スライド 1 - 都市生活学・ネットワーク行動

LE GRAND PARI(S)
ル・グラン・パリ
パリ首都圏の
持続的成長に向けた
国際的な10の提言
COUSULTATION
~エコロジー、交通網再編、
INTERNATINALE
郊外開発を軸に~
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
2009年 PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
プロジェクトの背景
人口210万のパリは城壁を起源とする環状道路に囲ま
れたコンパクトな都会であるが、郊外のイル・ド・フラン
ス地方を含むと人口1500万を数え、GDPの1/3を占め
る。そのため、パリと郊外を有機的に結ぶことがフラン
ス経済の発展の鍵と考えられている。
ニコラ・サルコジ大統領は、2009年4月に「ロンドンや
ニューヨーク、東京と互角に戦える『経済ハブ』をつく
る」グラン・パリ構想を発表したが、これに先立ち、京都
議定書以降の時代の世界で、経済とエコロジーを両立
しながら、パリ首都圏が持続的な成長をしてゆくため
のビジョンを外部の専門家に求めている。
Nicolas Sarkozy
プロジェクト担当のフランス政府・交通通信省は、建築
家・都市計画家などの10事務所(フランス国内6/外
国4)にエコロジー、交通網の再編、郊外開発を軸とす
る提案を要請し、2009年2月までに10の「グラン・パリ」
のアイデアが提出された。これが2009年11月までパリ
市内で展覧会として公開されている。 COUSULTATION
INTERNATINALE
なお、タイトルのグランパリ“Le grand Pari(s)”は
SUR L’AVENIR
「大きなパリ」の ほか「大きな賭け」とのかけことばに
DE LA METROPOLE
なっている。
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
1.リチャード・ロジャース
「パリ首都圏の10の方針」
2.グループ・デカルト
「パリ、首都、地域、都市、都市連合」
3.AUC
「刺激的なグランパリ」
4.クリスチャン・ド・ポルザンパルク
「サイバースペースから現実空間に
向って~パリ首都圏への挑戦」
1933年生まれのイギリスの建築家。代表作であ
るポンピドゥーセンター(レンゾ・ピアノと共
同)のほか世界各国に多数の作品がある。
アトリエ・リオン・グループ・デカルトはフラ
ンス国内を中心に活躍し、居住・都市問題と造
園を得意とする。
パリを本拠とする10名の建築家によって1996
年に事務所設立。
1994年にフランス人としてはじめてプリツカー
賞を受賞するなど、フランスを代表する建築家
の一人。ラビレット公園の音楽大学など公共建
築の設計も多数。
COUSULTATION
5.アントワーヌ・グランバック
INTERNATINALE
「セーヌ川首都圏~
SUR L’AVENIR
建築・都市計画・造園事務所で、進行中のプロ
パリ、ルーアン、ル・アーブルの3都市による」ジェクトはパリのトラムウェイの延長計画
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
6.ジャン・ヌーベル
「1001のパリの幸せの誕生と再生」
7.スタジオ09
「京都議定書後の「多孔質」の首都圏」
8.LIN
「心地よい、甘美なグランパリ首都圏」
9.カストロ・デニソフ・カシ
「人のための首都、世界のための首都」
10.MVRDV
「大きなパリの偉大なる賭け」
電通本社ビルの設計者として日本でも知られる
フランス人建築家。グランプロジェのひとつで
あるパリのアラブ世界研究所で注目を浴びて以
来、世界的に活躍する。
イタリア人建築家・都市計画家ベルナール・
セッシとパオラ・ヴィガーノにより1990年ミラ
ノに事務所を設立。
ドイツ人建築家ファン・ガイペルにより2001年
に事務所を設立。パリとベルリンに拠点を置く。
ソフィ・デニソフとシルビア・カシにより1988
年に事務所を設立。現在進行中のプロジェクト
はパリ東部のメディアテークほか。
COUSULTATION
ウィニー・マスら3人のオランダ人建築家によ
INTERNATINALE
るユニット。2000年ハノーバー博のオランダ館
SUR L’AVENIR
で注目され、オランダ国内のほか、米国、日本
DE LA METROPOLE
や中国でもプロジェクトが進行中。
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
1.リチャード・ロジャース「パリ首都圏の10の方針」
パリ首都圏の持続的成長のためには以下にあげる
