企業の時系列分析 同志社大学 中尾ゼミ 印刷用 目的 例① 日産自動車の利潤率が上下してきた原因を明 らかにする 例② 日産自動車の広告支出が増減してきた理由を 明らかにする 例③ 上記の②と③を同時に分析する ニッサンの営業利益の推移 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 1989年度 1994年度 1999年度 2004年度 -500 -1000 何故,ニッサンの利潤は変動してきたか? ニッサンの利益変動の原因 (1)ニッサンの企業戦略 研究開発支出 広告支出 賃金水準 輸出 (2)日本経済の状況 所得水準 所得上昇率 ニッサンの利潤の分析手法 (イ)ニッサンの財務データ(たとえば,研究開 発支出,広告支出,賃金,輸出など)のデー タを収集する (ロ)日本経済の状況の表すデータ(たとえば, GDPや為替レート)を収集する (ハ)推定モデル(説明変数)を考える (ニ)TSPで回帰分析(因果関係を統計的に解 明)をする 財務データ収集 (1)企業を1社選択 例:日産自動車 (2)被説明変数を決定 例:利潤率 (3)説明変数を決定 例:広告 売上高成長率 売上 高 (4)データ収集 例:売上高 営業利益 広告 を1976年から200 4年収集し, 決算月の変更がや年2回決算をしていないか チェック⇒している場合には会社変更する TSP形式でで保存.例えば,nissan 企業の時系列データの分析方法 第1ステップ:データを収集します。 企業時系列データ収集方法は以下で説明しています http://www1.doshisha.ac.jp/~tnakao/zaimuTime.pdf 第2ステップ:以下のサイトよりXXTSPダウンロードします. http://www1.doshisha.ac.jp/~tnakao/ 第3ステップ:XXTSPを起動.初期画面の説明は以下. http://www1.doshisha.ac.jp/~tnakao/HowToUseXXTSP.mht 第4ステップ:新しいTSPプログラムを作成.説明は下にあります. http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/HowToTSPTime.mht 第5ステップ:プログラムを実行します(初期画面を参照). TSPプログラム作成 XXTSP起動 し,以下のプログラムを作成 Options crt ; Freq a ; smpl 1976 2004; Read(File=‘nissan.csv') CD Y URI RIJUN KOKO; RIJURI=RIJUN/URI ; LURI=LOG(URI) ; smpl 1977 2004; GRURI=URI/URI(-1) ; OLSQ RIJURI C KOKO GRURI LURI; TSPプログラム実行⇒結果 Estimated Standard Variable Coefficient Error t-statistic P-value C 0.580551 0.35142 1.65202 [.112] KOKO 9.89E-07 3.54E-07 2.79235 [.010] GRURI 0.242514 0.048954 4.95391 [.000] LURI -0.0557 0.022627 -2.4617 [.021] データチェック ・・・ 略・・・ Read(File=‘nissan.txt’) CD Y URI RIJUN KOKO; Print CD Y URI RIJUN KOKO; ・・・ 略・・・ 上の1行を追加して印刷されたデータをチェエク CDの下にはコード番号,Yの下には1980, 1981のような年号がそろっていればOK そろっていない場合には原因を追求する マクロデータの追加 日産の利潤率に影響を与えるマクロデータ=説明変 数を考える 例:為替レートKWS 経済成長率GRGDP マクロデータ収集 例:為替レートとGDPを年度データで1976年から2 003年 ほとんどの企業は3月決算であるため,1年ずれる! ファイル名は例えば,Macro.CSVとする. XXTSPでプログラム改訂 マクロ経済データを収集した後には, このデータを日産のTSPプログラムで読み込む必要が あります.XXTSPを立ち上げて, 「このTSPファイルを変更」ボタン をクリックし,日産のTSPプログラムを 画面に表示します. この画面で, マクロデータを読み込んで,推定で使うように,次のス ライドのように,プログラムを自分で修正します. TSPプログラム修正(赤い字の部分を追加) Options crt ; Freq a ; smpl 1976 2004; 売上高 営業利益 広告 Read(File=‘nissan.csv') CD Y URI RIJUN KOKO; Read(File='Macro.csv') Y2 KWS GDP; RIJURI=RIJU/SSN ; 利潤率の計算 LURI=LOG(LURI) ; 売上高を対数にする