集合的意識は存在するか

集合的意識は存在するか
蛭川 立
(明治大学情報コミュニケーション学部)
Micro-PK実験
• 本質的にランダムな事象(量子力学的なプロ
セスなど)を意識の力によって偏らせることが
できるか?
• かつては放射性元素の崩壊などが用いられ
たが、現在では電子的な乱数発生器
(RNG,REG)が用いられる。
プリンストン大学PEARでの実験結果
• Jahn & Dunne 1987
Field RNG実験
• 意識的にRNGの値を偏らせようとしなくても、
大勢の人が感情的に高揚している場所に
RNGを置いておくだけで出力が偏る、つまり
人々の「集合的意識」がRNGに作用するとい
う可能性が考えられている
通常のRNG実験での出力値の標準化
x  np
Z
np(1  p)
Field-RNG実験での値の累積
n
 (Z
i 0
2
i
 1)  ( Z 0  1)  ( Z 1  1)    ( Z n  1)
2
2
2
青森ねぶた祭
2003年の青森ねぶた祭の前後での
RNGの出力
• Hirukawa & Ishikawa 2004
ブラジルでの調査
• 先住民の文化と世界各地からの移民の文化
が混じり合って非常に多様な文化を形成して
いる
• 集団的熱狂を好む国民性がある(カルナバル、
サッカー、その他宗教儀礼など)
Guarani
• ブラジル南部~パラグアイの先住民族
• タバコ、マテ茶などを用いて儀礼を行う
Guaraniの歓迎儀礼
Guaraniの歓迎儀礼(2004/4/23)
• Hirukawa et al. 2006
Djavan Caetano Viana
• MPB(Música Popular Brasileira)を代表するシン
ガーソングライターの一人
Djavanのライブ(2004/9/3)
• Hirukawa et al. 2006
全体的な調査結果
• さまざまな儀礼、イベントで計測した結果、
RNGの出力が有意に偏った結果が有意に多
かった
• RNGの出力が有意に偏らなくても、グラフは
山形になることが多いことがわかった
• RNGの出力の偏りは、イベントの人数やイベ
ントからの距離とは、はっきりした関係がな
かった
Santo Daime
• アフリカ系ブラジル人によって始められたカト
リック系新宗教団体
• アマゾン先住民が儀礼に用いている薬草茶
アヤワスカを使って礼拝を行う
• 近年、ブラジル都市部からさらに世界各地に
進出しつつある
Santo Daimeの礼拝
Santo Daimeの礼拝(2004/4/25)
• Hirukawa et al. 2006
今後の展望
• まだ研究は始まったばかりで、とにかくデータ
の蓄積が必要
• 人数によって効果は変わるか?
• 効果は距離によって減衰するか?
• イベントの性質によって効果は変わるか?
• もしMicro-PKが存在するなら、それを説明す
る理論が必要(量子力学における観測問題
の見直し?)
地球意識プロジェクト
Global Consciousness Project
• 地球上の各地のRNG(現在は約100個)を
ネットワークで結んで、24時間体制で観測を
行うプロジェクト
地球意識プロジェクトの観測地点
2001年9月11日の観測結果
• Radin 2006
最新の観測結果
• http://noosphere.princeton.edu/
• から見ることができます
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