10のビジョンの実現が必要である。
我々は、大規模な屋上緑化によってリニアな公園を
形成し「都市の骨組み」を再構築することを提案する。
この骨組みはパリ首都圏の周縁部と中心部を結ぶ
都市軸として伸びるもので、400平方キロの緑は将
来の温暖化する都市において必要な都市のインフ
ラと生活を保護する。
■10のビジョン
1.首都圏周辺部の地域の意見を反映させるべく、
イル・ド・フランス地方の行政機構を再構築する
2.パリの上に高密度なパリをつくり、首都中心部を
拡張させずコンパクトに保つ
3.首都圏の交通ネットワークを完成させる
● ①中心部・城郭あとの環状道路に高速のトラ
COUSULTATION
INTERNATINALE
ムを走らせる
SUR L’AVENIR
●②郊外の主要都市をバイパスし、3つの空港を
DE LA METROPOLE
結ぶRER(地下高速鉄道)の環状線を建設
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
1.リチャード・ロジャース「パリ首都圏の10の方針」
●③環状道路のさらに外側(第1王冠環状道路)
にトラムの環状線を走らせる
●④中心部を迂回し、郊外のサンドニ、ラ・デファ
ンス、ブローニュの森、マシーを結ぶTGVパリ
西線を新設する
●⑤上記の交通や既存の鉄道・地下鉄・空路と
接線としてコネクトする大環状トラムを走らせる
4.一極集中型から多極的な首都圏へ転換する
5.貧民街などのように一定の社会的立場の人
が固まらないバランスのよいコミュニティをつくる
6.地域間の経済の不均衡を是正する
7.中心市街地との境界部に環状道路・鉄道とし
て残る城壁を撤去する
● ①環状道路の高速トラム線
●②RER(地下高速鉄道)環状線
●③第1王冠環状道路のトラム線
●④TGVパリ西線
●⑤大環状トラム
8.オープンスペースのネットワーク化により首都
圏の自然を統合する
COUSULTATION
INTERNATINALE
9.消費のサイクルを変更し、環境への影響を小
SUR L’AVENIR
さくする
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
10.公共空間のデザインのクオリティに投資する
LE GRAND PARI(S)
2.グループ・デカルト「パリ、首都、地域、都市、都市連合」
ガヴァナンス(統治)、交通、居住環境、気候の
4つ問題に対し同時進行的・戦略的に行動するため
以下の数値目標を設定、実現する。
■20都市によるパリ首都圏
人口11,616,000人のパリ首都圏を、それぞれ人口
50万人規模の、20の都市の集合体に再構成する。
リヨン、フランクフルト、ロッテルダム、リバプール、オ
スロ、セビリアなど欧州には50万前後の都市は多く、
「持続可能な都市」としての適正規模はここにある。
■1住居あたりプラス20㎡
土地価格の高騰により首都から住民が遠ざかる傾
向を抑制するため、大規模な用地転換によって土
地価格を圧縮し、密度を高め、アーキタイプやプロ
グラムを刷新する。
COUSULTATION
INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
2.グループ・デカルト「パリ、首都、地域、都市、都市連合」
■移動時間を1日あたり30分以内に
パリ首都圏においては、居住地と仕事場の距離が、
社会格差を示す指標となっている。居住地及び雇
用の拠点の再配置と、移動速度の調整・交通網の
階層化を同時に行う。例えば古い工業地帯である
サンドニを2つのTGVと高速道路A1線がコネクトす
る、 職住近接の都市とする。
■-2℃
何も手を打たなければ、パリの気温は2100年には
コルドバ並みになる。公共空間・公共建築物の緑化
推進とともに、セーヌ流域など都市内の人口集中地
帯において農業空間を開発することにより、-2℃を
達成することがフランス気象庁との共同研究により
明らかになった。これは都市に1次産品を供給する
COUSULTATION
とともにパリの景観を再定義することになるだろう。
INTERNATINALE
また同緯度にあり、同じ気候の脅威にさらされる他
SUR L’AVENIR
のヨーロッパの10都市にとっても、手本となるだろう。
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
3.AUC「刺激的なグランパリ」
■首都パリ=受け継がれたパリ
首都パリはすでにそこにあり、受け継がれた首都では
あるが、環状に閉じ込められた首都が、真の大きさを享
受するのは不可能なように思える。俯瞰的視点ではな
く都市の下から、内部から観察することで未来のため
