地域イントラネットを活用 した電子自治体 最善の住民サービスの実現に向け, 混迷からの再スタート 於:砺波市 富山大学総合情報処理センター Computing and Network Services 高井正三(Shoso Takai) 2003.03.05(WED) 目 次 1.情報技術の動向とインターネットの現状 2.米国の電子政府政策とその現状 3.電子自治体の実現に向けて 4.行政CRMと行政BPRの実施 5.地域ポータル・サイト 6.電子自治体システム体型 7.電子自治体実現のステップ 8.先進事例 9.混迷からの再スタート 2003-03-05 Computing and Network Services 2 1.情報技術の動向とインターネットの現状 1)インターネットはどのような状況にあるのか? 2)インターネットの中身は何か? 3)インターネットで何ができるか? 4)ビジネスやサービスがどのように変わるのか? 5)電子政府、e-Japan重点政策とは何か? 2005年までに世界最先端のIT国家になるためにど のような政策が実施されるのか? 6)ネットワークの脅威からどのようにセキュリティを確 保するのか? 7)今後私たちの生活はどのように変わるのか、どの ように対応していくのか? 2003-03-05 Computing and Network Services 3 1)インターネットはどのような 状況にあるのか? インターネット利用人口(2002年4月) アメリカ合衆国 中国 日本 ドイツ イギリス 166,000,000人 56,600,000人 51,300,000人 32,200,000人 29,000,000人 (NetRating) 2003-03-05 Computing and Network Services 4 インターネット利用人口(NetRating) アジア地域(2002年4月) 中国 日本 韓国 台湾 香港 シンガポール 2003-03-05 56,600,000人 51,300,000人 27,800,000人 11,600,000人 4,400,000人 2,300,000人 Computing and Network Services 5 平成14年度情報通信白書 (総務省2002年7月2日発表) IT活用型社会の胎動のポイント ①インターネット利用者数 5,593万人 (平成13年12月末現在)【世界第2位】 ②ブロードバンド(DSL, CATV, FTTH, FWA)普及 386.8万人(平成14年3月 末現在)【世界第3位】1年間で4.5倍 等 ※ただし、複数のプロバイダを重複調査? 2003-03-05 Computing and Network Services 6 インターネットの普及状況1(国際比較) インターネット人口普及率 2002.03 44.0%(世界第16位) 利用者数は世界3位で 5,593万人 PC利用者4,890万人(87.4%) PCのみの利用者2,953万人(52.8%) 携帯インターネット加入者 5,192.5万人 (全携帯電話利用人口の72.3%) 携帯,PHS,PDAからの利用者2,504万人 (44.8%) 2003-03-05 Computing and Network Services 7 図表3) 端末別にみた個人のインターネット利用者数・比率 2003-03-05 Computing and Network Services 8 図表4) 利用場所別にみたパソコンからのインターネット利用者数 2003-03-05 Computing and Network Services 9 インターネットの普及状況2 企業のインターネット普及率 2002.03 97.5%(事業所は68.0%) 全社的LAN57.3%、 一部は28.1%(計85.4%) 外部から企業内LANへの接続可能な企業 42.6% 投資コストに見合った効果があった 58.7% 2003-03-05 Computing and Network Services 10 インターネットの普及状況3 自治体における情報化 2002.03 LAN整備 都道府県100.0% 市区町村は88.6% PC配備状況 都道府県1.1人に1台 市区町村1.7人に1台 ホームページ開設 都道府県 100% 市区町村 83.3% 課題 申請、届出等手続きの電子化の評価低い 2003-03-05 Computing and Network Services 11 情報セキュリティの確保 60.3%の企業でウィルス被害、不正アク セスなどの障害が発生 ウィルス・ワームは94%の企業で感染 SPAMメール、中継被害は15.8% DoS攻撃は7.1% Webでの誹謗中傷は5.5% ホームページの改ざんは4.9% 2003-03-05 Computing and Network Services 12 インターネット接続サービスの利用 者数等の推移(総務省総合通信基盤局,2002.04) DSL[digital subscriber line]サービスの利用者数 2,699,285人 FTTH[Fiber to the Home]サービスの利用者数 34,930人 CATV網を利用した接続サービス加入者数 1,533,000人 携帯電話端末による接続サービス利用者数 52,870,000人 ダイアルアップ型接続サービス利用者数 22,821,000人 2003-03-05 Computing and Network Services 13 インターネット白書2002 (インプレス:コンピュータ関連出版社、2002.07.02) 46,196,000人(2002年2月) 5,718,000人(1997.02)の8倍 32,636,000人(昨年、2002) +13,560,000人増加 2002年末 54,300,000人 インターネット世帯浸透率 62.4% (1世帯に1人でもインターネット利用者がいる割合) ブロードバンド接続利用世帯 18.5% 2003-03-05 Computing and Network Services 14 2.インターネットの中身は何? インターネットに流れているデータの種類 電子メール、メーリング・リスト 約5% SMTP(Simple Mail Transfer Protocol) 電子ニュース(Netnews) 約10% NNTP(NetNews Transfer Protocol) WWW(ホームページ) 50% HTTP(Hyper Text Transfer Protocol) Peer to Peer(P2P, WinMX, Freenet)他 約35% 2003-03-05 Computing and Network Services 15 3)インターネットで何ができるか? インターネットの3大利用サービス 電子メール(メーリング・リスト) 電子ニュース(Netnews) WWW(ホームページ)検索 その他のサービス ファイル転送(FTP) 映像、音楽の配信 IP電話 グリッド・コンピューティング PtoPによる個人対個人通信 2003-03-05 Computing and Network Services 16 便利なポータル・サイトを見つける 「超整理法」の「野口悠紀雄Online http://www.noguchi.co.jp/ 「インターネット「力」を磨く本」の原野守弘 http://www.harano.net/ 【「活用主義」で整理した「厳選」情報源】 NECのBIGLOBE http://www.biglobe.com/ 「One to Oneマーケティング」の村山哲治 http://www.tokyodoors.co.jp/ 2003-03-05 Computing and Network Services 17 野口悠紀雄Online インターネット情報源 (1)ニュース・メディア、(2)政府と大学 (3)経済情報、(4)オンライン・ショッピング (5)データベース、(6)生活実用情報 (7)グルメ、エンターテインメント、旅行、趣味 インターネット情報源ライト(Light)版 野口悠紀雄のコメント、サイトの特徴を提示 マイ情報源 普段閲覧しているサイトをブックマークに登録 2003-03-05 Computing and Network Services 18 4)ビジネスやサービスが どのように変わるのか? 