START式トリアージ 紋別地区消防組合消防署興部支署 大井雅博 トリアージとは 災害発生時など多数の傷病者が同時に発 生した場合、傷病者の緊急度や重症度に 応じて適切な処置や搬送を行うために傷 病者の治療優先順位を決定することをい う。 トリアージの由来 フランス語のTrier(選別する)が語源 羊毛の品質をクラス分けするのに用いた 言葉といわれる コーヒー豆の選別作業時に使われたとも トリアージの原則 一人で行う(トリアージオフィサー) 一人の傷病者に対して60秒以内に行う 治療は行わない〜2つの例外 気道の確保 外出血の止血 トリアージの留意点 「近い者」「騒がしい者」から始めない 重症者は歩かない、話さない、中にいる 繰り返し行い再評価する トリアージが必要な時とは? 多数の傷病者が同時に発生したとき 例えば… 列車事故や大型観光バスの事故など しかし、そんな大事故は滅多に起 きない 対応能力とトリアージ だが、自らの対応能力を超えた状況には しばしば遭遇する 例えば… ワゴン車とRV車の衝突事故 →重症2名、中等症1名、軽症3名 トリアージが必要となる START式トリアージ Simple Triage and Rapid Treatmentの略。多 数の傷病者を少数の救助者が短時間にトリ アージする方法として高い評価を得ている。 START式トリアージ 簡単な医学的訓練のみで実施可能 〜一般医、看護師、救急救命士など 呼吸、循環、意識レベルの3項目で評価 2種類にしか分けない(スクリーニング) 〜緊急治療群か非緊急治療群か STEP 1(呼吸の評価) 呼吸が30回以上か努力性の場合 →赤タッグ(緊急治療群) 30回未満ならSTEP 2へ 気道を確保しても呼吸を認めなければ →黒タッグ(死亡) 10回以下も赤タッグとすることもある STEP 2(循環の評価) 橈骨動脈で脈を触知するか 触知しない→赤タッグ(緊急治療群) 触知する→STEP 3へ Blanch test(毛細血管再充血時間)を用いて もよい。しかし、寒冷環境では不向き STEP 3(意識レベルの評価) 簡単な命令に従うか 従命なし→赤タッグ(緊急治療群) 従命あり 歩けない傷病者→黄タッグ(準緊急) 歩ける傷病者→緑タッグ(軽症群) 最初に歩行可能かどうかで軽症群を分け てもよい
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