シンポジウム:人口減少下の日本社会 3. 高年齢者層を中心として 第58回日本人口学会 慶応義塾大学 三田キャンパス 原 俊彦(札幌市立大学) 1.人口の超高齢化 • 2000年現在の2204万人(17.4%)から2030 老年人口の推移(全国):2000年を1.00とした倍数 老年人口割合の推移(全国) 2.50 35.0% 年の3477万人(29.6%)まで増加する • 2025年から、団塊の世代の加齢にともない 後期高齢者人口が急増、前期高齢者より多く なる。 • 後期高齢者人口は2.33倍まで増加、しかも 2020年の1.75倍から2025年には2.25倍へと 急激に増加する 2.30 30.0% 老 年 人 口 割 合 老 年 25.0%人 口 2 20.0%0 0 0 年 = 15.0% 1 . 0 0 老年人口(65歳以上) 老年人口割合(65歳以上) 前期老年人口(65歳から75歳未満) 前期老年人口割合(65歳から75歳未満) 2.10 後期老年人口(75歳以上) 後期老年人口の割合(75歳以上) 1.90 1.70 1.50 1.30 1.10 10.0% 0.90 5.0% 0.0% 0.70 0.50 2000 2000 2005 2005 2010 2010 2015 2015 年次 年次 2020 2020 2025 2025 20302030 都道府県別に比較すると 老年人割合(65歳以上)の推移 老年人口割合の推移(比較) • 2000年と2030年の老年割合の間には明らか 40.0% 0.38 秋田 35.0% 0.36 な正の相関(r=0.770、補正済みR2=0.58) • 2030年の老年人口割合:秋田県の36.2% から滋賀県の25.1% • 将来も高くなる地域は、北海道・東北・九州・ 四国など首都圏からみて周辺にあたる地域 • 過去及び現在の人口移動の影響を反映 2030年の老年人口割合 30.0% 0.34 老 年 人 口 割 合 山口 大分 高知 愛媛 山形 岩手 青森 富山 徳島 佐賀 新潟 鹿児島 静岡 香川 石川 福島 熊本 鳥取 三重 群馬 山梨 福井 長野 広島 岡山 栃木 岐阜 全国 京都 長崎 宮崎 和歌山 北海道 0.32 25.0% 奈良 千葉 0.3 20.0% 茨城 埼玉 大阪 0.28 15.0% 兵庫 島根 宮城 福岡 愛知 神奈川 0.26 東京 10.0% 全国 滋賀 沖縄 秋田 東京 滋賀 沖縄 北海道 y = 0.6529x + 0.1844 2 R = 0.6153 0.24 5.0% 0.22 0.0%0.12 0.18 0.16 0.14 2000 2005 2010 2020 0.26 0.24 0.22 0.2 2015 2000年の老年人口割合 年次 2025 2030 後期老年人口 後期老年人割合(75歳以上)の推移 24.0% • 2000年と2030年ではr=0.703(R2=0.494、 後期老年人口割合の推移(比較) y = 0.8024x + 0.1225 R2 = 0.4973 25.0% 22.0% 秋田 山口 高知 補正済みR2=0.48) • 2030年の後期老年人口割合:秋田県の 22.0%、もっとも低いのは沖縄県14.1% • 将来も高くなる地域は、北海道・東北・九州・ 四国など首都圏からみて周辺にあたる地域 • 2025年以降、格差は拡大する。 2030年の後期高齢者人口 全国 秋田 沖縄 東京 20.0% 20.0% 千葉 老 年 人 口 割 合 18.0% 15.0% 埼玉 大阪 愛知 10.0% 滋賀 長崎 大分 富山 愛媛 和歌山 宮崎 徳島 香川 新潟 山形 青森 岩手 広島 石川 熊本 鳥取 奈良 静岡 岡山 福井 群馬 茨城 岐阜 佐賀 三重 長野鹿児島 福島 京都 山梨 全国 栃木 北海道 島根 福岡 兵庫 宮城 神奈川 16.0% 北海道 東京 滋賀 沖縄 14.0% 5.0% 12.