~三井住友信託の経済・市場情報~ Contents 経済振り返り 市場振り返り 9月の市場動向まとめ 国内債券・国内株式 主な経済指標(国内) 米国債券・米国株式 経済振り返り(国内) 為替 主な経済指標(海外) 経済・市場見通し 経済振り返り(海外) 内外経済 日本・米国・アジアのGDP成長率 国内資産・海外資産・為替 ご参考 市場環境の推移 2012年10月作成 経済振り返り 9月の市場動向まとめ 主な経済指標(海外) 主な経済指標(国内) 経済振り返り(海外) 経済振り返り(国内) 日本・米国・アジアのGDP成長率 9月の市場動向まとめ 9月の主要国株式市場は、ECBによる南欧国債買い支え、FRBによる量的緩和第3弾(QE3)、日 銀の資産買い入れ基金の増額など、日米欧の中央銀行による追加金融緩和策の実施決定を受 けて上昇基調で推移しました。 主要国の株価動向 ロシア(RTS指数) ↑ 6.19% イギリス(FTSE) ↑ 0.54% 中国 (上海総合指数) ドイツ(DAX) ↑ 3.52% ↑ 1.89% アメリカ(NYダウ) ↑ 2.65% 日本 (TOPIX配当除き) ↑ インド(SENSEX30) ↑ 7.65% 0.79% オーストラリア (S&P/ASX 200) ↑ MSCI World MSCI 欧州 MSCI エマージング ブラジル 1.64% (ボベスパ指数) ↑ 2.52% 0.73% 6.05% 年度収益率 月次収益率 MSCI-Emerging J-REIT 金先物 ドイツ(DAX) ダウ平均 MSCI-KOKUSAI 中国(上海総合指数) TOPIX(配当込み) ナスダック 円/ユーロ Citi世界国債 英国(FTSE) NOMURA-BPI(国債超長期) HFRX Index 日経平均 NOMURA-BPI CRB指数 円/ドル G-REIT WTI原油 - 4.44% -6% + 6.05% + 5.43% + 5.09% + 3.52% + 2.65% + 2.17% + 1.89% + 1.80% + 1.61% + 1.41% + 0.78% + 0.54% + 0.52% + 0.37% + 0.34% + 0.26% - 0.09% - 0.64% - 1.19% -3% 0% 3% 3.71% 6% 9% 金先物 J-REIT ドイツ(DAX) NOMURA-BPI(国債超長期) ダウ平均 NOMURA-BPI G-REIT ナスダック CRB指数 英国(FTSE) HFRX Index MSCI-Emerging MSCI-KOKUSAI Citi世界国債 円/ドル 中国(上海総合指数) 円/ユーロ WTI原油 日経平均 TOPIX(配当込み) -20% (注) J-REIT:東証REIT指数(配当込み)、G-REIT: S&P Citigroup World REIT (日本除き、円ベース) + 6.10% + 6.02% + 3.88% + 2.96% + 1.70% + 1.56% + 0.89% + 0.80% + 0.27% - 0.46% - 0.59% - 1.57% - 2.99% - 3.26% - 5.46% - 7.81% - 8.67% - 10.51% - 12.03% - 12.66% -15% -10% -5% 0% 5% 10% (出所)Bloomberg 2 主な経済指標(国内) 9月3日 9月4日 9月7日 9月7日 9月7日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月10日 9月11日 9月12日 9月12日 9月12日 9月12日 9月14日 9月14日 9月19日 9月19日 9月19日 9月20日 9月20日 9月20日 9月20日 9月20日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 9月28日 経済指標 8月 自動車販売台数(前年比) 8月 マネタリーベース(前年比) 8月 外貨準備高 7月 景気先行CI指数 7月 景気一致CI指数 4-6 月期 実質GDP(前期比年率) 4-6 月期 実質GDP(前期比) 4-6 月期 名目GDP(前期比) 7月 国際収支-経常収支 7月 国際収支-経常収支(季調済) 