コンパクトカーのボディーカラー戦略

コンパクトカーの
ボディカラー戦略
塚田ゼミナール
Eチーム
岩田
小出
小林
鈴木
田中
学
智巳
綾乃
千尋
智子
はじめに
私たちは商品を買う上で、「カラー」が与え
る影響が大きいのではないかと感じました。
そこで今回は、カラーバリエーションを全面的
にアピールしている“コンパクトカーのボディ
カラー”を例に、現代におけるカラーマーケ
ティング戦略のあり方について研究すること
にしました。
コンパクトカーとは・・・
 一般的に1500ccまでの自動車
 燃費がよい
 小回りがきき、日本の地形に合っている
 女性を中心ユーザーに注目されている
デザイン面では…
自動車産業でも、最もカラーマーケティング
の盛んな市場ではないだろうか?
第1章
自動車産業における色彩の歴史
日本人の色彩感覚の変貌
国産自動車車体色調査(98‐99年度版
JAFCA)
有彩色志向の時代
マイカー時代(1967年)の到来
自動車の保有台数1,000万台超え
1971年には2,000万台を突破する。
生活の向上・豊かさの象徴
色彩でも、他人が持っていない色
(鮮やかな色・はっきりした色など)
が好まれる。
有彩色が60%以上を占める。
1970年-71年には、有彩色が80%近く
にまで及ぶ。
しかし、ホワイト系乗用車の火付け役となった
“白いクラウン”(トヨタ自動車3代目クラウン)の
発表
国産自動車車体色調査(98‐99年度版
JAFCA)
無彩色志向の時代
上級・高級車の求められる時代(1980年代)
80年代末のバブル景気の始まり
高級・高性能
1ランク上の高級車がキーワード
色彩でも、高級・高質感をイメージさせる、ダー
クカラーやスーパーホワイト、メタリックなどが
市場に登場するようになった。
1985年~87年は、白のシェアは70%近く
に昇る。
塗装技術の向上
このような1点集中が日本市場
を支えているのではないか。
自動車産業における流行色とは?
“オートカラーアウォード”(日本流行色協会)
1999年~ 日本流行色協会による表彰制度
自動車産業の活性化とカラーデザインの向上を目的
第1回グランプリ
第2回グランプリ
しかし、車体色調査をみてもわかるよう
に、 ハリアー
トヨタ
トヨタ ヴィッツ
無彩色の割合は大きい!
流行色を提示させることは、色の認知度
を広めるための宣伝の一部にすぎない
のではないだろうか?
スーパークリングゴールドメタリック
ペールローズメタリックオパール
第2章
コンパクトカーの
ボディカラーの現状
車種のコンセプトおよびターゲットユーザー①
フィット・ミラノレッド
車種のコンセプトおよびターゲットユーザー①
フィット・アイスブルーメタリック
車種のコンセプトおよびターゲットユーザー②
マーチ・パプリカオレンジ
車種のコンセプトおよびターゲットユーザー③
ヴィッツ・ペールローズ
売上カラーランキング
1位
2位
Fit
3位
ストームシルバー サテンシルバー ブリリアント
メタリック
ホワイトパール
メタリック
売上カラーランキング
march
1位
ダイヤモンド
シルバー
2位
パプリカ
オレンジ
3位
ホワイト
パール
Vitz
1位
ペールブルー
マイカメタリック
2位
シルバー
マイカメタリック
3位
シャンパン
メタリック
ターゲットの設定

比較
車種
ターゲットユーザー
フィット
老若男女問わず幅広いユーザー
マーチ
ヴィッツ
女性ユーザーを意識している
ランキングからわかること

女性をターゲットにしていた車種であるマーチ
では2位に「パプリカオレンジ」がランクイン
しかし
しかし
無彩色がランキングを占めている
日本では無彩色が売れている
Fit
広告の現状
<キャッチフレーズ>
「誰だって個性という自分のカラーを持っている。自分らしく部屋を
コーディネートする、ファッションや持ち物にも自分らしさを表現する
ように、クルマにも。自由に、個性的に、スタイリッシュに。フィットを
自分色に染める。自分らしさが走り出す、フィット・アクセサリーズ。
街がいま、色めき立つ。」


場所によっては販売店に
ミニチュアのモデルがあ
る
テレビコマーシャルやパ
ンフレットではミラノレット
が主に使われている
2001年6月~2001年9月 2001年11月~2002年4月
2003年10月~
2003年10月~
march
<キャッチフレーズ>
「あなたらしさを表現できる12色のボディーカラー 」
「ユーザーフレンドリーを追求した、おしゃれな新世代コンパクトカー」




すべての販売店にミニチュアのモデ
ルを置いて、色を実感できる
地域によっては販売店間でネット
ワークを作り、店に希望の色がない
時は隣の販売店へ案内する
パンフレットはカラーバリエーションを
強調したカラフルなもので女性でも
見やすくなっている
それぞれの色について、どういうシー
ンでどういう人が乗っているかという
のを伝えていくようなテレビコマー
シャルをしている
Vitz
<キャッチフレーズ>
「新グレードのペアスタイルをはじめ、個性的で多彩なラインアップ。
美しいボディーカラーもたくさんご用意。選ぶ楽しさもVERY」