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 0.0% 2000 2005 2010 7.0% 8.0% 2000年の後期高齢者人口 2015 2020 年次 9.0% 2025 10.0% 11.0% 2030 12.0% 老年人口の増加率 • 2030年の時点で老年人口の倍率が最も高くな 老年人口の推移:倍数(2000年=1.00) 2.50 るのは埼玉県の2.25倍 • 老年人口割合では全国最低の滋賀県も増加 率は1.78倍で全国6位 • 老年人口割合では全国最高となる秋田県の倍 数は1.18で全国45位で、最下位の島根県1.10 に近い • 大都市圏や人口減少が遅れる地域の方が、 絶対数でみた高齢化の進展は急激である 全国 秋田 滋賀 東京 北海道 沖縄 2.00 倍 数 ( 2 0 0 0 年 = 1 . 0 0 ) 1.50 1.00 0.50 0.00 2000 2005 2010 2015 年次 2020 2025 2030 後期老年人口の増加率 • 2030年の時点で最大は埼玉県の3.66倍で、滋賀 後期老年人口の推移:倍数(2000年=1.00) 3.00 県は2.49倍で8位、東京都は2.46倍で10位 後期老年割合では全国最低の沖縄県も2.57倍で 7位 最小は島根県の1.51で、後期老年人口割合が全 国最高となる秋田県も1.77で全国41位 大都市圏や人口減少が遅れる地域の方が、絶対 数でみた後期高齢化の進展は急激である。 全国 • • • 秋田 沖縄 東京 北海道 滋賀 2.50 倍 数 ( 2 0 0 0 年 = 1 . 0 0 ) 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 2000 2005 2010 2015 年次 2020 2025 2030 市区町村レベルでの高齢化の動き • 老年人口割合が2000年-2030年で増加する自治体 人口規模と老年人口割合 人口規模と老年人口の増加率 90.0 400.0% • 2030年の老年人口割合(%) 2000年から2030年への老年人口の増加率(%) • は全体の99.6%、2030年には老年人口割合40%以 上が3割を越える。 人口規模と老年人口割合 :明らかな負の相関あり、 人口規模の小さい自治体ほど老年人口割合は高く なる。 人口規模と老年人口増加率の関係には正の相関が 見られ、人口規模の大きい自治体で増加率がプラス、 人口規模の小さい自治体ではマイナスとなる。 80.0 350.0% 老年人口割合 y = 0.5585x - 2.0224 2 = 0.4208 線形R(老年人口割合) 300.0% 70.0 老年人口割合 250.0% 60.0 線形 (老年人口割合) y = -7.7765x + 68.5 R2 = 0.3551 200.0% 50.0 150.0% 40.0 100.0% 30.0 50.0% 20.0 0.0% 10.0 -50.0% -100.0% 0.0 0.0 0.0 1.0 1.0 2.0 2.0 4.0 3.03.0 4.0 2000年の人口規模(常用対数) 2000年の人口規模(常用対数) 5.0 5.0 6.0 6.0 7.0 7.0 2.高齢者世帯の増加 • 世帯主が65歳以上の高齢者世帯:1113万6 高齢者世帯数の推移:全国 20 000 千世帯から1842万6千世帯(ピークは2020 年)。 • 高齢者世帯割合:23.8%から37.1%まで上 昇。 • 2025年には、75歳以上の後期高齢者世帯 が前期高齢者世帯より多くなり、一般世帯全 体の20.9% 18 000 16 000 高 齢 者 世 帯 数 単 位 千 人 14 000 12 000 10 000 8 000 6 000 高齢世帯(世帯主65歳以上) 4 000 前期高齢世帯(世帯主65歳~75歳未満) 2 000 後期高齢世帯(世帯主75歳以上) 0 2000 2005 2010 2015 年次 2020 2025 都道府県別に比較すると • 2025年に高齢者世帯割合がもっとも高くなるのは、 高齢者世帯割合の推移:2000年と2030年の相関 一般世帯に占める高齢者世帯の割合:比較 50.0%50.0% 秋田県で2000年の33.0%から2030年の45.6%ま で上昇 もっとも低いのは滋賀県で2000年の21.6%から 31.4%まで上昇 2000年と2030年の高齢者世帯割合の相関は、r= 