7月 国際収支-貿易収支 7月 国際収支-経常収支(前年比) 8月 消費者態度指数 8月 景気ウォッチャー調査-現状判断DI 8月 景気ウォッチャー調査-先行き判断DI 8月 工作機械受注(前年比) 7月 機械受注(前月比) 7月 機械受注(前年比) 8月 国内企業物価指数(前年比) 8月 国内企業物価指数(前月比) 7月 鉱工業生産(前月比) 7月 鉱工業生産(前年比) 9月19日 日銀目標金利(無担保コール翌日物) 7月 景気先行CI指数 7月 景気一致CI指数 8月 通関ベース貿易収支 8月 通関ベース貿易収支(季調済) 8月 貿易収支-輸出総額(前年比) 8月 貿易収支-輸入総額(前年比) 8月 工作機械受注(前年比) 8月 失業率 8月 有効求人倍率 8月 全世帯家計調査 消費支出(年比) 8月 全国CPI(前年比) 8月 全国CPI(除生鮮/前年比) 8月 鉱工業生産(前月比) 8月 鉱工業生産(前年比) 8月 自動車生産(前年比) 8月 建設工事受注(前年比) 8月 住宅着工戸数(年率) 8月 住宅着工戸数(前年比) 実績 7.30% 6.50% 前回 36.10% 8.60% 1兆2,732億ドル 1兆2,728億ドル 91.8 92.8 0.70% 0.20% -0.30% 6,254億円 3,354億円 -3,736億円 -40.60% 40.5 43.6 43.6 -2.60% 4.60% 1.70% -1.80% 0.30% -1.00% -0.80% 0.10% 93.0 93.8 -7,541億円 -4,728億円 -5.80% -5.40% -2.70% 4.20% 0.83倍 1.80% -0.40% -0.30% -1.30% -4.30% 4.50% 8.70% 88.8万戸 -5.50% 93.2 94.1 0.70% 0.30% -0.10% 4,333億円 7,736億円 1,120億円 -19.60% 39.7 44.2 44.9 -6.70% 5.60% -9.90% -2.20% -0.50% -1.00% -0.80% 0.10% 91.8 92.8 -5,226億円 -3,719億円 -8.10% 2.20% -2.60% 4.30% 0.83倍 1.70% -0.40% -0.30% -1.00% -0.80% 16.70% 8.00% 87.0万戸 -9.60% (出所)Bloomberg 3 経済振り返り(国内) 失業率と求人倍率(8月): 失業率:4.20% 求人倍率:0.83倍 CPI(消費者物価指数)(8月): 前年比▲0.30% (%) <CPI(除生鮮食品)の推移> <失業率と求人倍率の推移> (%) (倍) 6 1.2 5 1 1 4 0.8 0 3 0.6 -1 2 3 CPI(除生鮮食品)(前年比) 2 0.4 完全失業率 -2 1 0.2 有効求人倍率(右軸) -3 0 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月の消費者物価指数(除生鮮食品)は前年比 ▲0.30%となり、4ヶ月連続のマイナスとなりました。 ガソリン、テレビ、冷蔵庫の価格下落が、物価全体 を押し下げる結果となりました。 (%) 0 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月の完全失業率は4.2%と、前月(4.3%)から小 幅下落となりました。また、有効求人倍率は0.83倍 と前月(0.83倍)と横ばいとなり、7月まで14ヶ月続 いた改善が止まりました。 鉱工業生産指数(8月): 前月比▲1.30% 景気ウォッチャー調査(8月): 現状判断DI:43.6 先行き判断DI:43.6 <鉱工業生産指数の推移> <先行きDI・現状DIの推移> 10 60 5 50 0 40 -5 30 -10 20 鉱工業生産指数(前月比・季調済) -15 10 -20 0 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月の鉱工業生産指数は事前予想(▲0.50%)より も悪化して、前月比▲1.30%と2ヶ月連続でマイナ スとなりました。海外市場における需要鈍化などを 背景に、電子部品・情報通信機械などを中心に低 下しました。 