■「理工系学生向けの知的財産権制度講座」通常講義用カリキュラム(90分×15コマ) 時 講義内容 限 ポイント 第1時限 特許制度概要(1) 1-0 導入 1-1 特許制度とは 1-2 「発明」ってなんだろう 1-3 「特許」になる発明とは 1-4 特許を受けることができる者、職務発明 1-5 特許の申請(「出願」)をするには 1-6 特許権の効力(存続期間)、利用 通常馴染みのないものと誤解されやすい知的財産権について、 学生の身近にあるものであり、また学生自身の将来にも大きく 関係するものとして認識してもらうことで、当事者意識を育み つつ、敬遠されないよう留意する。 第2時限 特許制度概要(2) 2-1 特許制度と研究・開発者 2-2 特許を受けることができる発明 2-3 新規性について 2-4 進歩性について 2-5 特許権の効力について 2-6 外国での特許権の取得について 理工系の研究活動を行う上で、知的財産がどのような関わりを もち、さらにどのような発明が保護され、特許となるために必 要な要件について、新規性、進歩性に重点をおき理解を深める ようにする。 第3時限 研究活動と知的財産(1) 3-1 研究活動と知的財産 3-2 先行技術文献調査の方法 3-3 先行文献調査の具体例 3-4 外国における特許情報のアクセス 研究者として最先端の技術を把握することは当然であるが、同 時に特許権等の取得を目指す上でも、新規性・進歩性等との関 係で先行技術の調査が重要である点を、概説での説明を具体化 する形で説明する。その上で、特許についてどのような方法で 先行技術を調査するのかを紹介する。 第4時限 特許マップの活用 4-1 特許マップとは 4-2 特許マップの必要性 4-3 特許マップの作成 4-4 特許マップ活用 先行技術調査により研究テーマの現状を把握することにより、 研究の方向性を理解することが可能となる。これらの結果を マッピングしておくことで、より明確な研究目標に向かって研 究遂行をするための演習を行う。 第5時限 5 研究活動と知的財産(2) 5-1 秘密情報とは何か 5-2 守秘義務とは何か 5-3 共同研究、受託研究 秘密情報の管理が、理工系の学生にとって、学生時代のみなら ず、研究者やエンジニアとして社会に出てからも極めて重要で あることを説明しながら、実際の事例を通じて学生の当事者意 識を高める。特に在学中、在職中だけでなく、所属を離れてか らも一定の制限がかかることに注意してもらう。 時 講義内容 限 ポイント 第6時限 研究活動と知的財産(3)発明は誰のものか 6-1 発明者と特許を受ける権利 6-2 特許を受ける権利の承継 6-3 特許を受ける権利がないとき 6-4 特許を受ける権利を有する者が複数の場合 6-5 職務発明 6-6 職務著作 在学中、あるいは就職後の研究活動において、その成果が誰に どのように帰属するのか、という点について、発明者等の認定 にも触れながら、発明者等に帰属する単純な場合と、大学や企 業に帰属する例外的なルールである職務発明等が適用される場 合を対比する。 第7時限 演習 ・進歩性判断演習 ・発明は誰のものか ・秘密情報の管理 前半の講義内容の復習を兼ねて、演習を行うことにより理解を 深める。教員の裁量で適切な問題を選定する。 第8時限 研究活動と知的財産(4)知的財産の利用と活用 8-1 知的財産の利用 8-2 知財活動の意義 8-3 標準化と知的財産 8-4 知財の活用、特許の活用 知的財産の利用について、研究段階における試験研究のための 実施、論文執筆や学会報告においての他人の先行研究への言及 は、倫理的な問題だけでなく、法律的な問題をも含みうること を理解し、適切な研究成果の公表方法を体得してもらう。さら に、特許取得・利用の実例をあげ、その重要性を明らかにする。 第9時限 特定領域分野と知的財産 9-1 ライフサイエンス関連分野 9-2 後発医薬品(ジェネリック医薬品) 9-3 ソフトウェア関連発明 特徴的な性質をもつ分野の知的財産について取り扱い、知的財 産としてどのように保護されるかについて分野別に理解を深め る。 第10時限 10 特許明細書の書き方(1) 10-1 概要 10-2 特許出願の準備 10-3 特許請求の範囲の作成 10-4 明細書の作成 特許明細書を書くために必要な視点を説明する。 できるだけ事例を用いて、説明する。 第11時限 11 特許明細書の書き方(2)演習 11-1 前回のおさらい 11-2 事例 11-3 演習 書き方についてのコツを例示するなどして、実際に演習を行い ながら、権利化をするために必要なポイントへの理解を深める。 時 限 講義内容 ポイント 第12時限 その他の知的財産制度(1)著作権 12-1 その他の知的財産制度 12-2 著作権制度 12-3 ウェブサービスにおける諸問題 研究活動に限らず学生生活全般において、学生自身が大きく関 わっている著作権法について、説明する。また研究活動におい て、いかに多くの著作物を創作し利用しているか、またウェブ 上のサービスについて、情報のアップロード、頒布等に際して 生じる問題を、今までの知識を前提にして、横断的に解説する。 第13時限 その他の知的財産制度(2)実用新案、意匠 13-1 その他の知的財産制度 13-2 実用新案制度 13-3 意匠制度 その他の知的財産制度として、意匠制度についてもふれ、制度 趣旨や保護対象についての制度概要を中心に解説する。 第14時限 その他の知的財産制度(3)商標 14-1 商標制度 その他の知的財産制度として、商標制度についてもふれ、制度 趣旨や保護対象についての制度概要を中心に解説する。 第15時限 その他の知的財産制度(4)不正競争防止法、その他周辺制度 15-1 不正競争防止法 15-2 その他の知的財産制度 (種苗法、半導体集積回路配置法) 15-3 知的財産に関係する制度 水際措置と知的財産 15-4 PL法 15-5 安全保障貿易管理 その他の知的財産制度に加え、グローバルな研究活動をするに あたって必要な諸制度についても事例などを含めて紹介し、適 切な研究活動の方針を示す。
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