X線で探る超新星残骸での 衝撃波加速

宇宙加速器の天文学
挑戦的な課題
内山 泰伸 (Yale University)
HXD NeXT 2003.11.7
日本の高エネルギー天文の創始者
小田先生
ブラックホールの天文学
早川先生
宇宙加速器の天文学
超新星残骸、パルサー風
マイクロクェーサー
活動銀河核ジェット
銀河団
根本的な未解決問題
陽子の加速が全く不明
宇宙線の主成分は陽子なのに!
HXD NeXT 2003.11.7
高エネルギー陽子の検出方法は?
電子
シンクロトロン放射、逆コンプトン散乱など
電磁放射
パワー ∝ (加速度)2 ∝ 1/(質量)2
陽子は困難
陽子
MeV 核ガンマ線
早川先生の
π0 ガンマ線
COMPTEL 感度が足りない
GLAST / チェレンコフ望遠鏡
X線・硬X線検出器は、早川先生の時代と比べて、
遥かに高感度。
HXD NeXT 2003.11.7
新たな宇宙線陽子の観測方法を提唱
「荷電パイ中間子シンクロトロンX線放射」:
(Aharonian 2003, Uchiyama et al. 2003 in prep)
PeV protons
エネルギーフロンティアの拡大
「逆制動X線放射」:
高密度ガス中での特徴的な制動X線放射
(Uchiyama et al. 2002)
Multi-MeV protons 隠れた非熱的エネルギー
HXD NeXT 2003.11.7
荷電パイ中間子シンクロトロンX線放射
(Aharonian 2003)
宇宙加速器は陽子を 1015 eVまで加速するはず
(放射損失の激しい電子では難しい、、、)
中性パイ中間子の生成と崩壊によるガンマ線
チェレンコフ望遠鏡は > 10 TeV (Ep> 1014 eV) に感度がない
新しいアイデア: 荷電パイ中間子起源のシンクロトロンX線
p + p → π- ( t= 107 n-1 yr)
π- → μ-+νμ ( t= 10-15 yr )
μ- → e- + νe +νμ ( t= 10-13 yr )
e- + B → synch. X-ray ( t= 10 B100uG-1.5 yr)
たとえば SNR+分子雲 を考えると、検出可能な
硬X線フラックス 10-12 erg/s cm2 (if Ep > PeV)
HXD NeXT 2003.11.7
PeV 陽子は見え始めている???
SNR RX J1713.7-3946
(Fukui et al. 2003)
c.f. Uchiyama et al. 2003
X線は非常にうまく説明
できるが、TeVγ線は難しい
未同定 TeV ガンマ線源
(Aharonian et al. 2002)
チャンドラ (Butt et al.)
Cyg X-3 ? OB stars ?
HXD NeXT 2003.11.7
逆制動X線放射 (Uchiyama et al. 2002)
電離損失が支配的な場合の制動X線放射/逆制動X線放射の光度
単一エネルギーの電子/陽子
LX = 10-4 β εkeV Le/p
1. Power-law 分布の電子/陽子でも実質的に単一エネルギー分布から
のX線放射
2. 検出可能な光度 Lx = 1033 erg/s for Lp = 1038 erg/s
Fx = 10-11erg/cm2s @ 1kpc detectable
3. 逆制動放射が卓越する可能性 (Lp >> Le)
4. 特徴的なフラットスペクトル 微分スペクトルε-Γ
光子指数Γ=1 (1.2) の power-law (extremely flat-spectrum)
観測的に全く未知の非相対論的陽子を探る手段になる
特徴的なフラットスペクトルを持つX線放射を探す!
HXD NeXT 2003.11.7
Multi-MeV 陽子は見え始めている?
星生成領域 RCW 38
(Wolk et al. 2002)
ハードなスペクトル
OK
星風エネルギーが
効率良く宇宙線加速に回れば
Lp=1038 erg/s
--> LX =1033 erg/s
X線光度も OK
γCygni (Uchiyama et al. 2002)
AX J1714 (Uchiyama et al. 2002)
NGC 6334
江副D論
HXD NeXT 2003.11.7
まとめ
「宇宙加速器の天文学」最大の難題:陽子
高感度のX線硬X線観測によって
PeV 陽子と MeV 陽子の探査が可能になる
ことがわりとリーズナブルな仮定から予言できる。
実際、X線で徴候が見え出している(かも)。
--- PeV 陽子 20%の自信
--- MeV 陽子 50%の自信
簡単には信じない方が健全ですけど、、、