のテーマを得られる。
■パリ首都圏の未来のための7つのテーマ
・都市の実体の刺激、あるいは首都の周辺に維持され
忘れ去られた領域をいかに活性化させるか
・間隔をもった空間システムから集積化システムまで、
あるいは、あらゆるものからの分離を断ち切り、首都の
物事が再び接しあえるにはどうしたらよいか
・遺産としての首都、団地、散乱状態、緻密空間、ある
いは、あらゆる状態ですでに存在する、パリ大環状内
COUSULTATION
の一戸建て住居とともに、首都をいかに作るか
INTERNATINALE
・高付加価値を持つ孤立した場所、あるいは、経済的
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
価値を捕らえ、生み出すのに適した存在の使命と、そ
PARISIENNE
の位置及び物質的・社会的形態をいかに特定するか
LE GRAND PARI(S)
3.AUC「刺激的なグランパリ」
・コレクター・メトロポリタン、あるいは、21世紀のパリの
AFOULEMENTの場所である、水晶宮は何なのか。
・東奔西走、イルドフランスのソングライン、あるいは、中央
と周辺地域の新たな関係をしっかりと把握した上で流動性
をいかに計画するか
・アメニティとしての地理、あるいは、パリ首都圏の中で首
都の公共メタスペースをいかに考えるか
■首都をつくる手段:キーワード
・首都における強力な“コレクター・メトロポリタン”としての
TTGL
・一戸建て住宅のなかでの生活
・ハイブリッドクラスタ
・パリの実体の心理療法
・カルチヴァーとハイブリッドの国民議会
・大きな全体
・東京から学ぶこと:今日機能不全に陥っている区域を活
性化させるためにも、再び人口を集中させるという可能性
COUSULTATION
を開くためにも、交通と都市開発を融合させなければなら
INTERNATINALE
ないからである
SUR L’AVENIR
・生の刺激(STIMULATION BRUTE)DE LA METROPOLE
PARISIENNE
・テリトリー、オブジェ、密度
LE GRAND PARI(S)
4.クリスチャン・ド・ポルザンパルク
「サイバースペースから現実空間に向って
~パリ首都圏への挑戦」
国際的首都としての機能を強化するために大きな意味を持つ
2つのプロジェクトを提案する。
ノール=ユーロップ)駅
■ノール=ユーロップ(北ヨーロッパ)駅
パリ市内の2つの駅から、ロンドンやフランクフルトに向かう
TGVは、ヨーロッパにおけるフランスのアドバンテージである。
しかし、この特別な首都の機能も2つの駅が19世紀の都市の
骨格に阻まれ、潜在能力を活かしきれないでいる。
そこで、中心市街地北側のオーベルヴィリエに、北ヨーロッパ
全域からやって来る旅行者にとってパリ首都圏へのアクセス
拠点となる駅を新設する。
■パリ環状小型高速鉄道
パリ環状小型高速鉄道
ネットワーク
パリを取り巻く環状道路の上に、強いランドマーク性を持つ、
高架の小型高速鉄道を導入する。駅数は最小限にとどめる。
前述のノール=ユーロップ駅とも接続し、乗換え・荷物の積み
替えをすることなく、ロワシー(シャルル・ドゴール空港)からデ
COUSULTATION
ファンス地区(新都心)まで直接アクセスが可能となる。これは
INTERNATINALE
現在は混沌としているが、本来は重要な交流地点であるはず
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
の市街地外縁部(いわゆる市門区域:ポルト・ドルレアン、ポル
PARISIENNE
ト・ド・ヴェルサイユ等)の活性化につながる。
LE GRAND PARI(S)
4.クリスチャン・ド・ポルザンパルク
「サイバースペースから現実空間に向って
~パリ首都圏への挑戦」
私たちが適切であると定めた、およそ5 x10kmのサイズで、
異なる状況の特徴を示す6つの《プロジェクトのウィンドウ》を
取り上げる。
ウィンドウ1《マッシー=サクレー》
■ウィンドウ1《マッシー=サクレー》
・パリ近郊市街地マッシーを真の都市の《港》(高速道路、
TGV、RER間の)とする。
■ウィンドウ2《オルリー=ランジス》
・空港のあるオルリーの《接続機能》を再起動させる。
■ウィンドウ3《グリニー=エヴリー》
・セーヌと湖沼に対して開かれた、 《細かな道》の
ネットワークを構築する
■ウィンドウ4《ロワシー=ル・ブルジェ》
・ドゴール空港のある都市ロワシーに《極》を構築する
■ウィンドウ5《オーベルヴィリエ=パリ北部》
・ヨーロッパ北部の主要都市と結ぶ《ノール=ユーロップ駅》
を新設する
COUSULTATION
