教育プログラム開発方針040826

2004年8月26日
ビジネスプロデューサー育成プログラム開発・実証プロジェクト
教育プログラム開発方針
■ プロジェクトの前提確認
教材開発に当たり、このプロジェクトの前提を確認し、ボタンの掛け違いを未然に防ぎたい。
今プロジェクトは、「起業家」がテーマであり、今、企業が求めている人材像に近い。
(しかし、今いまは、すべての企業がそうというわけではない)また、起業家は、
従来、専門学校が考えてきた「企業の必要する人材像」とは、根本的に違いがある。
【今プロジェクトの前提】
◆ビジネスプロデューサー=起業できる人材(企業には依存しない人材≒企業が求める人材)
◆ビジネスプロデューサー教育の目的=起業家育成。起業に役立つ、知識の取得、能力の向上
◆BPC(ビジネスコンペ)=起業プランに対する評価、実際の「起業」に対する支援
昨今、起業家的人材を、企業が望んでいるとはいえ、
起業家育成=就職率のアップ、とは必ずしもつながらない、
と考えるのが妥当である。よって、教材開発のみならず、
このプロジェクトと、今までの専門学校の機軸とは
アンマッチを起こす可能性がある。
【専門学校のミッション】
企業の求める人材像が変化しつつあることは認識しているが、
まだまだ、従来の考え方は根強く、「就職率」という機軸は揺ぎ無い。
◆企業の求める人材(※)の輩出 ※専門技術を・知識を身につけた、具体的には資格を持った人材
◆学生教育の目的=専門技術、専門知識を習得させ、資格を取らせる。
日本の起業率は「世界最下位」であり、
起業家の育成は、国家の人材育成として
は「目指す方向」である。(アメリカは、オール
ドエコノミーが衰退したころ、ベンチャーを
中心に経済が活性化したという経緯がある)
また、企業側も、優秀な人材は確保したい
ものの、「優秀」の定義が変わりつつあり、
企業に属しながらも、起業家的なマインド
の所持が「優秀」の素養となってきている。
よって、単純に、「企業の求める人材輩出」
ではなく、社会インフラとしての必要な人材
輩出という高い視点から捉えれば、専門学
校が「起業家」を輩出することは、決して、
間違っていないと考えられる。(現在、その
役割を担うのは、リクルートなどの一部企業
であり、教育機関では存在しない)。
専門学校の新しい機軸として「起業率」を
掲げることにより、このプロジェクトとの
アンマッチは避けられ、かつ、これからの
専門学校の目指す方向、「存在意義」を
見出すことにつながる。
◆定量的な実績判断機軸=「就職率」
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■ プログラム開発方針
ビジネスプロデューサー=起業ができる力を持つ人材、という定義のもと、「2年間学んだら開業できる」という実践的プログラムを目指すわけ
であるから、現実的に「起業するために必要な要素」を開発方針として掲げる。
1)「覚える能力」より、「考える能力」を伸ばす
起業できる人(=社長)は、常に考えている。社長に、ON OFFの区別がないというのは、常に実務についているからではなく、頭の中の「仕事に結びつける回路」
のスイッチが、入りっぱなし状態であることを指すのだ。常に、深く、考えられる力を伸ばすことを目的とする。
2)「実務の知識」ではなく、「事業運営の知識」を身につける
起業するのは、実務の延長線上にある起業(個人事業主的起業)と、事業という入口からの起業がある(商社的起業)。しかし、いずれにせよ必要になるのは、
「人、モノ(サービス)、金」のキーワードに代表される、事業運営の知識である。このプログラムでの「知識パーツ」は、ここに集約される。
3)「ビジネス・アイディア」を湧かせる能力を身につける
起業すること=商売を始めることである。そのためには、ビジネス・アイディアが必要になる。アイディアには、商品(サービス)そのものに対するものもあれば、
売り方、お客様への接し方に対するものなど、様々なカテゴリーがある。どのカテゴリーでもかまわないが、何か一つは(起業にあたって)不可欠な要素である。
4)ビジネスプロデューサーの「マインド」を身につける
知識だけはもとより、アイディアがあったとしても、ビジネスプロデューサーになれるかどうか、起業できるかどうかは「マインド」にかかっている。
5)「理論」ではなく「現実」を理解し、対処する能力を身につける
ビジネスをプロデュースするには、理論的整合性も大事であるが、人の感情を含めた様々な要素が絡み合って、「現実」は動いていくことを知る必要がある。
BPC(ビジネスプロデュースコンペティション)の参加、その準備によって、それを知り、身につける。
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■ プログラム構成と各役割
