[Last Update 2012/02/29] 建築環境工学・建築設備工学入門 <基礎編> 1-4-4 冷媒回路のしくみ<ヒートポンプを分解すると> ヒートポンプは熱をくみ上げ、移動させる 暖房時 2つの、非常に基本的な物理現象を利用しているだけ 基本 原理 その1 気体の圧縮・膨張で、温度差を作る 気体は 圧縮すると温度が上がる 膨張すると温度が下がる 基本 原理 その2 温度差のあるものを接触させ、熱を移動 0℃ 0℃ 0℃ 50℃ 0℃ -20℃ ヒートポンプの冷媒回路 室内機 室外機 室内機と室外機が配管でつないである ヒートポンプの冷媒回路 室内機 室外機 室内機と室外機が配管でつないである 熱を伝える物体「冷媒」が循環している ヒートポンプの冷媒回路 冷房時 室内機 室外機 「冷媒」は液体・気体と姿をかえながら熱を運ぶ 「冷媒」 気体←→液体 変化と熱のやりとり 熱を加えると、液体は気体になる 「冷媒」の形態変化と熱のやりとり 熱を放出して、気体は液体になる ヒートポンプ内部での「冷媒」のようす 液体・気体と姿をかえながら熱を運ぶ 冷房時 冷媒の温度変化・熱のやりとり 4つの場面 冷房時 2 凝縮 3 膨張 膨張弁 熱交換器 室外機 室内機 熱交換器 圧縮機 1 圧縮 4 蒸発 室外機>圧縮機で「圧縮」 冷房時 1 圧縮 高温・高圧の気体 低温・低圧の気体 冷媒はここで 低温・低圧の気体→高温・高圧の気体 になる 室外機>圧縮機で「圧縮」 冷房時 1 圧縮 圧縮機 気体の冷媒を圧縮するこ とで圧力と温度が上がる。 高温・高圧の気体 低温・低圧の気体 日常生活に見る 「圧縮」 空気入れで圧縮すると、タイヤ内の空気の圧力と温度が上 がる。 室外機>熱交換器で「凝縮」 冷房時 2 凝縮 中温・高圧の液体 高温・高圧の気体 冷媒はここで、室外へ熱を放出し 高温・高圧の気体→中温・高圧の液体 になる 室外機>熱交換器で「凝縮」 冷房時 2 凝縮 中温・高圧の液体 熱交換器(室外機) 高温で気体の冷媒が外 気と熱交換をして高温の 液体になり凝縮熱を放熱 する。圧力が高いので温 度が高くても沸騰せず、 冷媒は液体のまま。 高温・高圧の気体 日常生活に見る 「凝縮」 空気中の水分が冷たいコップに冷やされて水滴となって表 面につく。 圧力鍋では圧力が加わり、高温でも沸騰せず、液体のまま。 室内機>膨張弁で「膨張」 冷房時 3 膨張 低温・低圧の液体 中温・高圧の液体 冷媒はここで 中温・高圧の液体→低温・低圧の液体 蒸発はじまる 室内機>膨張弁で「膨張」 冷房時 3 膨張 中温・高圧の液体 膨張弁 低温・低圧の液体 液体の冷媒の一部が膨 張することで、温度が下 がる。 スプレーを連続噴出すると内部の圧力が減圧され冷たくなる。 日常生活に見る 「膨張」 膨張弁は水道栓と同じ。上流側は圧力が高いが、下流側は 低くなる。 室内機>熱交換器で「蒸発」 4 蒸発 冷房時 低温・低圧の液体 低温・低圧の気体 冷媒はここで、室内から熱を奪い 低温・低圧の液体→低温・低圧の気体 になる 室内機>熱交換器で「蒸発」 冷房時 4 蒸発 低温・低圧の液体 熱交換器(室内側) 液体の冷媒が空気と熱 交換をして、蒸発熱を 奪って気体になる。 低温・低圧の気体 日常生活に見る 「蒸発」 注射などでアルコール消毒をする時、アルコールが蒸発して 皮膚の熱を奪い涼しくなる。 「冷媒」も蒸発しやすい液体である。 ヒートポンプはこのサイクルを繰り返している 2 凝縮 1 圧縮 冷房時 3 膨張 4 蒸発 発 行 社団法人 空気調和・衛生工学会 (SHASE: The Society of Heating, Air Conditioning and Sanitary Engineers of Japan)
© Copyright 2024 ExpyDoc