第5章 会社の機関 No.4(指定教科書p126~138)

企業法I講義資料No.05-2
機関(2)その他の機関②
「会計参与・監査役・会計監査
人・検査役」
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
総説
会計参与
監査役(会)
会計監査人
検査役
テキスト参照ページ:248~270p
1
Ⅰ
総
説
• 会社の経営は業務執行機関に委ねられ、取締役
会設置会社では取締役会により監督が行われる
が、株式会社は、取締役会とは独立した立場か
ら業務執行機関の職務執行を監督・監査する機
関等を任意に設置することができる(326Ⅱ)
• 会計参与(監査機関ではないが、取締役の不正
を阻止する機能も有する)、監査役(監査役
会)、会計監査人、委員会
• 会社の規模等により設置が強制される場合もあ
る
2
Ⅱ 会計参与
• すべての株式会社は、任意に定款で会計参
与(取締役と共同で計算書類等を作成する
機関)を設置する旨を定めることができる
(326Ⅱ)
• 会計参与の設置が強制されることはない
• 非公開会社である取締役会設置会社は、会
計参与を置けば例外的に監査役を置かない
ことが認められる(327Ⅱ:監査役設置強制
の例外)
3
(1)会計参与の資格等
• 資格:公認会計士(監査法人)または税理士
(税理士法人)でなければならない(333Ⅰ)
– 法人の場合は、職務を行うべき者を選定(Ⅱ)
• 欠格事由:兼任禁止(Ⅲ①):株式会社また
はその子会社の取締役、監査役、執行役、ま
たは支配人その他の使用人を兼ねることが
できない(会計監査人と会計参与が並存することは妨
げられない:同一人物が兼任することはできない→337Ⅲ
①)
• その他の欠格事由:(Ⅲ②③)
4
(2)選任・解任等
• 選任・解任:取締役と同様の規律に従う(329・
339)
• 員数:1名以上(定款で定員を定めることもできる)
• 任期:同上(334)
– 会計参与を置く旨の定款規定を廃止する定款変更をし
た場合、定款変更の効力発生時に任期は満了する
• 辞任、任期満了等により欠員が生じた場合:取締
役と同様の規律に従う(346Ⅰ~Ⅲ)
• 意見陳述権:選任等(解任・辞任を含む)について
株主総会で意見を述べることができる(345)
5
(3)会計参与の職務等
1. 計算書類等の作成:取締役(執行役)と「共
同して」計算書類及びその附属明細書、臨
時計算書類ならびに連結計算書類、さらに
独立して会計参与報告を作成(374)
2. 株主総会における説明義務(314)
3. 計算書類等の保存(378Ⅰ:会社とは別に5年
間)
4. 計算書類等の開示(378ⅡⅢ:株主・債権者・
親会社社員(裁判所の許可が必要)には閲覧・謄写請
6
求権が付与される)
(3)会計参与の職務等
5. 報告義務(375):職務遂行上、取締役の職務
執行に関し不正行為または法令・定款違反の重
大な事実があることを発見したとき、遅滞なく株
主全員(株主総会でなくても良い)(監査役設置
会社では監査役、監査役会設置会社では監査役
会)に対して報告しなければならない
6. 会計参与の選任、氏名・名称、計算書類等を備
え置く場所(378参照)は登記事項(911)であり、
代表訴訟の対象にもなる(847)、会社に対する
責任については、社外取締役と同様の規律を適
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用する(425、427参照)
(3)会計参与の職務等
7. 取締役会設置会社の会計参与:取締役会
への出席・意見陳述義務(376)→計算書類
等の承認をする取締役会には出席しなけれ
ばならず、必要があると認める時は意見を
述べなければならない
• 当該取締役会を招集する者は、原則として1週
間前までに各会計参与に通知を発しなければ
ならない
• 取締役招集手続を省略する場合は会計参与
全員の同意を要する
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(4)会計参与の権限
• 計算書類等の作成に必要な権限(374Ⅱ~Ⅴ)
1. 会計帳簿の閲覧・謄写権
2. 取締役、支配人その他の使用人および子会社に
対して会計に関する報告を求める権利
3. 会社及び子会社の業務財産調査権
• ただし、子会社は、「正当な理由」があるときは、
報告・調査を拒むことができる
• 職務遂行に際して、会計参与の欠格事由のある
者を使用してはならない