BPC(Business Produce Competition)を核(コア)とし、プロデューサーマインド、ケーススタディ、プロデューサーナレッジの3つの要素で
プログラムは構成される。
【BPC(ビジネスプロデュースコンペ)】
【ビジネスプロデューサー・マインド】
ビジネスプロデューサーとしての(起業家
としての)基本的な考え方。
このプロジェクトにおいて、
「ビジネスプロデューサー(起業家)育成」に
最も有効なプログラムであり、すべては、
ここでの発表、評価のための準備である。
Business
Producer’s
Mind
BPC
(Business Produce
Competition)
【ビジネスプロデューサー・ナレッジ】
実務ではなく、事業運営に最低限必要な
知識集。このプログラムの中では、唯一
「覚える」パーツ。
【ケーススタディ】
Case Study
考える能力の開発、ビジネス・アイディア
を湧き出す力を育むプログラム
Business Producer’s
Knowledge
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■ 具体的な内容案① ビジネスプロデューサー・マインド
ビジネスプロデューサー・マインドは、eBPのマインド編を踏襲した内容を考えている。
【Introduction】
1)マインドとは何か?
2)ビジネスとは何か?
3)プロデューサーとは何か?
…….etc
【Core Mind】
1)ポジティブ&パワフル
2)豊富なコミュニケーション運動量
3)新しい仕組みづくりの仕掛け人
4)サバイバル能力にも似た「なんとかするマインド」
…….etc
左記は、eBPの際にまとめたeBPマインドの中から、
特にITが関係なくとも、プロデューサーとして、必要な
マインドを抜粋したものである。
今回の「ビジネスプロデューサー・マインド」用に
多少のリライト、ページの付加を考えているが、
非常に基本的なものだけに、大きく変わるとは考えにくい。
【Planning Mind】
1)コネクトforビジネス
2)企画を科学する
3)企画の発見はぜんたいずから
4)本質を見抜く力が企画力の基礎
5)似たもの、隣人からヒントを得る
6)プロダクトアウト、マーケットイン
7)現状の20%の変革
……etc
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■ 具体的な内容案② ビジネスプロデューサー・ナレッジ
ビジネスプロデューサー・ナレッジは、極めてリアル、かつ、リスクコンシャスな内容を考えている。
●会社の作り方と、個人事業主、有限会社、株式会社の違い
●取締役と従業員の違い
●株式会社の最大の特徴「株式」
●IPO(株式公開)とは
左記は、(まだ洗練されていないが)内容例。
●「投資」と「融資」の違い
事務的、アカデミック的な内容も盛り込むが、
実際に起業した人しかわかりえない、それでいて、非常に
重要な内容も、盛り込もうと考えている。
●ベンチャーキャピタルとは
●三人の侍(弁護士、税理士、労務士)を確保せよ
●人材は、なかなか採用できない(高給だけじゃダメ)
●オフィスを借りるための障壁「保証金」
先輩の「知恵袋」的なイメージ。
見た目のボリュームは多くはないが、本当に起業する人には
非常に役に立つ資料となると思われる。
なぜなら、私自身が、左記のような内容は、誰かに教えて
もらいたかったことだからである。
●FAXや電話のリースは個人補償
●取締役3人以上の、良いところ悪いところ
●営業の難しさと面白さ
●内政の難しさと面白さ
●個人の仕事と、組織の仕事
…….etc
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■ 具体的な内容案③ ケーススタディ
ケーススタディも、eBPのケーススタディ編を踏襲することを考えている。
1)新卒求人ビジネスにおける、eビジネス構築
左記は、eBPのケーススタディ編。
2)居酒屋における、eビジネス構築
今回の、ビジネスプロデューサー用に関しては、
ITの利用を必須とはしないものの、基本的に、
「ビジネスの仕組みを作る」という意味では、同じテイストの
ケーススタディにしたいと、考えている。
3)シティホテルにおける、eビジネス構築
各テーマ(お題)は、もちろん変える。
4)新築マンションにおける、eビジネス構築
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また、(構成上まだ煮詰めていないが)「収支予測」など、
勘定的な要素を盛り込むことも考えている。
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