79GHz帯高分解能車載レーダと 電波天文業務との共用検討 -検討経過と結果- 岡保利佳子、立澤加一、亀谷收、川口則幸 (電波天文周波数小委員会) 山本智(東京大学)、高野秀路(野辺山) 79GHz帯車載レーダに対する電波天文としての 対応についての議論は、亀谷の口頭発表にて。 79GHz帯車載レーダの特徴 周波数帯域:77-81 GHz 周波数帯域レーダ出力:-26dBm/MHz レーダ数:車両1台あたり4個 普及予測:10年後に普及率0.3% (推進側の予測) 分解能:最高で、10cm未満 これらの性能により、交通死亡事故を 減らすことを目的とする。 干渉の検討の進め方 ITU-R勧告 RA.769とそれに付随した勧 告を基本として、干渉の影響を評価す る。 受信機温度は、野辺山の受信機温度を 採用する。 野辺山閾値 -191.35dBm/MHz 現地における実験をもとに検討するので はなく、モデル計算による。 干渉計算に含む諸条件 自由空間伝播損失 大気吸収損失 回折損失 樹木減衰(10 km 以内は 見通し外で一律35dB) 電波望遠鏡0dBiとする。 レーダ0dBiとする。 レーダ数は自動車1台あ たり4台とする。 山岳地には、車はいない。 都市構造による遮蔽損 (10km以遠 10.16dB) バンパー損失は含まな い。 1単位観測時間を2000秒 (RA.769による)とする。 殆どの領域においては、 野辺山からの距離に応じ て1kmおきに区切ったリ ング状のエリアを更に8方 位もしくは16方位で区切 り、そのすべてのエリアか らの干渉量を合計して、 干渉許容レベルを超える か否かを比較することに より検討した。 79GHz帯車載レーダの干渉計算 1.望遠鏡から約10km以遠 100km以遠は、レーダ密 度40台/km2、全方位均 一ナイフエッジモデル。 10km~100km:レーダ の分布をもとに、エリア 毎に山での回折等を計 算。 第一モデル(最初):8方位、 車両数は、標高-人口密度関 係式を利用。野辺山近傍では 合わない。(前年度ユーザー ズミーティングで発表) 野辺山45m望遠鏡か ら半径100kmのエリア 野辺山45m 望遠鏡と半径10km のエリア 100km 100km 長野県 北 杜 市 山梨県 第二モデル:8方位、エリア毎に野辺山からの距離に応じて、実際 との食い違いを補正する係数を乗じる。方位による特徴は考慮せ ず。 第三モデル:16方位、エリア内の市町村の人口密度を使用。エリア 内に市町村役場がない場合、空白エリア(点)として標高‐人口密 度モデル(補正係数利用) 野辺山からの距離によって、補正係数 は0.2から100までの幅があった。 第四モデル(最終):16方位、各エリアが所属する市町村を調べ、 その市町村の人口もしくは、車両数を使用する。(空白エリアはなく なる)、統計資料は天文台提供 2. 45m望遠鏡から約10km以内 道路は主な道路に限定し、交通量を見積もる。 2000秒間に自動車が望遠鏡近くを通過する確率は、 ポアソン分布使用。 RA.1513勧告の解釈が電波天文と推進側で異なる。 →2000秒を単位観測とし、干渉閾値を超える観測数が 全体の2%以下。(電波天文)/干渉許容レベルを超え る時間が、時間率2%以下。(推進側) 望遠鏡からの見通しの有無は、45m望遠鏡センターハ ブからの撮影による。→高度が不十分なため、少な目 に見積もる可能性有。 (例:距離11kmにある本沢温泉は見通しとなる。) 見通し外は、樹木減衰として35dBを適用。 →野辺山及び周辺の樹木は落葉樹(カラマツ)が主体 なので、遮蔽の影響はこれより小さい可能性有。 主な結果、まとめ ITU 勧告に従い、離隔 距離を計算した。 ← RA.1513の解釈の違い で、離隔距離が異なる。 推進側は、 2000秒間の 観測時間のうち、見通し内 の干渉が時間率で2%以下 の干渉は無視し、干渉計算 に含めない。 普及率が0.3%では、 天文台側: 離隔距離-ほぼ10km 推進側: 離隔距離-ほぼ400m
© Copyright 2024 ExpyDoc