情報がWebに載り、各自が取りに行く 常に最新の情報が載らないサイトはアクセ スされなくなる 総ての情報システムはWebベースとなる 情報の更新を素速くできるWebサイト 顧客から必要な情報を集めることができる ダイレクトに最新情報を提供できる 2003-03-05 Computing and Network Services 19 4.1) ビジネスやサービスが どのように変わるのか(2) 情報の提供機会が均等になり、間違った 情報や質の悪い情報を見分ける能力が必 要になる デマ情報も簡単に伝わる インターネット犯罪が益々増える 小中学生でも簡単に物が買える スピード・ビジネスが勝敗を分ける 2003-03-05 Computing and Network Services 20 4.2) ビジネスやサービスが どのように変わるのか(3) マナーやモラルが問われるようになる インターネット検索力で差がつく ビジネス上のトラブルが増え、Webによる 被害者(クレジットカード等の)が続出する 誘惑メールが飛び交い、マナーの乏しい我 が国では問題のホームページが氾濫する やがて教育の重要さを再認識する 2003-03-05 Computing and Network Services 21 5)政府が進める電子政府、 e-Japan重点政策とは何か? 「2005年までに世界最先端のIT国家」 (世界最先端の情報技術立国)を目指す インターネットを基盤とした社会を、世界のど の国よりも早く構築する 4000万世帯が高速インターネット・アクセス 網に常時接続可能な環境を整備する IT関連予算が約2兆円(2002年度) 2003-03-05 Computing and Network Services 22 政府が進めるe-Japan重点政策 2001年(平成13年)3月29日発表 5つの重点政策分野 (i)世界最高水準の高度情報通信ネットワーク の形成 (ii)教育及び学習の振興並びに人材の育成 (iii)電子商取引等の促進 (iv)行政の情報化及び公共分野における情報通信 技術の活用の推進(電子政府) (v)高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の 確保 2003-03-05 Computing and Network Services 23 2005年までに世界最先端のIT国家になるた めにどのような政策が実施されるのか? e-Japan重点政策の実行 官民の役割分担 民間は情報通信分野において主導的な役割 政府は、電子政府の実現、デジタル・ディバ イドの是正や基盤的技術の研究開発 予算の効率的配分に留意しつつ積極的に対応 IT戦略本部:毎年春に重点計画の見直し、毎年 春と秋に施策の推進状況の調査を行い、その結 果を随時公表する 2003-03-05 Computing and Network Services 24 世界最高水準の高度情報通信 ネットワークの形成(目標) 5年以内に超高速アクセス(目安として30 ~100Mbps)が可能な世界最高水準のイ ンターネット網の整備を促進 3000万世帯が高速インターネット・アクセス 網(DSL(ADSL,…),CATV) 1000万世帯が超高速インターネット・アク セス網(FTTH)に常時接続可能な環境整備 日本全体で4,600万世帯 2003-03-05 Computing and Network Services 25 世界最高水準の高度情報通信 ネットワークの形成(目標-2) 短期的には、1年以内に有線・無線の多様なアク セス網により すべての国民が極めて安価にインターネットに常時接 続することを可能とする これに必要なあらゆる手段を速やかに講ずる プライバシーとセキュリティの保護がしやすい IPv6を備えたインターネット網への移行を推進す る 十分なアドレス空間を備え インターネット端末やインターネット家電が普及 2003-03-05 Computing and Network Services 26 世界最高水準の高度情報通信 ネットワークの形成(目標-3) 最先端の高速無線インターネット環境を実現し、 シームレスな移動体通信サービスを実現する 高度道路交通システム(ITS) 地理情報システム(GIS) 等と連携した高度な移動体通信サービスを普及・促進 国際的なインターネットアクセスの超高速化を目 指す 放送のデジタル化を推進 2003-03-05 Computing and Network Services 27 世界最高水準の高度情報通信ネットワーク の形成(将来像) 超高速インターネット (FTTH:家庭に光ファイバー)を1000万 世帯へ(現在3万世帯) 高速インターネット(DSL,CATV、無線)を 3,000万世帯へ(現在380万世帯) IPv6を備えたインターネット網への移行 シームレスな移動体通信サービス 放送のデジタル化 2003-03-05 Computing and Network Services 28 教育及び学習の振興 並びに人材の育成(目標) 2005年のインターネット個人普及率予測値 の60%を大幅に上回ることを目指す すべての国民の情報リテラシーの向上を 図る 小中高等学校及び大学等のIT教育体制を 強化する 社会人全般に対する情報生涯教育の充実 を図る 2003-03-05 Computing and Network Services 29 教育及び学習の振興 並びに人材の育成(目標ー2) T関連の修士、博士号取得者を増加させる 国・大学・民間における高度なIT技術者・ 研究者を確保する 併せて、2005年までに3万人程度の優秀な 外国人人材を受け入れる 米国水準を上回る高度なIT技術者・研究 者を確保する 2003-03-05 Computing and Network Services 30 教育及び学習の振興 並びに人材の育成(将来像) 学校教育の情報化 IT普及国民運動の推進 IT分野での職業能力開発支援 大学改革の積極的推進 大学が、独創的な研究を活発に行うとともに、地域の 産業や生涯学習等の知的拠点となって、多様な人材 が輩出され、最先端の技術が数多く開発される。 