知的財産権

3.工業所有権の内容
3.1 特許権

新規性・進歩性があり、技術社会に寄与す
ると同時に、産業上利用できる発明を社会
に開示する代償として、一定期間(出願日か
ら20年間)に限って、独占排他的に、発明を
実施する権利
医薬品の場合は、医事厚生上の法規制により製造販売の
許認可に長期間を要し、発明実施が2年以上できなかった
場合、5年を限度として「特許権存続期間の延長」が可能。
3.1.1 発明とは…
発明とは、自然法則を利用した「高度」の
技術的思想の創作
 発明のうち「産業上の利用性」のあるもの
に限って特許が与えられる。
 発明の種類には、具体的な「物の発明」と、
製造方法、処理方法など「方法の発明」が
ある。

以下については、特許がとれるか?
音楽機器と演奏方法
 ゲーム器とゲームの攻略方法
 新規性のある性能の良い旋盤
 新規の分子状態の発見
 新しい暗号の作成方法
 数学上の新しい問題の解法
 10%程度の確率で非常に滑らかな表面
仕上げができる研磨機

3.1.2 積極的特許要件
その創作が発明であること
 新規性と進歩性を有しているか
 産業上、利用されうるものか

(1)新規性ということ
新規性がないもの
公知発明 日本国内で公然と知られた発明
 公用発明 公然と実施された発明
 文献公知発明 日本国内または外国で頒布さ
れた刊行物に記載された発明

(注)発明をしても、特許出願する前に自ら公表すると、原則として特
許は受けられない。(例外あり)
(2)進歩性があるということ
特許出願時の技術水準に比較して、その
技術が技術水準に属さないだけでなく、そ
の技術基準より自明でないもの
 容易に思い付ける(容易想到)かどうかは、
その発明に関する技術分野で通常の知識
を持っている人を標準として判断。
 公知公用技術の寄せ集めや他分野の置
換や転用は認められない。

3.1.3 消極的特許要件
公序良俗、公衆衛生を害するおそれのあ
る発明
 原子核変換の方法で製造される物質の発
明

(以下は、現在、消極的特許要件とはならない)



飲食物または嗜好物の発明
医薬
化学的方法によって製造される物質の製造