取締役の責任と代表訴訟 ・取締役の責任軽減 ・代表訴訟の合理化 1 取締役の責任軽減(1) • 平成14年5月に施行された改正商法により、 266条1項5号に関する責任は、取締役が 善意・無重過失である場合に限り、一定額を 控除して責任を免除することができるように なった。 • 責任を免除することができない限度額や責任 軽減の手続は、代表取締役・平取締役・社外 取締役、監査役等に応じて異なる。 2 取締役の責任軽減(2) 代表取締役 賠 償 責 任 額 報酬の6年分 平取締役 報酬の4年分 社外取締役 監査役 報酬の2年分 報酬:取締役の報酬、使用人の給与その他の職 務遂行の対価、退職慰労金(6・4・2年相当分) ストック・オプションの行使による利益(=新株予 約権の譲渡対価取得分) 3 取締役の責任軽減(3): 責任軽減の3つのパターン ① 株主総会の特別決議による免除(事後的) 対象:全取締役・監査役 ② 事前に定款に規定しておき、取締役会決議で免 除 対象:全取締役・監査役 ③ 定款に予め責任限定契約を結べる旨の規定を 定め、社外取締役との間で契約締結 対象:社外取締役 4 株主代表訴訟の合理化 • 平成5年:提訴手数料を一律8200円(現在は1万 3千円)に、勝訴した場合の弁護士費用その他必 要費のうち相当額を会社に請求できることに、帳簿 閲覧権の持株要件が10%から3%に引き下げ →株主代表訴訟の提起が急増 • 平成13年:①会社側の考慮期間の延長、②公告、 通知の制度化(訴訟参加の機会を保障)、③訴訟 上の和解における取締役の責任免除を制度化、 ④被告取締役の側への会社の補助参加を可能と した(監査役の同意を要件) 8
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