コンテンツクリエイターの育成 2003-03-05 Computing and Network Services 31 IT普及国民運動の推進等 パソコンの基本操作、文書の作成、インターネッ トの利用、電子メールの送受信等を習得するた めのIT基礎技能講習(550万人) 中小企業経営者向けにITが経営に与える影響 等の理解の促進するためのIT講習等(29万人) 消費生活に関する情報を自由に取得・活用する 技術を習得するためのIT講習等(約18万人) 都道府県の女性センター等におけるIT講習等 (約2万人) 企業経営者による戦略的情報化投資の企画立 案を支援するためのIT講習等(約1.5万人) 農林漁業者等を対象としたIT講習等(約1万人) 2003-03-05 Computing and Network Services 32 電子商取引等の促進(目標) 2003年における事業者間(BtoB:Business to Business)取引の市場規模が、予測値で ある 70兆円程度(1998年の約10倍)を大 幅に上回ることを目指す 事業者・消費者間(BtoC: Business to Consumer )取引の市場規模が、予測値で ある 3兆円程度(1998年の約50倍)を大幅 に上回ることを目指す 2003-03-05 Computing and Network Services 33 電子商取引等の促進-2 民間における自由で多様な経済活動を促 進するための規制の見直し 安心して参加できる電子商取引のための ルール整備 知的財産権の適正な保護及び利用 消費者保護 中小企業のIT基盤の整備 2003-03-05 Computing and Network Services 34 行政の情報化及び公共分野における 情報通信技術の活用の推進 行政分野の情報化(2003年度) 行政情報の電子的提供 (電子政府) 申請・届出等手続の電子化 パスポート申請などを自宅から 歳入・歳出の電子化 調達手続の電子化 (46,000の手法と600本の法律を改正) ペーパーレス化(電子化) 2003-03-05 Computing and Network Services 35 公共分野の情報化 科学技術・学術研究分野の情報化 芸術・文化分野の情報化 保健、医療、福祉分野の情報化 雇用分野の情報化 ITSの推進 環境分野の情報化 GISの推進 防災分野の情報化 2003-03-05 Computing and Network Services 36 高度情報通信ネットワークの 安全性及び信頼性の確保 制度・基盤の整備 政府部内の情報セキュリティ対策 民間部門の情報セキュリティ対策・普及啓蒙 重要インフラのサイバーテロ対策 人材育成・国際連携等 2003-03-05 Computing and Network Services 37 横断的な課題 研究開発の推進 デジタル・ディバイドの是正 社会経済構造の変化に伴う新たな課題へ の対応 国際的な協調及び貢献の推進 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略 本部の役割等 2003-03-05 Computing and Network Services 38 高度情報立国へのこれまでの経過 1999年12月19日「ミレニアム・プロジェクト」 内閣総理大臣決定 1999年7月7日「情報通信技術戦略本部(I T戦略本部)」設置、「IT戦略会議(議長 SONY出井伸之会長)」設置(森内閣) 1999年11月27日「IT基本戦略」決定 1999年11月29日「高度情報通信ネットワー ク社会形成基本法(IT基本法)」成立 2003-03-05 Computing and Network Services 39 2001年1月6日「IT基本法」施行、 「IT基本 法」により「高度情報通信ネットワーク社会 推進戦略本部(IT戦略本部)」を設置 2001年1月22日「e-Japan戦略」策定 2001年3月29日「e-Japan重点計画」発表 2001年5月31日「e-Japan2002プログラ ム(案)」公表(小泉内閣) 2001年6月26日「e-Japan2002プログラ ム」決定、「e!プロジェクト」発表 2002年3月末,全国の公立小中高等学校 でのネットワーク基盤の整備完了 2003-03-05 Computing and Network Services 40 2002年4月全国の公立小中高等学校がイ ンターネットに接続開始 2002年8月住民基本台帳ネットワーク・シス テム1次稼動開始 今後、道路交通情報通信システム(VICS) を全国で実施 2003年3月末電子政府の基盤構築完了 2004年電子入札システム 2005年インターネット個人普及率60%以上 光ファイバー網全国整備完了 全国の公立小中高等学校でのLAN敷設完了 2003-03-05 Computing and Network Services 41 6)どのようにネットワーク脅威 から防衛するのか? 不正アクセスはなぜ発生するのか どのような対策が必要か どのような技術が使えるか それでも守れれないことがある 社会的な防御手段 (1)山口英(やまぐち すぐる)@奈良先端科学技術大学院大学 著 「ブロードバンド時代のインターネットセキュリティ」岩波科学ライブラリー 85,ISBN4-00-006585-8,2002.03.28,岩波書店 (2)足利俊樹,株式会社ラックコンピュータセキュリティ研究所, 「ゼロから始めるセキュリティ対策」日経バイト、2001.1月号~6月号参照 2003-03-05 Computing and Network Services 42 不正アクセスはなぜ発生するのか 不正アクセスとは コンピュータの管理者や利用者の意図に反して、ネットワーク 経由で、許可無くプログラムを起動したり、稼働中のプログラ ムの処理に悪い処理をして、妨害すること=攻撃すること 不正アクセスはなぜ発生するのか 犯罪者(プロ、アマチュア、モラルハザードを起こす内部関係 者、スクリプト・キディ等)が目的をもってシステムを攻撃する ユーザが誤ったシステムの使い方をして、気づかないでいる 第三者の作った攻撃ツールで、おもしろ半分に攻撃する テロリストなど政治的、宗教的、国際的思想をもって攻撃する 2003-03-05 Computing and Network Services 43 ネットワークの脅威とは システムへの不正侵入 盗聴 なりすまし サービス不能攻撃(DoS,DDoS) コンピュータ・ウィルス 間接的攻撃 Webサイトにアクセスするだけで情報漏洩、システム 破壊の脅威にさらされる モラルハザード(責任感、倫理観の欠如) 2003-03-05 Computing and Network Services 44 どのような対策が必要か 何を守るか 資産、情報資産 脅威は何か ネットワークに接続した時おこる脅威(前述) 内部犯罪 リスク評価 脅威の対称となる情報資産を洗い出し、その脅威の 発生率と顕在化したときの影響範囲、損害コスト=被 る損害額を計算して、どれだけの予算をセキュリティ 対策に割り当てることが妥当か定量的に考えること 2003-03-05 Computing and Network Services 45 どのような対策が必要かー2 セキュリティ・ポリシーとルールを作る 認証と権限 物理セキュリティ 入退出管理、侵入監視、装置の設置、コンピュータ とネットワーク機器の物理的破壊からの防衛、温 湿度管理、火災、盗難、ケーブル保護、電源対策 論理セキュリティ コンピュータやネットワークに組み込まれたセキュ リティ対策機構の設定とその運用方法 2003-03-05 Computing and Network Services 46 セキュリティ・ポリシーとルールを作る 信頼性確保 利用者がいつでも使えるように安定稼働を実現 システムの可用性、信頼性、サービス可能性向上 データの機密保持 漏洩の防止、アクセス権限 データの暗号化 手続きの策定 ポリシー、ルール、マニュアル 利用者の啓発活動、教育訓練の実施 ネットワーク利用ガイド、講習会、研修会、講演会 2003-03-05 Computing and Network Services 47 どのような技術が使えるか 利用可能な技術には、 通過を阻止する アクセス制御をする 分離して検査する 通信を監視する 利用者を制限する 記録を残す 2003-03-05 Computing and Network Services 48 どのようなセキュリティ技術を使うか 強いシステムをつくる パスワード・システム 使い捨てパスワード その他の認証システム(バイオ認証等) ウィルス・チェッカーの利用 ファイルの書き換え検査 モニタリング 2003-03-05 Computing and