高速液体クロマトグラフィーの基礎

高速液体
クロマトグラフィーの基礎 -
ハードウェア
BUILDING
BETTER SCIENCE
AGILENT AND YOU
教育目的専用
For
teaching purpose only
September 30, 2015
1
アジレントは教育機関の活動を
サポートし、当社が所有する資料の
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す。
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制作されています。画像、略図、図をその他の目的に使用
するには、事前にアジレントまでお問い合わせください。
教育目的専用
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目次
はじめに
HPLC システムの構成 (つづき)
•化合物に応じた分離テクニック
•インジェクタ/サンプラ
•液体クロマトグラフィーとは
– システム
•HPLC の使用目的
– 主要パラメータ
•クロマトグラムの形状
•カラムコンパートメント
HPLC の適用例
– カラムタイプ
HPLC システムの構成
– カラムの選択
•ポンプ
– 基本的な動作
– 主要パラメータ
– グラジエント条件とイソクラティック条件の比較
– 充填剤
– 分離モード
•検出器
– 紫外可視吸収
– 質量分析
– 示差屈折率
– 蛍光
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はじめに
化合物に応じた分離テクニック
アミノ酸
親水性
揮発性
カルボン
酸
無機イオン
合成着色料
アルデヒド
ケトン
糖
グリホサート
グリコール
スルホンアミド
糖
アルコール
酵素
PG、OG、
DG、フェノール
アフラトキシン
ニトリル
極性
BHT、BHA、THBQ
酸化防止剤
アルコール
糖の TMS
誘導体
有機リン系
農薬
エポキシド
エッセンシャルオイル
C2-C6 炭化水素
高い
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4
PAH
フラボノイド
アナボリック
ステロイド
天然着色料
脂溶性ビタミン
ポリマー モノマー
脂肪酸メチルエステル
トリグリセリド
リン脂質
芳香族エステル
非揮発性 - 液相
揮発性 - ガス相
ToC
抗生物質
芳香族アミン
PCB 類
疎水性
脂肪酸
ニトロソアミン
揮発性
低い
はじめに
液体クロマトグラフィーとは
液体クロマトグラフィーは、多孔質粒子 (固定相) を充填したカラムに少量の液体
サンプルを注入する操作を伴う分離テクニックです。サンプル中の各成分は、
重力で落下する液体により充填チューブ (カラム) の下方に運ばれます。
サンプル中の成分は、分子と充填剤粒子間に発生するさまざまな化学的および
物理的な相互作用によって分離されます。
分離された各成分はカラム出口で収集され、色の強度を測定する分光光度計や、
成分量を測定できるその他の装置を使用して同定されます。
ToC
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はじめに
HPLC の目的
HPLC は、不揮発性の化学物質および生体化合物の成分を分離するために
使用されます。
代表的な非揮発性化合物
•アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェン (タイレノール) などの医薬品
•卵白や血中タンパクなどのタンパク質
•ポリマー (ポリスチレンやポリエチレンなど) をはじめとする有機化学物質
•食品に含まれる農薬、ビタミン
•エゾウコギ、生薬、植物抽出物などの多数の天然生成物
•トリニトロトルエン、酵素などの温度安定性の低い化合物
注: 揮発性のある化合物 (ガス、香料、ガソリン中の炭化水素) の場合、適した分離
テクニックは、ガスクロマトグラフィーです。
ToC
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はじめに
クロマトグラムの形状
これらはピークと呼ばれており、
それぞれのピークが分離された
1 つの化合物を表します
化合物 B
サンプルを
カラムに注入した
時点
0
化合物 A
2
4
6
化合物 C
8
注入後の時間
ToC
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7
10
12
14 分
HPLC の適用例
例えば、医薬品業界では、薬品中の有効成分 ( ) の品質管理が不可欠です。
HPLC は、合成中あるいは有効成分の分解によって生じる可能性のある医薬品
不純物 (
) を同定するために使用されます。
このような品質管理によって、患者の安全性が確保されます。
ToC
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8
HPLC の適用
ステップ 1 - 錠剤の溶解