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(5)会計参与の独立性確
保
• 欠格事由としての兼任の禁止(333Ⅲ①)
• 解任:株主総会決議(普通決議)で解任できるが、
正当な理由がある場合を除き、会社に対して損害
賠償を請求できる(339Ⅱ)
• 株主総会での意見陳述権(377):取締役と意見を
異にする場合
• 報酬:定款で額を定めない場合、株主総会の決議
によって定める(379Ⅰ):お手盛り防止ではなく、
独立性確保の目的(監査役と同じ)(委員会設置
会社では報酬委員会)
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会計参与と取締役(執行役)の意見が一
致しない場合の計算書類
•
会計参与設置会社では、取締役(執行役)と会計
参与が共同して計算書類を作成しなければなら
ず、両者の意見が一致しない場合は、計算書類
を作成できず、計算書類の承認のための株主総
会を開催することもできない。
• その場合の対処法を以下の2つのケースに分け
て考えよ
1. 会計参与が辞任する
2. 会計参与が辞任しない
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Ⅲ
監査役(会)制度総論
• 取締役会設置会社および会計監査人設置会社
は、委員会設置会社を除き、原則として監査役(1
名以上)を選任しなければならない(327Ⅱ、Ⅲ、
Ⅳ)
• ただし、非公開会社である会計参与設置会社は
監査役を設置しないことができる
• 監査役は原則として会計監査および業務監査権
限・義務を有するものとし、監査役会設置会社・会
計監査人設置会社でない非公開会社の監査役に
ついては、定款で会計監査に限定することができ
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る→監査役設置会社には当たらない(2⑨、389)
Ⅲ
監査役(会)総論
• 取締役会設置会社は監査役会を設置できる
• 大会社である取締役会設置会社(委員会設置会
社を除く:G類型)は、監査役会を設置しなければ
ならない
• 監査役会設置会社では、監査役は3名以上で、そ
のうち半数以上は、社外監査役でなければならな
い(335Ⅲ、2⑯)
• 監査役会は、監査役全員で構成され(390Ⅰ)、う
ち1名以上を常勤監査役として選定しなければな
らない(390Ⅲ)
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(1)選・解任等
• 株主総会により選任(普通決議)、解任される
(329、339):ただし、累積投票制度は採用さ
れない
• 取締役が、監査役の選任議案を総会に提出する
には監査役(会)の同意が必要:監査役(会)
は、取締役に対し監査役選任を総会の目的とす
ること及び選任議案を総会に提出することを請
求できる(343)
• 解任決議は特別決議(343Ⅳ、309Ⅱ⑦)
※解任に関する総会において出席権・意見陳述権
が保障される、辞任後最初の総会においても同
様(345Ⅳ)
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(1)選・解任等
• 任期(336):原則4年(選任後4年以内に終了
する事業年度のうち最終のものに関する定時株
主総会終結時まで)→定款で短縮することはで
きない(身分保障:監査の独立性を高める)
• 非公開会社の監査役:定款で10年まで延長可
(Ⅱ)
• 任期満了前に退任した監査役の補欠として選任
された監査役の任期(329Ⅱの補欠監査役とは
異なる):定款で退任した監査役の任期が満了
する時までとすることができる(Ⅲ)
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• 定款変更によるみなし任期満了(Ⅳ)
(2) 欠格事由・兼任禁止
• 資格:特別な資格は不要、取締役と同様
の欠格事由が定められる(335Ⅰ→331Ⅰ・Ⅱ)
• 兼任禁止(335Ⅱ):取締役の業務執行の監
査を適切に行うため独立性の確保・監査の実効
性確保(自己監査の禁止)が必要とされるため、
その会社および子会社の取締役、会計参
与、支配人その他の使用人、子会社の会
計参与(法人の場合は職務を行うべき社員)、
執行役(子会社が委員会設置会社の場合)を
兼任することは許されない
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※論点:横滑り監査役等