Network Services 49 どのようなセキュリティ技術を使うか ネットワークを堅牢にする ファイアウォール、バイラス・ウォール 不正侵入検知システム サービスの利用制限 ネットワーク環境での認証システム 公開鍵暗号と電子署名、PKIでの証明書、証 明書の検査,PKIアプリケーション VPN(Virtual Private Network) IPsec(IP Security Protocol) 2003-03-05 Computing and Network Services 50 どのようなセキュリティ技術を使うか プロバイダーISPのサービスを利用する ISPのセキュリティ管理サービスを利用する エンドユーザにおける対策 セキュリティ・ポリシー ソフトウェアのバージョン・アップ ウィルス対策ソフトウェアの導入 電子メール利用上の注意 Web利用上の注意 ルータの設定を見直そう 2003-03-05 Computing and Network Services 51 それでも守れないことがある サービス妨害攻撃(DoS) トラフィック飽和攻撃 SPAM(スパム) 広告を目的として大量の電子メールをばらまく 知的財産権の侵害 著作権を取得せず勝手に使う バッファ・オーバーフロー攻撃 掲示板や訪問者調査などで必要以上のデータを書き 込み、システムの欠陥を突いて攻撃する 2003-03-05 Computing and Network Services 52 もしも侵入されてしまったら 問題発生直後 直ちにネットワークの線をはずす 知っている人に確認を依頼する その後の処置 状況の確認、保存、拡大防止 システムの障害除去、復旧、環境の復旧 ユーザの再登録、関係組織への被害報告 再発防止策の実施 2003-03-05 Computing and Network Services 53 社会的な防御手段 行政の取り組み セキュリティ技術者育成支援 セキュリティ・ポリシー・ガイドライン セキュリティ評価・認証制度の創設 暗号技術、公開鍵暗号方式の徹底 セキュリティ関連研究開発支援 サイバーテロリズムとハイテク犯罪への対応 法律の整備、司法制度の対応 2003-03-05 Computing and Network Services 54 7)今後私たちの生活はどのように変わ るのか、どのように対応していくのか? 好むと好まざるとに関わらず、高度情報通 信ネットワーク社会が来る 政府・地方公共団体が電子化され、各種 申請がWebベース申請に代わり、電子署 名と電子認証が制度化され、それが普通 になる 放送がデジタル化し、映像のオンデマンド 配信サービスが普通になる 2003-03-05 Computing and Network Services 55 暮らしはどのように変わるか 住民基本台帳ネットワーク 電子納税、国庫金納付2004年開始 税金 所得税、法人税、消費税 登録免許税、自動車重量税 手数料 行政手数料、労働保険料、 国民年金保険料、厚生保険料 自動車などの登録検査手数料 電波利用料 ATMによる納付、ホームバンキングによる納付 2003-03-05 Computing and Network Services 56 教育の進化(Unisys) eラーニング 遠隔教育 家庭や自治体との連携による情報のオープ ン化 リッチコンテンツの活用による表現力の進化 そして生徒毎のニーズに合ったカスタム教育 2003-03-05 Computing and Network Services 57 企業情報プロセスの効率化(Unisys) E-Business(E-ビジネス) B-toC リッチコンテンツを活用した自動車保険サービ ス B-toB 3Dを活用した商品情報管理 2003-03-05 Computing and Network Services 58 e-Learning 1990年代にアメリカを中心に始まる 最初はDistance Learning(遠隔教育) コースウェアを提供する会社600社以上 市場規模1兆円 国際会議ASTD International Conference&Exposition 12回目(2002) 日本7月24日e-World Learning 2回目 (2002) 2003-03-05 Computing and Network Services 59 e-Learningとは:エリオット・メイシー(Eriott Masie) 「e」は人類の知識の再編成であり、 地域や時間を超えた教育環境の実現であり、 身体的、経済的、地域的ハンディキャップをもっ た人々にハンディなく教育を迎え入れる環境の 実現であり、 高等教育機関、企業、政府機関の壁を超えた教 育環境の実現を行おうという新しい教育への チャレンジである 教育サイクルを適切に短縮し、やる気を起こさせ る教育戦略→eラーニング 2003-03-05 Computing and Network Services 60 e-Learning ツールとして 学習管理システム 独習型コースウェア・オーサリング・システ ム(教育コース教材を作るためのシステム) 講師主導型多地点リアルタイム遠隔講義 システム ビデオ会議システム クラス・スケジューリング・システム 試験・評価作成実施システム 2003-03-05 Computing and Network Services 61 地域社会への貢献と,地域社会の 情報化推進支援を目指す富山大学 総合情報基盤センターの設置 •教育の情報化支援,インターネット 市民塾,生涯学習サービス ・地場産業との共同研究のための 産業情報ネットワーク・サービス ・地域社会への情報化推進支援 サービスする人材の育成 ・教育研究情報の地域および国際的 な情報発信サービス 情報基盤センターとその出先 2003-03-05 Computing and Network Services サテライト支局 62 ネットワークはどのように変わるか 日経インターネットテクノロジー2002-8月号から ADSL (1.5Mbps→8Mbps→12Mbps) 無線LANアクセス・サービス →セキュリティ強化 携帯電話→144Mbps以上(現行56Kbps) ホームネットワーク(後述) レリジェント・バックボーン 100Gbps、障害時でも通信が途切れない エッジ・コンピューティング(後述) IP電話(Internet網を使った電話) → 050(IP電話)-1234(事業者)-5678(IP電話機) 2003-03-05 Computing and Network Services 63 今後はこのように変わる 2003-03-05 Computing and Network Services 64 ホームネットワーク 2003-03-05 Computing and Network Services 65 エッジ・コンピューティング 2003-03-05 Computing and Network Services 66 Webコンピューティングはどのようになるか 日経インターネットテクノロジー2002-8月号から Webサービス Webのプラグ&プレイが現実に PtoP(Peer to Peer) サーバー不要 キラー・アプリケーション開発が進む コラボレーション・ツール コンテンツ配信、ストリーミング配信 コンテンツ共有 開発ツール・キット提供 2003-03-05 Computing and Network Services 67 Webコンピューティングはどのようになるか つづき 日経インターネットテクノロジー2002-8月号から グリッド・コンピューティング ネットワーク上からコンピュータの資源を柔軟に 利用可能 ビジネス分野への応用が始まる セマンティックWeb 機械による自動処理が現実になる ストリーミング 画像や音楽をネットワーク経由でストリーム配信 再生時の操作性はテレビ並 不安定なネットワークでもOK 2003-03-05 Computing and Network Services 68 セキュリティはどのようになるか 日経インターネットテクノロジー2002-8月号から ウィルス/ワーム対策 ウィルスの感染スピードが早すぎるため、感染 経路を自動的に遮断するシステム 悪質なウィルスをいち早く検出するシステム 未知ウィルスの自動検出するシステム リバティ/.NET Passport 異なる認証用Webサービスを連携する シングル・サインオン環境 バイオメトリックス認証(後述) 2003-03-05 Computing and Network Services 69 バイオメトリックス認証 日経インターネットテクノロジー2002-8月号から 2003-03-05 Computing and Network Services 70 2.