現状DI 先行きDI 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月の現状判断DIは43.6となり、前月の44.2を下回 りました。先行き判断DIも、43.6となり、前月の44.9 を下回りました。現状判断DI、先行き判断DI共に、 横ばいを示す50を下回った水準で推移しています。 (出所)Bloomberg 4 主な経済指標(海外) <米国> 9月4日 9月4日 9月5日 9月6日 9月6日 9月7日 9月7日 9月11日 9月13日 9月13日 9月14日 9月14日 9月14日 9月14日 9月14日 9月14日 9月14日 9月14日 9月25日 9月25日 9月25日 9月25日 9月27日 9月27日 9月27日 9月28日 9月28日 9月28日 8月 7月 8月 8月 8月 8月 8月 7月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 8月 7月 経済指標 ISM製造業景況指数 建設支出(前月比) 自動車販売台数総計(年率換算) ADP雇用統計 ISM非製造業景況指数(総合) 非農業部門雇用者数変化 失業率 貿易収支 生産者物価指数(前月比) 生産者物価指数(前年比) 消費者物価指数(CPI)(前月比) CPI(除食品&エネルギー/前月比) 消費者物価指数(CPI)(前年比) CPI(除食品&エネルギー/前年比) 小売売上高 小売売上高(除自動車・ガソリン) 鉱工業生産 企業在庫 7月 S&P/ケース・シラー総合-20(前月比/季調済) 7月 S&P/ケース・シラー総合-20(前年比) 9月 消費者信頼感指数 7月 住宅価格指数(前月比) 4-6月期 GDP(前期比/年率) 4-6月期 個人消費 8月 耐久財受注(前月比) 8月 個人所得 8月 個人支出 9月 シカゴ購買部協会景気指数 実績 前回 49.6 -0.90% 1,446万台 20.1万人 53.7 9.6万人 8.10% -420億ドル 1.70% 2.00% 0.60% 0.10% 1.70% 1.90% 0.90% 0.10% -1.20% 0.80% 0.44% 1.20% 70.3 0.20% 1.30% 1.50% -13.20% 0.10% 0.50% 49.7 49.8 0.80% 1,405万台 17.3万人 52.6 14.1万人 8.30% -419億ドル 0.30% 0.50% 0.00% 0.10% 1.40% 2.10% 0.60% 0.80% 0.50% 0.10% 0.91% 0.59% 61.3 0.60% 1.70% 1.70% 3.30% 0.10% 0.40% 53.0 実績 0.40% -0.20% -0.20% 0.75% 0.60% -2.30% 1.50% 45.9 46.0 -25.9 前回 -0.50% 0.10% -0.20% 0.75% -0.60% -2.00% 1.70% 46.3 45.1 -24.6 <ユーロ圏> 9月4日 9月5日 9月6日 9月6日 9月12日 9月12日 9月14日 9月20日 9月20日 9月20日 経済指標 7月 ユーロ圏 生産者物価指数(前月比) 7月 ユーロ圏 小売売上高(前月比) 4-6月期 ユーロ圏GDP季調済(前期比) 9月6日 欧州中央銀行 発表金利 7月 ユーロ圏 鉱工業生産(前月比/季調済) 7月 ユーロ圏 鉱工業生産(前年比/季調前) 8月 ユーロ圏 CPI-コア(前年比) 9月 PMI Composite 9月 PMI 製造業 9月 ユーロ圏 消費者信頼感 (出所)Bloomberg 5 経済振り返り(海外) 米雇用統計(8月): 非農業部門雇用者数 前月比+9.6万人 ISM景況指数(8月): 製造業49.6 非製造業53.7 <ISM景況指数の推移> (万人) <非農業部門雇用者数変化と失業率の推移> (%) 60 65 12 40 60 55 50 45 製造業 40 非製造業 20 10 0 9 -20 8 -40 7 -60 35 -80 30 -100 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 11 6 非農業部門雇用者数変化(前月比) 5 失業率(右軸) 4 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月のISM景況指数は、製造業は49.6となり、事前 予想(50.0)に反して、製造業活動の拡大と縮小の 境目となる50を3ヶ月連続で下回りました。