・横滑り監査役:取締役が事業年度の途中で監査
役に就任すること
・顧問弁護士・顧問税理士が監査役に就任するこ
と
などが兼任禁止に反しないか議論がある
第X期(H16.4.1~H17.3.31)
第X+1期(H17.4.1~H18.3.31)
⇒判例ではこれらは違法ではないとされるが、
横滑り監査役については、実務慣行としてよく
取締役・監査役
見られるが、好ましくないものであることは否
取締役・監査役
の任期
の任期
第X期に係る定時株主総
定できない(自己監査)
会(H17.6.28)
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(3)監査役の報酬と費用
• 監査役の報酬等は、取締役とは別に定款または
株主総会決議により定められる(387Ⅰ)
→取締役の場合と異なりお手盛りの防止ではな
く、取締役に対する独立性確保の趣旨:複数の
監査役につき個別に額を定めない場合、総額等
を決議し、分配は協議によって定める(Ⅱ)
– 監査役は、株主総会において、報酬等につき意見を
述べることができる(Ⅲ)
• 監査費用の前払いなどを監査役設置会社に対し
請求できる(会社はその費用が職務執行に不要
であることを証明しなければ支出を拒むことが
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できない)(388)→同じく独立性確保
※監査役の権限
1. 原則として、業務監査権限および会計監査権限
を有する
2. 大会社でない非公開会社(監査役会、会計監査
人を設置する会社を除く)においては、定款で監
査役の権限を会計監査権限に限定できる
3. 業務監査権限を有する監査役が設置されない会
社(委員会設置会社を除く)においては、株主の
監督権限が強化される
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(4)監査役の権限・職務
取締役(会計参与)の職務執行を監査する(381Ⅰ)
i.監査の実効性を確保するための権限・職務
①営業報告徴取権・業務財産状況調査権
(381Ⅱ)
→親会社の監査役は、必要がある場合は子会社
に対しても調査権を行使できる(同Ⅲ)。ただし、
子会社は正当の理由があれば、報告・調査を拒
絶できる(同Ⅳ)
• 監査役設置会社の取締役は、会社に著しい損害を及
ぼすおそれのある事実を発見した場合は、監査役に
報告する義務を負う(取締役の報告義務:357)
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(4)監査役の権限・職務
i.監査の実効性を確保するための権限・職務
②取締役会への出席および意見陳述義務(383)
・3ヶ月に1回は代表取締役および業務執行取締役は、
取締役会を開き、自己の業務執行状況を報告する義務
を負うが(363Ⅱ)、監査役はこの取締役会に出席し、
報告やその他の議論を聞き、必要があれば意見を陳述
する義務を負う
③取締役への報告義務(382):取締役の不正行為ま
たはそのおそれがあると認めるとき、または法令・定
款違反の事実もしくは著しく不当な事実があると認め
るとき、遅滞なくその旨を取締役(会)に報告しなけ
ればならない
⇒そのため監査役にも取締役会招集権が与えられてい
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る(383Ⅱ・Ⅲ)
(4)監査役の権限・職務
i. 監査の実効性を確保するための権限・職務
④株主総会への報告義務(384):取締役の総会提出議
案等を調査し、法令定款違反等の事項があれば株主
総会に報告しなければならない
⑤違法行為の差止(385)
取締役が、会社の目的の範囲内にない行為その他の
法令・定款に違反する行為をなし、会社に著しい損
害が生じるおそれがある場合、監査役は取締役に対
して、その行為を止めるよう請求することができる
(Ⅰ)
→裁判外で請求しても取締役が行為を止めない場合は、差止
の仮処分申請をすることができる(民保23Ⅱ):担保を立て
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る必要がない(同Ⅱ)
(4)監査役の権限・職務
ii. 訴訟代表等
・監査役設置において、会社が取締役を訴える
場合、取締役が会社を訴える場合、株主が代
表訴訟により取締役の責任を追及する訴えを
提起する際の請求を受ける場合等においては、
