「出会う・つなぐ・変える~発信力を磨く・想像力を磨く」 医療福祉ジャーナリズム特論 第9回 発信力・想像力を磨くために 出会い、繋がり、そして変わったこと ~ “当事者” になるという意識と想像力~ 2014年6月12日 増田 英明 国際医療福祉大学大学院 医療福祉ジャーナリズム分野 修士課程(M2) © Copyright 2014 by Hideaki Masuda. All Rights Reserved 1 2013年4月… “ゆきゼミ入門” ► パブリックリレーションズ(PR)の仕事をしています 社会(Public)との良好な関係(Relations)づくりを行うコミュニケーション実務 単発ではない息の長い関係づくり → 双方向…信頼関係&自己矯正 真実、事実、素直、誠実、率直、真摯… 新聞・雑誌の記事やテレビ・ラジオの番組などのメディアで、 クライアントのニュースやトピックについて報道してもらう 最近はインターネット、特にSNS…Facebook、 Twitter、 LINE… 話題づくり、世論喚起、イベント、ツール、リスク&クライシス・コミュニケーション ► しかし…何かが違う、何かおかしい、それでいいの? 大企業や団体…お金がたくさんある情報の出し手本位…情報を持っている 一般市民や患者さん…読者や視聴者は、情報弱者… 情報の非対称性 情報の受け手本位の情報展開…PRはあり得ないのか…? 市民や患者さんにとって、情報に信頼と共感を感じるカギは何か…? © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 2 突然 “当事者” に… ► 連絡があって一週間後、父急逝…がん患者の遺族 ◎2月22日(土) 胃カメラ検査の結果、がんらしいと、父から連絡。 腫瘍内科Dr.へ連絡。週明けの診察をお願いする。 ◎2月23日(日) 起き上がるのも苦しそうな様子。 ◎2月24日(月) 胃カメラ検査をした近くのクリニック→腫瘍内科のある 病院へ。 腫瘍内科、消化器病センター受診。2日後の入院が決まる 。 ◎2月25日(火) 入院前の検査。 検査後、意識朦朧→一度帰宅。 ◎2月26日(水) 意識混迷。救急車で緊急入院。 CTなどの精密検査。 ◎2月27日(木) 意識昏睡。進行胃がんが肝転移。肝腎症候群による肝性 脳症。 点滴による対症療法。 ◎2月28日(金) 『容体が急変したら連絡する』 ◎3月 1 日(土) 早朝、N’sから連絡。『すぐに来てください』 病院到着後、午前7時過ぎに臨終。 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 3 突然 “当事者” に… ► 残された母…物忘れ、混乱、悲嘆、意欲低下…認知症の家族? ◎3月3日(土)~4日(日) 父の葬儀で、複数の人から母の“様子”を心配さ れる。 ※生活は自立も、物忘れ、エピソード記憶の欠落。 ※精神科Dr.へ連絡。診察のお願い。 ◎3月28日(金) 精神科クリニックへ。 長谷川式13点。『認知症(AD)の可能性は否定できない』 ※地域包括支援センターに相談。 ◎4月 9 日(水) “東京都認知症疾患医療センター”の神経内科を受診。 長谷川式21点。10日前より改善も“無罪放免”かどうかは …??? ※精密検査、他科診察(高血圧、脳動脈瘤、甲状腺) ◎4月21日(月) 介護認定申請 ◎4月30日(水) 神経内科受診。治療薬、処方開始。 ◎5月13日(火) 介護認定申請アセスメント ◎5月30日(金) 介護認定結果通知:要支援1 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 4 出会い… H-PAC 医療政策実践コミュニティ 小規模多機能は、 支え合いケア。 HSP 東京大学医療政策人材養成講座 ご近所力。 医療福祉 乃木坂スクール 助けられ上手。 ジャーナリズム分野 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 5 そして、繋がり… H-PAC HSP 医療政策実践コミュニティ 東京大学医療政策人材養成講座 医療福祉 ジャーナリズム分野 乃木坂スクール © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 6 分かったこと…考えが変わったこと… 現在の母に必要なことは… デイサービスなどを利用することではなくて、 自分の技術や技能を使う場を見つけること。 そして実行すること。 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 7 繋がりの深まり… 素晴らしい!!!!!!!木原先生、カ トさん・ケンさんの公開講義 そのものの展開ですねっ。 嬉しいです(*^ー^*)成功を いのっています。 