■ウィンドウ6《パンタン=ボビニィ》 INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
・北部郊外に特有なパッチワークの都市構造の改善として
DE LA METROPOLE
ウルク運河に向けて《新たなファサード》を作り、運河全域に
PARISIENNE
続く緑を活用する
5.アントワーヌ・グランバック「セーヌ川首都圏~
パリ、ルーアン、ル・アーブルの3都市による」
LE GRAND PARI(S)
ル・アーブル
■セーヌ川を軸とするパリ広域首都圏
ニューヨーク、東京など、競争力のある世界の
主要都市はみな港湾都市である。
ルーアン
21世紀のパリは、イル・ド・フランス地方に放射
状に拡張するのではなく、ヨーロッパにおりる大
西洋への窓口となるべきである。
我々は、セーヌ川にそって北東部のノルマン
ディー地方へ首都圏を拡張し、パリ、ルーアン、
ル・アーブルの3都市を含む、セーヌ川広域首
都圏を形成することを提案する。
パリ
セーヌ川流域地域には港湾、工場、発電所等
が集積しており、今後、セーヌを背骨として河川
交通網を整備するとともに、鉄道・道路・河川が
COUSULTATION
連携した交通ネットワークを形成してゆく。
INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
5.アントワーヌ・グランバック「セーヌ川首都圏~
パリ、ルーアン、ル・アーブルの3都市による」
■より遅い交通、個人交通が総体的な交通をつくる
均衡ある成長のために「より速い」ものは当然必要
なインフラである。高速鉄道(TGV)でパリと河口の
ル・アーブルを1時間で結び、流域の主要都市間を
ネットワークする。
これと同時に舟運のような「より遅い」交通網の整
備を同時に行ってゆく。また、従来型の公共交通だ
けではなく、自転車などのより個人的な交通手段を
組み入れて、機動的で総体的な交通網を形成する。
これらは共有のものを借り、シェアするというあり方
を積極的に採用する。
この構想に民間企業やセーヌ流域住民を動員する
ために具体的には、博覧会の開催、流域をネット
ワークする自転車道の整備、舟運の専門家養成の
COUSULTATION
大学の設立といったことも必要となる。
INTERNATINALE
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DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
6.ジャン・ヌーベル
「1001のパリの幸せの誕生と再生」
感覚と感受性を忘れ、機能性のみを考えたやり方で、
パリに苦痛を与えたのは20世紀である。パリの、グラ
ン・パリの顔は、魅力一杯の微笑みを取り戻さなければ
いけない。
私たちは領域を広げ、9つのテーマを中心に提案する。
それぞれ一つ一つは独立していない。結合するのであ
る。私たちの望みは、それらの整合性に由来するもの
である。
セーヌ
1.干渉しあう周縁部
2.都市内の森、道、小路
3.どこでも30分で結ぶ超高速ネットワーク
4.変化・混血化
5.高度に複合化された街区
6.高いところにある場所
COUSULTATION
7.4つの流域
INTERNATINALE
セーヌ、ビエーブル、イベット、オルジュ
SUR L’AVENIR
8.パリ・センター
DE LA METROPOLE
9.芸術
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
6.ジャン・ヌーベル
「1001のパリの幸せの誕生と再生」
私たちのおかれる変革の時代は、都
市開発モデルの転換を必要としてい
る。
私たちのアプローチは、パリの魅力
を高めるため、既存の建造物を最大
限活用する。
作り変えたり、変異させたり、再処理
したり、高めたりするのである。可能
性を大きくするためには、ポテンシャ
ルを利用するのである。
例えば、ジェヌヴィリエ川とその河川
港、ラ・クルヌーヴの閑散地区に、歴
史的記念建造物を独自に解釈した
高層建築群や高い場所を活用する
COUSULTATION
テラスを建設する。INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
7.スタジオ09
「京都議定書後の「多孔質」の首都圏」
■多孔質の都市は、水の空間を与え、生物の交流を増
幅させる
・河川域を拡大し、未利用・未活用地を活用する多湿
ゾーンを形成する。この新しい“ウェットランド”は、様々
な生物の居住環境間の関係を強化し、交流によって、
新たな生物多様性(バイオディバーシティ)の形成を促
進する。