米国の電子政府政策とその現状 電子政府(E-Government)政策 ブッシュ大統領が発表した5大行政改革の1つ OMBという横断的なIT組織を設立 年間10億ドル(1,220億円)以上のコスト削減を 目指す カリフォルニア州,ワシントン州も電子化に力 を入れている 一方,地方自治体は電子化の重荷に苦しん でいる インターネットマガジン Post-INTERNET from U.S.A.から 2003-03-05 Computing and Network Services 71 情報投資に後れを取った行政 意外に消極的な情報投資 地方自治体の情報通信関係予算>1.5%程度 世界最大のIT投資予算を誇る連邦政府の全 体に占めるIT予算は2.5%程度 480億ドル(約5兆8,500億円) 米国の民間企業は全予算の約8% 連邦政府レベル>メインフレーム・システムと 作り込みソフトウェアによるレガシー・システム 地方公共団体>タイプライターと書類キャビ ネットによる情報管理(?) 2003-03-05 Computing and Network Services 72 連邦政府のCIO役=OMBの登場 OMB(Office of Management and Budget) 民間企業におけるCIO(Chief Information Officer:情 報戦略最高責任者)に当たる存在 連邦政府が進めている400件以上のITプロジェクト (総額は約100億ドル(1兆2000億円)を監視している。 2001年8月9日,電子政府戦略を立案するため,46 省庁から81名のメンバーを集め,「電子政府タスク フォース」(eGovernment Task Force)を設立 2002年2月に報告書を発表した。(以下,その紹介) 2003-03-05 Computing and Network Services 73 電子化政策を阻む4つの要因 ITシステムの目標設定ミス(Program Performance Value) 現在のシステムが必ずしも市民に使いやすい システムになっていないという反省 技術の利用方法のミス ITシステムが既存業務の自動化に力を入れ すぎたとの反省 システムの断片化 官僚主義 2003-03-05 Computing and Network Services 74 システムの断片化 連邦政府のITシステムは約19省の省庁にまた がる28系統の業務が動いている これらのうち,人事管理,経理,調達,出張管理, 物流,経営戦略などがすべての省庁で重複 各種フォーマットは1000種類を超えている 官僚主義 国防総省のシステムは戦争行為を目的としてお り,市民への情報公開はシステムの制約条件 情報共有への不信,作業手順の変更など,省 庁独自の文化を守ろうとする動きが強い 2003-03-05 Computing and Network Services 75 壁を破るための2大プロジェクト 電子認証イニシアチブ(E-Architecture initiative) 認証と電子署名を使って,情報を区分し,安 全に運用できる環境を目指す 一般に公開する情報 他の省庁と共有する情報 内部だけで利用する情報 電子政府基盤プロジェクト The E-Government Architecture project 2003-03-05 Computing and Network Services 76 電子政府基盤プロジェクト The E-Government Architecture project 全連邦政府レベルでの情報システム・アーキ テクチャーを構築する 効率的な利用を4つの観点から検討 ホームランドリー・セキュリティ 2001年9月11日の同時多発テロ事件を契機に 生まれた 2002年の480億ドル>2003年520億ドル その増額の多くはセキュリティー等テロ対策投資 経済促進 社会サービス 基幹業務 2003-03-05 Computing and Network Services 77 OMBの策定した戦略 連邦政府を横断するシステムの速やかな 構築を目指し,最大の報酬を支払う 市民中心の電子政府政策を阻害する要因 の洗い出しとその克服策の立案 行政サービスおよび情報の統合と提供を 保証する技術基盤の構築 2003-03-05 Computing and Network Services 78 電子政府の実現する4分野 -実現できるサービス- G2C(Government-to-Citizens) 政府から市民へのサービス G2B(Government-to-Business) 政府から企業へのサービス G2G(Government-to-Government) 政府から連邦政府,州政府,地方自治体へのサービス IEE(Internal Efficiency and Effectiveness) 政府内部の効率と効果 2003-03-05 Computing and Network Services 79 市民中心のサービスを実現する G2C(Government-to-Citizens) 個人および市民レベルで簡単に政府の情報 サービスを利用できることを目指す 具体的にはローンや各種優遇措置,教育教 材,レクリエーション施設案内などの情報をW ebを通じて提供 2003-03-05 Computing and Network Services 80 企業へのサービス G2B(Government-to-Business) 企業を対象に電子化やオンライン化を進める ことで,政府の作業負担を軽減させる狙い 各種規制や各種優遇措置,各種商業ビジネ ス情報の提供,事業免許の申請・更新,各種 ローンの審査などを対象とする 2003-03-05 Computing and Network Services 81 州政府や地方自治体へのサービス G2G(Government-to-Government) 連邦政府や州政府,地方自治体の情報共有 や報告機能の合理化を目指す 各種経済政策における連携や各種情報資源 の共有,治安維持,警察組織の連携,災害対 策の協調など もっとも難しい分野? 2003-03-05 Computing and Network Services 82 連邦政府内の業務効率の向上 IEE(Internal Efficiency and Effectiveness) すでに一般企業で利用されている調達管理シ ステムや人事管理システム,会計・金融管理 システムなどを大幅に導入 特注システムでは費用面,時間面で高くつく すでに民間企業で実績のあるシステムを採用 した方が確実 2003-03-05 Computing and Network Services 83 電子自治体の課題 -日米自治体CIO会議から- 2003年2月7日,日米の電子自治体関係 者60人余りが,千葉県幕張に初めて集合 ケンタッキー州CIOのアルドナ・ヴァリセン ティ女史の講演後,「トップダウンで自治体 のIT化と業務改革を進めることができる米 国はさすが。