非製造 業は、53.7となり、事前予想(52.5)を上回り改善し ました。 8月の非農業部門雇用者数は、前月比+9.6万人と なり、事前予想(+13.0万人)を下回り、失業率が安 定するとされる約10万人も下回りました。失業率は 8.1%と、前月(8.3%)から改善しました。 米小売売上高(8月): 前月比+0.9% CPI(米消費者物価指数)(8月): 前年比+1.7% <小売売上高の推移> (%) <CPIの推移(前年比)> (%) 3 6 2 5 1 4 3 0 2 -1 1 -2 0 小売売上高 -3 自動車・ガソリン除き(コア) -4 CPI(ヘッドライン) -1 CPI(食品・エネルギー除き) -2 -3 -5 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月の米小売売上高は、前月比+0.9%となり、事前 予想(+0.8%)を上回り、2ヶ月連続のプラスとなり ました。特に自動車とガソリンの売上高の増加が 全体を押し上げました。 自動車・ガソリンを除く売 上高については、前月比 +0.1%とプラスとなりまし た。 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 8月のCPI(米消費者物価指数)は、前年比+1.7%と なり、前月(同+1.4%)に続き2ヶ月連続の上昇とな りました。食品とエネルギーを除いたコア指数は、 前年比+1.9%となり、前月(同+2.1%)から伸びを 縮めました。 (出所)Bloomberg 6 日本・米国・アジアのGDP成長率 米国 日本 15 米国:実質GDP成長率(前期比年率%) 日本:実質GDP成長率(前期比年率%) 6 予想 強気 予想 平均 10 弱気 4 5 0 2 -5 強気 -10 出所:内閣府(実績値のみ)、 平均 0 出所:米国商務省、ブルーチップ、 社団法人 経済企画協会、 弱気 予想期間の実線値は弊社予測値 予想期間の実線値は弊社予測値 -15 -2 11年4-6月 10-12月 12年4-6月 11年4-6月 10-12月 日本の4-6月期の実質GDP(改訂値)は、前期比年 率+0.7%となり、速報値(+1.4%)から下方修正さ れました。設備投資は前期比+1.4%と速報値 (+1.5%)から引き下げられました。個人消費は前 期比+0.1%と速報値(+0.1%)から横ばい。公共投 資は前期比+1.8%と速報値(+1.7%)から引き上げ られました。 10-12月 12年4-6月 10-12月 米国の4-6月期の実質GDP(確定値)は、前期比年 率+1.3%となり、改訂値(+1.7%)から下方修正さ れました。個人消費の伸び悩みと、農業在庫見通 しの下方修正が影響しました。 Note アジア アジア:実質GDP成長率(前年同期比%) 12% 8% 4% 中国 香港 韓国 出所:Bloomberg 0% 10年4-6月 10-12月 11年4-6月 10-12月 12年4-6月 香港の4-6月期の実質GDPは、前年同期比+1.1% となり、市場予想+1.2%を下回りました。ユーロ圏 の失業率が過去最悪となる中、欧州向けの輸出が 減少したほか、中国からの観光客による消費が減 少しています。韓国の4-6月期の実質GDP(改定 値)も同+2.3%と、減速が続いています。 7 市場振り返り 国内債券・国内株式 米国債券・米国株式 為替 市場振り返り ~国内債券・国内株式~ 国内債券 直近1年間の推移 (%) 1.1 9月の推移 (%) 9月 0.83 1.035 0.82 1.0 0.81 0.80 0.797 0.9 0.79 0.78 0.8 0.778 0.778 0.77 10年国債利回り 10年国債利回り 0.76 0.7 11/09 11/12 12/03 12/06 8/31 12/09 9/5 9/10 9/15 9/20 9/25 9/30 【9月の振り返り】 国内10年債利回りは、前月末のFRB議長講演を受けた米追加金融緩和観測を背景とし た米債高の流れを引継ぎ、利回りは低下して始まりました。