0.858(R2=0.767、補正済みR2=0.731) 首都圏からみて周辺にあたる地域で、高い割合と なる 45.0% y = 0.6562x + 0.2171 2 R = 0.739 秋 田 • • 2030年の高齢者世帯割合 45.0%40.0% 35.0% 高 齢 者 世 帯 割 合 40.0%30.0% 25.0% 埼 玉 35.0%20.0% 15.0% 山 口 鹿児島 崎 長 和歌山 賀 佐 根 島 高 知 分 大 島山 徳 崎 富 青 森 宮 山 形 本 熊 媛 愛 奈 良 新 潟 香 川鳥 取 北海道 福 井 岐 阜 岡 山 三 馬 重 岩 手 長 野 岡群 静 川 石 広 島 山 梨 大 阪 千 葉 福 島 全 国 京 都 栃 木 兵 庫 福 岡 愛 知 茨 城 縄 沖 神奈川 宮 城 東 京 滋 賀 • 30.0%10.0% 全 国 秋 田 5.0% 東 京 沖 縄 25.0% 0.0% 15.0% 17.0% 2000 19.0% 2005 21.0% 滋 賀 25.0%2015 27.0% 23.0% 2010 2000年の高齢者世帯割合 年次 北海道 29.0% 2020 31.0% 2025 33.0% 35.0% 後期高齢者世帯の増加 • 2025年の段階でもっとも高くなるのは山口県で 一般世帯に占める後期高齢者世帯の割合:比較 後期高齢者世帯割合の推移:2000年と2030年の相関 27.0% 30.0% 2000年の12.4%から25.6%、秋田県は11.1%か ら23.6%と、鹿児島、高知などについで7位 もっとも低いのは、滋賀県の7.1%から15.9%、次 いで沖縄県も8.4%から16.4%と低い水準に留ま る。 2000年と2025年の後期高齢者世帯割合の相関 は、r=0.678(R2=0.460、補正済みR2= 0.448)で、高齢者世帯割合よりバラつきも大きく 地域性が感じられる。 25.0% 25.0% y = 0.7162x + 0.146 2 R = 0.4604 山 口 • • 2025年の後期高齢者世帯割合 和歌山 後 期23.0% 高 齢 者 世 帯21.0% 割 合 20.0% 奈 良 大 阪 15.0% 千 葉 埼 玉 愛 知 神奈川 10.0% 北海道 三 重 京 都 阜川 岐 石 森 馬 青 群 全 庫 兵 国 静 岡 東 京 岩 手 山田 富 秋 媛 愛 分 大 岡 山 崎 川長 崎 島宮 香 広 徳 島 長 野 熊 佐本 賀 新 潟 取 鳥 形 福 井 山 山 梨 福 岡 19.0% 福 島 茨 城 栃 木 宮 城 5.0% 17.0% 沖 全 国 山 口 滋 賀 北海道 東 京 沖 縄 縄 滋 賀 0.0% 15.0% 4.0% 鹿児島 高 知 島 根 2000 2005 6.0% 2010 8.0% 2015 年次 10.0% 2000年の後期高齢者世帯割合 2020 12.0% 2025 14.0% 16.0% 3.高齢者のライフスタイル • 高齢者のみで暮らす世帯の割合は、2000年現在、 高齢者のみの世帯割合の推移:全国 80.0% すでに61.8%に上るが、この割合はさらに2025年の 70.0%まで上昇 高齢者夫婦のみは、2000年の34.6%から2010年の 35.2%まで増加した後、2025年の33.1%まで減少 男子高齢者の単独世帯が6.7%から12.2%へとほ ぼ倍増し、女子高齢者の単独世帯も20.6%から 24.7%まで緩やかに上昇。 2020年以降は、高齢者のみで暮らす世帯の半数以 上が単独世帯となる 70.0% • • 60.0% 高 齢 者 世 帯 に 占 め る 割 合 高齢者世帯に占める 単独世帯単独世帯 (世帯主:女)の割合 50.0% 高齢者世帯に占める 単独世帯(世帯主: 男)の割合 40.0% 高齢者世帯に占める 高齢者夫婦のみ世帯 の割合 30.0% 20.0% • 10.0% 0.0% 2000 2005 2010 2015 年次 2020 2025 都道府県別に比較すると 高齢者のみ世帯割合の推移:2000年と2025年の相関 高齢者のみ世帯の割合:比較 • 鹿児島県で、2000年の77.2%から2025年の 85.0% 