日本とはまったく風土が違う」 知事が私に『白紙の小切手を渡す』と言っ た」 2003-03-05 Computing and Network Services 84 「それは,予算をいくら使ってもよい,自分 の業務を自分で規定してよいということで あった。部局の業務の変更を命令できる権 限も与えられた。」 その後,住民税の60万件の電子申告をわ ずか2人の職員で処理できるシステムを開 発。 鉱山開発の許認可業務を大幅にIT化し, 2ヶ月かかっていた審査期間を2週間に短 縮 2003-03-05 Computing and Network Services 85 日本の自治体の課題 IT化によって自治体の業務を効率化でき る十分な体制が整っていない IT化に伴う業務改革を実施する権限をもつ責 任者が不在である 容易に構築できるが,効率化には直結しない システム構築に目を向ける自治体が多い CIOを設置しているのは47都道府県中1 5%の7自治体(7/47).CIO相当の役 職を設置しているのは14自治体の30% 2003-03-05 Computing and Network Services 86 自治体のシステム担当部長が 高い関心を寄せる業務 電子申請 電子決済 電子入札/調達 セキュリティ ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ) 電子認証 アウト・ソーシング 文書管理,・・・ 2003-03-05 Computing and Network Services 87 3.電子自治体の実現に向けて (IBMの考える電子自治体についての抜粋) 電子自治体はそれ自身がゴールではない 行政のBPRとCRMを実現する手段 地方公共団体に内在する財政問題の解決 国の方針である地方分権の推進 市町村合併・広域行政への促進 住民の行政ニーズの変化と行政参加意識に応え るための行政改革(行政のBPRとCRM)実現 (IBM北陸システムズの使用許可を得て転載) 2003-03-05 Computing and Network Services 88 地方公共団体に内在する財政問題の解決 発生主義財務会計制度導入によるマクロ 的財政バランスの把握と的確な改善の実 施 事務事業評価に基づく重点的行財政計画 執行と予算編成 2003-03-05 Computing and Network Services 89 2003-03-05 Computing and Network Services 90 国の方針である地方分権の推進 新たな行政サービスへの効率的な対応 地域ニーズに対応した独自の行政サービ ス 官民協働,アウトソーシング(業務の外注 化)による負荷分散 2003-03-05 Computing and Network Services 91 市町村合併・広域行政への促進 マスメリットを生かした行政サービスの拡 充 地域ネットワークによる行政サービスの地 域格差を解消 2003-03-05 Computing and Network Services 92 4.行政のBPRとCRM)実現 -住民の行政ニーズの変化と行政参 加意識に応えるための行政改革- インターネットによるプッシュ型ワンツーワ ン情報提供 住民と行政の双方向コミュニケーション 2003-03-05 Computing and Network Services 93 行政のBPRを実現する BPR(Business Process Reengineering) パソコン導入やネットワーク化と同時に、既存業 務の進め方、業務そのものが必要かどうかの見 直し、さらには業務や組織のあり方までを含め、 根本的な変革を行うことを通じて行政業務全体 を効率化すること、すなわち「BPR(Business Process Reengineering)」が重要であることが、 次第に認識されるようになってきた。 2003-03-05 Computing and Network Services 94 BPR 一つは、各部局が現在の業務の進め方を持ち寄って、 最も良いもの、すなわち「ベスト・プラクティスに合わせる」 という方法です。CIO(Chief Information Officer)を中心と した委員会などで検討するといった方策がとられる場合 が多くなります。 もう一つの方法は、各部局とも現在の業務の進め方を いったん捨て去り、すべての部局が一斉に新たな業務方 式、すなわち「統合業務パッケージ(ERPパッケージ)を採 用することによって、一気に業務プロセスの見直しを進め る」というものです。 2003-03-05 Computing and Network Services 95 行政のCRMを実現する CRM(Customer Relationship Management ) 民間企業では、近年「CRM:顧客関係性管理」 の活用が広がっている。CRMとは、企業が顧客 ごとに異なるニーズを満たすことによって顧客と の関係を深め、売り上げや利益の拡大につなげ るための活動全般のこと。顧客の属性など基本 情報だけでなく、購買や問い合わせの履歴など の消費行動情報、さらには趣味や嗜好まで様々 な情報を、ITを活用して高度に管理することに よって、顧客ごとに得られる収益を最大化するこ とを目指すもの。 2003-03-05 Computing and Network Services 96 第一に、企業や市民など行政サービスの利用者のニー ズを収集し、分析するインフラの整備が重要 電子政府の構築によって、インターネットを通じて行政 サービスを「24時間365日、ノンストップ、ワンストップ」で 提供することが可能となる 従来の行政窓口、コールセンター、“行政キオスク端末” なども組み合わせることによって、企業や市民が行政 サービスを受ける窓口は多様化する ITを活用すれば、これらの窓口を通じて行政にアクセス する利用者の行動やニーズを統合的に把握することが 可能となる 一方で、企業や市民がより能動的に行政サービスに対し て意見を表明できる電子掲示板などの仕組みを整備す ることも重要となる 2003-03-05 Computing and Network Services 97 第二に,このようにして収集した情報を分析 することによって、行政サービスの利用者の 視点に立ったサービスの実現につなげる 民間企業のCRMにおいても情報の収集に 終始して、肝心の顧客サービスの向上まで 十分つなげることが出来ていない企業は多 くみられる したがって、行政の場合においても、例えば サービス向上に成果をあげた職員や部門に 対して,何らかのインセンティブ(誘因。目標 を達成するための刺激 )を与えるなどの制 度を整える必要がある 2003-03-05 Computing and Network Services 98 第三に、CRMを導入することによって、こ れまで誰に対しても一律であった行政サー ビスを個々の利用者向けのサービスに転 換させることができる これは、民間では「ワン・ツウ・ワン・マーケ ティング(One to One Marketing)」と呼ばれ る手法に相当する。 