
<P8>提唱者の九州大学佐藤剛史先生が、弁当作りの力
をひも解く。 <P9>
本件に関するお問い合わせ先
株式会社メディア・シェイカーズ M1・F1総研® 住所:東京都港区東新橋2-3-3 ルオーゴ汐留
担当:大貫 元彦(主幹研究員)
1
TEL:03-6705-1820 FAX:03-5777-6171
①若者の料理(自炊)実態
平日・休日問わず料理をすることのある若者は94.0%にも。
毎食作る人は20.6%。
忙しい平日も、「自宅で料理」派は朝食53.4%、夕食70.2%。
まず、若者の料理(自炊)の実態について調べました。平日、休日合わせて自分で料理(自炊)を
することがあるかを聞くと、「ある」人は94.0%とほぼ全員で、その頻度は「ほぼ毎食」という人が約2
割(20.6%、男性16.8%、女性24.4%)と、かなりの高頻度です【グラフ1】。
次に朝食、昼食、夕食それぞれについて料理実態を詳しく見てみました。平日の朝食をどう用意
することが多いかを聞くと、「ほとんど食べない」という人も2割(19.4%)いますが、最多は「自宅で自
分で作ったものを食べる」(53.4%)、次いで「自宅で買ってきたものを食べる」(47.2%)。料理(自炊)
率は女性(62.4%)の方が男性(45.6%)より若干高いですが、男性も半数近くが自炊しています【グ
ラフ2】。
また、平日の夕食も「主に自宅で作ったものを食べる」(70.2%)が最多。男性62.8%、女性は
77.6%と、男性もよく自炊をしています【グラフ3】。
【グラフ1】料理全体の頻度
0%
20%
ほぼ毎食
全体(N=500)
性
別
男性(N=250)
1日
1、2食
40%
週に
6回
20.6
16.8
女性(N=250)
週に
4、5回
18.0
12.4
23.6
【グラフ2】平日の朝食の用意の仕方
80
(%)
全体
53.4
60
全体
性 男性
別 女性
(N)
500
250
250
13.4
10.8
男性
10.0 9.4
た自
も宅
ので
を自
食分
べで
る作
っ
も自
の宅
をで
食買
べっ
るて
き
た
飲
食
店
で
外
食
す
る
るて職
き場
たや
も学
の校
をで
食買
べっ
53.4 47.2 10.0
9.4
45.2 55.2 13.2
8.4
61.6 39.2
6.8 10.4
全体と比較して +10%以上
月に1回
19.2
22.8
8.4
女性
16.0
80
100%
月に1回
未満
料理
しない
料理する
計
2.0
5.2 4.2
6.0
1.6
3.2
6.0 5.6 2.0 9.2
94.0
90.8
0.8
4.42.8 2.8
1.2
15.6
2.6
97.2
全体
2.4
31.6
20
で職
食場
べや
る学
校
の
食
堂
そ
の
他
ほ平
と日
ん、
ど朝
食食
べは
な
い
2.6
1.6
3.6
2.4
3.6
1.2
1.2
1.6
0.8
19.4
22.0
16.8
女性
39.6
40
1.2
-10%以下
男性
52.4
60
持で職
っ作場
てっや
きた学
ても校
食ので
べを自
る
分
+5%以上
70.2
(%)
19.4
20
月に
2、3回
週に1回
自炊率
男性:45.6%
女性:62.4%
47.2
80%
【グラフ3】平日の夕食の用意の仕方
40
0
週に
2、3回
9.8
11.2
24.4
60%
2.8
2.2
そ
の
他
ほ平
と日
ん、
ど夕
食食
べは
な
い
0
(N)
全体
性 男性
別 女性
-5%以下
2
500
250
250
る作主
っに
た自
も宅
ので
を自
食分
べで
せたな買
てもどっ
食のとて
べを自き
る組分た
みでお
合作惣
わっ菜
もどお
の主弁
をに当
食買や
べっお
るた惣
き菜
たな
る飲
食
店
で
外
食
す
70.2
52.4
39.6
31.6
2.8
62.8
55.2
48.8
36.8
2.4
77.6
49.6
30.4
26.4
3.2
全体と比較して +10%以上 +5%以上 -10%以下
2.2
1.2
3.2
-5%以下
①若者の料理(自炊)実態
お昼に弁当を持ってくる人も33.2%、男性も13.2%が“弁当男子”。