新聞やチラシで有彩色の車
を載せている
パンフレットはカラーバリ
エーションを強調したカラフ
ルなもので、女性でも見や
すくなっている
それぞれのカラーに合わせ
てシーンを変えている
広告の現状から言えること…
広告は有彩色・カラーバリエーションを強調している
↓なぜ強調しているのか?
<広告づくりの状況>
あらゆる人の目を
フイット ー 目立つ色を使用した
引かせるように強
広告戦略
調されている
マーチ
ターゲット・コンセプト
女性に見やすいよう
を基にした広告戦略
ヴィッツ
に強調されている
現在ではこのようにカラーを強調している
「広告」と「売上」の比較の結論
① 広告 ⇒ 有彩色・カラーバリエーションを強調している
② 売上 ⇒ 無彩色が売れている
有彩色・カラーバリエーションを強調した宣伝をして
いるにも関わらず、無彩色が売れている
有彩色・カラーバリエーションのアピール
は広告にすぎないのではないだろうか
第3章
ドイツ車と日本車の
ボディーカラー
ドイツのボディーカラー割合
白に対する意識の比較
文化・宗教の違い
個性を求めるドイツ人の特質
白物家電という言葉があるように
日本人は白に愛着を持っている
ナショナルカラー
かつてF1に参加するチームがどの国から
参加しているかを示すためのボディカラー
ドイツ
イタリア
フランス
イギリス
⇒
⇒
⇒
⇒
シルバー
赤
青
ブリティッシュ・グリーン
日本は白であった
VWのボディカラー
New Beetle
本国では基本色は
3色だが、オプショ
ンで9色ボディカ
ラーを追加するこ
とができる
ボディカラーを重要視しているのがわかる
日本人の特質
日本人は高価なものを購入する際大胆な行動
をとらず、人とかけ離れていないものを選ぶ
「個性」という言葉がよく使われるように
なったが、実際は人とまったく同じもの
は拒むが、かけ離れすぎたものも拒む
日本人の民族性な問題
自動車塗装とは
外装をいつも美しくみせる
錆びにくい状態を維持する
下塗り、中塗り、上塗りの三層構
造
下塗り~上塗りまで0.15mmく
らい
塗装技術の進歩
戦後~高度経済成長の単調なソリッド
塗装から技術革新とともにメタリック、
パール塗装の出現
塗装は進化している
クラウンにみる塗装技術の変化
1979 TOYOTA
クラウン
1983 TOYOTA クラウン
塗装技術の向上によりそれまで
出せなかった色を表現できるようになる
79年の白の方が83年の白に比べ、少し黄
色がかっているのがわかる
塗装技術の進歩
戦後~高度経済成長の単調なソリッド塗装か
ら技術革新とともにメタリック、パール塗装の
出現
塗装は進化している
ボディカラーにとって重要な要素!
まとめ
今後の課題
無彩色志向が強い傾向
・日本のボディカラーの割合
シルバー
・コンパクトカー売上上位の色彩
白
Vitz
1
2
3
March
1
2
3
Fit
1
2
3
ボディカラーと購入年層の関係
しかし中高年層も購入する
購入者
老若男女とはず幅広い年代
1番の魅力が価格である!!
そのため価格を求める消費者は
有彩色の購入者は女性・若者が多い
たいした戦略仕掛ける必要はない
無彩色の購入者は中高年男性が中心である
コンパクトカーのカラーバリエーショ
ンターゲットは女性である
ボディカラー戦略をする理由
火付け役のVITZを販売するTOYOTAは
自社で軽自動車を製造していない
VITZがヒットしたため他社も
両者はコンセプトが似ている
この分野で独占させないように
ボディカラー戦略を始め激化したのだ!!
軽自動車のシェアを奪うためにカラーバリエー
ション戦略を行ったのではないのだろうか
もともと欧州戦略車だったためカラーが設
定」しやすかった
デザインにあったボディカラー
VITZの登場により
それまでなかったピンクの
割合が増えた
流行色や周りのヒット製品に影響を受けすぎず
自社製品にあったボディカラーを設定すべきで
ある
日本人にあったボディカラーの設定
日本には、赤なら赤・朱・紅のように
微妙な色がある
無彩色の微妙な差を付けたボディカラーを
設定するのはどうだろうか!
日本人は微妙な色の差を好む
自動車では無彩色を好む

マーチでは2位に「パプリカオレンジ」がランクイン
無彩色がランキングを占めているが食材をイメージ
した5色は支持を受け40%売上を占めている
結論
流行色に流されず、しっかりとしたコンセ
プトをかかげ、それにあったボディカラー
を設定し、プロモーションをすれば、色彩
能力が優れている日本人には理解され
るのではないだろうか