チャータースクールの胎動 第二章(p.29~p.72) 総合政策学部2年 平井里沙 環境情報学部3年 須藤浩之 チャータースクールの現況 (1999年9月時点) 32州に1,700校 約35万人の子供 分布には偏り (多い州……アリゾナ、カリフォルニア、ミシガン、テキサス等) 事例1: フェントン・アベニュー・チャーター・ スクール <特徴> 1. 「地獄」からの脱出 2. 学校の完全な自主性 3. 親への教育 4. 自律性と強固な仲間意識 1.「地獄」からの脱出 英語が使えない生徒・教育補助受給資格者が 大半 →朝昼食の無料提供、補習授業の導入 高い生徒の欠席率と教員の欠勤率 →教員の欠勤率80%減少 薄汚い施設 →マルチメディア・コンピューターやネットワークの 設備、校内放送の導入 親の無関心 →親との強いつながりの形成、親の教育の実施 2.学校の完全な自主性 州と学区の教育委員会のあらゆる規制を排除 する必要性 ⇒徹底的な自律的運営へ 運営費の97%を自由に使う 教員や各学年に自由な予算 3.親への教育 オリエンテーションと契約 土曜ワークショップ 宿題の方針、校則、教科書採択、インターネット 利用規約など 子どもと一緒に勉強するやり方の指導 ファミリーセンター 公民、英語、コンピューター、子育て、識字のク ラス 軽食 法律問題や健康に関する相談 4.自律性と強固な仲間意識 自律性とチームワーク 学区雇用からチャータースクール雇用へ 高い労働意欲と協働的な仲間意識、信頼 新任者に対して不快な印象 うまくやっていけない教職員は退職へ 現状 多くの成果 テスト成績、学力のアップ 少人数制学級の導入 独自のプログラムやサービスの追加 etc… カリフォルニアの優秀初等学校に 「この国で最もすばらしい学校のひとつ」 事例2: セコイア・チャータースクール <特徴> 1. チャータースクールが集中している地域 2. 多様な選択肢 3. 野心家・教育起業家 4. 立ち上げ時の多くの問題 1.チャータースクールが集中して いる地域 チャータースクール運動が急速に進展& チャータースクールの激増 半径10マイル=16km以内に66のチャータース クール 公立学校もチャータースクールに対抗 2.多様な選択肢 大きな二つの選択肢 「基礎学力重視」プログラム 経験重視「プロジェクト」プログラム 多様な選択肢で多様なニーズを満たす 聴覚障害児対象 個人別教育 遠隔教育 小規模な大学 3.野心家・教育起業家 チャータースクール運動に熱心な校長と理事 長 「自分で学校運営をやってみたかった」 大胆な将来設計と無限のエネルギー 大規模かつ急速なスタート 応答性と順応性 伝道者のような熱意、進取の気性 お金を稼ぎたいという希望 4.立ち上げ時の多くの問題 内部分裂 計画外の人数受け入れと混乱 突然の転入と一時収用 セコイアの基準に達しない生徒も受け入れ チャーター申請の困難 教師が生徒を連れて近隣のチャータースクール へ 本来の学区からの認可拒否→他学区からの認可 財政運営上の混乱 現状 ダイナミックさ 多様性 生徒と親の満足 バッシングに対する迅速な対応 不安定さ 一貫性のなさ 生徒と教師の入れ替わりの激しさ 慎重さに欠ける運営 事例3: エクセル・チャーター・アカデミー <特徴> 1. 営利的な管理運営会社 2. リーダーシップ哲学とビジネスの原則 3. 学業と親の参加と「道徳教育」 4. 他の学校が危機的ではないにも関わら ず高い満足度 1.営利的な管理運営会社 ナショナル・ヘリテージ・アカデミー(NHA) 市場のインセンティブ・競争原理 州からの補助金 →学校運営に使用しなかった分が利益に 会社側と教員の役割分担 レスポンシブ・アカウンタブル・効率性 • →チャータースクールによって可能に 校長・教員にカリキュラム選択権 「NHA」の「ブランド名」化を目指す 2.リーダーシップ哲学とビジネスの原則 業績主義の賃金システム 教員は毎年3つの評価を受ける 効率性の重視 少ない補助金、財政の逼迫 低予算で新校舎を建築→高い賃貸料を解決 3.学業と親の参加と「道徳教育」 高い人気の成功は、学業面での成功 多くの親が、学業面だけでなく道徳面での教育 を要望している 道徳教育プログラム 公立学校や私立学校、宗派立学校からエクセ ルへ 際立った親の関与- 85%の親が何らかのボランティア・99%が学 年末の保護者会参加・多様な委員会 4.周辺環境と満足度 危機的状況にあるわけではない公立学校制度 NHAチャータースクールに対する高い満足度 95%以上の親が「友達にも薦めたい」 他の学校よりも良い教育を受けている-95% (ただし、NHA自身による調査) 事例4: ホライズン・インストラクショナル・システム <特徴> 1. 場所としてではなく、システムとして 2. 多様な教授法-遠隔教育など 3. コンピュータの利用 4. 豊富な奨学金 1.場所ではなくシステム 発起人は自学自習プログラムの指導員 増収を狙う学区の思惑 ホームスクーリングや、ドロップアウト者の呼び 戻し 複数の郡をまたにかける、通信機器 複数の校地・遠隔授業 2.多様な教授法 家庭中心学習 州の自学自習プログラム 家庭のコンピュータを使ったEASTプログラム 小集団学習 「基礎学力重視」 生徒各人のための詳細な授業計画 毎年のポートフォリオ 3.コンピュータの利用 コミュニケーションや記録保存にコンピューター 情報管理システム-HISの管理職員が設計 教職員の研修は対面 従来型の校舎は不要 生徒との対面は、たいてい各地域の分校また は生徒の自宅 質素な事務所・支援センター 4.豊富な奨学金 授業料は無料 在籍する家庭はHISの運営費から出された1, 150ドルの奨学金を受け取れる コンピュータのリース・遠足費用・補助教材、 教育に関する支払いならなんでもOK 家庭に教育の選択を ・法廷闘争 州の教育省との2年間にわたる争い 事例5: アカデミー・オブ・パシフィック・リム <特徴> 1. 世界レベルの教育 2. 多様な人種的・民族的背景 3. すばらしい教員と熱心な親 4. 厳格な生活指導・道徳教育 1.世界レベルの教育 すべての生徒に高い水準の学習 財源と戦略 在籍者の減少→州補助金の返還 明確な学業の目標 多大な時間 厳格な規律 立派な教育機器 1年間に100日相当分多く登校 2.多様な人種的・民族的背景 パシフィック=グローバルな視野 生徒の3分の1が給食費補助の資格、4分の3 以上がマイノリティ 「すべての子どもは努力によって最高の達成基 準に到達できる」 「チャンスは人種、社会的地位、運などで来ま すのではなく、努力と鍛錬と根気のたまもので ある」 3.すばらしい教員と熱心な親 <教員> 10カ国600名の応募者のなかから12名のス タッフを選抜 競争的な基本給と業績達成度に比例するボー ナス 1日に12時間労働 <親> 「完全なパートナー」 7時間のオリエンテーション 学校へのコミットに対する誓約書にサイン 4.厳格な生活指導・道徳教育 厳格な生活指導 「厳しい愛」 規則を破ると授業を受けられない 人格と善行とを育成 東洋のよい点を取り込む(?) 1週間に1度の太極拳 ガンバッテ賞 現状 「驚くほどうまくいっている」 0.7~3.4年分の学力向上 施設と学校規模の問題 教職員の燃え尽き症候群
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