ToC
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9
HPLC の適用
ステップ 2 - 分離
分離カラム内で物質が分離します。
カラム
固定相
ToC
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10
このカラムは、シリカゲルを充填した
金属チューブです。
ここでのシリカゲルのような物質を
固定相と呼びます。
HPLC の適用
ステップ 2 - 分離
溶解した物質を分離カラムに
注入します。
カラム
固定相
ToC
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HPLC の適用
ステップ 2 - 分離
カラム
固定相
ToC
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12
HPLC の適用
ステップ 2 - 分離
圧力をかけることで、(液体 例
えば、水とメタノールの混合物)
をカラムに通過させます。
この液体を移動相と呼びます。
移動相
ToC
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13
HPLC の適用
ステップ 2 - 分離
液体 (移動相) はシリカゲル
(固定相) を通過して流れ、
物質を運びます。
移動相
ToC
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14
成分によってシリカゲルとの
相互作用の強さが異なるため、
成分ごとにカラムを通過する
速度が異なります。
HPLC の適用
ステップ 2 - 分離
その結果、各物質は異なる
タイミングでカラムの末端に
到達します。
移動相
ToC
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15
HPLC の適用
ステップ 3 - 物質の定量分析
分離後、紫外線を使用してサンプル中の物質の量を測定します。
物質量によって光の吸収量が異なります。
吸収される光量は物質量に比例します。つまり、物質量が 2 倍であれば、
光量も 2 倍になります。
ToC
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16
HPLC の適用
ステップ 3 - 物質の定量測定
検出器が光強度を記録します。
光強度が減少すると、検出器にピーク
と呼ばれる応答が生じます。
ピークの高さは、物質の吸収による
光強度の減少量に対応します。
検出器
ToC
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HPLC の適用
ステップ 3 - 物質の定量測定
クロマトグラムは、ある時間にわたって測定された検出器信号を示します。
物質の量はピークの高さ、もしくはピークの面積によって判定することができます。
ToC
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18
HPLC の適用
ステップ 4 - 物質の定量分析
一見すると 1 つのピークのみが確認で
きます。これは、検出された物質は 1 つ
のみであることを意味しています。
ToC
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ズームインすると、小さいピークがいくつか
見受けられます。これらのピークは不純物
の存在を示しています。患者の安全性を確
保するため、不純物は一定の閾値未満に
抑える必要があります。
HPLC システムの構成
HPLC の構成には少なくとも次の 4 つのモジュール
が含まれます。
•
•
•
•
ポンプ
インジェクタ
カラム
検出器
上記モジュールは物質の分離においてさまざまな
役割を担っています。
ToC
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Agilent 1200 Infinity
LC システム
HPLC システムの構成
ポンプ
ポンプの役割は、クロマトグラフ内に一定の流量 (mL/min)
で液体を流すことです。
• HPLC での標準的な流量は 1~2 mL/min の範囲内
です。
• 標準 LC ポンプの最大圧力は 40 MPa です。
• UHPLC ポンプの圧力範囲は、60~150 MPa です。
クロマトグラフィー分析の間、ポンプは一定の組成の移動相
を送液 (イソクラティック) するか、または、常に組成を変化
させながら移動相を送液 (グラジエント) します。
イソクラティックポンプは、一定の組成の移動相を送液
します。
グラジエントポンプは、組成を変化させながら移動相を送液
します。
ToC
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HPLC システムの構成
1260 Infinity イソクラティックポンプ – 動作原理