その後は、ECBによる南欧国債の買い支えや 欧州安定メカニズム(ESM)設立等の政策進展期待などにより欧州債務問題に対する警戒感が和らいだこ とを受けて、安全資産とされる日本国債の売りが優勢となり利回りは上昇しました。下旬は、中国景気減 速懸念や欧州債務問題に対する警戒感が再び高まると長期金利は低下し、0.778%で終えました。 国内株式 (ポイント) 直近1年間の推移 9月 1000 950 10000 8870.16 900 850 (円) 10500 (ポイント) 9000 800 760 750 8000 740 700 7500 737.42 600 TOPIX(配当除き)(左軸) 日経平均(右軸) 6500 6000 11/12 12/03 12/06 9000 8800 8600 731.64 737.42 720 8400 7000 550 11/09 9200 8839.91 8500 761.17 8870.16 780 800 650 9400 9500 8700.29 (円) 9月の推移 820 12/09 700 8200 TOPIX(配当除き)(左軸) 日経平均(右軸) 680 8/31 9/5 9/10 9/15 9/20 8000 9/25 9/30 【9月の振り返り】 国内株式市場は、前月末のFRB議長講演を受けた米追加金融緩和観測を背景とした 円高が嫌気され、下落して始まりました。その後、ECBの南欧国債買い支えや中国政府による1兆元の公 共投資の認可を好材料に上昇に転じました。さらに、FRBによるQE3の実施決定や日銀の資産買い入れ基 金の増額など日米の金融緩和政策が好感され、上昇基調となりました。月末にかけては、中国景気減速 懸念や欧州債務問題に対する警戒感が再燃したほか、円高も相場の重石となり、日経平均は8870.16円、 TOPIXは737.42で終えました。 (出所)Bloomberg 9 市場振り返り ~米国債券・米国株式~ 米国債券 直近1年間の推移 (%) 9月の推移 (%) 9月 1.9 2.6 2.4 1.8 2.2 1.7 2.0 1.634 1.6 1.8 1.916 1.6 1.634 1.549 1.5 1.4 1.4 1.2 米国10年債利回り 米国10年債利回り 1.3 1.0 11/09 11/12 12/03 12/06 8/31 12/09 9/5 9/10 9/15 9/20 9/25 9/30 【9月の振り返り】 米国10年債利回りは、米経済指標の改善とECBによる南欧国債買い支えの実施決定を 受けて、上昇基調で推移しました。また、7日の米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けてFRBによる 追加金融緩和観測が高まり、13日にFOMCでQE3実施の決定をすると長期金利は急上昇しました。その後 は欧州債務問題に対する警戒感の強まり等を受けて、長期金利は低下基調となり1.634%で終えました。 米国株式 直近1年の推移 (ドル) 14,500 3116.23 9月 (ポイント) 3,250 14,000 3,000 13,500 2,750 13,000 2,500 12,500 2415.40 2,250 12,000 2,000 13437.13 11,500 11,000 (ポイント) 14,000 3,200 13,800 3116.23 3,150 13,600 3,100 3066.97 13,400 13437.13 13,200 3,050 3,000 1,750 10913.38 ダウ平均(左軸) ナスダック(右軸) 1,500 10,500 11/09 9月の推移 (ドル) 1,250 11/12 12/03 12/06 12/09 13,000 13090.84 ダウ平均(左軸) ナスダック(右軸) 12,800 2,950 2,900 8/31 9/5 9/10 9/15 9/20 9/25 9/30 【9月の振り返り】 米国株式は、上旬はECBによる南欧国債買い支えや7日の米雇用統計が市場予想を下 回ったことを受けたFRBによる追加金融緩和観測の高まりから、株価は上昇基調となりました。