具体的には、利用者の属性情報や過去の 行政サービスの利用状況などから判断して、 言わば山田さん、佐藤さん、それぞれに対 応した“オーダーメイド”の行政サービスを 提供しようとする考え方 2003-03-05 Computing and Network Services 99 住民の行政ニーズの変化 個人化・ワンツーワン・サービス 地域ブランドの向上 安心・生き甲斐・快適の追求 行政への建設的参画 ボランティア活動等への参画 個性・独創性の重視 応益負担 2003-03-05 Computing and Network Services 100 電子自治体の目標 地域参加による政策形成 地域経済の活性化 新しいコミュニティの形成 住民サービスの向上(CRM) 行政改革(BPR) 住民・行政の協働 2003-03-05 Computing and Network Services 101 電子自治体の実現に向けて 目指すべき全体像を明確にした上で 住民/職員双方の合意を取りながら 小さく始めて,大きく育てること 解決の方向性を見定め 一歩ずつ着実に成果を確認しながら 実行すること 2003-03-05 Computing and Network Services 102 住民の行政ニーズの変化 個人化・ワンツーワン・サービス 地域ブランドの向上 安心・生き甲斐・快適の追求 行政への建設的参画 ボランティア活動等への参画 個性・独創性の重視 応益負担 2003-03-05 Computing and Network Services 103 5.地域ポータル・サイト 教育ネットワーク 電子図書館,サイバー・スクール 産業ネットワーク SOHO支援サービス,商店街CRM 市民総合ネットワーク 公共施設案内・予約 保険・医療・福祉サービス/電子仲介サービス 行政情報ネットワーク 2003-03-05 Computing and Network Services 104 電子学校=サイバースクール 小・中学校教育で重要とされる学校と家庭のコラ ボレーション(協調)を実現 電子的授業参観 電子連絡帳 電子父母会 教材コンテンツの相互利用 教材の登録/評価/配布 教材への要望/作成指導(教材開発事業者) 地域ネットワーク 電子教材ライブラリー 2003-03-05 Computing and Network Services 105 電子図書館 高齢者や障害のある人のために,在宅で図書 館を利用できる仕組みを提供 貸出申込・予約 個人別新刊案内 ディジタル図書閲覧 近隣市町村や県,大学などの図書館との連携 により 蔵書の相互利用 専門分野の蔵書分担 一次文献の入手が可能(学会情報・・・) 2003-03-05 Computing and Network Services 106 SOHO支援システム 地域の新規起業家に対して,事業開始ま での手続きを指導 経営相談やビジネス・モデル策定支援 事業遂行に必要なセクレタリー,総務サー ビスの提供 人材の地域誘致,産業の活性化を目的と するサービス 2003-03-05 Computing and Network Services 107 商店街CRM 顧客へのワン・ツー・ワンで情報発信 催し物案内 お買い得情報 商品入荷案内 商店街CRMサービス 顧客個人化情報 買い物マッチング 道案内ルーティング 街頭端末,電子ポスター,携帯電話で情報提供 2003-03-05 Computing and Network Services 108 6.電子自治体システム フロント・システム(電子自治体の中核)構 成 電子窓口基盤であるアプリポーター 住民等のクライアント(利用者)の相談窓口と なるコンタクト・センターとポータル・サイト 手続き審査等の前処理を行うアプリケーショ ン・マガジン機能 2003-03-05 Computing and Network Services 109 アプリポーター 「アプリポーター」は、ネットワーク上で安心できる 行政サービスを提供するため、実績とノウハウに 基づいた認証・セキュリティ技術による本人確認 や改ざん検知などの機能を装備し、電子窓口を 短期間かつ低コストにて構築するために、電子 申請や情報公開などの認証・セキュリティといっ た共通的な処理機能を一つに統合する基本ソフ トです。またカスタマイズやシステム仕様変更に も柔軟に対応できる製品のため、システム維持 作業も短期間かつ低コストで実現できます。 2003-03-05 Computing and Network Services 110 2003-03-05 Computing and Network Services 111 8.電子自治体実現のステップ 1)情報発信・提供 2)双方向コミュニケーション 電子申請 行政サービス改革(BPR) 3)電子相談窓口 個人化サービス(CRM) 地域企業・団体との協働 4)行政情報の活用・分析 行政評価・政策策定支援 電子コミュニティ ディジタル・デモクラシー 2003-03-05 Computing and Network Services 112 7.先進事例 日刊工業新聞社の電子自治体大賞 大賞 岐阜県 戦略的アウトソーシング、時代を先取り 都道府県部門優秀賞 三重県 三重県民e-デモクラシー構築事業を推進 市・区部門優秀賞 三鷹市(東京都) 市民との協働をベースにIT活用のまちづくり 町村部門優秀賞 園部町(京都府) CATV網を最大限活用した電子自治体の構築 創刊70周年特別賞 西興部村(北海道) 光ケーブルによる高度情報基盤を整備 2003-03-05 Computing and Network Services 113 2003-03-05 Computing and Network Services 114 2003-03-05 Computing and Network Services 115 2003-03-05 Computing and Network Services 116 2003-03-05 Computing and Network Services 117 2003-03-05 Computing and Network Services 118 2003-03-05 Computing and Network Services 119 2003-03-05 Computing and Network Services 120 2003-03-05 Computing and Network Services 121 2003-03-05 Computing and Network Services 122 2003-03-05 Computing and Network Services 123 2003-03-05 Computing and Network Services 124 千葉県市川市 2003-03-05 Computing and Network Services 125 2003-03-05 Computing and Network Services 126 2003-03-05 Computing and Network Services 127 2003-03-05 Computing and Network Services 128 2003-03-05 Computing and Network Services 129 2003-03-05 Computing and Network Services 130 カリフォルニア州 My California 無線サービス 自動車局手続き予約 州税還付状況 州宝くじ 高齢者,障害者サービス 州立公園,キャンプ場利 用予約 映画制作支援プログラム 州電話帳 ・・・ 2003-03-05 看護婦免許 従業員給与支払い報告 道路状況情報 高速道路リアルタイム情 報 入漁免許登録 定期駐車券購入・更新 モバイル住宅登録・更新 非武装警備員免許 美容師免許 Computing and Network Services 131 2003-03-05 Computing and Network Services 132 ニューヨーク州GORR 起業家統合支援 Regulatory Reform ニューヨーク州で新しく事業を始めるため の手続きの総合ガイドと情報提供サイド 36の部局で扱う事業の許認可手続きが 1,100種類の事業種目単位で統合的に提 供される このサービスによって許認可数は従前の 2倍,約4,500件の新規事業に交付された 2003-03-05 Computing and Network Services 133 9.