200万都市が有機野菜で自給でき るわけ 「園芸都市ハバナかく誕生せり」 第二章から第四章(P76~117) 06A2160X 磯田昂大 復習 1990年代の経済危機と食糧危機 都市農業の概観(P42~56) 軍も関わる都市農業(P57~75) 都市の空き地、畑になる(P76~86) 90年代初頭 暗中模索の都市農業 「ウルバーナ」 カストロ「非常時宣言」に基づく 耕作人確保、国有地貸し出し 都市の空き地、畑になる(P76~86) 行政の取り組み 「都市農業グループ」(1994) 農業省、ハバナ市政府、普及組織、研究機関、 NGOとの折衝、仲介 ↓ 土地・流通・価格・税制政策、生産者グループ の組織化、技術確立・指導、農業啓発 きっかけは農業省とハバナ市の連携 都市の空き地、畑になる(P76~86) キューバの土地制度 基本的に国有(農地は8割) 土地は公共物 土地制度の「改革」 目的:農地の貸し出し 人民評議会「コンセホ・ポプラール」の設立(92年) 地区レベルの行政単位 ハバナは101、うち67は都市農業関連の業務 都市の空き地、畑になる(P76~86) コンセホ・ポプラールの業務 土地の斡旋 普及員と連携して土地利用を半年ごとに検査 ⇔耕作義務を貸して、国有地を無償で貸与 ⇔中心市街地住民も積極的に農業を営める制 度 都市の空き地、畑になる(P76~86) 都市計画 都市農業優先 「首都総合開発グループ」(1988) 都市の空き地、畑になる(P76~86) 日本では、、、 農業委員会≒「コンセホ・ポプラール」 農地法・農業経営基盤強化促進法 食料・農業・農村基本法 ↓ 農林水産省管轄 縦割り行政の弊害で不十分 都市農業普及員の役割(P87~99) 経済危機時の状況 肥料・農薬不足→有機農業しか道は無い 農業経験の乏しい一般市民 ↓ 今では・・・ 有機農業が徹底 (生態系維持にも効果) 農薬・化学肥料の禁止(1996年) 都市農業普及員の役割(P87~99) 都市農業普及員 草の根レベルでの指導 海外NGOとの連携 役割: 地区全体に有機農法を教え、 団結して耕作するよう呼びかけ、地域コミュニティを力づける 有機農法での「土地生産性」の向上に貢献 日本でも、農業改良助長法により「普及員」は存在←省庁間 の連携不足 都市農業普及員の役割(P87~99) 教育プログラム キューバ有機農業協会(ACAO)、大学、農業 省の連携 →女性の社会進出にも貢献 テレビの役割 キューバはラテンアメリカ随一の電化整備国 紙面でのプロパガンダに代わる役割 都市農業普及員の役割(P87~99) 農業に対するネガティブイメージの払拭に尽 力 課題 アメリカの経済封鎖で有機農業に関する最新 の情報を手に入れずらい →最近の反米政権の台頭で情況は改善? 科学者・研究員の役割(P100~117) ソ連崩壊(1991)以前 革命(1959)以来 科学者の人材育成に尽力 1980年代からバイオテクノロジー・医療分野 での技術開発に着手 科学者・研究員の役割(P100~117) 農業研究所 1992年以降、農薬・化学肥料不使用で 農業生産性を上げる研究に着手 キューバの酸性土壌、害虫の繁殖しやすい気 候下での生産性を上げる有機農法を研究 科学者・研究員の役割(P100~117) 研究の成果 ミミズ肥料、微生物肥料、バイオ農薬 研究機材、資本など「モノ」不足下での「ローテク」研究 ←キューバの人材育成制度が結実 総じてキューバの農業研究は バイオテクノロジーと伝統農法の組み合わせ 科学者・研究員の役割(P100~117) 現場主義の研究者 「農家視点での研究」 都市農業普及員への研修プログラム バイオ農薬の利用法 →普及員との連携 農学部では有機農法と都市農業は必修 →教育現場との連携 科学者・研究員の役割(P100~117) 都市農業全国会議 →農家との連携 日本では遺伝子組み換え・クローン家畜を研究 (有機農業は需要が低いため) 各分野との連携はキューバほど密接ではない 私見 なぜ、官民一体となって有機農業を取り組め ているのか? ソ連のような共産主義国家では過度の、硬直し た官僚システムが問題化 →キューバとて例外ではない 私見 考えてみると、、、 ソ連は共産党独裁 キューバはカストロの個人独裁 キューバではカストロの意向に政策が左右され る。 →カストロの一挙手で政治が決まる 私見 カストロのカリスマ性 国民からのイメージ 「中南米を植民地のように扱うアメリカにかたく なに抵抗し続けるヒーロー的な存在」 国際的には 「血族であるものの」自らの政治指導が困難と みなすと潔く権力の移譲を表明する柔軟さを 持つ 私見 「経済政策面などでは決して評価が高いとは 言えない面はあるが、私利私欲に安易に振り 回されない強固な信念の持ち主」 →国民に支持される要因では? →官僚もカストロの意向に逆らえない心理的要 因 →「カストロ後」がどうなるのかわからない 私見 北朝鮮の労働党政権では、 金日成による個人独裁→金正日の個人崇拝 ・土地利用での農業政策の失敗 ←キューバではラテンアメリカ特有の都市人口率 ←北朝鮮では都市人口率は比較的低い ←農地が国内至るところに開墾 ←畑作なので土地が痩せる、土壌流出 ←2002年の台風では国家予算相当分の被害(183 億円) 私見 また、キューバの「都市農業」が一定の成果 を上げるに至った背景として ソ連と比較 ソ連では、「コルホーズ・ソフホーズ」で集団化 WW2前後ではスターリンの「指導」により、不 毛地を強制的に開拓。シベリア、カザフスタン など。 私見 また、ソ連ではスターリン以降も 開拓は継続 キューバのような情況に際したとしても 都市住民は強制移住を強いられる 例:中華人民共和国の「大躍進」政策 ポル・ポト政権の「蛮行」 私見 キューバでは強制移住を政策としてさせなかった ←カストロ政権は国民の支持が基盤 ←カストロは良い意味での「独裁者」。国民目線。 だが、国民はカストロの意向に従う ←カリスマ性、反米感情、今までの豊かさ ←情報統制、マインドコントロール 当時は有機農業しか選択肢は無く、カストロから、 「都市で有機農業をやれ」と言われたら国家全体が 従わざるを得ないであろう。
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