FRBが13日 のFOMCでQE3の実施を決定してからは、ナスダックは14日に2000年11月以来、NYダウは20日に2007年 12月以来の高値を更新しました。月末にかけては、これまでの相場上昇による高値警戒感を受けた利益 確定売りが出やすい中、欧州債務問題に対する警戒感から軟調となり、ダウ平均は13437.13ドル、ナス ダックは3116.23で終えました。 (出所)Bloomberg 10 市場振り返り ~為替~ 為替 直近1年間の推移 (円) 9月 (円) 115 88 103.42 86 110 100.09 84 105 82 100 80 95 77.08 78 9月の推移 (円) (円) 80.5 104 80.0 102 100.09 79.5 100 98.70 79.0 98 78.5 96 90 77.80 76 74 85 80 円ドル(左軸) 72 円ユーロ(右軸) 70 11/09 11/12 12/03 12/06 78.0 77.5 75 77.0 70 76.5 12/09 94 78.30 77.80 円ドル(左軸) 90 円ユーロ(右軸) 8/31 9/5 9/10 92 9/15 88 9/20 9/25 9/30 【9月の振り返り】 ドル/円は、米経済指標の改善による米景気回復期待を受けて、日米金利差拡大を意 識した円売り・ドル買いが優勢で始まりましが、7日の米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けて、 FRBによる追加金融緩和の実施観測が強まり円高基調に転じました。13日にFRBがQE3の実施を決定した ことをきっかけに、ドルは対円で急落しました。その後は、日銀の追加金融緩和策の決定を受けて円安と なり79円台をつけたあと、世界景気減速懸念から、再び円高基調となり77.80円で終えました。 ユーロ/円は、ECBによる南欧国債買い支えに対する期待感から円売り・ユーロ買いが優勢となり、購入の 大枠が決定した後も円安基調となりました。月後半は円高基調に転じ、100.09円で終えました。 【ご参考】 不動産・商品 東証REIT指数 CRB指数 1650 1618.08 330 1600 320 1550 310 309.59 1534.76 1500 309.30 300 1450 290 8/31 9/05 9/10 9/15 9/20 9/25 9/30 8/31 9/05 9/10 WTI原油 9/20 9/25 9/30 金先物 100 97 9/15 1800 96.47 1771.10 1770 94 92.19 1740 91 1710 88 1680 85 1685.30 1650 8/31 9/05 9/10 9/15 9/20 9/25 9/30 8/31 9/05 9/10 9/15 9/20 9/25 9/30 (出所)Bloomberg 11 経済・市場見通し 内外経済 国内資産・海外資産・為替 内外経済見通し 国内景気 <企業部門> 設備投資に関しては潜在的な需要は根強く、企業業績・キャッシュフローの改善などから持ち直しの動き を続けると見込みます。引続き復興需要が景気を下支えするものの、予算執行体制の未整備、資材・人 出不足などの問題から、消費の減速を補いきれない可能性もあります。 <家計部門> 雇用情勢、消費者心理について再び持ち直しの動きが確認されます。ただ、エコカー補助金制度の終了 を迎え、自動車各社独自の販促策などで一部相殺は期待されるものの、個人消費は踊り場となると予想 されます。 金融・財政政策 日銀は今年2月の金融政策決定会合において、「中期的な物価安定の目途」を示しました。コア消費者物 価の前年比上昇率+1%を見通せるまで実質的なゼロ金利政策と金融資産買い入れ等の措置により、強 力に金融緩和を推進する方針を示し、同月、及び4月に続き9月にも資産買入基金の増額を行いました。 今後は、円相場急伸など環境の激変がない場合、追加金融緩和について米欧中銀に先んじた動きは想 定されにくいことから、米欧の金融政策動向を注視します。 