・河川流域に形成される多孔質都市のプロジェクトは、
様々な規模の港湾による河岸の利用を促進する。特に
多数の小規模港の存在は、消費地あるいは加工地の
できる限り近くまで商品を運ぶという「最後の1キロメー
トル」という新政策の基本となる。
■多孔質都市では、公園が孤立していない
・グランパリの領域はエコシステムのなかでそれぞれの
役割を果たす3つの大きなランドスケープ、丘陵、平野
と台地からなり、丘陵は他の2つを結びつける存在。
COUSULTATION
・グリーンベルトという考え方はもはや通用しない。公園
INTERNATINALE
は様々な領域の連結地となり、“アンチパーク”は調和
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
をより自然にすることができる、人が住んでいながら、
浸透性のある河岸を形成する。 PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
7.スタジオ09
「京都議定書後の「多孔質」の首都圏」
多孔質の都市は、透過性があり、連結する、様々な
イディオリズム(それぞれのリズム)がある。
■スポンジスペース
・速度に依存しないが、最もアクセスしやすいスペース。
グラン・パリ全体を通ることになるサイクリングコースと
道、小路、通路のネットワークは、多孔質な新しい公共
スペースとなる。
■中間速度で結ぶスペースのネットワーク
・トラム、RER(郊外への高速地下鉄)は最も野心的な
プロジェクトであり、グラン・パリでの日常や住み方を完
全に変える
・欧州の中規模の都市の密度にまで、莫大な量の路
線を増やすこと、既存の路線のスピードをアップし、輸
送機材と、現在は不備がある駅の改修に投資する。
■高速で結ぶスペースの大ネットワーク
COUSULTATION
・高速鉄道のもつ効率性をスポイルする荷の積替えを
INTERNATINALE
避けるため、 TGVはパリ市内を迂回する路線を増設
SUR L’AVENIR
する。これは新たな国土規模のネットワークを構想し、
DE LA METROPOLE
つくり始めることである。
高速地下鉄(RER)・トラム・ヴェリブの連携
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
8.LIN
「心地よい、甘美なグランパリ首都圏」
全体から各構成要素へブレイクダウンするような基本
計画はもはや機能しない。その逆に、具体的な状況を
もとに数多くのシチュエーション・モデルのプロトタイプ、
つまり、この領域を変化させるための仕組みそのもの
が私たちの提案である。
■放射状のこれまでのパリ
シテ島を起点とする同心円に成長した結晶体は、中央
集権を押しすすめ、中心部の混雑や居住の遠距離化
をもたらした。今日、首都の最外縁サークルを中心に、
厚く様々な特性の周辺地域が放射状に広がっている。
■グラン・パリ:「力強い極」と「軽い都市」
1:極めて高密度で、機能が充実した「力強い極」
歴史的中心地、特別な文化遺産、研究と実験のキャン
パス、生産拠点などそれぞれの極の性質は非常に異
なる。移動プラットフォームは、そのどれもが確固たる
集中拠点を発展させるための萌芽である。極めて人口
密度の高いこれらの「力強い極」は、エネルギー消費
COUSULTATION
の点で非常に経済性に優れ、交流、接続、そして混成
INTERNATINALE
の場所でもあり、文化とサービスを広く提供する。これ
SUR L’AVENIR
らの極は、未来の首都として変化する風景の中での
DE LA METROPOLE
持続的なランドマークを形成する。
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
8.LIN
「心地よい、甘美なグランパリ首都圏」
2:柔らかで流動的な郊外の「軽い都市」
今日、郊外のスプロールによりうまれた、あまり密でな
い構造の場所は、「軽い都市」 に変化する。この「軽い
都市」は流動的で、高密度ではなく、しかし非常に景観
が良い場所である。住居、中規模の企業、学校、研究
所、都市型農作地及び、わずかなサービス・商業地区
である。この軽装領域のメリットは、首都圏における
「緑の肺」として機能を発展させられることにある。
コンパクトな「力強い極」は高速交通ネットワークで結
ばれるが、「軽い都市」の中心地は、段階的なマイクロ
モビリティのシステムによって結ばれる。両者は、相互
に調整しあい、供給しあうため高密度の中心地と軽い
周辺地域との間に生産性のある緊張感ができあがる。
■パリ首都圏を貫通する「セーヌ・パーク」
セーヌ、マルヌ、オワーズ、エッソンヌといった河川は