AIV - アクティブインレットバルブ
OBV - アウトレットボールバルブ
詳細はノート部分を参照
ToC
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HPLC システムの構成
1260 Infinity バイナリポンプ – 動作原理
ダンパ
ポンプ
パージ
アウトレット バルブ
ミキサー
廃液へ
混合チャンバ
アウトレット
バルブ
アウトレット
バルブ
インレットバルブ
溶媒
ボトルから
シール
ピストン
ポンプヘッド A
シール
インレットバルブ
溶媒ボトル
から
ピストン
ポンプヘッド B
詳細はノート部分を参照
ToC
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23
HPLC システムの構成
主要なポンプパラメータ
流量 - 一定時間に送り出される量。範囲はポンプタイプにより異なります。
最高圧力 - システム (耐圧性の低いカラムなど) の損傷を防止するため、
最高圧力を定義できます。圧力はカラムやキャピラリの接続など、流路内の
各部分の流れ抵抗の結果として定義されます。
組成/グラジエント - 時間関数としての各溶媒の割合 (バイナリポンプおよび
クォータナリポンプ)。
ストローク - ピストン 1 の 1 回の動作で送り出される圧縮溶媒の量 (20 µL から
100 µL の範囲内)。ストローク量が小さいと圧力変動が減少します。流量を
増やす場合にはストローク量を大きくする必要があります。
圧縮率 - HPLC で高圧をかけると、液体でもある程度圧縮されます。圧縮率 κ を
求めるには、容積の変化 ΔV を最初の容積 V で割ったあと、適用する圧力差 Δp
で割ります。
ToC
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HPLC システムの構成
グラジエント条件とイソクラティック条件の比較
イソクラティック
時間が経過しても、移動相の溶媒組成は
一定に維持されます。
• 単純な分離に最適です。
• 製造工程を近くでサポートしている品質管
理アプリケーションでよく使用されます。
グラジエント
時間の経過とともに、移動相の溶媒組成が
増加します。
• 複雑なサンプルの分析に最適です。
• 未知の混合物に対するメソッド開発でよく
使用されます。
• 最も一般的なグラジエントは、リニアグラジ
エントです。
ToC
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HPLC システムの構成
HPLC でグラジエントを使用する理由
ZORBAX StableBond-C18 を使用した除草剤の分離
イソクラティック溶出
70 % 0.1% TFA 溶液/30 % アセトニトリル
1,2
1,2
カラム:
ZORBAX SB-C18
4.6 x 150 mm、5 μm
移動相:
A - 0.1 % TFA 溶液 (pH 2)
グラジエント溶出
20~60 % アセトニトリル/0.1% TFA 溶液
B - アセトニトリル
4
4
5
5
流量:
1.0 mL/min
温度
35°C
サンプル
1. テブチウロン
4
4
3
3
66
7
7
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注最後のピークは
28 分以内に溶出
しており、最も
シャープです
22
3
3
ToC
5
88
2. プロメトン
3. プロメトリン
4. アトラジン
5. ベンタゾン
6. プロパジン
7. プロパニル
8. メトラクロール
00
5
25
25
11
注:
8
最後のピークは 8
70 分以内に溶出
しています。
50
50
Time (min)
時間 (分)
66
7
7
75
75
0
0
5
5
10
10
15
20
15
20
Time (min)
時間 (分)
25
25
30
30
HPLC システムの構成
インジェクタシステム
インジェクタ
• インジェクタは、溶解したサンプルを移動相のフローストリームに
導入する役割を果たします。
– 標準的なサンプル量は、0.1 µL から 20 µL です。
– インジェクタは、液体システムの高圧に耐えられる
ものでなくてはなりません。
シリンジを使用した手動インジェクタ
分析対象サンプルが多数ある場合や手動注入が
現実的ではない場合は、オートサンプラを使用すると、
自動的にバイアルまたはウェルプレートからサンプルを
カラムへ注入します。
オートサンプラ用トレイ
ToC
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HPLC システムの構成
主要なインジェクタパラメータ
注入量の範囲 - ループサンプラにはさまざまあり、通常、0.1 µL から 100 µL までの
サンプルを注入できます。マルチドローキットまたは大型の計量用ヘッドを使用すると、
この範囲を拡大できます。固定ループのオートサンプラには、異なるループサイズを
装着できます。