米国景気 <企業部門> 企業は増益基調を維持し、潤沢なキャッシュを背景に設備投資は増加基調を維持する見込みであるほか、 住宅投資も改善が見込める状況となってきました。 <家計部門> 雇用者数は緩慢な改善に留まり、労働所得も大幅な伸びは期待できないことから、個人消費は底堅いも のの緩やかな伸びに留まると予想します。 金融・財政政策 FRB議長は9月13日、FOMC声明で追加金融緩和策となる量的緩和第3弾(QE3)の実施を発表しました。住 宅ローン債券を買い入れ対象とし、月額400億ドルのペースで、期限は設定せずに労働市場の見通しが 大幅に改善するまで継続するとしています。また、事実上のゼロ金利政策の時間軸を15年半ばまで延長 (従来は14年終盤)を行い、現在実施中のツイスト・オペもQE3と並行実施することも発表しました。今回の 決定は、市場の追加金融緩和期待に対して相応の対応をとったことになると考えます。 Note 13 国内資産・海外資産・為替 (今後1年間の見通し) 国内債券 ECBの政策対応などによる欧州債務問題の落ち着き、米国や中国の景気に対する悲観の後退などを背景 に、リスクオフ志向は徐々に弱まり、金利は上昇基調を辿ると予想します。一方で日銀の金融緩和スタン スは継続される見込みで、債券需給も良好であることなどから、金利の上昇ピッチは緩やかなものになる と予想します。 国内株式 主要国中央銀行による金融緩和、欧州債務問題に対する懸念後退、米国景気の緩やかな回復、中国の 景気対策に加え、割安なバリュエーション、企業業績の下方修正の一巡などを背景に、基調としては底堅 い展開を見込みます。 米国債券 欧州債務問題の落ち着きや、米中景気減速懸念の後退を背景にリスクオフ志向は後退し、米国金利は上 昇基調を辿ると予想します。ただし雇用環境改善の遅れから、引続き金融緩和環境が継続することが想 定され、上昇ペースは緩やかなものに留まると予想します。 米国株式 高値警戒感から目先は上昇一服の展開となっていますが、欧州債務問題の懸念後退、緩慢ながらも回復 基調にある米国景気、企業業績の改善傾向の持続を背景に、企業業績に見合った穏やかな株価上昇を 予想します。 為替 <ドル/円> ECBの政策対応による欧州債務問題の懸念後退や、米国景気減速懸念の後退などを背景に、リスクオフ 志向は後退し、円高圧力は徐々に弱まるものと予想します。米国景気の底堅い推移を背景とした緩やか な円安を想定していますが、当面は日米の金融政策の影響を受ける、方向感に欠けた展開を予想します。 <ユーロ/円> ユーロ相場下落の背景にある欧州債務問題は根本解決こそ見込めないものの、EU各国の事態のさらな る深刻化を回避したいとの意向を受けて、対症療法的な政策対応がなされることで状況は徐々に落ち着く と予想します。ただし一段の金融緩和期待やギリシャのユーロ離脱リスクなどが燻る間はユーロ相場の本 格的反発は見込み難く、当面はもみ合いを予想します。 2013月3月末予想値 新発10年国債利回り 0.85-0.95% TOPIX 790-870 米国10年国債利回り 1.85-2.05% 米S&P 1,470-1,630 円/ドル相場 円/ユーロ相場 76-84円 100-110円 注) コメントは今後1年程度の市場動向を予想するものです。 適年概況、調年概況、マンスリーレポート等 で期末の予想数値を出す場合は、総運から 来る金融変数のエクセルシートの(最高、最 低)を出すのではなく、中心値からプラスマイ 14 ご参考 市場環境の推移 【ご参考】市場環境の推移 1. 主要資産 12/03 12/07 12/08 12/09 前月比 前年度末比 国内債券 NOMURA-BPI総合 338.18 342.99 342.59 343.47 + 0.26% + 1.56% NOMURA-BPI(国債超長期) 198.01 203.87 202.81 203.86 + 0.52% + 2.96% 0.99 0.78 0.80 0.77 - - 1,109.28 957.42 951.73 968.82 + 1.80% - 12.66% 10,083.56 8,695.06 8,839.91 8,870.16 + 0.34% - 12.03% 305.17 288.39 292.94 295.21 + 0.78% - 3.26% 