監査役が会社を代表する(386)
・代表訴訟に会社が被告取締役の側へ補助参加
する際の同意権(849Ⅱ①)、取締役の責任
軽減議案を株主総会に提出する際の同意権
(425Ⅲ①)
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(4)監査役の権限・職務
iii.その他の職務
①計算書類等の監査(436Ⅰ):毎決算期に
取締役が作成する計算書類および事業報告な
らびにこれらの附属明細書の提出を受け、
「監査報告」を取締役に提出しなければなら
ない
②株主総会における説明義務(314)
③会計監査人の選任に関する同意等(344)
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(5)監査役会の権限・職務
iv. 監査役会:大会社では監査役は3名以上とさ
れ(半数以上が社外監査役でなければならな
い)、そのうち1名は常勤でなければならな
い(335Ⅲ、2⑯、390Ⅲ)
→監査役は、単独でその職務を遂行しなけれ
ばならない(独任制)が、組織的・効率的に
監査を行い、監査役間の情報交換を適宜行え
るよう監査役全員により監査役会が構成され
る(390Ⅰ)
・大会社以外の取締役会設置会社は(委員会設置
会社を除き)任意に設置できる
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(5)監査役会の権限・職務
•
•
•
•
監査報告の作成(390Ⅱ①)
常勤監査役の選定・解職(390Ⅱ②)
監査方針、監査役会設置会社の業務財産状況
の調査方法その他監査役の職務の執行に関す
る事項(所掌分担)の決定(390Ⅱ③)→監
査役の独任制を妨げる内容であってはならな
い(390Ⅱ但書)
各監査役は、監査役会の要請があれば、いつ
でも職務執行の状況を報告しなければならな
い(390Ⅳ)
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業務監査権限を有する監査役のない会社(監査役
設置会社でない会社)における株主の権限
① 裁判所の許可を得ることなく取締役会の議事録
を閲覧できる(371Ⅱ)
② 株主の取締役会招集請求権・招集権(367):株
主は自己が請求・招集した取締役会に出席し、
意見を述べることができる
③ 定款に基づく取締役の過半数(取締役会決議)に
よる責任の一部免除制度は適用しない(426Ⅰ)
④ 取締役の株主への報告義務(357Ⅰ)
⑤ 株主の違法行為差止請求権の行使要件を監査
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役レベルに緩和(360Ⅰ・Ⅱ)
Ⅳ
会計監査人
総論
• 制度趣旨:大会社および委員会設置会社
においては、監査役(会)(監査委員
会)による監査(内部監査)に加えて、
会計監査人による監査が義務付けられる
(327Ⅴ・328)
→会計のプロであり、会社外部の独立し
た立場からの監査(外部監査)であると
いう特徴をもつ
• 上記以外の会社も任意に会計監査人を設
置できるが、設置する場合は、監査役を
設置しなければならない(327Ⅲ)
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(1)会計監査人の資格等(337)
1. 資格:公認会計士または監査法人(337Ⅰ)
2. 欠格事由(監査の公正性確保と会計監査人の独
立性確保の要請):337Ⅲ
① 公認会計士法の規定(24~24ノ3)により当該株式会
社の計算書類等(435Ⅱ)に係る監査をすることがで
きない者:当該会社の役員等
② 子会社もしくは子会社の取締役、会計参与、監査役も
しくは執行役から公認会計士もしくは監査法人の業務
以外の業務により継続的な報酬を受けている者また
はその配偶者
③ 監査法人で、その社員の半数以上が前号に掲げる者
であるもの
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(2)選任・解任等
• 原則として、株主総会の普通決議で選任・解任
(329Ⅰ、339Ⅰ・309Ⅰ):登記事項(911Ⅲ⑲)
• 任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終
のものに関する定時株主総会の終結時まで(338Ⅰ)
• ただし、この総会で再任しない旨の決議が行われない
限り、自動的に再任されたものとみなされる(同Ⅱ)
