新しい自動車排出ガス処理シス テムの試作と検証 大阪工業大学 情報科学部 情報科学科 A02-059 梚木 靜一 選択動機 • 身近な環境問題の一つとして自動車排出ガ ス問題がある。 • 環境負荷を低減させるために排出ガス(黒 煙)を抑えるシステムの試作・検証を行う。 ディーゼル車排出ガスによる影響 • 窒素酸化物(NOx) 呼吸器障害を起こす可能性がある。また酸性雨の原 因物質の一つ。 • 浮遊粒子状物質(SPM) 肺がんや呼吸器系疾患など健康への悪影響が強く 懸念されているほか花粉症との関連も指摘されて いる。 • 炭化水素(HC) 光化学スモッグの原因物質となり、濃度が高くなると 眼、喉などの痛みを引き起こす。 提案するシステム マフラーを直列に2つつなぐことにより黒煙排 出量を低減させるシステム。 実際に作成したシステム(横) 提案するシステム 実際に作成したシステム(縦) 黒煙汚染度の簡易的な定義 黒煙チャート:黒煙の濃度の目安 ※アクセル全開時に測定 規制対応表 検査方法 規制 値 対象自動車 50% 全車(下記車両を除く) 40% 平成5年・6年 規制適合車 乗用車:KD 軽量車:KA 中量車:KB 重量車:KC 25% 平成9年・l0年・ 11年 規制適合車 乗用車:KE,KH 軽量 車:KE 中量車:KF,KJ 重量 車:KG,KK,KL 無負荷急 加速 黒煙チャート 識別記号(型式の頭部に付与) 黒煙汚染度測定方法 アイドリング状態からアクセルを踏み、排気口か ろ紙に噴射 ら吸引された黒煙をろ紙に噴射しそこから汚染 度を測定する。 アクセルを踏む 測定 排出ガスを吸引 汚染度(%)={1-(汚染ろ紙規約反射率/未汚染ろ紙規約反射率)}×100 規約反射率:測定に用いるろ紙に光をあて標準白色面の輝度を100とする。 測定対象車 測定車Ⅰ:普通車で黒煙を大量に吐く 測定車Ⅱ:トラックで整備が完了した直後 両極端な特徴を持った車を測定し、効果を検証する 計測結果(測定車Ⅰ) 測定結果Ⅰ「普通車で黒煙を大量に吐く」(システム設置前) 測定結果Ⅰ「普通車で黒煙を大量に吐く」(システム設置後) 計測結果(測定車Ⅱ) 測定結果Ⅱ「トラックで整備終了直後」(システム設置前) 測定結果Ⅱ「トラックで整備終了直後」(システム設置後) 測定結果 測定車Ⅰ(普通車:大量に黒煙を吐く) エンジン回転数 システム設置前 システム設置後 900 1% 4% 1250 4% 5% 1750 6% 6% 2000 6% 6% 全開 78% 54% 24%の低減に成功 測定車Ⅱ(トラック:整備終了直後) エンジン回転数 システム設置前 システム設置後 2000 2% 2% 3000 2% 2% 全開 12% 10% 整備完了直後でも黒煙が出る ほとんど黒煙が出ない車でも低減 に成功 シミュレーション • 面積Xの領域を面積1の大きさで細分化し、 細分化正方形をランダムに塗りつぶしていく。 ランダムに選択 面積1の正方形 シミュレーション条件 カウントしないで 次の試行へ シミュレーション条件 同じ場所を選択 完了 シミュレーション完了時 シミュレーションに用いる数値 測定と同じ状況でシミュレーションを行う ろ紙への噴射面積と黒煙の大きさの比率で絶 対量を予測 ディーゼル排気微粒子:2.5μm : 非常に大きい数値であり シミュレーションは困難 近似シミュレーション 面積の大きさを代え数回シミュレーションを行う X1=2500=50×50 X2=10000=100×100 X3=625000=250×250 ほぼ同じ形に収束する。 3つのシミュレーションから近似値を求め黒煙絶対量を予測! シミュレーョン結果 4 黒煙絶対量が1の時、 面積量と同じ量の黒煙 がある。 3.5 黒煙絶対量 3 2.5 2 1.5 1.51 0.78 1 0.5 0 0 20 40 60 黒煙汚染度に相当 80 システム設置前 100 システム設置後 面積の0.73倍 黒煙低減に成功 低減量 汚染度(普通車) 78% 54% 24% 黒煙絶対量(普通車) 1.51 0.78 0.73 汚染度(トラック) 12% 10% 2% 黒煙絶対量(トラッ ク) 0.13 0.11 0.02 結論 マフラーを直列に2つつなぎ、計測により黒煙汚染 度を求め、シミュレーションを用いて黒煙絶対量を求 めた結果。 ・計測によりエンジン全開時に24%の低減に成功し たことがわかり、シミュレーションより黒煙量はおよ そ半分まで低減している。 ・黒煙があまり出ない車にも効果がある。 考察 ・ディーゼル車が再び注目されてきているの で今回のようなシステムは絶対に必要。 ・簡易的なシステムなので改良の余地あり。 システム提案例
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