90.0% 鹿児島 79.2%で、次いで北海道が75.2%から77.5%、 東京が67.1%から73.9% • 最も低いのは山形で2000年の40.2%から 2025年の55.0%、沖縄も53.6%から61.8%と、 新潟、福井などに次ぎ、全国で6番目 • 地域間格差は、周辺部と大都市圏といった違 いのみでなく、伝統的な家族構造の相違も反 映している 80.0% 80.0% y = 0.6137x + 0.319 R2 = 0.9582 2025年の高齢者のみ世帯割合 大 阪 高 知 東 京 愛 媛 山 口 京 都 分 奈 良 広 島 大 三 重 岡 島 山 徳 香 川 愛 知 神奈川 全 国 福 岡 和歌山 熊 本 山 千 梨 葉 島 根 石 川 福 島 長 崎 群 埼 馬 玉 佐 賀 滋 賀取 鳥 長 森 野 青 静 岡 岐 宮 阜 城 栃 木沖 縄 福 井 秋 田 茨 城 富 山 岩 手 新 潟 75.0% 70.0% 宮 崎 兵 庫 60.0% 高 齢 70.0% 者 50.0% の み 65.0% 世 帯 40.0% 割 60.0% 合 30.0% 55.0% 20.0% 北海道 山 形 50.0% 全 国 鹿児島 東 京 沖 縄 山 形 北海道 10.0% 45.0% 0.0% 40.0% 30.0% 2000 40.0% 2005 2010 50.0% 2015 年次 60.0% 2000年の高齢者のみ世帯割合 2020 70.0% 2025 80.0% 90.0% 高齢者の初婚 • 60歳以上の未婚初婚率の長期動向:男子よ 60歳以上の未婚初婚率 ‰ 70.00 り女子の方が低く、高年齢になるほど稀 • 戦前の1930年では60-64歳で夫62.36‰、 妻21.056‰ • 戦後一貫して低下。 • 団塊の世代あたりまでは、ほぼ皆婚に近かっ たので2025年の高齢者のうち全くの未婚者 は数が限られている。 夫 60~64 60歳以上の60歳以上の未婚初婚率 ‰ 60.00 妻 60~64 夫 65~69 夫70歳以上 妻 65~69 妻70歳以上 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 0.00 1930年 1950年 1960年 1970年 年次 1980年 1990年 2000年 高齢者の離婚 • 60歳以上の有配偶離婚率(同年齢有配偶者千人あ 60歳以上の有配偶離婚率 1.00 • 60歳以上の有配偶離婚率 ‰ • たりの離婚数)も、戦前の男子0.96‰ 、女子0.53‰ から、戦後1950年の男子0.44 女子0.19まで低下 男子は1980年、女子は1970年まで続いたが1990 年から急速に上昇、2000年では男子0.73‰ 女子 0.54‰ と高まる傾向にある。 年金分割待ち離婚などの要因を考慮すれば、将来 的にも高齢者の離婚は増大する 0.90 離婚率:夫 0.80 離婚率:妻 0.70 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 1930年 1950年 1960年 1970年 年次 1980年 1990年 2000年 高齢者の再婚率 • 戦前の60歳から64歳の男子10.6‰ 、女子 60歳以上の死・離別者に対する再婚率 ‰ 12.00 1.03‰から、戦後1950年の男子4.23‰ 女子 0.24‰まで低下 • その後は再び上昇に転じ、2000年では男子 10.65‰ 、女子1.92‰ と戦前の水準を超え 高まる傾向にある • 男子より女子の方が低く、また高年齢になる ほど稀になるという傾向は、基本的に変化し ていない。 夫 60~64 60歳以上の死・離別者に対する再婚率 ‰ 妻 60~64 夫 65~69 夫70歳以上 妻 65~69 妻70歳以上 10.00 8.00 6.00 4.00 2.00 0.00 1930年 1950年 1960年 1970年 年次 1980年 1990年 2000年 高齢者と純移動率 老年人口割合と純移動率:2000年 • 老年人口割合と純移動率:r=-0.496(R2 0.50 東京 =0.246、補正済みR2=0.249、y = - 0.092x + 0.186)、両者の間には負の相関 がある。 • 老年人口割合が増大→社会のモビリティが 低下 • 純移動率の高い地域→老年人口割合が低い 0.40 滋賀 y = -2.6591x + 0.4435 2 R = 0.2458 0.30 神奈川 0.20 2000年の純移動率 沖縄 千葉 0.10 福岡 埼玉 兵庫 栃木 愛知 0.00 山梨 群馬 宮城 静岡 長野 高知 熊本 鳥取 鹿児島 三重 島根 岡山 -0.10 石川 茨城 岐阜 北海道 奈良 京都 -0.20 富山 青森 広島 福井香川 大分 福島 佐賀 岩手徳島 愛媛 新潟 宮崎 和歌山 -0.30 -0.40 10.0% 大阪 12.0% 14.0% 山口 山形 秋田 長崎 16.0% 18.0% 2000年の老年人口割合 20.0% 22.0% 24.0% 26.0% 高齢者と普通死亡率 • 老年人口割合と普通死亡率:r=0.975(R2= 老年人口割合と粗死亡率の相関:2000年 11.40 0.951、補正済みR2=0.950、y = 38.65x + 0.85) 後期高齢者割合と普通死亡率:r=0.967(R2 =0.935、補正済みR2=0.934、y =77.09x- 0.29) 高齢者が増加するにつれ普通死亡率が上昇 する。 y = 38.643x + 0.8494 R2 = 0.9511 10.40 高知 秋田 山口 鳥取 徳島 和歌山 山形 鹿児島 大分 香川 愛媛 青森 佐賀 長崎 岩手 新潟 福島 長野 富山熊本 岡山 宮崎 福井 三重山梨 広島 群馬 石川 岐阜 9.40 • 粗 死 亡 率 人 口 千 人 あ た り 8.40 栃木 福岡 茨城 全国 京都 北海道 兵庫 静岡 奈良 宮城 7.40 大阪 東京 滋賀 6.40 • 島根 埼玉 愛知 千葉 沖縄 神奈川 5.40 4.40 10.0% 12.0% 14.0% 16.0% 18.0% 20.0% 老年人口割合 22.0% 24.0% 26.0% 28.0% 30.0% 老年人口割合と労働力率・就業率 • 老年人口割合と男子労働力率:r=-0.322 2000年の老年人口割合と男子労働力率 80.0 (R2=0.104、補正済みR2=0.084、Y=- 24.4x+79.1)と、弱い負の相関 • 老年人口割合が増大するにつれ生産年齢人 口の割合が低下→男子労働力率の低下 • 男子労働力率の高い地域ほど、就業機会が 豊富で生産年齢人口→老年人口割合が低い 79.0 y = -24.406x + 79.098 2 R = 0.1041 愛知 78.0 埼玉 2000年の男子労働力率 77.0 76.0 長野 静岡 栃木 群馬 岐阜 山梨 滋賀茨城 神奈川 千葉 福井 富山 岩手 石川 三重 75.0 全国 大阪 74.0 青森 広島 兵庫 宮城 東京 奈良 73.0 新潟 鳥取 福島 香川 佐賀 島根 岡山 北海道 秋田 和歌山 愛媛 山口 宮崎 大分 京都 72.0 沖縄 長崎 71.0 福岡 鹿児島 熊本 徳島 高知 70.0 69.0 10.0% 山形 12.0% 14.0% 16.0% 18.0% 2000年の老年人口割合 20.0% 22.0% 24.0% 26.0% 高齢者の労働力率・就業率 • 指数関数で近似すると、決定係数はR2 = 0.9949 高齢者の労働力率・就業率・主に仕事の率 2000年 国勢調査結果 y = 140.33e-0.3525xで、加齢と労働力率の間に は非常に明確な法則性がある 年金制度などの関係で定年年齢が遅くなるにつれ、 その分だけ、高齢者の労働力率も高まると考えて 良い。 女子の年齢階級別労働力率が現状のまま推移し たとしても、高齢では女子人口比率が高く、また単 独世帯率も高いため、実数としての高齢女子の労 働参加は増加し、結果的に高齢労働力の中での 性別役割分業は消滅するだろう。 