メンタルレキシコン4:ことばの内 の構成要素 ことばの形態素◇◆日本語の例◆◇ • • • • • • • • • ~する、している、(し)た → 動詞 ~的 (平和的、美的 etc.) ~性 (攻撃性、協調性) 再~ (再確認、再試行) 非~ (非暴力、非協力的) 不~ (不一致、不和) ~さ (静けさ) ~らしさ (男らしさ) ~げ (やさしげ、こわげ) 2015/9/30 ことばの形態素◆◇英語の例◇◆ dis-agree-ment, friend-ly, un-happy, peaceful • これらの語はどのような形で メンタルレキシコンの中に貯蔵されているのか 2015/9/30 ことばの形態素 メンタルレキシコンの中では • disagreement はどのエントリーがされている か – dis– agreement – agree – 全部? 2015/9/30 接頭・接尾辞 • inflectional suffix (屈折; 語形変化の接尾辞) • derivational suffix (派生接尾辞) – inflectional suffix → 行った、白い、飲んでいる touched, drinking, dogs, likes – derivational suffix → ~げ、~さ、~らしさ、非~、不~、~性、 agreement, friendly, dislike, unhappy, realization 2015/9/30 Inflectional Suffix (屈折: 語形変 化の接尾辞) • touch, touches, touched, touching は別々の項目 としてメンタルレキシコンにエントリーされているか、 同じ項目としてエントリーされているか • 言い間違い – – – – – He go backs. (He goes back.) They point outed. ( They pointed out.) Stop him go offing (going off) and do that. All the men who fighted in it (fought) Last week I flied (flew) to Okinawa. 2015/9/30 失語症患者の発話に見られる接 頭・接尾辞 • 「マッチ」という語を思い出そうとした – “Waitresses, Waitrixles. A backland and another bank. For bandicks or bandiks I think they are, I believe they’ve zandicks…” • 電話のダイアルのことを話そうとして – “each of the pidlands has an eye in, one two three and so on.” – “He mivs in a love-beautiful home.” 2015/9/30 接頭・接尾辞のプライミング実験 実験の結果 • ‘jump’ のプライム効果→ jumps でも jump でも変わらない • 不規則動詞 (hang - hung) では、同じ結果は 出ない→同語のプライム効果のほうが大きい 2015/9/30 メンタルレキシコン内の Inflectional Suffix • これらの結果を総合すると、語形変化(屈折) する語は語幹のみ貯蔵され、屈折語尾は文 法規則として別に貯蔵されて on-line でつけ られるものと考えられる 2015/9/30 Derivational Suffix(1) (派生接尾辞) Derivational Suffix はどうか? • 分かれているという見方 – rejuvinate (若返る), repertoire (レパートリー)の 2つの単語における re – 英語のことばではないと判断するのに要する時 間 juvinate > pertoire – repertoire →分節できないエントリー – rejuvinate → re + juvinateとして表象されている から 2015/9/30 Derivational Suffix(2) (派生接尾辞) • 分節されていないという考え方 – 英語の場合、多くの語ではラテン語の知識がない と、ひとつのことばを morphological に分解したそ れぞれの意味を推測することは容易ではない 2015/9/30 Derivational Suffix (3) (派生接尾辞) • consume, confer, conceive, condemn → con の共通の意味は? • confer, defer, infer, prefer, refer → fer の共通の意味は? ラテン語の知識がある人でないと、ほとんどわ からない • 人は unhappy が un-happy と分節されるこ とは知っているが、dishappy, nonhappy が 2015/9/30 英語として誤りであることも知っている 接尾辞の場合(1) • どの語幹にどの接尾辞がつくか → 多くの場合、予測が難しい – e.g., revolve → revolution induce → inducement, induction produce → *producement, production 2015/9/30 接尾辞の場合(2) 言い間違い • 多くの場合、同じ接尾辞の音の類似したもの と言い間違える “She goes in pornographic (hydroponic) gardening.” • しかし、接尾辞のみ言い間違えることもある “Bees are very industrial (industrious).” “Children use deductful (deductible) rules.” 2015/9/30 メンタルレキシコン内の Derivational Suffix • Derivational Suffix (接尾辞、接頭辞)に関し ては、基本的には分解されないものが1単位 で貯蔵 • ただし、形態素の知識は back-up store とし てどこか別のところに貯蔵され必要に応じて 語を分解したり、すでにある語に付加して新し い語を造語したりする → 日本語の場合も同じなのだろうか? 2015/9/30
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