スライド 1

Semiconductor Package Electrical Characterization SC
PKG内のVGプレーン有無による多層基板内の信号配線間の
層間カップリング(信号線間)の扱いについて
#1
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
PKG内にVGプレーンがある場合とない場合で、多層基板内の信号配線間
の層間カップリング(信号線 間)はどのように考慮するか?
VGプレーンが信号配線間に入っている場合、信号配線間のカップリングは
無視してよいか?
無視してよい。ただし、信号間に入っている電源、グランドプレーンの位置関係によって、
プレーン共振の変動が乗る場合があるので、注意する。
#2
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
※検証方法について
※1) 多層基板内の電源、グランドプレーンの種類、配置によって、プレーンを挟んだ信号間で
どのような影響があるかをSパラメータで評価する。(フルウェーブ電磁界シミュレータ使用)
※2) 多層基板内の信号配線間の影響を下記3種類のモデルで検証する。
Case-1
信号配線層間に共通のグランドプレーンがある場合
Case-2
信号配線層間にそれぞれの信号系と関連のないプレーンが有る場合
Case-3
Case-2の信号系と関連のないプレーンが、グランドプレーンにバイパスされている場合
※3) モデルについて
・電源、グランドプレーンのある多層インターポーザーを持つ
パッケージを想定し、層構造の寸法を 図-1 に示す。
L2
・モデルの配線方向の長さは、プレーンを間に挟む信号線が
上下で重なる部分を約10mmとし、詳細は次ページ以降に示す。
15u
L1(Plane)
23u
30u
23u
30u
15u
30u
L3(Plane)
L4
Er=3.35, tand=0.012
L5(Plane)
図-1
#3
15u
15u
30u
15u
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
※検証モデルの詳細
Case-1
信号間に共通のグランドプレーンがある場合
信号間に共通のグランドプレーン
ポート
信号
L2
L3(Plane)
L4
信号
10mm
ポート
#4
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
Case-2
信号配線層間にそれぞれの信号系と関連のないプレーンが有る場合
浮きプレーン
ポート
信号
信号のリファレンスプレーン
L1(Plane)
L2
L3(Plane)
L4
L5(Plane)
側面
PerfectE
10mm
#5
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
Case-3
Case-2の信号系と関連のないプレーンが、
グランドプレーンにバイパスされている場合
リファレンスとバイパス
されているプレーン
ポート
信号のリファレンスプレーン
信号
L1(Plane)
L2
L3(Plane)
L4
L5(Plane)
側面
PerfectE
配線の両脇上下にPADを配置
(Capacitance0.1μF)
側面
PerfectE
10mm
#6
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
※磁界でみると・・・
@8.1GHz
Case-1
真ん中が共通グランドプレーンの場合
(励振源は下側信号配線のみ)
磁界は、信号とリファレンスプレーン間にのみ見られる。
プレーンの反対側に位置する信号周辺に磁界の変化は無い。
#7
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
@8.1GHz
Case-2 真ん中が浮きプレーンの場合
(励振源は下側信号配線のみ)
@8.1GHz
Case-3 浮きプレーンを
リファレンスプレーンにバイパスした場合
(励振源は下側信号配線のみ)
Case-2の真ん中に浮いたプレーンがある場合、信号を流れる電流による磁界分布以外に、リファレンスプレ
ーンと浮きプレーン間に磁界分布が見られる。信号のリファレンスプレーンと異系列のプレーン間との電位差
によりプレーンが共振しているものと考えられる。
Case-3は、Case-2の浮きプレーンと信号のリファレンスプレーンをバイパスしたことにより、磁界は同系列の
プレーン間に収まり、反対側の信号の周辺磁界に影響が出なくなった。
#8
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
※Sパラメータでみると・・・
遠端クロストーク
近端クロストーク
-20
-20
0
2
4
6
8
10
12
14
0
16
-30
-30
-40
-40
-50
-50
-60
Case-1
Case-2
Case-3
-70
2
4
6
8
10
12
14
16
-60
Case-1
Case-2
Case-3
-70
-80
-80
-90
-90
-100
-100
-110
-110
周波数(GHz)
周波数(GHz)
真ん中が共通グランドプレーンのCase-1と、真ん中のプレーンとリファレンスプレーンをバイパスしたCase-3の場合、 近
端クロストーク、遠端クロストークとも-60dB以下で、ほとんど影響は見られない。
真ん中に浮いたプレーンがあるCase-2では、励振していない信号側のリファレンスプレーンと浮きプレーン間に磁界分布
が見られた。Sパラメータのクロストーク値を見ると Case-1に比べてクロストークが20~40dB増加している。
クロストークの増加はプレーン共振による影響と見られる。
#9
Semiconductor Package Electrical Characterization SC
結論
プレーンを挟む位置関係にある信号間での電気的な結合は無視できる。
ただし、各信号のリファレンスと挟まれたプレーンが、電位的に異系統である場合は下記のような
注意が必要である。
→ リファレンスと挟まれたプレーン間の電位差によりプレーン共振が起こり得るので、
プレーンを挟む位置関係の信号に電位変動をもたらす。
この場合はプレーンを挟んだ信号間でもカップリングを考慮すべきである。
# 10