再生と都市化の優先地である。洪水により新しい都市
COUSULTATION
が形成され、河川は自浄能力と自然再生能力を取り
INTERNATINALE
戻す。これにより今までになかったタイプの風景‐豊か
SUR L’AVENIR
な河岸の風景‐が生まれ、大きな仲介役としてパリ首都
DE LA METROPOLE
圏を貫通する。
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
9.カストロ・デニソフ・カシ
「人のための首都、世界のための首都」
「8つの花びらによる、大きな花」
グランパリの用地は、新しい町や森の中に含まれている。それ
は直径約40kmの周辺区域であり、現在のパリの15倍の大
きさに、800万人の人口が住む、8つの地方自治体の連合体
である。
「人がこの大地に住むのは詩的なことなのである。」
我々が多極だと想像する首都空間は、無尽蔵の驚きを
内包する。
■詩的交通プロジェクト
・トラムの3つの環:その1つは、非常に大きな環状で、
各街区を開発する
・セーヌとマルヌのバトビュス(BATOBUS:乗合船)
・高速交通機関:高速道路A86の上の高架式自動メトロとオル
リー空港=ロワシー・シャルルドゴール空港=ラ・デファンス新
COUSULTATION
都心の首都急行ネットワーク
INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
・河川交通による商品輸送(ロワシーに港を建設)
DE LA METROPOLE
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
10.MVRDV「大きなパリの偉大なる賭け」
理想の首都とは何か?~パリはより小さく高密度に
理想の都市は、能力を最大限に引き出そうと野心的である。
パリ首都圏は、同規模の他の首都に比べ隔離された小さな
エリアのなかで絡み合いながら均衡を保ち、競争力を維持し
ている。
面積6776K㎡となるグランパリに1467万の人口が住むには
368%の容積が必要である。
小さく高密度なパリ
ランドスケープ
■グランパリの森
イルドフランス地方の遊休地を活用して森づくりを行ない、都
市活動により排出されるCO2をオフセットする
ソーラーパーク
エネルギー
■グランパリ・ソーラーパーク
首都の再集中化を進め、ソーラーパネルを屋根に設置する
■グランパリ・ウィンドパーク
ハイドロ・セーヌ
COUSULTATION
■ハイドロ・セーヌ
INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
セーヌ川の流れを水力発電に活用し、中心市街地に電力を供
DE LA METROPOLE
給する
PARISIENNE
LE GRAND PARI(S)
10.MVRDV「大きなパリの偉大なる賭け」
インフラストラクチャー
■メトロプログラム
首都を高密度にネットワークする地下鉄新線の建設
CDG2
■CDG2
シャルル=ド=ゴール空港を拡張し、空港を森林で囲む
■ヨーロッパ・ターミナル駅
方面別に分かれるTGV駅を統合し、ポンピドゥセンター近
く、グランパリの中心であるレ・アルにターミナル駅を新設
する。
ヨーロッパ・ターミナル駅
■大横断道路
飽和状態にある中心部のアクセスを改善にするためセー
ヌの両岸とグランパリ中心部をつなぐメインストリートを地
下に建設する。ポンピドウー、ソルボンヌ、エリゼ宮・・・を
近所にするわけである。
COUSULTATION
INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
■新たな大都市軸
DE LA METROPOLE
シャルル・ドゴール空港軸、ディズニーランド軸、オルリー
PARISIENNE
空港軸・・・
建造物計画
大横断道路
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9.カストロ・デニソフ・カシ
「人のための首都、世界のための首都」
「グランド・アルシュの持つ記念碑的性格が、
いかにデファンスのビジネス地区を助けたか?」
■我々の時代のシンボルを作る必要性
・第三共和制下に作られたSACRÉ
RÉPUBLICAINのイメージでグラン・パリをモ
ニュメント的にゾーニングする
「パリの威光は「美しさ」に大きく依存している」
■郊外の美化をすすめる
・ジェヌヴィリエの河川港に歌劇場を建設する
・ヴィトリ=シュール=セーヌに人工島を造成しビ
ジネス街を形成する
COUSULTATION
INTERNATINALE
SUR L’AVENIR
DE LA METROPOLE
PARISIENNE