注入ベッセル - バイアルまたはウェルプレート、もしくはその両方。
キャリーオーバー - 前回の分析でシステム内に残った化合物。キャリーオーバーを
減らすにはニードルを洗浄します。
サンプル数 - オートサンプラに格納できるサンプルの数。
サイクル時間 - 注入プロセスの完了に必要な間隔。
精度 - 注入量の再現性。
真度 - 絶対注入量の正確さ。
直線性 - 定義された注入量範囲に対する精度。
ToC
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HPLC システムの構成
カラムコンパートメント
カラムは、サーモスタットカラムコンパートメントに格納されていま
す。温度は 10℃ から 100℃ の間に設定できます。
ヒーターブロック内にカラムを配置
カラムはクロマトグラフィーの中核と見なされています。
さまざまな物理的および化学的パラメータを使用して、カラムの
固定相は分析対象のサンプル成分を分離します。
ToC
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29
•
カラム内の小粒子は通常の流量で高い背圧を発生させま
す。
•
移動相がカラム内を移動できるようにするため、ポンプは強く
押し出す必要があり、この抵抗が HPLC システムに高圧を
もたらします。
HPLC システムの構成
カラム
重要なのは、適切なカラムの選択です。
HPLC におけるカラムタイプ
•
•
•
•
分析 - 内径 1.0~4.6 mm、長さ 15~250 mm
分取 - 内径 > 4.6 mm、長さ 50~250 mm
キャピラリ - 内径 0.1~1.0 mm、長さは各種
ナノ - 内径 < 0.1 mm (< 100 µm と表記する場合もあり)
チューブ構造の素材
• ステンレス (最も一般的、耐圧性が高い)
• ガラス (主に生体分子に使用)
• PEEK ポリマー (生体適合性があり、ほとんどの溶媒に対して化学的に不活性)
ToC
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30
HPLC システムの構成
カラム - 充填剤
カラムには直径の小さい多孔質粒子が充填されます。
最も一般的な粒子径は、5 μm、3.5 μm、1.8 μm です。
使用中の安定性を確保するため、カラムは高圧を
使用して充填されます。
ほとんどのユーザーは、HPLC で使用するために
充填済みのカラムを購入します。
LC カラム充填剤
通常、カラム内の多孔質粒子の表面には化学結合相が存在しており、
これがサンプル成分と相互作用することで互いを分離します。
一般的な結合相の例としては、C18 があります。
サンプル成分 (たいていは分析対象成分と呼ばれる) の保持プロセスは、
充填済みカラムと分析対象成分をカラムに通過させる移動相の選択によって
制御されます。
ToC
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HPLC システムの構成
溶媒およびモード別のカラム選択
溶媒
モード
有機
分子量 < 2,000
ヘキサン
未修飾シリカを使用した順相 (吸着)
化学結合相シリカを使用した順相
MeOH/MeOH:H2O
または
ACN/ACN:H2O
逆相 (RP)
HILIC (RP で保持の弱い 成分向け)
THF
サイズ排除 (低分子)
非イオン性
逆相
HILIC (RP で保持の弱い 成分向け向け)
イオン性
イオン化を制御した逆相
イオン対試薬を使用した逆相
未修飾シリカを使用した逆相
イオン交換
水性
分子量 > 2,000
ToC
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有機
サイズ排除
水性
サイズ排除
ワイドポア充填剤を使用したイオン交換
ワイドポア充填剤を使用した逆相
HPLC システムの構成
RP HPLC カラム選択フローチャート
低分子
MW < 3000
80~120 Å
高分子
MW > 3000
充填剤のポアサイズ
300 Å
充填剤ポアサイズの第一候補は、分析対象の分子サイズに基づいて決まります。一般的な低分子は、通常のポアサイズ 80~120 Å の充填剤の
内外に容易に拡散できますが、高分子のペプチドやタンパク質では不可能な場合があります。このため、ペプチドやタンパク質のイソクラティックまたは
グラジエント分析にはポアサイズ300 Å の充填剤 (300SB) を使用することを推奨します。
Eclipse Plus C18 または
第一候補の化学結合相
StableBond 300SB-C18
Poroshell 120 EC-C18
C18 は中程度の極性から非極性の化合物をよく保持するため、ほとんどのサンプルに対する第一候補の化学結合相として推奨されます。C18 相で分離能を最適化できない場合や
高分子タンパク質を分析している場合は、より短いアルキル相を検討する必要があります。従来の逆相溶媒を使用した C18 からの溶出が困難な、疎水性のきわめて高い化合物を