100.0 y = 140.33e-0.3525x R2 = 0.9949 90.0 同年齢人口に対する割合 • • 男子労働力率 男子就業率 80.0 -0.5162x y = 111.27e R2 = 0.9808 70.0 主に仕事 女子労働力率 女子就業率 60.0 主に仕事 指数 (男子労働力率) 50.0 指数 (女子労働力率) 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 55 ~ 59 60 ~ 64 65 ~ 69 70 ~ 74 年齢階級 75 ~ 79 80 ~ 84 85+ 高齢者の高学歴化(男子) 高齢者の最終学歴別人口割合 男子 2030年の予測値 高齢者の最終学歴別人口割合 男子 2000年国勢調査 100% 100% 90% 90% 13% 80% 80% 2% 34% 9% 8% 6% 6% 18% 4% • 2000年: 65歳~69歳の42%・ 85歳以上の 6% 35% 6% 28% 5% 23% 3% 60%は小学校・中学校卒・大学卒は13%か ら6%と例外的である。 • 2030年:65歳~69歳の34%・ 85歳以上で も18%が大学卒、逆に小学校・中学校卒業 者の割合は急速に低下してゆく 4% 27% 70% 70% 最終学歴別人口割合 最 終 学 歴 別 人 口 割 合 60% 23% 29% 5% 36% 38% 9% 7% 45% 50% 48% 40% 47% 30% 30% 46% 20% 20% 42% 45% 52% 60% 45% 30% 10% 10% 0% 0% 58% 16% 7% 9% 65~69 65~69 70~74 70~74 75~79 75~79 年齢階級 年齢階級 21% 80~84 80~84 小学校・中学校 高校・旧中 短大・高専 大学・大学院 小学校・中学校 高校・旧中 短大・高専 大学・大学院 85歳以上 85歳以上 高齢者の高学歴化(女子) 高齢者の最終学歴別人口割合 女子 2030年の予測値 高齢者の最終学歴別人口割合 女子 2000年国勢調査 100% 100% • 2000年:65歳~69歳の46%・85歳以上の 90% 90% 13% 4% 2% 13% 4% 9% 1% 3% 1% 6% 2% 1% 4% 1% 8% 13% 80% 80% 18% 68%が小学校・中学校卒 • 2030年:5%・33%に低下、短大・大学卒が4 1%・12% • 高齢者の高学歴化の先駆け=団塊の世代 最 最 終 終 学 学 歴 歴 別 別 人 人 口 口 割 割 合 合 70% 70% 29% 44% 60% 60% 52% 50% 50% 57% 56% 40% 40% 30% 30% 20% 20% 51% 52% 68% 65% 59% 50% 46% 33% 21% 10% 10% 0% 0% 21% 27% 32% 26% 42% 14% 5% 65~69 65~69 7% 70~74 70~74 小学校・中学校 高校・旧中 小学校・中学校 75~79 80~84 75~79 80~84 年齢階級 年齢階級 短大・高専 大学・大学院 高校・旧中 短大・高専 大学・大学院 85歳以上 85歳以上 高齢者の住環境 その1 • 2000年の老年人口割合と1998年一戸建住宅比 2000年の老年人口割合と道路実延長 2000年の老年人口割合と1998年の一戸建て住宅比率 14.00 率(対居住世帯あり住宅数):R2 = 0.4885 y = 294.15x + 11.681で、明らかな正の相関 老年人口や高齢者単独世帯が増加した場合には 空間的なミスマッチが発生する 2000年の老年人口割合と道路実延長(総面積1k ㎡当たり):R2 = 0.4775 y = -62.014x + 15.997で、明らかな負の相関 老年人口割合が高い地域ほど道路事情が悪い。 あるいは不便なところほど老年人口割合が高い 90.0 12.00 80.0 1998年の一戸建て住宅比率 • 10.00 2000年の道路実延長 • y = 294.15x + 11.681 R2 =埼玉 0.4885 70.0 富山 山形秋田 福井 新潟 鳥取 群馬 青森 長野 岩手 岐阜 佐賀 茨城 栃木 福島 宮崎 和歌山 y = -62.014x +鹿児島 15.997高知 山梨 滋賀 岡山 東京 2 徳島 愛媛 香川 R = 0.4775 石川 熊本 山口 長崎 静岡 大分 奈良 三重 神奈川 大阪 愛知 茨城 宮城 広島 全国 