「弁当男子」には特に女性から尊敬のまなざしが。
お昼も“自炊”派は少なくありません。平日のお昼は「パン、おにぎり、ファストフードなどを職場
や学校で食べる」(40.2%)に次いで高いのは、「自分で弁当を作っていく」(33.2%)。これは女性
53.2%、男性13.2%と、男女の差が大きいですが、独身男性の10人に1人が、自作の弁当を持って
いく「弁当男子」であることが分かります【グラフ4】。
「弁当男子」に対するイメージを見てみると、「料理上手だと思う」(82.6%)、「尊敬する」(81.4%)、
「健康に気を遣っている」(75.0%)、「安心・安全なものを食べている」(58.8%)、「モテそう」(53.6%)
などで、「格好悪い」という人はわずか11.0%。好イメージを持たれています。特に女性は好意的で
す【グラフ5】。 さらに、この「弁当男子」は後述しますが食や農への意識が非常に高いことも明らか
になっています。
ここからは、週に6回以上自分で料理をしている、高頻度で自炊する男性を「自炊男子」、女性を
「自炊女子」、お昼にお弁当持ってくる男性を「弁当男子」と表現し、分析していきます。
週に6回以上料理をする層
=料理頻度高/「自炊男子」「自炊女子」
週に1-5回程度料理をする層 =料理頻度中
週に1回未満料理をする層
=料理頻度低
【グラフ4】平日の昼食の用意の仕方
全体
80
男性
女性
(%)
60
40.2
40
33.2
27.8
27.8
26.2
20
0
(N)
全体
性 男性
別 女性
500
250
250
6.4
6.4
そ
の
他
ほ平
と日
ん、
ど昼
食食
べは
な
い
【グラフ5】弁当男子イメージ
職フパ
場ァン
、
やス
お
学ト
フに
校ーぎ
でドり
食な、
べど
る
を
作自
っ分
てで
い弁
く当
を
40.2
33.2
37.2
13.2
43.2
53.2
全体と比較して
食職
べ場
るや
学
校
の
食
堂
で
学市
校販
での
食弁
べ当
るを
職
場
や
飲
食
店
に
行
く
27.8
30.8
24.8
27.8
28.8
26.8
26.2
29.6
22.8
+10%以上
+5%以上
6.4
6.0
6.8
-10%以下
6.4
8.4
4.4
-5%以下
全体
100
(%)
82.6
81.4
男性
女性
75.0
80
58.8
60
53.6
40
11.0
20
0
弁当男子
う料
理
上
手
だ
と
思
全体
男性
女性
500
250
250
3
82.6
76.8
88.4
い尊
と敬
思す
うる
・
す
ご
81.4
76.4
86.4
い健
る康
とを
思気
う遣
っ
て
75.0
70.0
80.0
との安
思を心
う食・
べ安
て全
いな
るも
58.8
55.2
62.4
うモ
テ
そ
う
だ
と
思
し格
い好
と悪
思い
う・
女
々
53.6
52.0
55.2
11.0
11.2
10.8
②料理(自炊)の効用
料理は食や農への意識を高める。料理を始めて旬を意識し国産
品
を選ぶように。
料理をよくする「自炊男子・女子」や「弁当男子」ほど顕著。
若者に料理を始めたきっかけを聞くと、「一人暮らし」(59.4%)という人が多いですが、女性は「実
家にいる頃から」(37.9%)という人も多くなっています【グラフ6】。
また、料理を始めたことによって、色々な意識が高まっているようで、料理を始めて変わったこと
は、「より安い食品を選ぶようになった」(73.6%)、「調理したことのない食材に興味を持つようになっ
た」(58.9%)「季節の旬の食材が分かるようになった」(56.6%)、「国産の食品を意識して食べたり購
入するようになった」(54.5%)、「同じ種類の食材でも色々な商品を試すようになった」(51.5%)、「国
産の食料品の良さが分かるようになった」(50.9%)など【グラフ7】。自炊の経済的な面や、食べ物の
旬や国産品への意識が高まっているようです。「季節の旬の食材が分かるようになった」、「国産の
食品を意識して食べたり購入するようになった」は、男女とも料理をする頻度が高い人ほど高く、ま
た男性は「弁当男子」ほど高く、料理をすればするほど、国産品などへの意識は高まる、と言えそう