分析している場合も同様です。高速 LC の性能を実現するには、まず、Poroshell 120 EC-C18 または Eclipse Plus RRHT/RRHD から始めます。
低分子
MW < 3000
標準分析
Eclipse Plus C18
4.6 x 150 mm、3.5 μm
Poroshell 120 EC-C18
4.6 x 75 mm、2.7 μm
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高速分析
Poroshell 120 EC-C18
4.6 x 100 mm、2.7 μm
ZORBAX RRHD
Eclipse Plus C18
2.1 x 50 mm、1.8 μm
高分子
MW > 3000
標準分析
ZORBAX RRHD
300SB- C18
4.6 x 150 mm、5 μm
高速分析
ZORBAX 300SB-C18
4.6 x 50 mm、3.5 μm
Poroshell 300SB-C18
2.1 x 75 mm、5 μm
出典 - HPLC Column Selection Guide
HPLC システムの構成
分離モード
ほとんどの化合物の分離で、次の 4 つの主要モードが使用されます。
•
•
•
•
逆相クロマトグラフィー
順相および吸着クロマトグラフィー
イオン交換クロマトグラフィー
サイズ排除クロマトグラフィー
注: カラム充填剤と移動相を正しく選択することが、HPLC を成功させるための
非常に重要な要素です。
ToC
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34
HPLC システムの構成
分離モード - 逆相クロマトグラフィー
逆相は最も主流のモードであり、全クロマトグラ
フィー分析の 90 % 以上で使用されています。
きわめて汎用性の高いテクニックであり、非極性、
極性、イオン化、イオン性分子に使用できます。
幅広い化合物を含むサンプルでは、グラジエント
溶出がよく使用されます。
• 大部分が水の移動相から始めて、有機溶媒
を時間の関数として追加します。
• 有機溶媒は溶媒強度を高め、RP 充填剤で
非常に強く保持される化合物を溶出します。
カラム充填剤は非極性 (C18、C8、C3、フェニル
など) であり、移動相は水 (緩衝液) + 水に混和
する有機溶媒 (メタノール、アセトニトリルなど)
です。
逆相で分析された 10 種類のサルファ剤
出典 - LC handbook
ToC
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35
HPLC システムの構成
分離モード - 順相/吸着クロマトグラフィー
順相分離を実行するのは全体の 10% 未満です。
このテクニックは次の化合物の分離に有効です。
• 水により分解、変性する化合物
• 幾何異性体
• シストランス異性体
• クラス分離
• キラル化合物
このモードでは、カラム充填剤が極性で (シリカゲ
ル、シアノプロピル結合、アミノ結合など)、移動相
は非極性です (ヘキサン、イソオクタン、塩化メチ
レン、酢酸エチルなど)。
トラザミドの分析
出典 - Application # 5991-0395EN
ToC
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36
HPLC システムの構成
分離モード - イオン交換クロマトグラフィー
イオン交換は、液体クロマトグラフィーの約 20 %
で使用されています。
このテクニックは次のケースに適しています。
• 水性溶液中のカチオンとアニオン (無機および
有機) の分離
• イオン性染料、アミノ酸、タンパク質などは、
イオン交換によって分離可能
このモードでは、カラム充填剤にイオン交換基
(スルホン、テトラアルキルアンモニウムなど) が
含まれており、移動相には水溶性緩衝液 (リン酸、
ギ酸など) が使用されます。
強力カチオン交換での塩基性タンパク質 (-SO3)
出典 - LC handbook
ToC
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HPLC システムの構成
分離モード - サイズ排除クロマトグラフィー (SEC)
このテクニックはクロマトグラフィーの
10~20 % で使用されており、主にポリマーの特
性解析やタンパク質の分離に使用されます。
次の 2 つのモードがあります。
• 非水系 (ゲル浸透クロマトグラフィー GPC と
も呼ばれる)
• 水系 (ゲルろ過クロマトグラフィー GFC とも
呼ばれる)
いずれのモードでも、サンプル化合物とカラム充填
剤の間に相互作用はありません。
代わりに、多孔質溶液のポア内に分子が拡散
します。
ポアサイズと分子サイズの関係により、分子が
分離されます。
非水系 SEC (GPC) カラムを使用した、ポリブタジエンポリマー
のゲル浸透クロマトグラム。ポリマーの後でモノマーが溶出
します。出典 - LC handbook
ToC