• 会計監査人を選任・解任する議案の提出や再任しない
旨の議案の提出に関しては監査役(会)の同意が必要。
監査役が会計監査人の選任・解任議案を出すよう取締
役会に要求することもできる(344)
• 会計監査人は上記株主総会において意見を陳述するこ
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とができる(345Ⅴ)
(2)選任・解任等
• 任期中に総会決議で会計監査人を解任する場合、
正当な理由なく解任された会計監査人は、それ
によって生じた損害の賠償を会社に請求できる
(339)
• 監査役等による会計監査人の解任(340)
–
–
–
–
–
340Ⅰに列挙する事実がある場合
監査役が複数いる場合は全員の同意による
監査役会設置会社では監査役会
解任後最初の株主総会で報告
委員会設置会社では監査委員会の権限
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(2)選任・解任等
• 欠員が生じた場合:会計監査人は役員ではない
ので、補欠会計監査人を選任することはできな
い(329Ⅱ)
• 取締役(代表取締役)により遅滞なく株主総会
が招集され、後任の会計監査人が選任されない
場合、監査役(会)が一時会計監査人を選任し
なければならない(346Ⅳ)
• 会計監査人の資格等および監査役等による解任
の規定は一時会計監査人にも準用される(同
Ⅴ)
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(3)報酬
• 会計監査人(一時会計監査人)の報酬は、会社
と会計監査人との間の委任契約の内容であるの
で、取締役が業務執行として決定するが、会計
監査人の独立性を確保するため、監査役(会)
の同意を得なければならない(399Ⅰ)
• 監査役が複数いる場合はその過半数の同意
• 委員会設置会社では監査委員会(報酬委員会で
はない点に注意)
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(4)権限・職務
• 会社の計算書類および付属明細書、臨時
計算書類ならびに連結計算書類の監査
(会計監査に限る)および会計監査報告
の作成:396Ⅰ
• 監査に必要な情報収集権限:会計帳簿・
資料の閲覧・謄写権、会社および子会社
に対する報告徴収権、業務・財産調査権
等(同Ⅱ~Ⅳ)
34
(4)権限・職務
• 監査役(会)に対する報告義務:本来は、業務
監査権限はないが、会計監査の職務遂行上、取
締役(執行役)の不正行為や法令・定款違反の
行為を発見する可能性が高い
• そのような重大な事実を発見した場合は、遅滞
なく監査役(会)・監査委員会に報告しなけれ
ばならない(397)
→報告を受けた監査役・監査委員が善管注意義
務に基づき業務監査権限を行使する
• 監査役(会)等は、会計監査人に報告を求める
35
ことができる(397Ⅱ)
(4)権限・職務
• 定時総会における意見の陳述(398Ⅰ):計算
書類等が法令・定款に適合するかどうかにつき、
会計監査人が監査役(会)等と意見を異にする
ときは、会計監査人は、定時株主総会に出席し
て意見を述べることができる
• 定時株主総会において会計監査人の出席を求め
る決議があったときは、会計監査人は、出席し
て意見を述べなければならない(398Ⅱ)
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(5)義務と責任
• 会社に対して善管注意義務を負い(330、民644)、
任務懈怠により損害を与えた場合、会社に対して
損害賠償責任を負う(423Ⅰ)→代表訴訟の対象
(847)
• 責任の一部免除については、社外取締役等と同様
の扱い
• 任務懈怠につき悪意または重過失があるときは、
第三者に対しても損害賠償責任を負う(429Ⅰ)
• 会計監査報告における重要事項について虚偽記
載をなした場合(無過失の立証責任転換:同Ⅱ④)
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Ⅴ 検査役
• 「検査役」とは、必要に応じて裁判所が
選任する臨時の機関(弁護士等が選任さ
れる)である
• 総会検査役(306)
• 業務・財産検査役(358)
• 変態設立事項等の検査役(33)
※それぞれにつき選任を申し立てる者、要
件が異なる点に注意
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