集積回路 6.回路・レイアウト設計 松澤 昭 2004年 9月 2004年 9月 新大VLSI工学 1 集積回路 1. VLSIとは? 2.VLSIの設計から製造まで 3. MOSトランジスタとCMOS論理回路 4.メモリー回路 5. アナログCMOS回路 6. 回路・レイアウト設計 7. 論理設計とテスト 8. アナログ・デジタル混載集積回路 9. スケーリング則と低消費電力化設計 10.システムLSIとVLSIの今後 2004年 9月 新大VLSI工学 2 設計の各ステップとツール •製造工程とマスクデータ •回路設計 •レイアウト設計と配置配線 •スタンダードセルとライブラリ •論理設計と論理合成 •設計検証 •アーキテクチャ設計と高位合成 •テストとテスト容易化 2004年 9月 新大VLSI工学 3 製造工程とマスクデータ 最終的に何を設計するか? 2004年 9月 新大VLSI工学 4 CMOSの製造プロセス p tub n tub n MOS p MOS シリコン基板 1.タブの生成 3.拡散層の形成 Poly silicon SiO2 2.ポリシリコンゲート生成 2004年 9月 新大VLSI工学 4.金属配線層の形成 5 製造工程に渡すデータ • マスクデータ – 各工程での処理を行う場所と行わない場所を 指定する写真のネガのようなもの。トランジス タや配線の位置を指定することになる。 – CMOSの場合20枚から30枚のマスクが必要 となる。 – 配線は、拡散層、ポリシリコン、金属層(最大8 層程度)で行う。 2004年 9月 新大VLSI工学 6 設計の各ステップとツール •製造工程とマスクデータ •回路設計 •レイアウト設計と配置配線 •スタンダードセルとライブラリ •論理設計と論理合成 •設計検証 •アーキテクチャ設計と高位合成 •テストとテスト容易化 2004年 9月 新大VLSI工学 7 回路Simulation 回路動作の確認は “Spice”と呼ばれるシミュレータを用いる 例1)インバータの動作 信号の指定 2004年 9月 新大VLSI工学 8 SPICEの記述例 CMOS インバータ • inv1 • • mp1 mn1 vout vin vdd vdd vout vin vss vss • • • vdd vss vin vdd 0 vss 0 vin 0 • .inc cmos035.mdl • • • .op .option post .dc vin 0 3.0 0.01 • • • .print v(vout) .plot v(vout) .end 2004年 9月 dc 3 dc 0 dc 1 cmosp cmosn w=8u w=4u l=0.6u l=0.6u MOS の接続と パラメータ (D, G, S, Bの順) 電源・電圧源 モデルライブラリの指定 解析方法指示 出力・表示方法指示 新大VLSI工学 9 Simulationの実行 8.Waveform Windowが表示されるので、以下のようになっていればOK 出力Vout 入力 2004年 9月 新大VLSI工学 10 SPICEの記述例 CMOS OPアンプ 電源・電圧源 • • • 容量・抵抗 VDD vdd 0 DC 2.5V VSS 0 vss DC 2.5V VIN1 inp 0 DC 0V AC 1 SIN 0V 0.25V 1k 1u MOS の接続とパラメータ (D, G, S, Bの順) • • • CT 0 inm 1 RT inm out 100MEG CO out 0 10p 解析方法指示 • • • • • • • M1 vd1 inp vs1 vs1 cmosn w=15u l=1u M2 vout1 out vs1 vs1 cmosn w=15u l=1u M3 vd1 vd1 vdd vdd cmosp w=15u l=1u M4 vout1 vd1 vdd vdd cmosp w=15u l=1u M5 vref vref vss vss cmosn w=5u l=1u M6 vs1 vref vss vss cmosn w=15u l=1u R1 vdd vref 120k • • • .AC DEC 100 1 10g .TRAN 10u 5m .FOUR 1k V(out) • .INC cmos035.mdl • • • • M7 