です。
【グラフ6】料理を始めたきっかけ
【グラフ7】料理を始めたことによる意識の変化 上位項目
<料理する人ベース>
全体
80
男性
<料理する人ベース>
女性
80
59.4
(%)
60
全体
73.6
58.9
(%)
56.6
男性
54.5
60
40
女性
51.5
50.9
な同
商じ
品種
を類
試の
す食
よ材
うで
にも
ない
っろ
たい
ろ
分国
か産
るの
よ食
う料
に品
なの
っ良
たさ
が
40
28.3
10.6
20
20
1.7
0
0
実
家
に
い
る
頃
か
ら
一
人
暮
ら
し
を
始
め
て
か
ら
す
ぐ
し一
ば人
ら暮
くら
しし
てを
始
め
て
か
ら
、
そ
の
他
28.3
18.1
37.9
59.4
67.0
52.3
10.6
14.5
7.0
1.7
0.4
2.9
-10%以下
-5%以下
(N)
全体
性 男性
別 女性
470
227
243
全体と比較して +10%以上
+5%以上
選よ
ぶり
よ安
うい
に食
な料
っ品
たを
興調
味理
をし
持た
つこ
よと
うの
にな
ない
っ食
た材
に
(N)
全体
性 男性
別 女性
男 高
料
性 中
低
理
頻
女 高
度
性 中
低
男 弁 弁当男子
子 当 非弁当男子
470
227
243
101
99
27
141
90
12
33
194
73.6
72.7
74.5
77.2
70.7
63.0
75.9
72.2
75.0
87.9
70.1
58.9
50.7
66.7
54.5
50.5
37.0
72.3
61.1
41.7
66.7
47.9
に季
な節
っの
た旬
の
食
材
が
分
か
る
よ
う
た食国
べ産
たの
り食
購料
入品
すを
る意
よ識
うし
にて
な
っ
56.6
46.7
65.8
50.5
47.5
29.6
73.0
58.9
33.3
60.6
44.3
全体と比較して +10%以上
54.5
46.7
61.7
50.5
47.5
29.6
63.8
61.1
41.7
54.5
45.4
+5%以上
51.5
48.9
53.9
47.5
51.5
44.4
59.6
48.9
25.0
60.6
46.9
-10%以下
50.9
45.8
55.6
46.5
50.5
25.9
58.2
52.2
50.0
57.6
43.8
-5%以下
※n=30以下の軸は参考値のためハッチングなし
4
③料理(自炊)と食や農への意識
若者の8割が日本の農業の将来が不安。最も不安なのは
食料自給率の低迷。「自炊男子・女子」や「弁当男子」ほど不安。
料理(自炊)をすることによって国産品への意識が高まっている日本の若者達。食の安全や日本
の農業についてはどう考えているのでしょうか。
まず、食の安全について不安に思うかを聞くと「不安を感じる」という人が58.2%【グラフ8】。安全な
食べ物としては、「国産の食料品」(62.6%)、「無農薬・低農薬の食料品」(44.6%)、「無添加食料
品」(39.4%)などを選ぶべきだと考えています【グラフ9】。
また、日本の農業の将来について不安を感じるかを聞くと、「不安」という人は(78.2%)【グラフ10】。
具体的には、「食料自給率の低迷」(71.9%)、「生産者の高齢化」(68.3%)、「跡継ぎ問題」(56.5%)
などに不安を感じており、「放射能の影響・風評被害」(32.7%)を上回る結果となりました。なお、「食
料自給率の低迷」に不安を感じる割合は、「自炊男子」、「自炊女子」、そして「弁当男子」で高くなっ
ています【グラフ11】。
【グラフ9】食の安全のため選ぶべき食材
【グラフ8】食の安全への不安
全く不安を
感じない
4.4%
不安を
感じる
10.6%
あまり不安
を感じない
37.4%
80
(N=500)
(%)
不安を感じる
計:58.2
60
44.6
あまり不安
を感じない
19.4%
39.4
40
36.6
33.4
22.0
20
やや不安
を感じる
47.6%
16.6
13.0
9.8
0.8
0
【グラフ10】日本の農業の将来に不安を感じるか
全く不安を