smpl 1977 2004; 成長率の計算のためのサンプル修正 GRURI=URI/URI(-1) ; 売上高成長率の計算 GRGDP=GDP/GDP(-1) ; 経済成長率の計算 OLSQ RIJURI C KOKO GRURI LURI GRGDP KWS; プログラム実行⇒推定結果 Variable C KOKO GRURI LURI GRGDP KWS Estimated Standard Coefficient Error t-statistic 0.580551 0.35142 1.65202 9.89E-07 3.54E-07 2.79235 0.242514 0.048954 4.95391 -0.0557 0.022627 -2.4617 1.242514 0.413711 2.99979 12.0557 3.814367 3.14617 P-value [.112] [.010] [.000] [.021] [.008] [.004] データチェック ・・・ 略・・・ Read(File=' macro.csv') Y2 KWS GDP; Print Y2 MWS GDP; ・・・ 略・・・ 上の1行を追加して印刷されたデータをチェエク Y2の下には1980,1981のような年号がそろってい ればOK そろっていない場合には原因を追求する ダミー変数 日産は1999年からゴーン社長.変化した? 分析するにはダミー変数を 1976年から2004年の間で自分で作る read gdum ; 0000 0 0000 0 0000 0 0000 0 0001 1 1 1 1 1; ⇒ 1976-1985 ⇒ 1986-1995 ⇒ 1996-2004 ダミー変数のプログラム Options crt ; Freq a ; smpl 1976 2004; Read(File=‘nissan.csv’) CD Y URI RIJUN KOKO; read gdum ; 0000 0 0000 0 0000 0 0000 0 0001 1 1 1 1 1; RIJURI=RIJUN/URI ; LURI=LOG(URI) ; smpl 1977 2004; GRURI=URI/URI(-1) ; OLSQ RIJURI C KOKO GRURI LURI gdum; ダービンワトソン値① 推定結果の右上の上から2行目に 例えば, Durbin-Watson = .677032 [.000,.000] というような表示があります. このダービンワトソン値が1.6より小さい場合 には推定結果が信頼できません. 重要な説明変数が抜けているか,推定式の 形が真実でないためです. ダービンワトソン値② ダービンワトソン値が1.6より小さい場合には まずは,抜けている説明変数を考えて追加し てください. これがうまく行かない場合には OLSQ RIJURI C KOKO GRURI LURI; の代わりに AR1 RIJURI C KOKO GRURI LURI; としてください. 推定結果の最下行にRHOが追加され その他の説明変数の推定結果が変化する Estimated Standard Variable Coefficient Error t-statistic C 0.550551 0.35142 1.65202 KOKO 9.89E-07 3.54E-07 2.79235 GRURI 0.232514 0.048954 4.95391 LURI -0.0547 0.022627 -2.4617 GRGDP 1.222514 0.413711 2.99979 KWS 11.8557 3.814367 3.14617 RHO 0.774023 0.136682 5.66294 P-value [.112] [.010] [.000] [.021] [.008] [.004] [.000] 複数のOLSQ 複数のOLSQを一度に推定することもできる 例えば, OLSQ RIJURI C KOKO GRURI LURI GRGDP KWS ; OLSQ RIJURI C KOKO GRURI LURI ; を同時に計算すればGRGDP KWS を加えな いケースと加えたケースが推定される. 複数モデルからの選択 複数のOLSQを実行すれば,その中からどれ かを選択する必要が出てくるケースがある. 例えば, GRGDP KWS を加えないケースと加えたケース どちらかを選択する必要がある場合には 推定結果の上にある Adjusted R-squared = の値をみて比較する Adjusted R-squaredの比較 Adjusted R-squaredは被説明変数のばらつき を説明する比率を示すから大きいほど良い. 例えば, GRGDP KWS を加えないケース Adjusted R-squared =.7501 加えたケース Adjusted R-squared =.8910 であれば加えたケースがより説明力があり, こちらを選択するのがよい
© Copyright 2024 ExpyDoc