米国10年国債利回り(%) 2.21 1.47 1.55 1.63 - - 英国10年国債利回り(%) 2.20 1.47 1.46 1.73 - - ドイツ10年国債利回り(%) 1.79 1.29 1.33 1.44 - - 1,215.12 1,118.41 1,153.76 1,178.80 + 2.17% - 2.99% 13,212.04 13,008.68 13,090.84 13,437.13 + 2.65% + 1.70% ナスダック総合指数 3,091.57 2,939.52 3,066.97 3,116.23 + 1.61% + 0.80% 英国(FTSE) 5,768.45 5,635.28 5,711.48 5,742.07 + 0.54% - 0.46% ドイツ(DAX) 6,946.83 6,772.26 6,970.79 7,216.15 + 3.52% + 3.88% 2,262.79 2,103.64 2,047.52 2,086.17 + 1.89% - 7.81% 1,925.64 1,792.30 1,787.12 1,895.32 + 6.05% - 1.57% 円/ドル相場(ロンドン16時) 82.30 78.10 78.30 77.80 - 0.64% - 5.46% 円/ユーロ相場(ロンドン16時) 109.59 96.19 98.70 100.09 + 1.41% - 8.67% 10年国債利回り(%) 国内株式 TOPIX(配当込み) 日経平均株価 外国債券 Citigroup世界国債(円ベース、日本除き) 外国株式 MSCI-KOKUSAI(GROSS、円ベース) ダウ平均(工業株30種) 中国(上海総合指数) MSCI-Emerging (ドルベース) 為替 2. その他資産 12/03 12/07 12/08 12/09 前月比 前年度末比 商品 CRB指数 308.46 299.51 309.59 309.30 - 0.09% + 0.27% WTI原油 103.02 88.06 96.47 92.19 - 4.44% - 10.51% 1,669.30 1,610.50 1,685.30 1,771.10 + 5.09% + 6.10% 101,938.67 100,482.63 100,965.53 101,337.28 + 0.37% - 0.59% 1,526.15 1,482.16 1,534.76 1,618.08 + 5.43% + 6.02% 433.61 440.53 442.77 437.48 - 1.19% + 0.89% 金先物 ヘッジファンド HFRX Global Hedge Fund JPY Index 不動産 東証REIT指数(配当込) G-REIT指数 (出所)Bloomberg、10年国債利回りは日本相互証券のデータを使用 16 本資料は、お客様の運用戦略や投資判断等の参考となる情報の提供を目的として作成された ものであり、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。投資等に係る最終的な決定 は、商品に関する詳細資料を参照の上、お客様ご自身のご判断で行なっていただきますようお 願い申し上げます。 シミュレーションやバックテスト等のデータ、運用実績やリスク・リターン等による商品分類図を含 めた本資料の内容は、将来の運用成果の向上を保証するものではありません。また、データの 一部は、弊社が信頼できると判断した各種情報源から入手した情報等に基づくものですが、そ の情報の正確性・確実性について弊社が保証するものではありません。なお、本資料は、作成 日において入手可能な情報等に基づいて作成したものであり、今後の金融情勢・社会情勢等の 変化により、内容が変更となる場合がございます。 本資料に関わる一切の権利は、他社資料等の引用部分を除き三井住友信託銀行に属し、いか なる目的であれ本資料の一部または全部の無断での使用・複製は固くお断り致します。 本資料の内容に関して疑問に思われる点、ご不明な点等がございましたら、弊社営業担当店部 等にご照会下さいますようお願い申し上げます。
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