感じない
2.4%
(N=500)
62.6
国
産
の
食
料
品
の無
食農
料薬
品・
低
農
薬
無
添
加
食
料
品
地
元
産
の
食
料
品
の信
食頼
料で
品き
る
お
店
テト
ィレ
食ー
料サ
品ビ
リ
旬
の
食
料
品
食ブ
料ラ
品ン
ド
の
そ
の
他
【グラフ11】日本の農業の将来の具体的に何に不安を感
じるか
<日本の農業の将来に不安を感じる人ベース>
(N=500)
不安を
感じる
18.6%
特
に
な
し
不安を感じる
計:78.2
やや不安
を感じる
59.6%
食
料
自
給
率
の
低
迷
全体
391
71
111
121
88
25
157
男 自炊男子
料
性 非自炊男子
理
頻
女 自炊女子
度
性 非自炊女子
男 弁 弁当男子
子 当 非弁当男子
5
71.9
67.6
62.2
81.0
75.0
76.0
62.4
生
産
者
の
高
齢
化
68.3
70.4
68.5
71.1
62.5
68.0
69.4
跡
継
ぎ
問
題
56.5
57.7
53.2
60.3
54.5
52.0
55.4
海
外
と
の
競
争
激
化
47.3
33.8
27.0
24.8
19.3
28.0
29.9
害放
射
能
の
影
響
・
風
評
被
32.7
54.9
46.8
48.8
39.8
72.0
46.5
耕
作
放
棄
地
の
増
加
そ
の
他
25.8
28.2
29.7
39.7
30.7
36.0
28.0
2.6
1.4
6.3
0.0
2.3
0.0
5.1
④料理(自炊)と食料自給率への意識
不安な食料自給率。認知も理解も、料理をよくする
「自炊男子・女子」や「弁当男子」ほど高い。
食料自給率の認知を詳しく聞くと、「日本の食料自給率がどの程度か知っている」という人は約4割
(37.2%)で、料理の頻度が高いほど、また「弁当男子」ほど「知っている」とする割合は高くなってい
ます【グラフ12】。先日発表された2012年の食料自給率(カロリーベース)は39%でしたが、現在の食
料自給率が程度だと思うかという問いには、「40%」と正しく答えた人は4人に1人(25.2%)でした。こ
れも料理の頻度が高いほど、また「弁当男子」ほど正答率は高くなっています【グラフ13】。
また、食料自給率の数値をどこで知ったかを聞くと、「テレビ」(29.8%)、「インターネットのニュー
ス」(16.0%)、「新聞」(8.8%)などの順で、これは男性より女性、男性では「弁当男子」ほど、様々な
情報源から食料自給率の情報を得ているようです【グラフ14】。
【グラフ12】食料自給率の数値の認知状況
正答率
知らなかった
男
性
料
理
頻
度
中(N=99)
42.4
36.4
低(N=27)
40.7
44.4
しない(N=23)
高(N=141)
女
性
中(N=90)
30.4
39.7
23.3
低(N=12) 16.7
34.8
6.9 6.9
7.4 7.4
46.7
12.15.7
8.3
0.0
42.9
3.0
36.4 9.1
51.5
41.5
500
250
性
別
250
101
99
27
料
理
しない 23
頻
141
高
度 女
90
中
性 低
12
7
しない
33
男 弁 弁当男子
子 当 非弁当男子 217
23.3 6.7
14.3
16.2 26.0 25.2 3.0 1.0 1.4
13.6 26.4 29.6 2.4 1.6 1.6
18.8 25.6 20.8 3.6 0.4 1.2
9.9 27.7 35.6 3.0 2.0 2.0
13.1 26.3 29.3 2.0 2.0 1.0
18.5 22.2 18.5 0.0 0.0 0.0
26.1 26.1 17.4 4.3 0.0 4.3
19.9 24.1 24.1 2.8 0.0 1.4
16.7 26.7 20.0 3.3 1.1 1.1
25.0 25.0 0.0 8.3 0.0 0.0
14.3 42.9 0.0 14.3 0.0 0.0
12.1 27.3 36.4 3.0 3.0 3.0
13.8 26.3 28.6 2.3 1.4 1.4
全体と比較して +10%以上 +5%以上
