論文の読み方・書き方 - 慶應義塾大学 徳田

研究への取り組み方、論文の読み方探し方
徳田研究室 学部4年 唐津豊
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Outline
研究をするということ
よい論文の探し方
論文の読み方
研究をするということ
これまで、誰も発見していない事実を発見、解明すること!
研究のプロセス
研究のプロセス
1. 目的の決定
1
既存の社会的な問題や、技術的な問題。表面上の目に見
える問題を見つける。いわゆる、ネタ探し。
2. 既存研究調査
2
同じ目的に向かって取り組んでいる人をさがし、その手
法や、効果を確認する。
3. 研究課題発見
3
目的に対する、既存研究の手法や効果を考察し、その技
術的問題点を見つける。
4
技術的課題に対して、どう取り組めばよいのかを考える。
5
仮説で考えた理論を実装して、実際に動かしてみる。
6
仮説通りの効果が出たのかを検証する。また、仮説が正
しかったことを示すために、他の理論と比較をする。
7
仮説が正しかった、もしくは、間違っていて、どこが間
違っていたか。今回の取り組みの貢献をまとめる。
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
シナリオ・ケーススタディ
研究室配属となったAさんの興味
センサデータから実空間の状況を解析できる!
時、場所、場合に適応したサービスを利用者に提供できる!
これをどう研究として発展させていくか
センサノード
Step1
目的の決定
1. 目的の決定
2. 既存研究調査
3.研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
目的を決定する
この時点では抽象度がまだ高
くてもいい。
シナリオの場合
センサデータから実空間の状
況を解析する。
時、場所、場合に適応した
サービスを利用者に提供。
Step2
既存研究調査
1. 目的の決定
論文を探して、既存の取り組
みについて調べる
特徴を読み、時に実装し、盲
点や弱点を見つける
2. 既存研究調査
シナリオの場合
3.研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
ニューラルネットワークを用
いたもの
ベイジアンネットワークを用
いたもの etc…
どうやって論文を探すか (とっかかり編)
研究室にあるProceedings
WWW上にある論文データベース
Cinii (http://ci.nii.ac.jp)
IEEE Xplore (http://ieeexplore.ieee.org)
ACM.org (http://www.acm.org/)
Google
http://www.google.com
有料論文を読む方法
論文の中にはお金を払わないと読めないものもある
けどどうしても読みたい
大学の資源を活用しよう!
ITCのVPNサービスを利用する
http://itc.sfc.keio.ac.jp/pukiwiki/
Keio.jpを利用する
htネットワークからアクセスする(徳田研限定)
どうやって論文を探すか (イモずる編)
「とっかかり編」で探し当てた論文のReferenceを参考にする!
どんな論文を読めばいいか
自分の興味のあるテーマについて書いた論文
まず第一
英語で書かれている論文
新しい情報は常に英語で発表されている
評価のある論文
評価があることでその研究が優れているかどうかがわかる
逆に無ければ論文の内容が正しいのかわからない
Step3
研究課題発見
1. 目的の決定
これまで実現されていない目
標を達成する上で必要な課題
を見つける
2. 既存研究調査
シナリオの場合
3. 研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
一般的にサーバの設置は困難
サーバの故障 => ダウン
しかし、サーバを使わず、低
資源センサ内で計算させると、
計算に時間がかかる
Step4
仮説構築
技術的課題を解決するための
仮説を立てる
1. 目的の決定
シナリオの場合
2. 既存研究調査
3.研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
重い解析処理をセンサに分散
させて計算させれば、処理速
度が向上する
分散させることで、どれか1つ
要素が故障してもシステムは
継続可
サーバを設置しないことで、
インストールが手軽
6. 評価
7. 考察・解明
ベイジアンネットワークを分
散で処理する機構を考案
Step5
実装
一番楽しい時間です
バリバリ実装してください
1. 目的の決定
2. 既存研究調査
3.研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
Step6
評価
仮説が正しいかどうかを判断
する
1. 目的の決定
2. 既存研究調査
仮説に関係ない評価をしても
意味がない。
3.研究課題発見
シナリオの場合
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
計算分散時の処理速度測定
ノード数と処理速度
評価 (車の性能を例に説明)
定量的評価
数値で表現可能な指標
速度
空気抵抗
価格
定性的評価
数値で表現できないもの
乗り心地
音
カッコよさ
Step7
考察・解明
研究の貢献や、評価から求め
られた課題をまとめる
1. 目的の決定
シナリオの場合
2. 既存研究調査
分散端末数を増やせば、計算
速度が平均tmsずつ上昇
3.研究課題発見
4. 仮説構築
分散端末数がn以上増えると、
応答性が低下する
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
計算速度がm以下の場合、応
答性が低下する
Step3’
技術的課題発見(2)
今回の研究の結果、見えてき
た更なる問題
1. 目的の決定
シナリオの場合
2. 既存研究調査
3.研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
通信時のオーバーヘッドによ
るタイムロス
通信の増加による電力消費の
増加
研究の核とは
研究の核は、研究課題
これを見つけないと研究には
ならない。
1. 目的の決定
普通のソフトウェア開発
2. 既存研究調査
しかし、必ず見つけられる!
3.研究課題発見
4. 仮説構築
5. 実装
6. 評価
7. 考察・解明
» (はずです。)
研究では、ここに苦労します。
どう研究を進めていくのか
RGでの研究活動
専門分野の勉強+問題発見解決をパラレルに
専門分野の勉強
研究活動
問題発見解決
どちらか一方では研究は成り立たない
専門知識だけ非常によく知っている事典のような人 ≠ 研究者
専門知識なしでは、問題の着眼点も浅く、取り組みも本質的ではない
つまり
天才とは1%のひらめきと、99%の努力である
Thomas Edison
知識や経験があってこそ、研究における課題や、解決手法に対する
目の付けどころが上がる!
もしかしたら、こういう事なのかもしれないですね。