昨日、ケアマネさんから連絡があり… 母に出張理容を頼みたいNPOがあるとの こと! そのNPOに直電したらデイサービスでの ニーズがあるとのこと。 直ぐにかみさん経由で母の耳に入れたら …“おかあさん、張り切ってるよ”…(^^) 富山でも、デイで出張理容 してくれます。 H-PAC HSP 医療政策実践コミュニティ 東京大学医療政策人材養成講座 ヒデちゃん、 大学院に入って良かったね 。 人のご縁って大切ですね。 医療福祉 ジャーナリズム分野 担当ケアマネさん、 素晴らしい。 乃木坂スクール 心配していました。 でもこの話を読んで、 おばちゃんの張り切ってる姿 が目に浮かびました。 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 8 分かったこと…変わったこと… ► 地域の世話焼き…ボランティアだった母 ◎6月 2 日(月) 地域包括支援センターへ。ケアマネは両親を知ってい た!(驚) 母にあったケアは…“サービスよりボランティア!!!” ◎6月 6 日(金) 母の技術・経験を生かせる出張理容のニーズが見つか った。 ► 何が母にとって一番良いことなのか ◎6月16日(月) 母のボランティア再デビューの顔合わせ ★母の生きがいは、父だった。 ★約50年、父と一緒に過ごした実家で暮らしたい。 ★住み慣れた地元には、友人知人、知り合いがたくさんいる。 ► 家族としてできること ★一日も早く母が自宅復帰できるよう環境づくり ★ボランティア以外の生活支援について、ケアマネに相談 ★実家での主治医探し(物忘れ、高血圧) ★母の友人知人、知り合い、ご近所へ“見守り”のお願い ★母の自宅復帰後、家族としてできるサポートは何かを考える © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 9 “当事者” になって感じたこと ► 自分事化、平時は本当に難しい ★自分に限って…父/母に限って… がん:日本では2人に1人ががんになる時代…死亡原因の第1位 認知症:80代を過ぎると ひとの死亡率は…100% 「一人の人間として意識をすることから始まる」(大西鐡之祐) ► 家族だからこその本音…理屈を凌駕する感情の起伏・葛藤 ★強かった、頼りになった、優しかった、かつての父/母の姿… “迷惑かけて、ごめんね” “できることがあれば、言いつけてね” “そんなに怒らないでよ” 「情と理」 「悪魔と天使」(詠み人知らず) ► 家族の優しさ、思いやりは、時に “本人” には辛い ★家族に気を使って、本人が自分のペースで生活できない。 “天気がいいから散歩にでも行ったら?” “もう遅いから休んだら?” “私がやっておくからいいわよ” 「地獄への道は善意の小石で敷き詰められて」(打出喜義さん) © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 10 “当事者” になって感じたこと ► 人との出会い・つながりで、救われる ★腫瘍内科Dr.…精神科Dr.… 個人的な事で申し訳ないと思いながらも…“藁にもすがる思い” 手を差し伸べていただいた 「助けられ上手になろう」(木原孝久さん) ► 本人の背中を押すこと…リスクを取ること ★本人がしたいことをする場・機会づくり “雨が上がったみたいだけど、何かしたいことある?” “お腹すいたので、何かつくってくれない?” “卵とねぎを買ってきてくれない?” 「ひとの尊厳を守ることは、リスクを負う覚悟が必要」(小林浩司さん) © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 11 自分事化を意識する © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 12 自分事化を意識する © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 13 意識することは、半歩先をいくこと “闘争の倫理”の師・大西鐡之祐 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 14 自分にしか書けないことを書き、新しいことを発 見する 福祉と医療の師・ゆきさん © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved 15 ご清聴ありがとうございました。 © Copyright 2008 by DENTSU © Copyright PUBLIC RELATIONS 2014 by Hideaki INC. All Masuda. RightsAll Reserved Rights Reserved
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