テレビ視聴(4) ドキュメンタリー番組 1.ドキュメンタリー番組とは 2.ドキュメンタリー番組の歴史 3.ドキュメンタリー番組から人々は何を得るのか 4.ドキュメンタリー番組の制作 1 1.ドキュメンタリー番組とは Q1:新聞のテレビ欄から「ドキュメンタリー番組」を探し てみよう。 →“意外に少ない” Q2:これまで印象に残っている/ためになったテレビ番 組は? →ドキュメンタリー番組であることが多い? 2 (1)ドキュメンタリー番組の定義 “ドキュメンタリー”についての一般的で明確な定義は 存在しない。制作者一人ひとりが自分自身の定義を持 つにすぎない。 J.グリアスン(英の映画作家)が1926年に作った言葉 ←R.フラハティ(米)の『極北の怪異』(1922)を観て 感銘を受けた。 ←「フィルム・ドキュメンテール」(仏)を形容詞として 使用。 3 したがって、「世界で実際に存在している興味深い 出来事を、フィルムによってしっかり記録したも の」というのが、ドキュメンタリーという言葉にある。 (2)代表的なドキュメンタリー番組 『NHKスペシャル』『クローズアップ現代』『プロ ジェクトX』『報道特集』『ザ・スクープ』など。 『世界不思議発見!』『世界ウルルン滞在記録』も ドキュメンタリー番組の手法を生かしたもの。 4 2.ドキュメンタリー番組の歴史 1957年 『日本の素顔』(NHK) 吉田直哉など「新興宗教をみる」 1962年 『ノンフィクション劇場』(NTV) 牛山純一・西尾善介・大島渚など 「老人と鷹」「忘れられた皇軍」 1963年 『新日本紀行』(NHK) 1964年 『ドキュメンタリー劇場』(CX) 『現代の映像』(NHK) 5 1965年 「ベトナム海兵大隊戦記」放送中止となる →『ノンフィクション劇場』は1968年まで 1966年 『すばらしい世界旅行』 牛島純一、後に「日本映像記録センター」創立 1966年 『現代の主役』(TBS) 1968年 『ドキュメンタリーの青春』(TX) 1974年 『未来への遺産』(NHK) 1976年 『NHK特集』(NHK) 1989年 『NHKスペシャル』(NHK) 6 3.ドキュメンタリー番組から 人々は何を得るのか まずは、ドキュメンタリー番組を視聴しよう 「テクノ・パワー ⑤巨大都市・再生への道」 (『NHKスペシャル1993年制作・放送) 7 ①知識 日々のニュースからは知りえない事実・情報を 知ることができる。 ②活動 既存の/新たな活動に参加。 ⇒究極のジャーナリズム 8 4.ドキュメンタリー番組の制作 (1)制作スタッフ ☆プロデューサー(PD) ☆ディレクター ★チーフプロデューサー(CP) アシスタントディレクター(AD) リサーチャー(通訳を兼ねることもある) カメラマン 編集技術者 その他技術スタッフ(美術、音声他) 9 (2)制作過程 ①調査・企画 “会議で通る”ような企画書を作成する。 会議による企画の選別と制作の決定。 ②取材交渉 取材先(個人、施設、機関)に交渉。 海外の場合は、リサーチャーが行うことも多い。 10 ③取材・ロケ カメラマンと機材を同行。 いく通りもの映像を撮影する。 ④VHS落とし 収録テープを素材用と編集用の2本にコピー。 それぞれ時間表示を入れる。 11 ⑤粗構成の決定 番組構成を決定する。 ⑥オフライン編集 使うカットを決め、1本の番組に粗編集する。 ⑦構成の決定 プレビューにより評価を受け、訂正・修正する。 12 ⑧オンライン編集 オフライン編集のデータを元に素材用テープを 使って、テープ(マスターテープ)を編集する。 ⑨ナレーション原稿作成 ⑩MAとナレーションどり 音楽・効果音、ナレーションを入れる。 ⑪スーパー(テロップ)入れ 13 参考文献 田原茂行 (2004) テレビドキュメンタリーの輝きとその未来 松 岡新兒・向後英紀(編著) 新現場からみた放送学 学文社 Pp. 70-90. 14
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