混迷からの再スタート 総務省の新しい政策 共同アウトソーシング・電子自治体推進戦略 予算-28億円 2003-03-05 Computing and Network Services 134 電子自治体構築政策の変更点 従 来 システム開発主体 システム開発費 の負担 運用 スケジュール 2003-03-05 都道府県・市町村 が個別に開発 都道府県・市町村 これから 都道府県が分担して システムを開発し,ソース コードを他の自治体と共用 国(総務省) 都道府県・市町村 都道府県単位にデータ センターを設置し,市町村 と共同利用 中央省庁が提示する 仕様(実施方策)に基づ いてシステムを開発 実施方策の指示を待たずに, システムの開発を開始。 2003年度から順次稼働 Computing and Network Services 135 地方自治体の情報システム構成 住民・企業 電 子 受 付 インター ネット 公的個人 認証局 2003-03-05 組織 認証局 フ ロ ン ト ・ オ フ ィ ス バ ッ ク ・ オ フ ィ ス マルチペイメント・ ネットワーク Computing and Network Services 136 フロント・オフィス 電子申請・届け出(約5,100件) 地方税の電子申告 電子入札 電子調達 政治資金の電子届け出 GIS 公共施設の電子予約 その他:電子公証,情報公開,住民向けe-ラー ニング 2003-03-05 Computing and Network Services 137 バック・オフィス 文書管理 財務会計 人事給与 活動基準原価計算 行政コスト計算書 行政版貸借対照表 自治体ERP(Enterprise Resource Planning) その他:行政マーケティング,行政需要動向分析, 経営(行政)管理サイクル,バランススコアカード, 職員向けのe-ラーニング 2003-03-05 Computing and Network Services 138 総務省の政策のスケジュールと狙い 2002年度 基本設計 10億円 2003年度 2004年度以降 システム開発 28億円 ソースコードを 他の自治体向けに 公開・共用 システム 標準化 業務改革 コスト削減 都道府県単位にデータ センターを設置して 共同利用 コスト削減 2003-03-05 地元ITベン ダーの育成 Computing and Network Services 139 ソース・コード共用化政策の課題と対策 課題 対策 要件定義 先行システムを統 基本設計 合できない。電子 化に伴う業務改革 の指針がない。 詳細設計 共用しやすいソー 開 発 ス・コードを開発で きない。 運 用 共同運営の仕組み 保 守 がない。 2003-03-05 中央省庁間の調整 と電子化のメリット の明確化 システム基礎(デー タ項目,部品化の 基準)の整備 デバックや機能拡 張,ヘルプデスクな どの体制の構築 Computing and Network Services 140 共用化しやすいソース・コードを作る ためのシステム開発基盤作成例 データ項目の定義と統一 給与月額は本給を指すのか手当を含むのかを規定 コード体系の整理と統一 県職員1,警察官2など分類コード規定 外字利用に関する方針の決定 外字を認めるのか,認める場合のコードを管理 システム間連携のインターフェースの策定 データの種類をXMLのタグで定義 2003-03-05 Computing and Network Services 141 ソース・コードを共同運営するための枠組み 法令変更 中央省庁 幹事自治体 または 共同運営体 変更管理 ヘルプデスク マニュアル整備 法令変更への対応 機能強化 通知 デバッグ 問い合わせ A自治体 2003-03-05 B自治体 Computing and Network Services C自治体 142 オープンソースで自立せよ ーIT覇権主義に挑む地方自治体- 2003-03-05 Computing and Network Services 143 オープン・ソースで自立する 地方自治体 大手ベンダーに支配された商習慣やコストの不 透明さと闘い,地域のIT産業を活性化するため の挑戦が始まった。 先行する自治体では設計や開発作業に着手。入 札慣行や地場ベンダーのスキルなど,表面化し た問題の克服にも取り組む。 オープン・ソースの活用は,NPOや住民を,巻き 込んだコミュニティ形成にまで,理想が広がる 2003-03-05 Computing and Network Services 144 北海道 新規のシステム開発の全さーばにオープン・ ソースを採用する方針 宮城県 2004年4月の稼働に向け,県と市町村を結 ぶ共通基盤システムを構築,完成後にアプリ ケーションをオープン・ソース化 会津若松市 新規に構築する電子自治体システムなどを オープン・ソース化していく 2003-03-05 Computing and Network Services 145 静岡県 公共事業の電子入札や業者管理システムなど を市町村とともに2003年度に開発。完成後に アプリケーションをオープン・ソース化 愛知県 災害時の住民支援システムを2002年3月に開 発完了。オープン・ソース化し,自治体に限り無 償で配布・提供中 岐阜県 農業支援システムを2004年度までに,主に オープン・ソースのツールで構築する。完成後は アプリケーションを基本的にオープン・ソース化 2003-03-05 Computing and Network Services 146 長崎県 オープン・ソースのツールで構築した電子県庁 システムが2003年6月から稼働予定。完成後 にアプリケーションをオープン・ソース化 沖縄県 第三セクターを通じてオープン・ソースの活用を 支援 那覇市 施設予約や市民のIT利用をサポートするコー ル・センターのシステムをオープン・ソースで構 築する計画 2003-03-05 Computing and Network Services 147 砺波市の地域ネットワークの活用 学校ネットワーク 公共施設ネットワーク 庁舎内ネットワーク 広域圏事業ネットワーク 電子自治体実現ネットワーク 地域住民への情報提供,情報共有 各種電子申請,・・・ 2003-03-05 Computing and Network Services 148 2003-03-05 Computing and Network Services 149 2003-03-05 Computing and Network Services 150 2003-03-05 Computing and Network Services 151 学校ネットワーク ディジタル教材の活用 E-Learningシステム オンライン・クラス 情報共有 学校活動の市外,国内,国外への発信 世界最大の図書館インターネットを授業に 活用 2003-03-05 Computing and Network Services 152 公共施設ネットワーク 公共施設利用案内 公共施設利用申し込み,予約 公共施設利用者掲示板 生涯学習システム,自習講座 福祉 市民交流支援,市民掲示板 診察予約システム,・・・ 2003-03-05 Computing and Network Services 153
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