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HPLC システムの構成
検出器
検出器は、カラムから現れる (溶出する) 個々の分子を
認識 (検出) します。
• 分子の含有量を測定し、化学者がサンプル成分を
定量的に分析できるようにします。
• 記録装置またはコンピュータに出力した結果が
クロマトグラム (検出器による応答をグラフ化
したもの) です。
最も一般的な検出器では次の検出が使用されます。
• 紫外可視吸収
• 質量分析
• 示差屈折率
• 蛍光
ToC
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39
HPLC システムの構成
紫外可視吸収検出
• 紫外線光線をフローセルに当て、センサー
がセルを通過した光を測定します。
• カラムから溶出した化合物が、この光エネ
ルギーを吸収すると、センサーに当たる
光エネルギーの量が変化します。
• 結果として生じる電気信号の変化は増幅
され、記録装置またはデータシステムに
転送されます。
• 吸収スペクトルを同時に取ることも可能で、
化合物の同定に役立つ場合があります。
可変波長検出器 (VWD) の概略図
ダイオードアレイ検出器 (DAD) の概略図
ToC
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40
HPLC システムの構成
質量分析 (MS)
• 質量分析では、HPLC カラムか
ら溶出する化合物は、まずイオ
ン化され、質量を測定するか、ま
たは、化合物を特徴づける分子
の断片 (フラグメント) にぶんか
いされ (もしくはその両方を実施
する) 、検出器で感知されます。
• 化合物の質量スペクトルは、化
合物に固有のフィンガープリント
のようなものであることから、MS
検出器は化合物を直接同定で
きることがあります。
不純物を含む酸化分解アトルバスタチンの質量スペクトル。
出典 - アプリケーションノート:5991-4404JAJP
ToC
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41
HPLC システムの構成
示差屈折率 (RI) 検出
化合物または溶媒が光を屈折させる性質を
検出に利用します。
• 示差屈折率は、フローセル内を流れる
移動相に溶解した化合物の屈折率を、
リファレンスフローセル内の移動相
(流れていない) と比べたものです。
• 屈折量は濃度に比例します。
• RI 検出器は汎用検出器と考えられていま
すが、感度はそれほど高くありません。
• RI 検出器が使用できるのはイソクラ
ティック分析のみです。
偏光型の RI 検出器の概略図
ToC
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42
HPLC システムの構成
蛍光検出
蛍光検出器の感度と選択性は UV-Vis 検出
器よりも高いため、複雑なマトリックスに含ま
れる化合物と不純物を、極めて低い濃度で
同定して定量することができます (微量分析)。
蛍光検出器が検出できるのは、蛍光を発す
る物質のみです。
蛍光検出器の概略図
ToC
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September 30, 2015
43
詳細情報
アジレント製品の詳細については、www.agilent.com または
www.agilent.com/chem/jp をご覧ください。
本プレゼンテーションに関するご質問やご提案は、
[email protected] までお問い合わせください。
文献
タイトル (日本語と記載のないものはすべて英文です)
文献番号
入門書
LC ハンドブック (日本語版あり)
5990-7595JAJP
ガイド
Agilent HPLC Column Selection Guide
5991-0165EN
ビデオ
イオン交換クロマトグラフィー入門 (5 分)
ビデオ
How it Works Video:HPLC-Chip Technology (6 分)
アプリケーション
ノート
Transfer of a USP method for tolazamide from normal phase HPLC to SFC using
Agilent 1260 Infinity Hybrid SFC/UHPLC system
5991-0395EN
アプリケーション
ノート
Q-TOF LC/MS と Advanced ソフトウェアソリューションを使用した潜在的遺伝毒性分解
不純物のスクリーニングと同定
5991-4404JAJP
Web
CHROMacademy – 学生および大学職員はオンラインコースに無料でアクセスできます
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September 30, 2015
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