(N)
全体
男性
女性
高
男 中
性 低
17.4 17.4
42.6
10.4
8.4
12.4
5.0
14.1
7.4
0.0
10.6
13.3
25.0
14.3
12.1
7.8
19.2
2.0
75.0
しない(N=7) 0.0 42.9
弁
弁当男子(N=33)
当
男 非弁当男子(N=217)
子
39.6
1.0 1.4 0.2 0.4 0.2
38.7 13.4 6.5
0.8
0.0
1.6
0.0
0.0
0.0
0.0
2.1
1.1
0.0
0.0
0.0
0.0
全体
80
男性
女性
56.4
(%)
60
29.8
16.0
20
0
(N)
全体
性 男性
別 女性
男 弁 弁当男子
子 当 非弁当男子
500
250
250
33
217
0.2
0.4
0.0
1.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.5
0.4
0.8
0.0
0.0
0.0
3.7
4.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.9
-10%以下
0.2
0.4
0.0
0.0
0.0
0.0
4.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.5
分
か
ら
な
い
15.2
14.8
15.6
13.9
12.1
29.6
13.0
14.9
16.7
16.7
14.3
3.0
16.6
-5%以下
※n=30以下の軸は参考値のためハッチングなし
【グラフ13】食料自給率の情報源
40
100%
46.5
0%
0
高(N=101)
3.0
0.8
16.0 6.8
90%
10
45.6
15.2
80%
38.4 12.8 6.0
16.2
10.4
70%
31.6
20
50%
女性(N=250)
42.8
14.4 6.4
42.0
40%
男性(N=250)
性
別
37.2
(%)
30%
0% 20% 40% 60% 80%100%
全体(N=500)
26.0 25.2
30
20%
食料自給率という言葉
を聞いたことがある
10%
日本の食料自給率がど 食料自給率の意味を
の程度か知っている
知っている
60%
【グラフ11】食料自給率の認知状況
8.8
テ
レ
ビ
ニネイ
ュッン
ートタ
スのー
新
聞
29.8
34.0
25.6
36.4
33.6
16.0
21.2
10.8
27.3
20.3
8.8
11.6
6.0
21.2
10.1
2.2
2.0
1.0
0.8
0.4
2.2
雑
誌
ブネイ
ロッン
グトタ
のー
口
コ
ミ
S
N
S
掲
示
版
そ
の
他
か知
っら
たな
1.0
1.2
0.8
0.0
1.4
0.8
1.6
0.0
0.0
1.8
0.4
0.8
0.0
0.0
0.9
2.2
1.2
3.2
0.0
1.4
56.4
48.8
64.0
42.4
49.8
-10%以下
-5%以下
2.2
2.4
2.0
9.1
1.4
2.0
4.0
0.0
9.1
3.2
6 全体と比較して +10%以上
+5%以上
④料理(自炊)と食料自給率への意識
若者の71.2%が食料自給率を上げた方がいいと回答。「弁当男子」
はさらに高率。
食料自給率についてもっと知りたい、 自分の出来ることをしたい。
これらを踏まえ、食料自給率を上げた方がよいと思うかを聞くと、71.2%が「上げた方がよい」と回
答。これも差はわずかですが、「弁当男子」ほど「上げるべき」と考えているようです【グラフ15】。食
料自給率については「どんな品目で具体的に食料自給率が低いのか具体的に知りたい」(74.2%)、
「低いと何が問題なのかを知りたい」(73.2%)など、「知りたい」という意見が目立ち、その上で「食料
自給率改善のために自分が役立てることを知りたい」(66.0%)と、自分がどう行動すべきかを模索
しています。また、「食料自給率改善につながる協力をとにかく自分も行いたい」(63.4%)と、何か行
動したい気持ちを強く持っていることが分かります【グラフ16】。