京都 北海道 60.0 8.00 埼玉 千葉 千葉 福岡 愛知 兵庫福岡 沖縄 50.0 6.00 神奈川 群馬 40.0 大阪 4.00 • 島根 沖縄 30.0 三重 兵庫 栃木 京都 広島 全国 東京 奈良 宮城 石川 滋賀 岐阜 2.00 20.0 10.0% 0.00 10.0% 12.0% 14.0% 香川 静岡 16.0% 18.0% 北海道 岡山 長崎 佐賀 長野徳島 熊本 愛媛 富山新潟 鹿児島 福島 和歌山 大分山口 宮崎 鳥取 山梨 福井 岩手 秋田 青森 山形 高知 20.0% 22.0% 24.0% 島根 26.0% 2000年の老年人口割合 12.0% 14.0% 16.0% 18.0% 2000年の老年人口割合 20.0% 22.0% 24.0% 26.0% 高齢者の住環境(その2) • 2000年現在の老年人口割合と人口万人あ 2000年の老年人口割合と郵便局数(可住地面積100k㎡当たり) 2000年の老年人口割合と1999年のコンビニエンスストア数 50.0120.00 たりのコンビニ店舗数には弱い負の相関 (R2 = 0.111 y = -74.702x + 43.553) • 郵便局も負の相関(R2 = 0.1124 y = - 203.23x + 64.778) • 大都市地域で老年人口割合が低く、過疎地域など 東京 45.0 1999年のコンビニエンスストア数 郵便局数(可住地面積100k㎡当たり) y = -203.23x + 64.778 2 R = 0.1124 北海道 東京 100.00 40.0 岩手 青森 山梨 茨城 大阪 35.0 80.00 30.0 千葉 大阪 埼玉 栃木 福岡 宮城 滋賀 全国 京都 群馬 岐阜 静岡 25.0 60.00 山形 鹿児島 山口 大分 鳥取 愛媛 福井 長崎 宮崎 香川 新潟 岡山 兵庫 奈良 高知 島根 和歌山徳島 京都 40.00 15.0 秋田 熊本 富山 長野 広島 三重 神奈川 20.0 福島 佐賀 石川 神奈川 沖縄 愛知 奈良 兵庫 福岡 広島 山梨 長崎 和歌山 高知 鳥取 石川 岡山 愛媛 山口 徳島 福井 三重 香川 大分 静岡 岐阜 熊本 長野 鹿児島 滋賀 全国 宮崎 富山 佐賀 新潟 宮城 群馬 山形 福島 岩手 茨城栃木 秋田 青森 北海道 で高いという状況を反映したものであるが、現状の ままの老年人口の地理的配置のまま推移すれば、 ますます空間的な格差が広がる可能性を示してい る。 愛知 10.0 20.00 y = -74.702x + 43.553 埼玉 R2 = 0.111 千葉 沖縄 5.0 0.0 0.00 10.0% 10.0% 12.0% 12.0% 14.0% 14.0% 16.0% 18.0% 20.0% 16.0% 2000年の老年人口割合 18.0% 20.0% 2000年の老年人口割合 22.0% 22.0% 24.0% 島根 24.0% 26.0% 26.0% 4.まとめ その1 人口学的変化 • 団塊の世代の加齢にともない2025年から後 期高齢者人口が急増。わが国の高齢化は、 質的に大きく変化する。 • 人口の構成比という観点:北海道・東北・九 州・四国など、周辺地域で急速に進む。 • 絶対数という観点:大都市圏や人口減少が遅 れる地域の方が急激である。 • 高齢者世帯も同様の傾向を示すが地域的な バラつきが大きい(過去の人口移動・文化) まとめ その2 ライフスタイル • 高齢者単独世帯の増大:高齢者のみで生活 するスタイルが主流となる。 • 生涯独身者・離婚・再婚者の増加:家族の絆 は弱くなる。→個人としての高齢者 • 普通死亡率の上昇→死を見つめる社会 • 高齢就業率の上昇・性別役割分業の消滅 • 高学歴化の進行→高い文化性・自己管理・セ ルフケア(自己治療など) まとめ その3 生活環境 • 一戸建て住宅とのミスマッチ→リバース・ モーゲッジなどによる住み替え。高齢者向け の高層住宅(カプセル型) • 高齢者の移動→大都市圏への集中 • 商業サービス・道路・その他インフラ(社会基 盤)の再配置
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