物理学実験I 電磁気学 - HEP Tsukuba Home Page 筑波

物理学実験I 電磁気学

第1週: 電場


等電位線,電気力線の性質,オームの法則,重ね合
わせの原理
第2週: 磁場

アンペールの法則,ファラデーの電磁誘導の法則,ビ
オ・サバールの法則
電流と電場(オームの法則)
微小体積要素
(微分形)
等電位面と電気力線



電気力線=電流の流れ(オームの法則)
電気力線は等電位面に常に垂直
金属表面は常に等電位

電気力線は,金属表面に対して垂直
絶縁体
金属
実験の原理
ピン電極 5V(4V)程度
グラウンド電極
(0V)
電流
アナライザペーパー(導電性の紙)
アナライザペーパーの抵抗は空気よりもはるかに小さいの
で,ほぼすべての電流はアナライザペーパー内を流れる.
2次元とみなすことができる
実験方法
5V (4V)
電流計が振り切
れない値
電圧計
A
V
注意:
アナライザペーパーに傷をつけない
(局所的に抵抗が変化し,電流分布が変わる)
電極は,しっかりと均等な力で押さえつける.
アナライザペーパー
カーボン紙
方眼紙
実験装置










アクリル製実験台
ピン電極 2本
定電圧電源
直流電流計(30mAレンジ)
デジタルマルチメータ
ケーブル(各種,必要に応じて)
アナライザペーパー(導電紙)
カーボン複写紙
真鍮電極(角柱) 2個
金属円盤各種

3cmφ, 1cmφ×2, 6cmφ
円形電極
ピン電極
固定穴
GND端子
定電圧電源
出力スイッチ
電源
出力調整ダイアル
出力端子
デジタルマルチメータ(DMM)
電圧、抵抗
の+端子
電源
測定量設定
共通-端子
実験1:等電位線の形状
+5V
DMM/テスター
A
V
真鍮円盤(3cmφ)
テスターでアナライザーペーパー上の1Vとなる場所を探し,
点を打っていく.
実験2:電位分布の測定
+5V
デジタルマルチメータ
A
電流計
V
r

中心電極からの距離rの関数として電圧をテスターで測定


r=2.0cm, 2.5cm, 3.0cm, 4.0cm, 5.0cm, …,11.0cm
電流計で電流を測定するのを忘れないように

片対数グラフ(r0/r, f):結果から,後で面積抵抗率を導出
実験3:他の方法で面積抵抗率を測定
r

電極間の距離rの関数として抵抗をデジタルマルチメータで測定



幅1cm
r=1.0cm, 2.0cm, 3.0cm, 4.0cm, 5.0cm
実験2の結果と比較
注意点


真鍮電極は,出っ張りがあるほうを下にする
メータの読みが安定しない場合は,テスターリードを真鍮電極に強く押さ
えつける(こすりつける).あるいは接点をスコッチブライトで磨く.
実験4:重ね合わせの原理
テスター
V
+5V
O

-5V
x
ピン電極を2本使用して、電位の重ね合わせを見る.



10mmφの円形電極をピン電極に使用
電位をxの関数として測定(x=0,1, 1.5, 3.5, 4, 5, 6, 8, 10cm )
±5Vと接続しないピン電極は0Vにする(GNDと接続)
実験5、6:金属円盤、穴のあるときの電位分布

同時に行う.金属円盤の上には真鍮電極のおもりをのせる.



金属円盤と穴はピン電極に対して対称の位置に配置する.
等電位線,電気力線が金属円盤,穴によってどのように影響を受けるかを
調べる.
等電位線を最低7本描く.(7つの電位値について測定する)
4.0, 3.5, 3.0, 2.5, 2.0, 1.5, 1.0V
+5V
テスター
V
金属円盤の電位も忘れずに測定すること
金属円盤には,重しをのせておく
円形電極は,出っ張りのあるほうを下に.
出っ張りをスコッチブライトで磨く.
実験上の注意

測定と同時,あるいは測定終了直後にグ
ラフを書く癖をつける.

傾向の把握、測定ミスの早期発見
?
グラフの書き方
① グラフの名前
② 軸の名称
③ 軸の単位
④ 軸の数値
⑤ データ点
凡例
測定器の値の読み方-最小目盛
の1/10まで
3
4
読みは、3.32
有効数字に注意!!



最小桁は誤差を含む.
和,差・・・最小桁の大きいほうに一致
積,除・・・桁数の小さいほうに一致
(例)
23.4 + 115.123 = 138.523
2
3.46 × 1.2 = 4.152
レポートの書き方
必須項目
目的,実験原理,実験方法,実験結果,
考察,結論
 レポートは,実験内容とわかったことを他
人に正確に伝達するためのもの.そのレ
ポートを読んだ人が実験,および実験結
果を再現できるように書かれていなけれ
ばならない.
 わかりやすく.自分の言葉で.

終了時に見せるもの

実験1:等電位線の形状のグラフ


1Vの電位の点(1V等電位線が予測できる程度)
実験2:電位分布のグラフ

片対数グラフ(r0/r, f) (正方眼紙(r,f) はなくても可)
実験3:抵抗の電極間隔依存性のグラフ
 実験4:f+, f-, fのグラフ(1枚にまとめる)

電位
O

x座標
実験5,6:金属円盤,穴のあるときの電位分布

7つ(4.0, 3.5, 3.0, 2.5, 2.0, 1.5, 1.0V)の電位の点
レポートで作成での注意点


実験1:等電位線を描いて特徴とその理由を述べる.
実験2:面積抵抗率ρsを求める.



実験3:面積抵抗率ρsを求める.




φと比較し,重ね合わせの原理が成り立っていることを確認する.
実験5,6:等電位線を描き,電気力線を書き入れる.


直線の傾きから求め,実験2で求めた値と比較する.
実験4:φ++φーのプロットを同じグラフに作成.


片対数グラフの直線の傾きからテキスト式(8)を使って求める.
自然対数(ln)と常用対数(log10)の違いに注意.
金属,穴の周辺を特に,特徴がわかる様に.
金属,穴の周辺での等電位線と電気力線の特徴を定性的に述べる.
レポート課題は,解いてあれば加点あり.
実験1,5,6の結果は,グループ内でコピーして良い.実
験2,3,4のプロットは,各自作成すること.