【グラフ15】食料自給率を上げた方がよいと思うか
【グラフ16】食料自給率についての考え
(N=500)
上げた方が 現状のままで 下がっても
良い
良い
仕方がない
0%
全体(N=500)
男性(N=250)
性
別
女性(N=250)
男
性
料
理
頻
度
弁
当
男
子
40%
60%
80%
71.2
65.2
2.4
2.4 7.6 10.4
6.9 6.9 13.9 5.9
中(N=99)
65.7
12.1 7.1 8.1 7.1
低(N=27)
66.7
中(N=90)
76.7
低(N=12)
83.3
しない(N=7)
71.4
弁当男子(N=33)
72.7
非弁当男子(N=217)
3.7 3.7 18.5
0.0
13.0
77.3
64.1
どんな品目で食料自給率が
低いのか具体的に知りたい
8.0 7.2 12.4 7.2
66.3
高(N=141)
0%
20%
40%
ややそう思う
太字:そう思う 計
60%
80%
5.2 7.4 7.4 8.8
77.2
56.5
そう思う
100%
高(N=101)
しない(N=23)
女
性
20%
どちらでも
よく
よい
分からない
17.4
7.4
13.0
2.8
3.5 7.8 8.5
食料自給率が低いと
何が問題なのかを知りたい
食料自給率の改善のために
自分が役立てることを知りたい
食料自給率の改善につながる
協力をとにかく自分も行いたい
1.16.7 13.3
2.2
0.0 0.0
8.3 8.3
0.0
0.0
14.3 14.3
0.0
9.1 6.1 12.1
7.8 7.4 12.4 8.3
7
21.2
18.0
20.8
15.8
53.0
55.2
45.2
47.6
74.2%
73.2%
66.0%
63.4%
100%
⑤食料自給率のための行動
食料自給率を上げるため、65.2%が行動。具体的には「国産の野菜
や穀物の利用」や「地産地消」を行う。
料理をよくする「自炊男子・女子」や「弁当男子」ほど実施。
食料自給率向上のために実際にどのようなことをしているかを聞いたところ、「国産の野菜を優先
的に利用する」(43.4%)、「国産の穀物を優先的に利用する」(33.8%)、「国産の肉を優先的に利用
する」(33.2%)、「地産地消を心がける」(28.4%)、「旬のものを食べる」(26.0%)などで、「特になし」
(34.8%)を除いた65.2%が何らかの行動を起こしています。
料理の頻度が高い「自炊男子」「自炊女子」ほど、何らかの行動を起こす率(実施率)は高くなってお
り、性別では女性の方が高いものの、男性も負けずに色々なことを行っています。また「弁当男子」
も実施率は高くなっています【グラフ17】。
【グラフ17】食料自給率を上げるための行動
50
(%)
43.4
40
33.8
33.2
30
34.8
28.4
26.0
14.4
20
9.6
10
0
(N)
500
250
250
101
99
27
料
23
しない
理
頻
高
141
度 女 中
90
性 低
12
7
しない
33
男 弁 弁当男子
子 当 非弁当男子 217
性
別
全体
男性
女性
高
男 中
性 低
る国
産
の
野
菜
を
優
先
的
に
利
用
す
る国
産
の
穀
物
を
優
先
的
に
利
用
す
国
産
の
肉
を
優
先
的
に
利
用
す
る
地
産
地
消
を
心
が
け
る
43.4
36.0
50.8
40.6
41.4
29.6
0.0
54.6
50.0
33.3
14.3
51.5
33.6
33.8
30.0
37.6
34.7
33.3
22.2
4.3
44.7
32.2
16.7
0.0
48.5
27.2
33.2
27.2
39.2
32.7
29.3
18.5
4.3
40.4
42.2
25.0
0.0
30.3
26.7
28.4
24.0
32.8
24.8
27.3
22.2
8.7
39.0
26.7
25.0
0.0
30.3
23.0
旬
の
も
の
を
食
べ
る
26.0
19.2
32.8
20.8
26.3
0.0
4.3
34.8
32.2
25.0
14.3
27.3
18.0
和味
風噌
