デジタルカメラ 使用説明書の ユーザビリティ評価

デジタルカメラ使用説明書の
ユーザビリティ評価
2002.2.6
ミノルタ㈱ 品質環境部 品質1課
岩崎 今日子
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Quality & Ecology Div.
コーポレイト機能
各事業領域
企画部門
開発部門
管理部門
生産部門
品質環境部
営業部門
品質、環境に関する方針策定
品質保証部
製品品質保証、QMS推進
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デジタルカメラ使用説明書の
ユーザビリティ評価
ユーザテストの有用性の実感
 HCDプロセスの導入のきっかけつくり
(動機付け)

3
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第1ステップ ― 提案

デジタルカメラの取扱説明書を
より分かりやすく改善しませんか?


「ユーザビリティテスト」という手法を用い
ます。
やりましょう!

1週間で答えを出してください。
4
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第2ステップ ― 打ち合わせ

ユーザビリティテストとは・・・


対象機種選定


2ヵ月後発売予定の高機能デジタルカメラ
使用説明書の評価対象範囲決定


ユーザの視点による評価
操作説明部分全域=140ページ
テスト計画の作成
場所
10-12
A
①
B
C
以降の要領
すり合わせ
1日目
1-3
3-5
5-7
10-12
2日目
1-3
3-5
5-7
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦5
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第3ステップ ― テスト準備

被験者の調達

当該機種のターゲットユーザに近いプロ
フィールの人物(社内)
一眼レフ銀塩カメラに詳しいがデジタルカメ
ラは初めて
 デジタルカメラに詳しいが当該機種は初め
て

場所
10-12
A
①
B
C
以降の要領
すり合わせ
1日目
1-3
3-5
5-7
10-12
2日目
1-3
3-5
5-7
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦6
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第3ステップ ― テスト準備

テスト担当者の確保

品質保証部員
場所
10-12
A
①
B

実機の確保


C
以降の要領
すり合わせ
1日目
1-3
3-5
5-7
10-12
2日目
1-3
3-5
5-7
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
最終試作段階のカメラ 3台
テストルームの確保
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第3ステップ ― テスト準備

タスクの作成

使用説明書に記載されている操作
P20~P39
<タスク1-1>
P40~P59
<タスク2-1>
使用説明書を参照しながら、カメラに電池を装着してください。
このカメラでは、撮影したい場面を絵表示で選ぶだけで、その場面にあった写真をとること
<タスク1-2>
ができます。使用説明書を参照しながら、このタスクシートを約30cmの距離から適切に
使用説明書を参照しながら、カメラにコンパクトフラッシュカードを装着してください。
(白の部分は白く写るように)撮影してください。
<タスク1-3>
<タスク2-2>
使用説明書を参照しながら、写真を3カット撮影してください。
使用説明書を参照しながら、撮影する写真の画像サイズを1280×960、画質をファイ
<タスク1-4>
ン(高画質、JPEG)に設定してください。
使用説明書を参照しながら、いま撮影した写真を確認してください。
(画像サイズ、画質を初期設定(2560×1920、スタンダード)に戻してください。
)
<タスク1-5>
<タスク2-3-1>
使用説明書を参照しながら、1つ前、2つ前に撮影した写真を確認してください。
使用説明書を参照しながら、露出Pモードの状態で一時的にシャッター速度を一段遅くして
ください。
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第4ステップ ― テスト



被験者に評価の目的、内容を説明し、
操作しながらの発話を頼む。
被験者にタスクを実行してもらう。
テスト担当(観察)者が手書きで記録す
る。

テスト担当者が進行、観察、記録を兼ね
る。
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第4ステップ ― テスト

見学者は・・・

使用説明書担当者のみ。
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第5ステップ ― テスト結果まとめ
A) 使用説明書を追って操作しても、目的を
果たせなかった項目
3件
B) 試行錯誤したものの目的を果たせたので、
決定的な不具合ではないが、悪印象を与
える項目
1件
C) 誤記、本体仕様との不一致
4件
D) 文意が分かりにくいため、誤記のように感
じられる項目
1件
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第5ステップ ― テスト結果まとめ
これら不具合点は全て改善され、
使用説明書作成部署から
成果あり
の評価を得た。
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反響

使用説明書作成担当者からは・・・


実際の操作を通じたチェックにより、机上
チェックでは発見できなかった問題点が
抽出できた。
ユーザコールにつながる問題点を市場に
送り出す前に潰すことができた。
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反響

テスト担当者からは・・・


被験者の操作を観察することにより、ユー
ザの視点でチェックできることが実感でき
た。
“分かりにくさ”も指摘項目として正式に取
り上げられる点が評価できる。
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反響

上層部からは・・・


最終段階での評価だと、十分なフィード
バックをかけるには遅い。作り込みの段
階からユーザビリティに配慮した使用説
明書作りの体制が必要。
使用説明書だけではなく、製品本体の
ユーザビリティを向上ることが必要。
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その後の活動

提案


全ての製品の使用説明書に対するユー
ザビリティ評価の実施
特定の製品を選定し、早い段階でのユー
ザビリティ評価のトライアル
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その後の活動

使用説明書のユーザビリティ評価
最終ドラフトに対するユーザテスト
2件
 ドラフト第1稿に対するウォークスルー
1件

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その後の活動

製品のユーザビリティ評価


事業部門の中で検討のための担当窓口
を設置
現行のプロセスで導入しやすい具体的な
方法の検討に取りかかった
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まとめ

目的は果たせた
ユーザテストの有用性の実感
 HCDプロセスの導入のきっかけつくり
(動機付け)

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