vout2 vout1 vdd vdd cmosp w=20u l=1u M8 vout2 vref vss vss cmosn w=15u l=1u M9 out vout2 vdd vdd cmosp w=20u l=1u M10 out vref vss vss cmosn w=15u l=1u • • • 2004年 9月 新大VLSI工学 モデルライブラリの指定 出力・表示方法指示 • .PRINT AC VDB(vout1) VDB(vout2) VDB(out) .PRINT TRAN V(out) .OPTION POST .END 11 アナログ回路のSimulation 例2)高周波回路のNOISE解析。 回路図入力 シミュレーションの設定 シミュレーション結果 (ノイズ特性) 2004年 9月 新大VLSI工学 12 設計の各ステップとツール •製造工程とマスクデータ •回路設計 •レイアウト設計と配置配線 •スタンダードセルとライブラリ •論理設計と論理合成 •設計検証 •アーキテクチャ設計と高位合成 •テストとテスト容易化 2004年 9月 新大VLSI工学 13 レイアウト 2004年 9月 新大VLSI工学 14 レイアウトの作業 • トランジスタの形状と位置を決定 • トランジスタ間を結ぶ配線の経路を決定 • 製造工程の製造精度に対し、十分な余裕を持っ た設計ー>デザインルール • チップ面積の最小化 • 遅延の最小化 • 消費電力の最小化 2004年 9月 新大VLSI工学 15 セルレイアウト 各レイヤーにおける最小線幅、最小間隔、レイヤー間の間隔などが決められている。 2004年 9月 新大VLSI工学 16 λルール • プロセスルールに対し対応できる相対的な 設計ルール • 主なルール – 金属1層目 最小幅3λ、最小間隔3λ – 金属2層目 最小幅3λ、最小間隔4λ – ポリシリコン 最小幅2λ、ポリ間最小間隔2λ、ポリと拡 散の最小幅1λ – 拡散層 最小幅3λ、同型との最小間隔3λ、異なる型と の最小間隔10λ 2004年 9月 新大VLSI工学 17 代表的なデザインルール 2004年 9月 新大VLSI工学 18 各レイヤーのデザインルールの一例 2004年 9月 新大VLSI工学 19 インバータのレイアウト 2004年 9月 新大VLSI工学 20 デザインルールチェック レイアウト終了後、デザインルール違反 がないかどうかをチェックする。 図の例では、M1の間隔(ノッチ)が0.32um 以下とM1の幅が0.32um以下という二つの エラーが示されている。 2004年 9月 新大VLSI工学 21 レイアウトと設計手法 設計時間 Full Custom 論理回路の実現におけるレイア ウトの自由度による設計時間と面 積(設計の品質)の間のTrade Off Standard Cell Gate Array ROMの 利用 面積 2004年 9月 新大VLSI工学 22 各手法の違い 方式 素子の 素子の 大き さ 配置 配線 ROM given given given given given 設計 given 設計 設計 設計 設計 設計 Gate Array Standard Cell Full Cusom 2004年 9月 新大VLSI工学 23 ROMによる実現 • 論理関数の真理値表をROMに記憶 入力 abc 000 001 010 011 100 101 110 111 2004年 9月 Vdd 出力 w x 0 1 1 0 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 新大VLSI工学 24 ゲートアレイによる実現 ゲートがあらかじめ用意されており、配線のみを設計する。 2004年 9月 新大VLSI工学 25 ゲートアレーのレイアウト 2004年 9月 新大VLSI工学 26 ゲートアレーのレイアウト 2004年 9月 新大VLSI工学 27 Standard Cell方式 基本セルと選択して配置し、配線を行う。 • 基本セル – 高さをそろえて各種論理素子を用意 – NOT, AND, OR, NAND, NOR, EXOR – 各種フリップフロップ – トランジスタサイズの違い(遅延) NANDNOT NOR D-FF Vdd AND NAND NOR NOT NOR AND GND 2004年 9月 新大VLSI工学 28 Standard Cell の配置配線 Vdd NANDNOT NOR D-FF AND NAND NOR NOT NOR AND NAND NOR NOR NOTNAND AND NAND NOR NOT NOR AND D-FF D-FF D-FF NANDNANDNOT GND 2004年 9月 新大VLSI工学 29 LSI 設計 設計仕様作成 セル設計 • 配置・配線のレイアウトモデル メタル第1層 Poly Si層 メタル第2層 機能設計 論理設計 テスト設計 レイアウト設計 レイアウト検証 EBデータ作成 VDD セル列 GND LSI試作 LSIテスト VDD セル列 GND 自動配置配線されるモジュールおよびチップ 上図のような一定ピッチ間隔の格子上で配置・配線される 人手で配置配線されるセルおよびモジュール 内部パターンは格子上になく、外形および端子位置が格子上に置かれる 2004年 9月 新大VLSI工学 30 配置と配線 • 素子・セルの場所の決定 – 配線が短くなるような配置 • 素子間、セル間を接続する配線経路の決定 – 配線長が短くなる配線経路の決定 2004年 9月 新大VLSI工学 31 スタンダードセルのレイアウト セル領域と チャネル領域(配線領域)が分かれている 配線へのコンタクト端子は決まったピッチ上にある。 2004年 9月 新大VLSI工学 32 配置配線の一例 2004年 9月 新大VLSI工学 33 LSIの完成模式図 2004年 9月 新大VLSI工学 34 フロアプラン TIM RAM CPU I/O フロアプランとは、左図の様に各機能 ブロックごとに 面積を見積もって 各ブロック間の配線本数を見積もって おおよそのチップ サイズを決定してい ます。 しかし最近では、全体のネットリスト を読み込んでプロセスの集積度をパラ メーターとして与えることによって 自動でフロアプランを行う事ができる ようになりました。 外周ブロック 2004年 9月 新大VLSI工学 35 フロアプランの流れ RAM CPU PORT 1 PORT 2 各ブロックの 面積を出す ROM PORT 3 PORT 4 ×24 ROM PORT1 2004年 9月 おおまかに配置して ブロック間の配線 本数を見積る。 PORT3 CPU RAM PORT4 IO ブロック PORT2 新大VLSI工学 36 RAM CPU ROM PORT1 2004年 9月 PORT3 PORT4 フロアプランの流れ(2) 各ブロックの大きさと 配線本数を考慮して チップ サイズを推定する。 PORT2 新大VLSI工学 37 LSI 設計 設計仕様作成 • レイアウト設計の手順 セル設計 機能設計 論理設計 フロアプラン モジュール相対配置 テスト設計 レイアウト設計 レイアウト検証 EBデータ作成 LSI試作 チップサイズの推定 モジュールレイアウト モジュールサイズが確定 LSIテスト モジュール間概略配線 &モジュール絶対配置 チップレイアウト モジュール端子座標が確定 モジュール間詳細配線 チップサイズが確定 チップレイアウト完了 2004年 9月 新大VLSI工学 38 LSI 設計 • フロアプランの処理内容 設計仕様作成 セル設計 機能設計 自動配置配線モジュール形状案 論理設計 テスト設計 レイアウト設計 レイアウト検証 10セル列 ・ ・ 7セル列 アナログ 論理結合度 6セル列 EBデータ作成 CPU LSI試作 LSIテスト メモリ 配線 混雑度 配線領域座標 パッド 電源配線 :自動配置配線モジュール 配線混雑度を平均化する必要がある。 2004年 9月 新大VLSI工学 2章 39 チップ面積を小さくする意味 ・ウエハー当りの取れ数を上げてコストを下げる ・チップ面積を小さくすると欠陥に遭遇する確率が下がり歩留まりが上がる。 ウエハーやマスクの欠陥 一枚のウエハーから取れる チップ が全体で24個、そ のうち2個が不良なので、 歩留り92%。 2004年 9月 一枚のウエハーから取れる チップ が全体で6個、そ のうち2個が不良なので、 歩留り66%。 新大VLSI工学 40
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