のや
調醤
味油
料な
をど
使、
う大
豆
を
使
っ
た
日冷
本凍
の食
メ品
ーな
カど
ーの
の加
も工
の食
を品
食は
べ、
る
14.4
8.8
20.0
7.9
14.1
0.0
0.0
24.1
14.4
16.7
14.3
15.2
7.8
9.6
7.2
12.0
5.9
12.1
0.0
0.0
12.1
12.2
8.3
14.3
9.1
6.9
4.8
4.8
米
粉
の
パ
ン
を
食
べ
る
ご
飯
を
お
代
わ
り
す
る
0.6
そ
の
他
特
に
な
し
実施率
4.8
4.4
5.2
5.0
5.1
3.7
0.0
5.0
2.2
16.7
28.6
9.1
3.7
全体と比較して +10%以上
4.8
6.8
2.8
7.9
8.1
3.7
0.0
2.8
2.2
0.0
14.3
12.1
6.0
+5%以上
0.6
0.8
0.4
1.0
1.0
0.0
0.0
0.7
0.0
0.0
0.0
0.0
0.9
-10%以下
34.8
46.0
23.6
36.6
43.4
59.3
82.6
22.7
21.1
41.7
42.9
30.3
48.4
65.2
55.0
76.4
63.4
56.6
40.7
17.4
77.3
78.9
58.3
57.1
69.7
51.6
-5%以下
※n=30以下の軸は参考値のためハッチングなし
<調査概要>
調査対象者: 全国の20代・30代の独身男女 500名(性年代別に125名を均等割付)
調査機関:
調査方法:
調査期間:
株式会社マクロミル
インターネット調査
2013年8月27日(火)~29日(木)
8
『弁当男子』が日本の食を救う?
佐藤剛史
(九州大学大学院農学研究院助教、作家)
「弁当の日」などの取り組みを契機に、男女問わず若者に弁当や自炊が浸透し、社会を変えている
子どもが自分で作る「弁当の日」という取り組みがある。これは、2001年に香川県の滝宮小学校で、
当時の校長先生、竹下和男氏が始めた取り組みで、2013年現在、全国1,263校の小学校、中学校、高
校、大学で「弁当の日」が実践されている。
「弁当の日」の社会的意義は多々あるが 、その一つは、子どもが自ら弁当を作ることにより、作るこ
との大変さがわかり、作ってくれることのありがたさが分かることだろう。言い方を変えれば、単なる消
費者だった子どもが、生産者の立場になってものを考えることができるということだ。調理師の気持ち
に、農業の現状に、生産の現場に思いを馳せられるようになる。「弁当の日」を経験した子ども達の中
には、既に社会人になった人もいる。会社で、一品持ち寄り形式の「弁当の日」を始めた人もいる。
こうした「弁当の日」経験者が、社会の価値観を変えている。
今回の調査では、「若者の自炊率の高さ」、そして「料理を始めたことによる意識の変化」「自炊率が
高い人ほど、お弁当を職場や学校に持っていく人程、食料自給率に対する意識も高くなっている」とい
う結果が明らかになった。 弁当作りと同様、自炊すれば原材料を選択せざるを得ない。鶏のから揚
げを食べたいと思い、ファミレスに行けば、「国産鶏肉」「輸入鶏肉」を選ぶ余地はない。しかし、自分で
作ろうと思えば、「値段」「産地」「味」等々を見比べて、選択をせざるを得ない。自分で作れば、産地や
自給率に意識が向くのは当然だ。
ずっと「弁当の日」を応援してきた私としては、この結果は本当に嬉しい。子どもたちが、台所に立ち
、弁当を作ることによって、食べることの意味、農業の価値を学び、暮らしを変え、人生を変え、家庭を
変え、社会を変えている。大人になっても、自炊の意味を見出し、弁当を作り続け、その実践の輪が広
がっている。竹下元校長先生、そしてその仲間たちの努力が、社会を変え、この結果によって報われ
たとも思える
意識の高い若者がいる一方、意識の低い若者も。若者社会における「食の格差」を懸念
一方で、懸念もある。私は、九州大学の1年生全員に、この三食何を食べたか記述するという調査を
毎年実施し、別の授業では、三食食べたものを、すべてデジカメやスマホで記録する、という調査を行
っているが、こういう調査を長年行ってきた私の感覚では、自炊や弁当作りをしっかりやっている学生
