最短漢方セミナー 漢方薬は、薬理学的発 想では習得できません。 医学理論体系として捉 える必要があります。 漢方薬の活用方法 1)主薬として活用 年齢や体質あるいは病態などにより、西洋薬が使用でき ない場合に活用 2)補助薬として活用 西洋薬の薬効を補助あるいは使用量を減らす 3)佐制薬として活用 西洋薬の行き過ぎを抑制 4)反佐薬として活用 効能は相反しながら、西洋薬の効能を引き出す。 5)引経薬として活用 西洋薬を病変部に引導させる。 6)調和薬として活用 多剤併用の場合、諸薬を調和させる。 7)術前薬として活用 術中の体力消耗の防止或いは、術後の経過改善に適用 方剤組成の理解 漢方薬の組成 方剤(処方)の構成生薬は、一定の理論のもとに構成 されています。 君薬・・・・・・主薬 臣薬・・・・・・君薬を補助 佐薬 佐助薬・・・君薬・臣薬を補助 佐制薬・・・君薬・臣薬の行き過ぎを抑制 反佐薬・・・効能は相反しながら君薬の効能を引き 出す 使薬 引経薬・・・諸薬を病変部位に引導 調和薬・・・諸薬を調和 構成生薬の特徴 1)升降浮沈 2)性味 3)帰経 4)効能 5)応用 6)用法用量 7)注意 8)文献摘要 漢方薬使用上の注意 1)器質性疾患と機能性疾患を分類し、可能なかぎり 器質性疾患を除外する。 2)使用目的を決める。 3)陰陽虚実寒熱を誤らない。 4)誤治による有害反応を定期的にチェックする。 処方決定までのプロセス [1]四診による情報収集 [2]病位・病因・病態の把握 [3]辨証法の選択 [4]辨証による疾患の分類 [5]治療方法の設計 [6]治療薬の選択 四診 1.望診 a.神色形態をみる。 b.頭頸・王宮・九竅きゅうきょうをみる。 c.皮膚をみる。 d.小児指紋をみる。 e.排泄物・分泌物をみる。 f.舌をみる(舌診) 舌診と臓腑の分属図 舌は経絡を 通して臓腑 と連携して います。 舌診の基本 舌質 神・色・形・態を診る 舌苔 苔色と苔質を診る 舌診トレーニングへ進む 四診 2.聞診 a.発音:虚実や寒熱を弁別します b.言語:独語・狂語・譫語せんご・鄭声ていせい c.呼吸:少気・哮喘こうぜん(呼吸困難) d.咳嗽:乾燥性咳嗽・湿性咳嗽・粘稠痰 e.嘔吐・吃逆きつぎゃく(しゃっくり)噯気あいき(げっぷ) f.腹鳴:腸鳴・グル音・振水音 四診 3.問診 (1)主訴 (2)現病歴(経過) (3)既往歴・家族歴・生活習慣 (4)その他 寒熱・汗・頭身・胸腹・耳目・渇飲・ 飲食・ 口味・睡眠・大便・小便・月経・帯下・妊 娠・産後 四診 4.切診(触診) (1)脈診(ブログ参照) (2)腹診(次ページ参照) 腹診(日本で発達) 心下痞(痞鞭) 腹皮拘急 腹 満 少腹(鞭)満 胸脇苦満 少腹不仁 腹診その2 少腹急結 正中芯 心下悸 臍下悸 蠕動不穏 辨証方法の種類 (1)八綱辨証 病態を表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽に分類する。 (2)気血津液辨証 生理物質の不足と過剰を辨別する。 (3)臓腑辨証 臓腑の陰陽虚実寒熱を辨別する。 (4)病因辨証 季節の至病因子の特徴を辨別する。 (風・寒・暑・湿・燥・火) (5)六経辨証 風寒が人体を侵襲する過程を辨別する。(傷寒論) (6)衛気営血辨証 風熱が人体を侵襲する過程を辨別する。 (7)三焦辨証 風熱が三焦(上中下焦)を侵襲する過程を辨別する。 治療方法の選択 (1)汗法: 辛温解表・辛涼解表・扶正解表・益気解表・養血解表 (2)吐法 (3)下法 寒下・温下・潤下・逐水・攻瘀 (4)和法 和解少陽・調和肝胃・調和肝脾・調和脾胃 (5)温法 温中散寒・温経散寒・回陽救逆 (6)清法 清気分熱・清熱解毒・清営涼血・清臓腑熱・清虚熱・清熱化湿 (7)消法 消食導滞・活血祛瘀・軟堅散結・化痰・化湿・利水 (8)補法 補気・補血・滋陰・補陽 治療薬の選択 治療法の選択 治療薬の選択 治療薬選択のポイント! 治療薬には、どの様な病位・病因・病態に使用 するのかが、「主治」に記載されており、どの様 な薬効があるかが、「効能」に記載されていま す。 主治は暗記する必要がありますが、基礎理論 を学習すれば、病位・病因・病態は自然に出て きます。 神戸中医学院中医方剤学参照・中薬学参照
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