なんてほとんどいない。 欠食は当たり前、お菓子やアイスがご飯がわりなんて学生がいるのも事実で
、その割合は増えているような気がする。
他方、食に関心を持ち、「大学生弁当の日」なんてことをはじめたり、食育の専門家の講師を招いて
講演会を実施したり、農業体験イベントを企画する若者が増えていることも事実である。つまり若者社
会における「食の格差」が生じているように思う。この「食の格差」は、戦中、戦後のような食料不足の
中で生じる格差ではなく、あり余る食べ物の中で生じる質的格差である。そして、それは、自らが選択
した結果としての格差である。
9
食料自給率を上げるためには、今の意欲の高さを保ちながら、より正しい知識の獲得・実践を
今回の調査では若者の食料自給率への意識の高さも明らかになった。「自炊率が高い人ほど、お弁
当を職場や学校に持っていく人程、食料自給率に対する意識も高くなっている」「若者の71.2%が食料自
給率を上げた方がいいと回答」「食料自給率についてもっと知りたい」「自分の出来ることをしたい」との
若者の意識は、非常に意義深い。
しかし、国産の農産物を買い、自炊すれば、食料自給率が劇的に上昇するかと言えば、そうではない
。食パンを買ってきて、それをトースターで焼いて、ジャムを塗って食べても食料自給率は上がらない。
小麦の自給率は13%だからだ。また、国産の野菜を買ってきて、サラダを作って食べても、食料自給率
はあまり上がらない。食料自給率はカロリーベースで、サラダにほとんどカロリーはないから、自給率は
上がらないのだ。
1965年に73%あった食料自給率が、現在、40%まで下がっている大きな要因は、①米の消費量が半
減し、②その代わりに肉や油の消費量が倍増している点にある。家畜を育てるための飼料、そして油脂
の大部分を輸入に頼らざるを得ないからだ。簡単に言えば、国産の牛肉を食べても食料自給率は下が
る。
とすれば、「食料自給率を上げた方がいい」「自分の出来ることをしたい」のであれば、肉や油を大量消
費している食生活を改めますか、今の倍くらいお米を食べましょう、それができますか、ということが問わ
れる。
「自炊男子」、特に「弁当男子」が食料自給率を上げ、日本の食と農を救う
調査では、「自炊男子」や「弁当男子」の意識の高さが目立った。食料自給率向上のための行動率も
高く、特に「弁当男子」はご飯の弁当を持って行くことが多いためか、「国産の穀物を優先的に利用する」
率が突出して高い。食料自給率向上に大きく寄与していると言える。
また、「弁当男子」は 「格好いい」と捉えられていることも分かった。「男子厨房に入らず」「女性は料理
できて当然」は古臭い。「弁当男子は格好いい」 という価値観が広がっていくことは、非常に喜ばしいし、
これからの社会には必要だ。
外食・中食産業の市場規模の推移を見ても、食の外部化が進んでいることが分かる。いくら食材を厳
選しているはいえ、外食産業で使用されている食材は、外国産である割合が高い。食の外部化が進め
ば、日本の食、日本の農業は衰退する可能性が高い。
そこで、「自炊男子」「弁当男子」である。
若いうちから、自炊をする技術、力を身に付ける。自分で作る喜びを知る。自分が作ったものを、誰か
が「美味しい」と食べてくれる喜びを経験する。
そんな男性が、いずれ結婚し、子どもができ、食卓を囲むようになる。「自炊男子」が将来、囲む食卓は
どんな食卓だろうか。日本の農産物、地産池消にこだわった、あたたかい、手作りの食卓が出来上がる
のではないか。そこで育つ子どもがいる。では、その子どもはどんな食習慣が身につくか。
「自炊男子」、特に「弁当男子」が食料自給率を上げ、日本の食を救うはずだ。
佐藤剛史(さとう
ごうし)先生
1973年、大分県生まれ。農学博士。
現在、九州大学大学院農学研究院助教。年間の講演、ワークショップの回数は100回を超える。
新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数。
著作「自炊男子」(現代書林)/「すごい弁当力!―子どもが変わる、家族が変わる、社会が変わ
る 」(現代書林)/「弁当の日」(西日本新聞社)等。
10